花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

先日のお知らせに、たくさんの拍手やコメントを頂きありがとうございます。
今週まで仕事が忙しいですが、来週からは通常業務に戻れそうです。

さて!今日は類君のお誕生日ですね~!
お祭りコンビの時には、なんちゃってお話を書いたのに、類君だけ無視と言う訳にもいかず、けれど、私にとって類君は結構難しくて、かなり考えました・・。
こちらは先週書いたお話になります。
いつも通り、類君目線の『つかつく』です。
私が考える類君像がこんな感じ・・ということで・・
では、いってみましょう!
***





「るーい!お誕生日おめでとう!」
「牧野、飲みすぎ。それ、さっきから何回も聞いてるし。」

今日の牧野はご機嫌だ。
いや、ご機嫌すぎる。
こういう時は必ず裏があるんだよね。

「はい。水。」
「いらん。」
「牧野~。」
無理矢理、牧野に水を飲ませた。

プファーとか、オヤジみたいな飲み方をして、牧野がテーブルに肘をつき、手のひらの上に顎を乗せた。

「ねぇ、類。あたしの仕事って、やっぱり、あいつにとっちゃ、大したことない、アリンコみたいな仕事なのかな・・。」
「何それ。司が言ったの?」
「そこまではっきりは言われてないけど。」
「じゃあ、何て言われた訳?」
「ぐぅぅ。。。」

牧野が、ばればれの寝たふりをしようとする。
誰が騙されるかよ。

つい数日前には、『ごめんね。30日がだめになっちゃったから、誕生日会は延期』だって言ってたくせに、当日の今日になって急に俺を呼び出して、散々飲み食いした牧野。
俺だって用事があるかも知れないとか思わないわけ?
でも結局、牧野に呼び出されたら断れないのが俺の性。
牧野が電話してくる時って、絶対司となんかあった時なんだよね。
俺は、愚痴聞き役。
時に、惚気を聞く役のこともあるけどさ。
でも、このポジションは誰にも譲りたくないんだよね。
だって、この二人って、面白すぎるから。
それで、一体何があったわけ?

「牧野?」
「だって、あいつ、《お前の仕事には代わりがいるだろっ》なんて言うんだもん。」

ふーん。ははーん、なるほどね。
ピンと来た。

「代わりがいるからどうしろって?」
「結婚。」
「へぇ。プロポーズされたんだ、司に。」

手のひらに乗せた頭を動かし、コクリと頷く牧野。
普段なら、絶対にこんなこと言わないのに、相当酔いが回っているらしい。

けどさ・・
普通、好きな男にプロポーズされたら、泣いて喜ぶもんじゃないの?
なのに、この牧野の態度は何なのさ。

「で、何が不満な訳?」
「だって、あいつ、あたしの仕事なんて大したこと無いって、そりゃ、あいつは、大企業の副社長なんてやってる訳だから、あたしの仕事なんて大したことないって思われても仕方ないんだけどさ・・」

そう言って、牧野が両方の瞳を閉じた。
何も考えたくないとでも言っているかの様。


ふぅ。
司が約束の4年で日本に帰国してから、もう4年が経つ。
帰国してからの二人の交際は順調だと思う。
今更、司の両親が反対しているわけでもないのに、二人が結婚しない理由。
それは、この牧野の態度に他ならない。

聞く限りでも、司が牧野にプロポーズしたのは、一度や二度じゃないはずだ。
その度に、牧野はのらりくらりとかわしていた。

まだ学生だから、
社会人になったばかりだから、
進がまだ学生だから、
パパとママへの仕送りもしなくちゃいけないから、
いつもそんな理由で。

牧野も社会人として3年が経ち、仕事にやりがいを見出しているのは分かる。
けど、道明寺司という男の恋人である以上、今の仕事を永久に続けることが不可能であることは、本人が一番よく分かっているんじゃないの?


「今度はどんな理由で断るの?」
「類・・」
「あんたが司のプロポーズを受け入れない理由、そこじゃないだろ?」
「・・・。」


牧野が司との結婚に踏み切らない理由。
それは、司が牧野の仕事を軽視しているとか、そう言うことじゃないと思う。
実際、司は牧野の仕事に理解があるし、恐らく結婚しても、牧野が続けたいと言えば、何らかの形で仕事を続けさせてあげるんだろう。
司は、牧野にだけは甘いから・・。
それに、なんだかんだ言っても、司は今まで、牧野の下手な弁解を聞き入れて、結婚は無理強いして来なかった。


牧野が目を閉じたまま呟く。
「だって・・自信ないんだもん。」
「何の自信?」
「道明寺の・・・奥さん?」
「疑問形?」
「だって、あたし、やっていけると思う?」
「まぁ、大変だとは思う。」
「やっぱり・・。」

しゅんとする牧野。
でも、そんなことは、ずっと、ずーっと前から分かっていたことだよね?

「じゃあさ、その自信っていうのは、いつになったら付くわけ?」

俺たちは知っている。
牧野が、司の隣に並ぶために、語学や教養、マナーなんかを必死で勉強してきたことを。
高校時代から今まで、牧野の人生は、相当司に振り回されているにも関わらず、泣き言なんか言ったことは無いんだ。
それは、牧野自身が、将来は司と一緒に歩んでいこうと思っているからだろ?

「そんなの・・分からないよ。」
「そうやって、うだうだしてたらさ、年ばっかりくって、ウエディングドレスが似合わなくなると思うけど?」
「それならそれで、いいもん。」
「まーきの!」

俺がチョンと牧野のオデコをつつくと、肘をついていた牧野がバタンと崩れて、テーブルに突っ伏した。

「もう、やだ。」
「何で?」
「もう、逃げられそうにない。」
「ぷっ。今まで逃げてた訳。」
「そうじゃないけど。」

何が言いたいのか。
酔った牧野の堂々巡りは終着駅が見つからない。

「じゃあさ、別れなよ。司と。」
がばっと、牧野が飛び起きた。
目を大きく見開いて、俺のことを見つめてくる。

「類・・意地悪・・。」

それは、牧野が煮え切らないからでしょ?

「だって、不安なんだもん。不安で不安で、夜もおちおち眠れない。」
「あんたが眠れないことってあるんだ。」
「あるよっ!」
「それ、司に言いなよ。」
「言えないよ。」
「どうして?」
「だって、あいつ忙しいし。今日だって、急にどっかに出張になったって。あたしの話なんて聞いてる暇ないよ。それに・・それに、ウジウジしてるあたしなんて、あいつきっと好きじゃないし・・。」

はぁぁ・・
牧野は本当に分かってないよね。
男は、好きな女に弱音を吐かれたら、逆に燃えるもんなんだ。
どんなことをしてでも守ってやろうと思うもんなんだ。
司なんて、尚更だ。
いつもは強気な牧野がウジウジしたからって、可愛いと思うだけで、嫌いになんてなる訳ない。
牧野が一言司に泣きつきでもすれば、司はどんなに疲れていたって、夜中にだって駆けつけるはずだ。
それで、そんな不安は強引に拭い去るに決まってるんだ。


「牧野、司はさ・・」
「分かってる。分かってるの。あいつはさ、きっとあたしを守ってくれようとすると思うんだ。けどさ、あたしはあいつを守ってあげられるかな?守られるだけの女は嫌なの。あたしもあいつを守ってあげたいのに・・。あたしは、あいつの負担にしかならないんじゃないのかな・・。」

ふーん。そっか。司のことは分かってるんだ。
でもさ、牧野は自分の価値を分かってない。
いったい何年司と付き合ってんの?

守るということは、見た目だけじゃない。
金や権力で守れる力を司は持っているけれど、司の心を守る力を持っているのは、牧野だけなんだ。
牧野はずっと、司の心を守ってんだよ。
もっと自信もちなよ、牧野。


「司がさ、もしまたニューヨーク行くって言ったらどうする?また遠距離恋愛するの?」
「えっ?」
牧野は一瞬言葉を失ったが、すぐにはっきりした口調で答えた。

「今度そうなったら、絶対に付いて行くよ。」
「そっか、じゃあ、なんで結婚はダメなの?」
「・・・。」
「牧野?」
「ダメじゃないもん。」
「ぷっ。さっきまで嫌がってたじゃん。」
「ダメじゃないもん。自信がないだけ。」


「牧野はさぁ。安心しちゃってるんじゃない?今は司がニューヨークから戻って来て、結婚しなくても、二人でいられるんだもんね。」
「う”~。」

図星でしょ?

