花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

牧野を隠すようにして抱き上げて、俺たちはリムジンへ乗り込んだ。
リムジンの中でも、牧野を膝に置いたまま離さない。
コントロール不能な独占欲。
男なら、誰もが抱く感情。
俺は牧野に出会うまでは感じたことが無かっただけだ。

俺のだけの牧野を誰にも見せたくない。
こいつは、俺の、俺だけの女で、他の男の前になんて出したくない。
それが、俺の幼なじみである、総二郎やあきらだったとしてもだ。


「司さん・・苦しいよ。」
酒も入ってるせいか、少しトロイ牧野が俺の腕から逃れようともがく。
けど、離せる訳ねぇ。

ったく。
こいつは、バカッつーか。お人好しっつーか。
何でお前があきらの女のためにそこまでする必要があるんだよ。
余計なことに首突っ込んでんじゃねっつーの。


こいつは俺の根性を叩き直すと言っていたが、
こいつと出会う前の俺を知っている奴からすれば、今の俺はすでに別人だ。
牧野に出会い、人を愛する気持ちを知った。
まぁ、牧野限定だけどな。
だけど、こんな気持ちは、生まれてから一度も持ったことは無かったんだ。
家族の愛情や家庭の意味を知らない俺。
今までは、一人で気楽に暮らしてきた。
そんな俺が、24時間、四六時中、一緒にいたいと思う女。
俺の腕から離さずに、ずっと囲い込んでおきたい。
俺はどんだけこいつに狂ってるんだ。

牧野が傍にいてくれるだけで、世界が輝く。
今まで見て来た景色は、もう思い出せない。
それ程に、牧野に出会った俺が激変しただなんて、きっとこいつは知らない。



リムジンがマンションの駐車場に着いた。
「一人で歩ける。」
と言い張る牧野を、無理やり抱きかかえてエレベーターに乗り込む。

上昇する箱の中で、牧野に小さくキスを落とした。
牧野は抵抗を諦めたのか、大人しく俺の腕の中だ。

なぁ、どうしたら、この悋気はなくなるんだろうな。
お前を何度抱いても、もっと欲しいと思う欲望は留まるところを知らない。

こいつからの電話に驚き、執務室を飛び出した俺。
そんな自分の行動も信じられない。
今日は、書類の確認中だったが、これが重要な会議だったとしても、もしかしたら俺は、会議を放置して、飛び出したかも知れない。
実際、本当に会議をすっぽかしたら、こいつに説教食らうに違いないんだが。

馬鹿げてる・・・
一人の女にこれほどに入れ込むなんて。
こいつに愛想を尽かされたら、生きていけねぇ。
って、何で俺がこんなに怖気づいてんだっつーの。
だが、そんな自分が、案外気に入って、少し笑えた。


「何、笑ってんの?」
「いや。」
言える訳ねぇ。こんなこと。


エレベーターが開いて、真っすぐ寝室へ向かう。
俺の悋気に気付いているんだろうか?
牧野の抵抗はない。
ベッドに降ろした牧野が少し弾んだ。

ネクタイを緩めて、一気に外す。
カフスをとり、サイドテーブルに置いた。
俺の動きを、じーっと見つめている牧野。

「ねぇ。司さんってさぁ。綺麗だよねぇ。あ、男の人に綺麗ていうのも変だけどさ。桜子さんがね、言ってた。司さんは、桜子さんが昔、憧れていた人なんだって。あーんな綺麗な人でも、司さんに憧れてるんだね。」
横向きになって俺を見上げながら、
そんなことでクスクス笑う彼女。
ベッドに流れる艶やかな黒髪。
無意識に俺を煽るその姿。
お前以外の他の女の話なんてどーでもいい。

「興味ねぇよ。」
「ん?」
「お前意外の女に興味はない。」
俺はシャツを脱いで、上半身裸になり、ベッドの牧野の脇に寝転んだ。

自分で話を振っておきながら、俺の言葉に真っ赤になった牧野は、目のやりどころに困るのか、キョロキョロとしている。

俺はお前意外に興味はない。
お前以外に優しくするつもりもない。
何回言ったら分かる?


