花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

あきら君目線のお話になります。
***




親父とお袋に頼まれて、今日は午後から、「東京メープルの牧野さん」の接待をしろと言われていた。
総二郎から話は聞いていたから、「牧野が司の女」だということは、十分に分かっていた。
俺からしたら、そんなややこしそうな接待なんてブッチしても良かったんだが、心のどこかで、「司の女」を見てみたいと言う好奇心があった。

総二郎の話では、お嬢ではなく、パンピーだという。
そんな女に司が入れ込んでいる?
しかも、あの総二郎が、女を尻軽扱いせずに、「地味だけど、イイ女だぜ。」なんて評した。
一体どんな女なんだ。

実際に会った牧野は、総二郎の言っている意味が分かるような、地味な印象。
けれど、表情が豊かで面白い。
つい、話かけたくなるような女だ。
お袋の言動に心底戸惑っている表情も面白かったし、俺とのことを条件に挙げられれば、本気で焦っているのも丸わかりだった。
落ち着きはないが、クルクルと変わる表情が可愛い印象だ。
これが、「司のタイプ」か・・。
ま、ぶっちゃけ、俺のタイプではねぇな。

話の流れから、桜子を呼ぶことになった。
俺はこの時、深くは考えていなかった。
どうせ、桜子は牧野のことを知らねぇんだから、問題ないだろうと・・




カチャリとドアが開く音がして、桜子がリビングに入ってきた。
「おば様、ご無沙汰しております。あきらさん、こんにちは。」
そう言って、優雅に挨拶をする。
シフォンのスカートにシルクのブラウス。
繊細な編み目模様の施されたピンクの羽織。
お袋のツボを心得てるな。
今日は、柔らかめのメイクをしている。
相変わらず、完璧だ。


桜子は、世間では俺の恋人と噂されているが、実際のところはそうじゃない。
大学時代に、いつの間にか俺たちF3に近づいてきた。
どういうきっかけだったかは忘れたが、俺が年上の女とのデートで揉めた時には、桜子が何かと助けてくれるようになった。
今では、様々なパーティーのパートナーに、俺は桜子を指名する。
彼女も特に嫌がってはいない。
かといって、俺に興味があるような素振りもない。
体の関係は・・・ある。
それは不思議と、俺が仕事で疲れた時だったり、気分的に落ちている時だったりするんだよな。
桜子を抱くと、面倒くさいことを忘れられる。
俺は、何度も桜子に助けられているのを自覚している。

桜子は、過去に、司の暴言のせいで人間不信に陥って、顔面整形を繰り返した過去がある。
こいつとっては、司が初恋だったんだろうな。
こいつが俺に近づいたのは、いつかは司に会って、今の自分を認めさせたいと思っているからじゃねぇかと思う。
決して本人がそう言った訳ではないが、恐らく・・そうなんだろう。
じゃなきゃ、なんで俺との関係を続けてるのか理由が分からない。

そんな利害が一致して、俺たちは、互いに割り切った関係ってやつを貫いていた。


俺が初めに桜子に抱いた感情は、同情だったかもしれない。
けれど、少しずつ桜子の細かい気遣いや女らしさに魅せられて、いつの間にか惹かれていた。
気遣いができる女なんだ。本当に。
いろんな面で細かいことが気になる性分の俺に、深い安らぎを与えてくれる女。
年上の女との付き合いは、それはそれで楽な部分も多いが、それでも自分が背伸びをしない訳ではなかった。
桜子は、俺がが背伸びなんかすることなく、等身大の自分として付き合える女だった。
可愛くないところが多いが、自分が傷ついた過去がある分、人の痛みにも敏感だ。
俺が疲れた時には、必ずと言っていいほどのグッドタイミングで携帯が鳴る。
そして、互いの肌を合わせる。
体の相性は、今まで付き合ったどんな年上のテクを持った女よりもいい。