「でもさ、司の立場なら、いつまた海外転勤になるかも分からないよね?」
「そうなの・・かな?」
「あとは、牧野がその時どうしたいか、でしょ?」
「付いて行くよ、当たり前じゃん。」
「結婚して?」
「もちろんだよ。」

やれやれ。
結論なんて、始めっから出てるんだ。


「普通ならさ、女が結婚を匂わすもんだと思ってたけど、あんたたち不思議だよね。どう考えても、司が結婚したがってる。」
「失礼ねっ。あたしだって、結婚したいもん!でもさ、ちょっと不安なんだもん。だから、迷っちゃっただけっ。道明寺と、結婚したいよ。ずーっと一緒にいたいもん。」
「じゃあ、迷う必要ないでしょ。」
「うん。そうだった。」


牧野がまたパタンとテーブルに突っ伏して、頬をテーブルに乗せた。
「冷たくて、気持ちいい・・」

テーブルに片頬を付けたまま、牧野が俺を睨んだ。
「類、見てなさいよ。あたしのウエディングドレス姿とか見たら、感動して、涙流すかもしれないよっ!」
やっと、牧野らしさが戻ってきた。
まぁ、感動の涙を流すかどうかは別だけどさ。

「あ~、なんだか気が抜けた。ホッとしたら、ふぅ・・眠くなってきた・・かも・・・。」
速効で、クカァー、クカァーと寝始めた。
無防備な奴・・。








「司。」
俺は、壁にもたれつつ腕を組んで立っている、長身の男に手を挙げた。

奴が近づいてきて、牧野の隣に座った。


___『道明寺司』
俺の幼なじみ。
そして、牧野の婚約者。
それは、何年も前から変わらない関係。


「悪かったな。牧野が迷惑かけて。」
司が牧野の髪を撫でる。
「別に。いつものことだし。司こそ、出張だったんじゃないの?」

額に青筋を立てた司が、
「こいつの反応がおかしかったからな。早めに切り上げて来た。」
おいおい、今回の香港出張は、日本で指揮をとる最後のデカいプロジェクトのためなんだろ?

「なんだよ、その目。ちゃんと仕事はして来てんだよ。」
そんなことを言ったって、これだけ早く帰ってくるには、相当仕事を詰め込んだに違いない。それ位は俺にも分かる。


「わかってんでしょ、牧野の不安。」
「あぁ。けど、もう、待てねぇ。」
「うん。」
「この春には、入籍する。」
「そっか。」
「夏には、ヨーロッパに移る。」

道明寺財閥の社長に昇格するための最後の試練という訳だ。

「それ、牧野知らないんじゃないの?」
はぁ・・と溜息をつく、俺の幼なじみ。

「まぁな。あれだよ。お情けで付いてきてもらっても、仕方ねぇだろ?こいつが、本気で付いてきたいと思ってくれなきゃよ。こいつに後悔はさせたくねぇんだよ。」
「司、牧野に後悔させるつもりなの?」
「んな訳あるかっ。」
「牧野、結婚したいって言ってたよ。」
「聞いた。」

司が、俺たちの前では見せたことも無いような甘い表情で牧野を見つめている。
まさに、目に入れても痛くないという、そんな表情。

牧野の気持ちなんて、きっと、司が一番お見通しなんだろうな。
いつも牧野の気持ちを第一優先にする司。
ただし、今回ばかりは牧野を逃がすつもりは無いってことか。
牧野が自分から飛び込んでくることを待ってたんだな。
俺は、うまい具合にアシストしたってところかな。


今日の俺の役割は、これで終わりみたいだ。

「じゃ、俺、帰るね。」
「類。」

呼び止められ、俺は司を振り返った。

「必ず牧野を幸せにするから。」
司の瞳に迷いはなく、自信だけが覗いている。

「あぁ、分かってる。」
ずっと前から分かってるよ。
牧野を幸せにできるのは、司しかいないって。

「お前には、礼を言っておきたいと思ってた。」
「へぇ。レアだね。一応、受け取っておく。」
「おう。」

「お前が涙流すぐらいに、すげぇ綺麗な花嫁見せてやるから。」
司が愛おしそうに、牧野の頬を撫でる。

その姿に背を向けて、
「楽しみにしてる。」
そう告げた。



「そういや、類。」
3歩進んだところで、再び声がかかったが、俺は振り向かなかった。

足を止めた時に、背中に聞こえた司の言葉。

「誕生日、おめでと。」


プッ。
司に誕生日を祝われた。
これって、激レア。
今まで20年以上一緒にいる親友なのに、言われたことあったっけ?

