花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

着物を脱ぎ、下着にガウン一枚羽織っただけのあたし。
着替えをしようとしていたのに、司さんにバスルームへ連行された。
無言で、ガウンのを脱がせようとする司さんの手を、直前で止めた。
あわわ・・危うく流されるところだった。

「何するのっ!?」
「何って、脱がしてんだろ?」
「なんでよっ!」
そう言って、ガウンの合わせを抑えたあたしに、司さんが鋭い視線を向けた。

「お前、総二郎となんかあった?」
「はぁ?」
急に、何を言うのよ。
何にもないに決まってんでしょ?

じろっと司さんに睨まれる。
「何それ、あたしを信用してないの?」
あたしも司さんを睨み返す。
どうして、急に怒るのよっ!
「でも、お前、わずかに総二郎の匂いがした。初めは香炉の香りかと思ったが、そうじゃねぇだろ?」
「そんな訳・・あっ・・」
そう言えば、コケそうになって、西門先生に助けられた。
思いっきり抱き付く感じになっちゃったけど、でも、あれは、一瞬のことで・・

思い当たる節があるあたしだったけど、別に疚しいことなんて無い。
「転びそうになって、西門先生に助けてもらった。でも、本当にそれだけだよ。何も疚しいことなんてない。」
そう反論したけど、次の瞬間には、再び司さんに口を塞がれていた。
「ウッ、ウッー!」
大きな手で頭を押さえられているあたしは、司さんの唇から逃げることが出来ない。
司さんの胸を押し返そうとしても、ビクともしない。
圧倒的な力の差。
これが男女の差。

息が苦しくなって、抵抗もできなくなった頃に、ゆっくりと司さんの唇が離れた。
彼を怒ろうと思ったけど、あたしに向ける視線は切なげで・・。
「お前が何とも思ってなくたって、これぐらいのこと、男ならできんだよ。頼む。ちょっとは、危機管理してくれよ。俺の心臓がもたねぇ。」

こんな司さんを初めてみた・・。
あたしが彼を不安にさせているのかと思うと、申し訳ない気持ちになる。
あたしの危機管理が甘い?
そんなこと考えたことも無かった。
確かに、男の人の力をもってすれば、何があってもおかしくはないのかもしれないけど、でも、あたしに限っては、大丈夫だと思うんだけどな。

「あのさ。前から思ってるけど、司さん、心配し過ぎだよ。大丈夫だよ。そんなに、心配しないで。」
「とか言って、メープルの同期にコクられてたのはお前だろ?」
「うっ。」
「今日だって、総二郎に誘われてただろ?」
「あれは、違うでしょ?」
「それでもだ。俺は心配だ。そんで、もし、お前に何かあったら、きっと相手の男を許さねぇよ。」
「許さないって・・」

あたしだって、どうしたらいいか分からないよ。
困惑したあたしを見て、司さんがあたしから視線を外した。
「わりぃ。言い過ぎた。でも、覚えといてくれ。俺は、お前に何かあったら生きていけねぇし、お前が俺の前からいなくなったとしても、地獄まででも探しに行くからな。お前は、もう、俺から逃げらんねぇよ。」

一体この人は何を言うのか。
誰が、逃げるって言ったのよ。
たかが西門先生が選んだ着物を着ただけで、どうしてそうなるの?

「もしかして・・西門先生に嫉妬してるの・・?」
司さんがかっと目を見開いて、あたしを見る。
そして、その頬が少し赤くなって、それから司さんが手のひらで目を覆った。
「そーだよっ、わりぃかよっ。」
そう言って、ぷいっと横を向いてしまう。

「ぷっ、可愛い。」
思わず、吹き出しちゃったあたし。
だって、こんな大男が、嫉妬とか・・信じられないでしょ?
いつもは自信満々だし、仕事だって隙が無い、そんな人が、どうして不安になるのか分かんない。
でも、そんな彼のことが本当に愛おしいと思う。
あたしは、間違いなく、彼のことが好きだ。


「シャワー浴びてきたらいいの?」
そう言ったあたしに、コクリと頷く司さん。
「分かったから、あっち行ってて。」
そう言うのに出て行かないで、自分も服を脱ぎだした。