俺たちの割り切った関係。
俺が本気になったところで、どうしようもない関係。
桜子自身が俺のことをコマとしか思っていない以上、俺が動くことはない。
ただ、彼女を見守っているだけだ。
本当は、俺はもうマダムたちとなんかとっく切れているが、それをこいつに伝えたことはない。
俺の本気は、桜子にとっちゃ迷惑な話だろうしな。
俺の気持ちを知れば、こいつは逃げていくかもな。
だって、桜子は、今でも司が好きなんだ・・たぶん・・いや、きっと。




「桜子ちゃん、本当に久しぶりねっ!元気にしてた?」
きゃーっと騒ぐお袋。
お袋もオヤジも、桜子のことは以前から知っている。
俺がパーティーに同伴している女ということで、何度か家に来たこともあったから。
二人は、俺と桜子のことは、英徳大学の先輩・後輩の関係だと思っている。
俺が桜子をそう紹介したから。
まぁ、それが今の俺たちの関係の全てではあるが・・。


「桜子ちゃん、こちらはね、東京メープルの牧野さん。」
「牧野です。どうぞよろしくお願いいたします。」
牧野が名刺を差し出すと、桜子が受け取った。

「牧野・・つくしさん。先日、メープルでお会いしましたわね?」
「はい。」
「近いうちにお会いできると思っていました。」

俺は衝撃を受けていた。
桜子の奴、すでに牧野に会ってたのかっ!?

俺は油断していたんだ。
てっきり、俺が言わない限り、桜子は牧野が司の女だと言うことに気付かないだろうと思っていた。
けど、違ったようだ。
すでに、桜子は、牧野が司の女だってことは気付いている。
この間の総二郎との会話・・うまく誤魔化したと思っていたが、やはり内容を聞かれていたらしい。
こいつは、司の女である牧野の偵察に行ったに違いない。
こいつは、一体何を考えてるんだ?


ひやひやと俺が落ち着かずにいる間にも、淡々とメープルの企画の話は進んでいき、一通り牧野が説明を終えたところで、
「じゃぁ、今日はこの辺でいいわよね。桜子ちゃん、じっくり考えてくれる?」
とお袋が、企画の話を終わりにした。
「はい。」
「じゃあ、ケーキの時間にしましょうっ!」
「あっ、私手伝います。」
張り切るお袋に、牧野が付いて行った。


リビングに桜子と二人きり・・
「お前、牧野に会ったことあるのか?」
「ええ。ほんの偶然ですわ。」
「あの時、総二郎との話、聞いてたんだろ?」
「私が牧野さんにお会いしたら、あきらさんに不都合でも?」
「いや、ねぇよ。」

「牧野さんは、道明寺さんの恋人。」
俺をみた桜子の視線を受け止める。
「それから、美作社長のお気に入りで、あきらさんに紹介しようとしている女性。」
桜子が確認をするように呟いた。

「お前、何を考えてる?」
「別に、何も。ちょっと、興味が沸いたってだけです。」
桜子からは特に何も探れない。


しばらくして、牧野とお袋が戻ってきた。
お茶をしながら、話が弾む。
いや、弾んでいるのは、お袋だけか・・。
エステやヨガの話から始まり、自分とオヤジの話まで。
楽しそうに話すお袋を、桜子も牧野も上手に聞いてやっている。

「あっ、そう言えば、パパったら、つくしちゃんには彼がいるのに、あきら君にどうかって。本当に困っちゃうわよねぇ。ね?あきら君っ。」

お袋に急に話をふられ、焦る俺。
別に疚しいことがある訳じゃねぇが、桜子にはこれ以上、その話は聞かせたくなかった。
司はともかく、俺は牧野とは一切無関係なんだ。
変な誤解もして欲しくなかった。

ちらっと桜子をみると、鬼の形相で俺を見ている。
ズキッとする、胸の痛み。
桜子の視線が痛い。
俺と桜子は割り切った関係のはずなのに、どうして、俺が罪悪感を抱くんだよ・・。
それに、お前のその視線は何なんだ・・?