「俺はお前の特別な男になりたい。」
「特別?」
「あぁ。」
「特別って、今も特別でしょ?あたし達、付き合ってるんだよね?」
「そうだな。でも足りねぇ。」
「あたしの初めては司さんばっかりだよ。初めて・・キスしたのも、初めての恋人も・・それから・・・全部だよ。あたしにとって、司さんは特別な人だよ。」
「でも、足りない。」
訴えかける様に牧野を見つめ続ける。
俺がどれだけお前を想っているか、伝わるように。

「困った人だね。」
至近距離にある俺たちの顔。
牧野が右手を伸ばして、俺の髪の毛を撫でる。

小さな手で髪を撫でられる。
世間の奴らからしたら、大したことない行為かも知れないが、俺にはガキの頃からそんなことをしてくれる人間は周囲にいなかった。

今になって初めて気付く。
こうして、自分が求めている人間に受け入れてもらえることは、途轍もなく幸福な事なんだということを。
それは、いくら金を積んだとしても必ずしも得られるものではなく、また逆に、金がなくともそれを手に入れることのできる幸運な人間もいるのだということを。
そして、牧野に受け入れられたことで、俺の人生にも初めて幸福が訪れたのだということを。


しばらく俺の髪を撫でていた牧野が言った。
「特別っていうのも変だけどさ。今日、美作専務がね、桜子さんのこと、桜子って呼んでたの。なんかちょっといいなぁって。司さんに、名前で呼ばれたら・・あー、恥ずかしいかなぁ・・。でも、あたしのこと名前で呼ぶ男の人、今までいなかったから。名前で呼んでくれたら、あたしにとってはすっごく特別だよ?」

俺はすぐに牧野の右手首を掴んだ。
今言われたことを確かめたくて。
名前で呼べって?
マジかよっ!!

「いいのか?」
「うん。タダだしね。ほら、あたし、司さんにあげられるもの、何にもないし。」
へへへと牧野が笑う。

そのまま牧野の右手を引いて、俺の上に乗せ、思いっきり抱きしめる。


「つくし・・」
初めて彼女の名前を呼んだ。

やべっ、結構恥ずかしくて、顔が見れねぇ。
自分の顔が緩んでいることを、はっきりと自覚できる。

「うん。なんか・・いい。うれしい。でも・・思ってたより、かなり恥ずかしい・・ね。」


ひとしきり抱きしめて、彼女の温かさに酔いしれる。
名前を呼ぶだけで幸せになれる。
彼女が言うように、タダでもらえる幸せが、これ程に愛おしいなんて。

ずっと浸っていたくなる幸福の中、
「お前も、司って呼べよ。」
そう言ってみれば、
「ええ~。それはいいや。」
とバッサリ拒否。

何だよそれ。相変わらず、空気が読めない奴。
この状況なら、お互いに名前で呼び合ったっていいだろ?
タダだぞ、タダ。


「じゃあ、呼ばせてやる。」

俺はクルリと身を回し、つくしをベッドに縫い付けた。



 

にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます!
関連記事
スポンサーサイト

  1. 続・俺の女
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/26(日) 22:30:00 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/03/26(日) 21:59:05 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
また来ちゃいましたよ・・。この恐怖が・・。
でも、書いた。書き終わった!!

さてさて。
悠●様
悠●さんも、逃げちゃだめですよ!絶対書いてねっ!

スリ●様
今回のエピソードで、つくしちゃんに勢いを付けたかったんですよ。初めてできた恋人がいきなり上司だったり、いろいろ気を使うところもあるでしょうが、司と二人きりの時には思いっきり素でいけるつくしちゃんであって欲しい。だから、原作よりも素直で、積極的!?かな。だいたい、初めから司のマンションに住んじゃってますもんねぇ(笑)。

のりみん様
初めまして!どうぞよろしくお願いします(^^)
キュンキュンして頂けてますか?よかった~。私も、つくしが羨ましい!!
私、1つのエピソードに使う文字数が多いから、読むの疲れちゃうんじゃないかなっていつも思うんです。でも、表現下手なんだよなぁ。文字が増えちゃうんです。
それでも、キュンキュンして頂ければ本当に嬉しいです。

さてさて、明日はもAM5:00。
あぁ、心臓に悪い・・。

  1. 2017/03/26(日) 19:47:04 |
  2. URL |
  3. のりみん
  4. [ edit ]
初めまして、初コメントですが、毎日楽しみに朝起きてます。
もう〜 キュンキュン😍しまくりです。
つくし羨ましい😍

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/26(日) 08:51:59 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/26(日) 05:25:41 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -