花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

昨日までの『花街に護られて』コラボ、いかがでしたか?
さて、今日からは、『花街に護られてー桜・恋・歌ー』からヒントを得て、『花街~』とは全く違う、つかつくのお話がスタートです。
ちょっと切ない、つかつく。全7話。
そして、それが終了してから、『続・俺の女』の再開になります。
是非、こちらのお話も楽しんで頂ければと思います。

原作の、『鍋の日』から分岐したお話です。
鍋の日に離れ離れになる二人・・のその後になります。

では~スタート。
***





『道明寺・・桜、咲いてるよ。元気にしてる?』


国立大学の入学式。
正門前の桜を見上げて、あたしは、いつもの感慨に浸った。
この春から、あたしは難関国立大学の経済学部に入学した。
正門から入学式の行われる講堂に向かう一本道に咲き誇るソメイヨシノ。
枝からこぼれんばかりに咲き誇る桜をみて、隣にいない彼を想う。

英徳の校舎は豪華で立派だったけど、何故か桜は無かった。
桜を見ると、思い出すんだ。

道明寺・・・頑張ってるかな?



____あたしが、高校2年のクリスマス。

道明寺とあたしはクリスマスデートをした。
その時のあたし達は付き合っていた訳じゃなくて、あいつがあたしのクリスマスを70万で買うなんて言い出した、そんな俺様デート。

だけど、本当は分かってたと思う。
俺様な態度は、本当は優しさの裏返しで、素直じゃないあたしを誘うための手段だったんだって。
70万なんて、本当は全く関係なくて、ただ単にあたしをデートに誘ってくれたんだって。
そしてあたしも、道明寺に誘われて、嬉しかったんだって。

だけど、ちょっとしたトラブルで、リュウも一緒になってしまった動物園デート。
あいつ・・動物苦手だったんだよね。
それでも、あたし達について回って、リュウに肩車をしてあげていたっけ。
分かりにくいけど、本当に優しい奴なんだよね。

あの時の道明寺を思い出しては、笑みがこぼれるのを抑えられない。
今でも、あたしの中には道明寺がいるから。
忘れられない、忘れたくない人だから。


眠っちゃったリュウを横抱きにしたあいつと歩いた上野公園。
真冬なのに、池のほとりとか歩いちゃってさ。
寒いったら無かったけど、でも、道明寺とつないだ右手が、すっごく温かくてさ。
どうしてあの時に、気が付かなかったのかな。
あたしは道明寺が好きなんだって。
あの時気が付いていたら、あたし達にはもっとたくさんの楽しい思い出があったかも知れないのにね。

あの時、不忍池の周りの桜の木はまだ葉も付いていなくて、灰色の木肌がなんだか寂しい感じだった。
その時突然、タランと垂れた桜の枝が視界に入って・・


「ねぇ、みて、真冬なのに、もう蕾が出来てる。」
「バーカ。蕾の訳ねぇだろ?」
「だって、ほら、見てよ。」
「あぁ??」
「ほら・・ね?」
「ホントだな。」


立ち止まってしげしげと枝を見るあたし達。
その時、公園を散歩していたおじいさんが言ったんだ。

「それは、花芽(はなめ)だよ。まだ蕾とは言えないね。この時期は休眠しているんだよ。春になって温かくなると、蕾になって花が咲くよ。」


あぁ、そうだ。花芽。
花芽はいつか、蕾になって花が咲く。


ねぇ、道明寺。
あたし達は今、この花芽なのかな。
そしていつか、蕾になって、
春の桜のように、満開の花を咲かせることができるのかな。



***



俺が17歳の時。
生まれて初めて、クリスマスに女を誘った。
クリスマスデートっていや、恋人たちの定番だろ?
それに誘うってことは、俺の気持ちをあいつだって分かってたはずだ。

それなのに、あいつは、わけわかんねぇガキを連れて来た。
それに、動物園って何だよ。
動物と言えばサバンナだろ?
俺は、動物は嫌いだ。
デケェし、クセェし。
なのに、上野にある動物園を延々と歩かされた。

思いがけない動物園デート。
もっとお洒落なデートをするはずだったのに。
だけど、結局、あいつにはこういうデートが合ってるんだよな。
あいつは、すげぇ楽しそうだった。
あいつらに聞いたデートプランって奴は、いつも役に立たねぇ。

大嫌いな動物を見て回るだけなのに、あいつと一緒に歩けるだけで、俺はすげぇ幸せだった。
「若いパパとママ」だと間違われたっけな。
俺は、ジロジロ見られるのが嫌いだが、あの時ばかりは、いくらでも見てくれよと思ったな。
そんで、将来、絶対こいつと夫婦になってやる、そう思ったんだ。


金があることが全てじゃない。
それを教えてくれた女。
俺にとってかけがえのない女。


眠りこけたガキを片手に持って、さりげなくあいつの手を握った。
それだけのことなのに、ドキドキして参った。
あんなに態度がデケェ女なのに、握った手は小さくて、温かくて、女って本当に小せぇんだなと思った。
俺がどんなことをしてでも守ってやりてぇと思った。
もし、俺がその気になれば、あんな女、すぐにやっちまうことだって簡単だった。
だけど、そんなことはできるはずもなかった。
あいつのことがすげぇ好きだ。
俺のことを好きになって欲しかった。
つないだ手に、ただそれだけを願った。