「ちょっとまってよ。どうして、司さんが脱ぐの?」
「俺も入るからだろ?」
「俺もって・・そんなの嫌。困る。」

相変わらず、彼はあたしの話なんて聞いてない。
あっという間に服を抜いて、先にシャワールームへ入っちゃった。
一緒にお風呂とか、入ったことないし・・けど、ここで逃げる訳にもいかないし・・
仕方なく、ガウンを脱いで、あたしもシャワールームへ入った。
熱い湯気が充満したシャワールーム。
先に入った司さんはもう、全身濡れている。
あたしが入ると腕を引かれ、一緒に熱いお湯を浴びた。
湯気のおかげで恥ずかしさはいくらかマシだ。
司さんがあたしの髪を洗う。
それから、あたしの体も洗ってくれて、あたしは文句を言うこともなく、ただただ司さんに身を任せた。
全身の泡をシャワーで流されたら、バスタブに入れられて、司さんの前に座らされた。
後ろから司さんの手が伸びてくる。

「あったかくて、気持ちいいね。」
「ああ、そうだな。」
「仕事・・大丈夫なの?」
「やべぇな。」
「もうっ!早く行きなさい!」

「なぁ。お前に言っておきたいことがある。」
「なーに?」
司さんの手のひらと自分の手のひらを合わせて、大きさの違いを確認をしながら答える。
「お前、勘違いしてるけど、F4も俺も、別にいい人って訳じゃない。総二郎は昔から女にだらしねぇとこあるし、俺は、逆に女を見下してた。」
「・・。」
「総二郎にしても、俺にしても、女に本気になることなんて無かったんだ。でも、俺はお前に出会った。お前に惹かれて、初めて、女を大切にしたいと思った。」
「そう・・なんだ。」
「はっきり言って、お前以外の女なんて全く眼中にない。お前だけが特別なんだ。」
そう言って、司さんがあたしの指に自分の指を絡めた。

それはどういうこと?
これは喜ぶべきところなの?
よく、分かんないよ・・

「それは・・・ありがとうございます?」
「なんで疑問形だよ。」
「だって、意味が分からないんだもん。あのさ、別にあたしは、司さんの過去とか、気にしないよ?今は、あたしのことが好きだって言う気持ちも疑ってない。だから、そんなこと言わなくても大丈夫だよ。」
「俺がいいたいのは、俺はお前だから、優しくできるんであって、他の奴になんか優しくない。出来た人間じゃねぇんだよ。だから、俺はお前が思ってるようないい男じゃない。」
「う・・ん。」
本当はよく理解できてないけど・・

「それを知って、お前が俺をどう思うかはよく分かんねぇけど。でも、今後何があっても、俺はお前を手放すつもりは無いから。」
後ろからぎゅーっと抱きしめられる。
「うん。別に、手放してもらおうなんて思ってないし。」
「本当だな?」
「うん。」

「ほら、そろそろ、行かなくていいの?時間でしょ?」
はぁ~と司さんの溜息が聞こえる。
「ご飯準備しとくから。ここのシェフとお友達になったんだぁ。あのお茶碗にご飯入れてもらうようにお願いしなきゃ。今日は、ここで待ってるから・・ね?」
「今夜は、覚悟しとけよ?」
「はいはい。でも、明日は仕事あるから、ほどほどにお願いします。」
「初めからやる気ねぇこと言うな。」
「だって、本当に明日は早いんだもん。」


あたしはゆっくりと振り向いて、司さんの首に腕を回した。
司さんが何を伝えたいのかはっきりわかった訳じゃない。
でも、あたしは、今の司さんを信じてるし。
あたしのことも信じて欲しいと思う。

ありったけの想いを込めてキスをした。
あたしの気持ちが、少しでも伝わってくれますように・・・。



*****



「司に女~?!マジかよっ!?」
あきらが、カクテルを吹き出した。
汚ねぇなっ。
「大マジ。」
「で、どこの令嬢だよ。」
「素性はよく分かんねぇんだよな。東京メープルの社員。」
「あいつ、社員に手ぇだしてんのかよ。アホだな。これだから、素人は。後々、面倒だろーが。」
「だよな。でも、あいつ、そうとうもってかれちまってるぜ。骨抜き。」
「あの司が・・なんか、恐ぇな。」
あきらの気持ちも分かる。
どう考えても、一生ドーテー街道まっしぐらだった男が、急に女に目覚めたんだ。
なんかちょっと恐ぇよな。

