花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

5月に入り、フロント部門での研修が始まった。
憧れのフロントの制服に身を包み、心機一転気合を入れ直したあたし。
そして、今月からは、『非日常』をテーマとした、上流階級の宿泊者向けのアクティビティを具体化していくことになった。
そのうちの1つは、外国人向けの『和』のアクティビティ。



あたしは、先日、初めて道明寺HDの司さんの執務室を訪れた。
今回の海外セレブ向けの企画について、そろそろ動き出したいということで、司さんの時間が取れるのがお昼だけだったから、あたしはフロントの制服のまま、道明寺HD日本支社ビルに向かった。
マンションで話をすれば済むことかも知れないけれど、周囲の人たちはあたし達の関係は知らない訳で、司さんが、メープルの新入社員であるあたしを直接指導していることをアピールするためにも、執務室で話をする方がいいんだとかなんとか。
なんとなく、無理やり呼び出された感じだったけれど、直属の上司の命令なんだから、従わざるを得ない。
ビジネスマンが闊歩する中、メープルの制服を着たまま、道明寺HDの受付で名前を言うのはすごく恥ずかしかった。さすがに華やかな受付の女性たちも、あたしが支社長とアポがあるなんて、信じていない風で、秘書室へ確認の電話を入れていた。すると、西田さんが、ロビーまで迎えに来てくれて、やっとのことで執務室まで到着したときには、どっと気疲れしてた。


西田さんに「お待ちしておりました。」とちょっとだけ笑われながら、執務室をノック。
ノックに対する返事はない。
西田さんを見ると、慣れているようで、そのままそーっとドアを開けた。
一歩中に入ると、そこは・・。ホテルのスイートルームみたい。
大きな窓からは、東京が一望できちゃう。
そして、奥には、マホガニーの大きな机で書類に目を通す司さん。
書類とPC画面を確認しながら、鋭い目つき。
その姿が、なんだか様になっていて・・カッコイイ・・

なーんて思っていたら、司さんが、急にぱっと顔を上げた。
「西田、これ、やり直しさせろ、全く使えねぇ!・・・って、牧野・・?」
あたしを確認したとたん、いつもの司さんの表情だ。

「お前、時間早くね?」
「ごっ、ごめんなさい。西田さんが、お昼一緒にどうですかって言ってくれたから・・。あっ・・。外で、待ってるね。」
「ちょっと待て。」
慌てて出て行こうとするあたしを、司さんが呼び止めた。
「もうちょいだけかかるから、そこのソファで、先に資料見といて。」
そういって、あたしの頭をポンポンと軽く叩いて、ソファへ誘導した。
西田さんが、資料を持ってきてくれて、あたしは豪華な応接セットの一角で、資料に目を通すことになった。

本当に、仕事をしている司さんは別人みたい。
ビジネスにおいては、世界の最前線を走っている人。
そんな人が、あたしの指導をしてくれるなんて、すごく光栄なことだよね。

もう一度ちらっと司さんを見ると、司さんと目が合ってしまった。
あわわ。だめだめ。集中!うっ、うん!

あたしは、咳払いを一つして、資料に集中を試みた。
資料の中身は、西門総二郎先生の経歴。
今後、まずは茶道について、この西門先生にご協力を仰ぐことになるようだ。
それから、あたしのプランの修正点が細かく書かれた資料があった。
一番の問題である、コスト面について、司さんの計算が書かれている。
本当に、勉強になる。
やっぱり、あたしなんかの計画とは全く違う・・。
深い。実際、そうでなきゃ、ビジネス何てできないんだと思う。
当たり前のことなんだけど、司さんの凄さを再認識して、自分の無力さを思い知る。
はぁ、あたしはいつになったら、司さんの恋人として堂々と隣を歩けるんだろうな・・。


資料を眺めていたあたしの傍に、いつの間にか司さんがやってきていた。
「フロントの制服、似合ってんじゃん。」
そう言って、あたしの隣に座る。
気が付けば目の前には、サンドイッチとオレンジジュースが置かれていた。

司さんがこの制服を見るのは初めて。
メープルフロントの制服は、黒のスーツにゴールドのネームプレート。
首元には、CAかっていうような、スカーフ。
憧れの制服に袖を通すことができて、何となく、自分が誇らしい。
「えへへ。似合ってる?」

「めちゃくちゃ可愛い。」
そう言って、チュッと司さんからのキス。
可愛いとかそういうことじゃなくて、ホテルウーマンにとしてどうかってことが聞きたいのに・・。
軽く司さんを睨んでも、全然効果が無い。
軽いキスが、深くキスに変わっていく。
って、あれっ・・この流れは・・変・・・
「うっ・・うん・・はぁ・・・」
唇が離れたとたんに、スカーフが取られて、首筋に吸い付かれた。

「あっ・・」
司さん、その手?何?どこ触ってんの?
司さんの手を止めようとするけど、なんだか力が入らない。
虚ろな目で見上げれば、
「スカーフっていいな。いくらでもマーキングできる。」
司さんがニヤッと笑った。

はっと我に返るあたし。

ゴイーン!!