「ねぇ、この桜、蕾がある。」
「そんな訳、ねぇだろ?」


だけど、それはある意味本当で、真冬の桜の木には花芽が出来ていた。
これから、休眠から目を覚まし、春になって気温が上がれば花が咲くのだと言う。
だから、その時思った。
次は桜を見に来よう。
こいつと二人きりで。


「なぁ、桜が咲いたら、また見に来るか?」
俺の真剣な誘いを、あいつはあまり本気にしていなかった。
「ええ~。道明寺、花見って知ってるの?すっごい人込みだよ?あんたなんて絶対無理。」

そうなのかよ?
俺は桜なんて、敢えて見たいと思ったことも無かったし、花見なんてしたことが無かった。
ただ、牧野と一緒に見てみたいと思っただけだ。

「じゃあ、二人きりで花見ができるとこ探しとく。だから、行こーぜ?」
「二人きり?」
あいつが驚いた顔をしていた。
当たり前だろ?
他に誰を誘うんだっつーの。
まじまじと俺を見るあいつの視線が痛かった。

「道明寺、顔、赤いよ?」
「うっせ。」
「ふふ。分かった。今日はさ、リュウ連れてきちゃったから、桜は二人で見に行こうか?」
「ぜってーだぞ。」
「うん。」
ニコッとわらった牧野は強烈に可愛かった。


花見には、桜餅かな?
桜餅ってね、道明寺桜餅ってあるんだよ?
知ってた?
あんたんちと関係ある?
あはは・・・


あいつの声が今でも耳に響いてくる。
忘れられない、あいつの楽しげな声。

あの時、俺はあいつが未来のデートを約束してくれたのが嬉しくて、早速俺の部屋の前の庭にソメイヨシノを植えた。
後になって気付いたが、桜は植林してから、花を咲かせるために5-6年かかるらしい。
あの時そんなことを知っていたら、俺は植えていなかったかも知れねぇ。
だってそうだろ?
あいつと二人きりで見るために植えた桜が花を咲くのが5-6年後だなんて、そんなの待ってられる訳がない。


だけど結局、それは現実になっちまった。
俺たちは、結局二人で桜を見ることは出来なくて、俺はNYへ旅立つことになった。


あの時、俺がもっと大人だったら。
俺がちゃんと、彼女を守ってやれる男だったら、
俺たちは今も一緒にいられたのか・・

それは分からない。
けど、過去を振り返ってもどうしようもない。

だから、俺は先に進んでいくしかない。
これからのあいつとの未来をつかみ取るために。



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  1. Sakura
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんばんは~(#^^#)

  1. 2017/04/03(月) 22:46:34 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
このお話は「鍋の日」で分岐しているので、滋さんの島とか記憶喪失のエピソードはない設定です。
ドラマからの人は分かりにくいかな??
原作で、鍋の日、あのまま二人が別れたら・・・どうだろう?
でも決してお互いを思う気持ちを無くす必要はないんじゃないの?忘れる必要はないんじゃないの?
というのが、私、常々思っていたことで、そのあたりをSakuraにかけてテーマにしました。

悠●様
予行練習・・そうですねぇ。司は嬉しかったでしょうねっ。

道明寺&牧野大好き様
このハンドルネームが、まんまで、つかつく派には嬉しくなりますね~。そう、この日のそのセリフ。「守ってやりたかったのに、守ってやれなかった・・」
もしも、あの時点で二人が道明寺財閥から逃げたとしても、最終的に幸せになれたかな。きっと、鍋の日で一度別れたとしても、その時点での司の決断も間違っていないんじゃないかな。一度別れても、司なら、絶対に迎えに来ると思うんですよね・・私は。
って、私もどんだけ、司好きなの~って感じです。

スリ●様
以前にもその歌教えていただいて聞きました。いいですよね~。すでに、大体書いちゃってるんですが、今からもう一度見直します。っていうか、ここから結構変えちゃうのが、私流。今回はかなり一気に書いたので、見直す点が多すぎる・・・。
あ、明日はいつもの5時更新になります!

ka●様
一度書きたいなと思っていた、鍋の日分岐のお話。lemmmonさんのお話を読んで、あぁ、これかなと思ったんです。切ないけど、必ず二人は一緒になりますので、応援よろしくお願いします!


明日からは、いつものAM5:00!
どうぞよろしくお願いします。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/03(月) 21:55:50 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/03(月) 14:47:08 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

素敵なお話しありがとうございます

  1. 2017/04/03(月) 14:44:06 |
  2. URL |
  3. 道明寺&牧野大好き
  4. [ edit ]
はじめまして。いつも素敵なお話しありがとうございます。

この鍋の日の別れでの道明寺のセリフ、「ごめんな」「守ってやりたかったのに守り切れなかった」は、 道明寺の不器用さ、純粋さ、自分勝手、だけどやさしい、まっすぐで裏表のない性格……全てを表していると思います。

道明寺には幸せになって欲しい。道明寺を幸せに出来るのはつくししかいない。

道明寺頑張れー!…って道明寺びいきの感想でした(^-^)

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/03(月) 12:43:58 |
  2. |
  3. [ edit ]
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