「あぁ、そう言えば、相手の子。入社式で、司と報道されてたぜ。司が直で指導してる新人らしい。」
「ん?それって、牧野とかいう女?」
「なんだよ、あきら、知ってたのかよ。」
「いや、その女、俺のオヤジも気に入ってるらしい。たぶん、メープルのBarでバイトしてた女だ。俺に会わせたいとかって、お袋と話てた。今度うちに連れて来いとか、お袋が張り切ってたから。」
「見合いかよ?」
「さぁ。よく分かんねぇけど。で、確か、来週あたり、うちに来るんだったと思うぜ。」
「マジかよ。お前と司の修羅場とか勘弁だぜ。」
「いや、それは見合いじゃなくて、なんでも、お袋に相談があるとかで、東京メープルの牧野さんがくるから、家にいろとか言われたな。」
「なんだ、そりゃ。」
「分かんねぇ。」


「そういや、あきら、お前、桜子とどうなってんだ?」
「まぁ、相変わらずだな。あいつも何考えてっか分かんねぇし。」
「お前にとって、都合のいい女か・・。」
「そーいう訳じゃねぇんだけどな。どっちかっつーと、あいつにとって、俺が都合のいい男なんじゃねぇかな。」
「どーいう意味だよ。」
「あいつの過去知ってんだろ?」
「司か?」
「あぁ。」
「あいつが、俺がマダムと付き合う隠れ蓑として、俺の恋人の振りしてんのは、いつか司と会えると思ってるからだろ。」
「そうなのか?」
「見てりゃ分かる。」

しばらく、沈黙が流れた。
「司は、牧野しか見えてねぇよ。よく考えろよ。あの年まで、女に興味なんてなかった男なんだぜ?今さら、桜子になびく訳ねぇだろ。」
そう言った俺に、あきらも辛そうに眉根を寄せた。


世間では、あきらと桜子は恋人関係だと言われている。
家がからんだ付き合いではないから、きっとあきらの両親は知らないのかもしれないが、あきらは主要なパーティーには桜子を同伴していた。
その陰で、あきらはマダムと付き合っていたり、桜子にしても適当な男と遊んでいるようだ。

俺たちは、互いの恋愛事に踏み込んだりはしない。
けど、俺は長年の付き合いで感じるものがあった。
あきらは、桜子を気に入っている。
例え、桜子があきらをダシにして、司に会いたいんだとしてもだ。
あきらがマダムたちと未だ付き合ってるのも、結局は桜子への当てつけの様なもんだ。
ったく、この俺からすりゃ、あきらだって司のこと言えねぇよ。
一人の女にトチ狂ってる。


「それでも、そろそろ1回ぐらい会わせようかと思ってたんだよ。それで、桜子も気が済むだろ。」
「はぁ~、メンドクセェことになったな・・。大体司が、桜子に会う訳ねぇよ。」
俺が、ソファの背もたれに大きく倒れ込んだ時、背後から女の声が聞こえた。


「道明寺さんに、恋人がいると言うのは本当ですの?」
俺たちが振り返った先には、こっちに睨むような視線を向けている女。

「「桜子・・」」
俺とあきらは同時に息を飲んだ。



 

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いつも応援ありがとうございます。
明日・明後日は「続・俺の女」を中断して、「魔法のリキュール」の予定です。
時間はAM5:00です。
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  1. 続・俺の女
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは(^^)

  1. 2017/03/17(金) 22:01:46 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの応援をありがとうございます!
さっ、桜子だしちゃった・・。ここからの展開が・・まぁ、自己満足の世界かな・・。

悠●様
滋かぁ。今のところほぼない・・かな。先は分かりませんが。というか、モチベーションが・・やばいです。

スリ●様
桜子の虐めっぷり(笑)。原作はヒドイですよねぇ。こちらは・・えっ?そうなのっ?って感じかも・・。

さと●様
キャラがいっぱい出過ぎて、わけわかんなくなってきました(笑)。もう、この際、あと1話で全員集合して終わりとか・・逃げちゃいたい。

さてさて、明日は・・
AM 5:00に『魔法のリキュール』の続きです。
こちらは、リキュールどうなった?って感じでヤバいです。

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  1. 2017/03/17(金) 09:47:29 |
  2. |
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  1. 2017/03/17(金) 07:56:02 |
  2. |
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  1. 2017/03/17(金) 06:06:43 |
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