それから、桜子はいつの間にか、いつも通りの優雅な表情に戻り、
「牧野さんの恋人って、どんな方なんです?」
と素知らぬふりで尋ねている。

その質問に、少し考えた牧野。
「そうですね。優しい人・・かな。」
「優しい人・・」
「感情がストレートというか。」
と言いながら、牧野の顔が緩んでいる。

「そうですの。」
と、桜子がちらっと俺を見る。
司が優しい人だなんて、桜子にはあり得ねぇんだろうな。
実際、俺にとっても、司が優しい男という印象は皆無だ。
それだけ、牧野の前ではレアな司がいるってことだ。


「では、あきらさんのことは?」
急に、俺とのことまで質問しだした桜子。
「ごほっ。それは、美作社長が、勝手に言い出したことで・・・。紹介だなんて、あり得ませんっ。ねっ、美作専務っ。」
紅茶にむせて、焦る牧野に、俺も同意した。
「あぁ、そうだな。」

俺が同意すると、ほっとした様子の桜子。
目が合うと、彼女がわずかに笑った。
桜子の心情は読み取れないが、少しでも笑ってくれただけで俺は安心する。
桜子が牧野にどんな感情を抱いているのかは読めないが・・。


だけど、俺は、桜子に言ってやりたい。
過去に司が吐いた暴言に、お前は深く傷ついたのは同情する。
でも、それって、幼稚舎の頃の話だろ?
もう、20年近くも経っている。
だったら、もう司なんかに囚われず、本来のお前の良さを分かってくれる男と幸せになったらどうなんだ?
例えば・・俺・・とか?


グルグルと考えているうちに、紅茶が冷めてしまった。
「美作専務、新しい紅茶、淹れましょうか?」
突然話かけてきた牧野に、俺が返事をするよりも前に、

「私が淹れますわ。」
桜子が俺のカップをとった。


桜子が何を考えているのか、分からない。
そして、俺自身もどうすればいいのか・・

いつもは司の強引さに辟易するが、
こういう時には、司の俺様っぷりが羨ましくなる。

あいつなら、自分の思った通りに突き進むんだろうな・・。



 

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いつの間にやら、あきら×桜子・・。
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  1. 続・俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/03/22(水) 22:45:32 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
あきら・・もう、ガツンと行ってよ!
私、つかつく意外のCPに全く興味の無い人ですが、強いて言えばこのあきら×桜子かな。でも、これ以上は書けないわ~。無理。一杯一杯。読むのはいいんですよ。でも書くのはダメだ。。。桜子は、本来はもっと悪女かつイイ女で、F4なんかと付き合わないというイメージを持っています。今回はお話の都合上、こんな形になりました。

実は・・・。
最近、あまり書く気にならなくて、ぼんやりと二次めぐりを楽しんでいたんですよねぇ。すると、夕方から急に、この先の妄想が浮かんできて、なんと、明日からのお話を一気に変更してしまった!ということは、少しだけあった貯金も意味がなくなった・・。この決断が良かったのかどうかは分かりませんが、楽しくかけたから、いいかな~。

さてさて、
悠●様
悠●様は総優がありますものね~。書き手により、キャラに対するイメージが違うところも二次の面白さだと思います。悠●様のエロ総優、見てますよ!

スリ●様
そうなの、こんなお話なんです。早く司に会いたいよ~。司に会うために、お話を変更したに近い(笑)。

H●様
意外だ~。つかつく以外読めるんですねぇ。でも、分かる。司意外の男性は誰とくっついてもいいんですよね。分かるわ~。つかつく派ですもんねっ!

そして、貯金が無くなってしまった私。
ですが、なんと明日はお仕事お休みなんでーす。
子供達もお休みだけど、お話止めずに書けるといいな~。

ではでは、明日もAM5:00に!

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  1. 2017/03/22(水) 06:53:06 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/03/22(水) 05:31:07 |
  2. |
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