「いってーなっ!殴るなっ!」
「こっ、ここは神聖なる執務室でしょっ。」
「何が、神聖なるだよ。馬鹿か。俺の部屋だろ。誰に文句言われる筋合いもねぇよ。」
「そっ、そーいうことは、相手の同意が必要でしょっ。」
「なんだよ、いつもベッドでOKしてくれてんだろ?」
「うがーっ。何を言うかっ。TPOを弁えなさいっ!」
「ったく、かてぇな。」
「仕事中はダメ。絶対にダメ。それにね、この制服は絶対に汚しちゃダメっ!」
司さんを睨みつけて、あたしはスカーフをもう一度巻いた。

「お前はどんだけメープルを崇拝してんだ。」
司さんは小さな溜息をつきながら笑った。


ったくぅ。さっきまでのカッコよさはどこに行っちゃったのよ?
ばっと、司さんから離れて、向かい側のソファに座り直した。
それから、新しく企画してきたもう一つの企画書を司さんに手渡す。

「なんだよ、これ。」
「この夏に、メープルの宿泊客全体に提案するアクティビティの一つです。」
パラパラと資料をめくる司さん。

「美作夢子?」
「はい。美作商事の社長夫人で、有名な料理研究家です。」
「そうだった・・か・・。」
「支社長、ご存知でした?」
「あぁ、まぁ・・な。」

あたしが国内宿泊客も含めて、この夏に提案したい企画。
それが、美作夢子先生による、「母娘のための料理教室」。
夢子先生は、ラブリーな衣装でカラフルな料理を作ることで有名。
美作booksからのみ、その料理本が出版されているけれど、多くは謎。
メディアに登場することは少ないけれど、美作社長が時々アップするブログで人気に火が付いた。
あたしが、The Classicで美作社長と仲良くなったのも、このブログがきっかけ。
美作社長って、凄い愛妻家。
奥様のお料理とか、ブログに乗せちゃうんだものね。
そんな夢子先生から、お料理を教わるという企画。
今までに料理なんかしたことのない上流階級の母娘であっても、きっと興味を抱くはず。


「夢子先生には、少し前からアポイントを取っていまして、前向きに御検討いただいています。」
「そうなのか?」
「はい。」
「けど、お前、美作社長に見合いを申し込まれてるんじゃねぇの?」
「それはとっくにお断りしていますし。今回の件とは全く関係ありません。」

しばらく黙っていた司さんが、
「キッチンスペースが問題だな。いくつか案を考えてくれ。」
と指示を出した。

「それから、一応言っとくけど、西門総二郎と美作商事の息子は、俺の幼なじみだ。」
「えっ?」
「美作の息子は美作あきら。美作商事の専務だ。」
「そうなんですか。」
「だから、あの母ちゃんも知ってる。けど、あの人、先生って柄じゃねぇけどな。あの料理って、美味いんか・・?」
司さんがブツブツ呟いている。

それから顔を上げて、
「総二郎も、あきらも、俺とはガキの頃からの付き合いだ。だから、お前との関係、話してもいいよな?」
何て言う。
「え?何で?そんなのだめだよ。仕事なのに。そりゃ、西門先生にお会いできるのは、司さんの力があってこそなんだけどさ。それ以上は、やっぱり自分の力で頑張りたいもん。司さんと付き合っているっていう先入観はもって欲しくない。」
「なんだよそれ。」
司さんの意見を却下したあたしに、不機嫌になる司さん。
でも、あたし達の関係なんて、ビジネスには関係ないじゃない?
要するに、プランが魅了的かどうか、でしょ?

「は~。なんか心配なんだよな。お前はムホホ地帯だしよ。あいつらは・・。」
「ムホホって、何?あいつらって?」
「いや、こっちの話。」
「ねぇ、もしかして、その人たちってF4のメンバー?」
司さんが驚いた顔をした。

「やっぱりそうなんだ。あたし、F4って知らなかったんだけど、入社式の時、司さんを見てみんなが言ってた。なんか、神のレベルなんでしょ?」
「・・・。」
「みんな、良い人なんだよね?」
「あぁ・・まぁ・・な。」
「それに、F4のリーダーは司さんなんでしょう?」
「おっ、おう。」
「じゃあ、心配いらないよね?F4は、信頼できる人達なんだよね?」
「・・・。」

何故か、司さんが黙ってる。
今更、高校時代のアイドルグループになんて興味ないけど、仕事は是非とも、成功させたい。
まずは、西門先生へのプレゼンテーションをクリアしなくちゃ!!
やっぱり、F4について、もう少し知っておいた方がいいかしら・・ね?



 

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  1. 続・俺の女
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは~!

  1. 2017/03/08(水) 22:24:18 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
今日も、頑張って書くぞ~!お~!
ついに、ついに、明日は総二郎君です(笑)。

悠●様
office loveですね。そっちですね。なかなか難しいですよねぇ。西田さんいるしね(笑)。

スリ●様
明日はついに、総二郎君出てきます。私も、司が二人にいじられるの好き。でも、今回はどうしようかなぁ。やっぱり、それは外せないかな?いや~、ホント、やる気が沸かず、貯金が・・切れそう・・(涙)。脱線しちゃうかも知れません・・。えへ。

さと●様
相変わらずの面白さ。今日も笑わせていただきました。
あばれはっちゃく・・(爆笑)。久しぶりに聞きました。

ま●様
いいの?神聖なる執務室で??(笑)
いや~、いつ西田さんが入って来るかと思うと、つくしじゃなくて、私がドキドキする。せめて、鍵はかけてくれ・・・。


では、明日もAM5:00に!
ホワイトデーも近いんですね。頭に何も浮かびません・・。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/08(水) 16:35:05 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/03/08(水) 07:22:33 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/03/08(水) 06:37:34 |
  2. |
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