司は牧野に出会って変わった。
こんな言葉が言えるようになった。
そして、俺も牧野に出会って変わった。
親友の幸せを、心から祝えるようになった。
感情に乏しかった俺に、牧野は人間的な感情を目覚めさせた。

牧野という存在のおかげで、俺たちの関係も変わった。
なんか、人間臭くなったかな・・・照れくさいから言わないけど。


司は俺の親友。
牧野は親友の彼女。
俺にとって、大切なその二人。
彼らが幸せである限り、俺の人生も結構明るい。


俺は右手を挙げて、背中越しに司に伝えた。

サンキュ、司。
幸せになれよ。

 

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私の考える類君は、どこまでも司君の親友・・・
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  1. 短編
  2. / comment:8
  3. [ edit ]

  1. 2017/04/01(土) 10:58:29 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
のだめまま様
コメントありがとうございます!
やっぱり、つかつく派ですから(笑)。どうしても、司をカッコよく書いてしまうんですよねぇ。類君ハピバなのに・・。困ったものです。

先日のコメントでat🔴様はar🔴様の間違いでした。ごめんなさい。分かるかな?

  1. 2017/03/30(木) 23:09:35 |
  2. URL |
  3. のだめまま
  4. [ edit ]
happyending さん、こんばんは〜。
類のお誕生日に、とてもステキなお話しをありがとうございます。
腕を組んで、つくしの本音を聞いている司の姿が見える様で、ニヤニヤしてしまいました♡♡
これからもお話し楽しみにお待ちしています。

こんばんは~(#^^#)

  1. 2017/03/30(木) 22:27:18 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
今回は、ですね。原作に近い二人のその後をイメージしたんです。
類君とも仲がいいつくし。だけど、司を誰より愛してる。この日、類君とご飯を食べることも、ちゃんとつくしは報告していたはずです。もちろん、司も容認。だけど、やっぱり、司は迎えに行きます。どんなに仕事が忙しくても、つくしのことを誰かに任せたりはしないんです。類君からみた二人は、親友とその彼女。その二人と関わることで、類君自身も幸せになっていく・・という私の理想を詰めたお話でした。

Ka●様
この3人の関係も、高校時代よりも成長している・・という設定。つくしも、少し素直になっていますかね。司君は、どんな素敵なドレスをプレゼントするんでしょうね~。

悠●様
お話、かぶっちゃいましたか??マジ??でも、この手のお話って、決して珍しくはないと思うので、あとは書き手の想いを詰め込んでいきましょ。続き、楽しみにしています。

スリ●様
いやはや、まさに、息継ぎしまくり!でしたよ。司君のお話は、ぱーっと浮かんだらすぐに書ける。(浮かばなければ書けない。)類君は、何度も溺れかけながら書き上げた感じです。しかも、やたらと長くなりました。でも2話に分けたくなかったんです。司まで登場して、3人の関係が出来上がっているから。

四葉様
結局、つかつく派です。はい。司はどーしても、つくしにメロメロに書いてしまう(笑)。そして、そんな姿を書いて、自己満足している私。かなり司にやられちゃってます。

さと●様
たしかに、類君目線の司って、甘く見えるかも・・。つくしは、類君にも、司君にも愛されている。それはやっぱり、つくしが綺麗な心の持ち主だからなのでしょうねぇ。羨ましい・・。

ま●様
いや~、本当に難しかったですよ。類君書くの。二人とも、男前です。そんな二人に愛されているつくしは、本当に羨ましいなぁ。

at●様
読んで頂けましたか?ほっこりして頂けたのなら良かった。類君の立ち位置は読者様にとっても色々好みがあるとおもうんですよ。このお話の類君。受け入れてもらえてよかったです。


あまり書かないでいると、本当にそのままになってしまいそうで恐い。
そろそろ頑張ります!

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  1. 2017/03/30(木) 17:28:37 |
  2. |
  3. [ edit ]
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あぁ、まさに!

  1. 2017/03/30(木) 07:57:25 |
  2. URL |
  3. 四葉
  4. [ edit ]
これぞ、ソウルメイト!!
つくしの心をつくしより知り、つくしのことを誰より案ずる。
こんな人がそばに居るからこそ、つくしは、司との恋を諦めずに突き進めたんだろうな。
司のつくしが好きしかたないといった感じの眼差しの優しさが、流石Happyendingさん♪と思いました♡

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/30(木) 07:23:56 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/30(木) 06:10:57 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/03/30(木) 05:58:11 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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