花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

二人、自然と手を繋ぎ、牧野のアパートの階段を上る。
5年間の空白なんて、全く感じずに、当たり前のように、同じ家を目指す。
それが嬉しい。

「あんたのせいで、階段壊れそう。」
そう言いながら、アハハと笑う牧野。
この笑顔を、これからはずっと見られるんだな。



アパートに入ると、そこは段ボールだらけ。
「お前、どっか行くのか?」
「そうなの。月曜日から、社会人になるからね。明日、引っ越しなの。今日は最後の荷物を整理しなきゃ。」

・・・。
「お前さぁ、どこで寝るつもり?」
「あぁ、んっと。あそこに布団出てるでしょ。あそこ。」
そう言って牧野が指さしたのは、段ボールに占拠された部屋の一部に残された布団。


思い出す・・
俺たちの初めては、このボロアパートだった。
牧野んちの薄い布団を敷いただけだった。
本当は、こいつとの初めては、もっとムードのある部屋で、もっとフカフカしたベッドで、余計な痛みが無いように、大切に抱きたかった。
そんな懐かしく、苦々しい記憶が蘇る。

ちらっと牧野を見てみると、
「ご飯は、どうしよう?道明寺、これからどうすんの?あたしはさぁ、コンビニで買って済ましちゃうつもりだったの・・・って、うわっ!」


お前さぁ。
メシの心配より、しなきゃいけねぇ心配があるだろ?
こんな荷物まみれのとこで、お前を抱ける訳ねぇだろ?
お前、何?
そー言うことは無しとでも言いてぇの?
俺達って、5年ぶりに再会した恋人同士じゃねぇのかよ!


俺はとっさに牧野の腕を掴んで、アパートから引きずり出そうとしていた。
「道明寺っ!どうしたの?ちょと、待って!靴っ!」

靴を履かせる余裕もない。
玄関からは抱き上げた。
ボロ階段は裸足じゃ危ねぇからな。

「ちょっと、待って!ケータイとか、お財布とか・・」

ゴチャゴチャうるせぇよ。

「あんた、まさか、あの車に乗せるつもりじゃ・・」

まさかも何もあるかよ。
車に乗らねぇでどこ行くんだ。


すでに、辺りは薄暗くて、公園の桜も闇夜の中に消えようとしている。
そして、俺の腕には、幻じゃなくて、現実の牧野。
もう、絶対に離さない。離せない。

俺は、この5年の想いをこいつにぶつけたくて仕方が無かった。




***




無理矢理リムジンに連れ込まれ、連れてこられたのは当然のように道明寺邸。
だけど、あたし達って、今さっき再会したばっかりで、
あの頃よりも成長したとはいえ、道明寺邸に乗り込むほどに成長できたのかは疑問。
だって、あの魔女は未だに健在で、あたし達のことを認めるなんて思えないし。

「道明寺、ここは、まずいよ。どっか、他のところ・・」
「うっせ。」

抱き上げられて、抵抗も空しく、東の角部屋のドアが開かれ、あたしは裸足のままフカフカの絨毯に降ろされた。
その瞬間、さっきまでのドタバタが嘘のように、懐かしい感情に支配される。

「懐かしい・・」
「変わってねぇだろ?」
「うん。」

道明寺に促されて、ソファーに座った。
その時、入口のドアが開き、入ってきたのは、

「先輩!」
「つくし、ご無沙汰だね。」
「お元気でしたか?先輩!」
「そう思うんだったら、もっと早く顔を出せばいいもんだけどね。」
「あはは、スミマセン・・」
謝罪をして、タマ先輩が出してくれたスリッパを履いた。

タマ先輩が優し気にあたし達を見つめている。
「きっと、今年は二人で戻ってくると思っていたんだよ。」
「え?」
「はは。明日になれば分かるさね。」
「ええ~??」
「さぁさぁ、もう少しで食事の準備ができるから、そうしたらまた呼びに来るからね。」
「あっ、あたしもお手伝いしますっ!」
「馬鹿言ってんじゃないよ!坊ちゃんの顔、見てごらん。あんたを連れて行ったら、その辺の花瓶が壊れて高くつくよ。」

やれやれ・・と言いながら、タマ先輩が去って行く。
ちらっと見れば、不機嫌顔の道明寺。

「なんだよ・・俺と会った時より、嬉しそうな顔してんじゃねぇぞ。」
「あはは・・そんなことないし。」

子供っぽい表情の道明寺を見上げると、だんだんとあいつの瞳が熱っぽくなった。


急に、思考回路が働き出す。
道明寺はどうしてここに連れて来たんだろう?
寝床の心配とかしてさ・・可笑しいのっ。
あれ?だけど、あたし、今日はどこで寝るの?
ここは・・道明寺の部屋で・・・

えっ?
思わず、目を見開いてしまった。


あっ、あたし達って、今更だけど、どういう関係?
恋人同士・・でいいのかな・・・

やっ・・今更、照れちゃうよ。
どうしよう。
どうしよう。


「あっ、あたし、やっぱりタマ先輩のところに・・」
そう言ってソファから立ち上がろうとしたんだけど、
道明寺に手首を掴まれて、結局立ち上がることは出来なかった。


道明寺の視線が熱い。
あたしは堪らなくなって、ぎゅっと目を閉じた。
それって、後から考えたら、OKサインだったのかも知れないんだけど・・


目を閉じた瞬間に道明寺からのキス。
さっきのキスより落ち着いていて、優しいキス。
こいつってさ。
腹が立つけど、キスが上手いんだよね。
だから、あたしはついついうっとりしちゃう。

って・・えっ・・
やっ、舌が入ってきた・・
んあっ・・まって、まって・・
だめだ・・道明寺に食べられちゃう・・


まだ、ご飯食べてないのに・・
そうだ、シャワー浴びてないのに・・
だいたい、ここに泊るなんて決めてないのに・・

タマ先輩だって、もうすぐもどってきちゃうのに。
だけど、道明寺を突き離せない。
だって、あたしが、あたし自身が、道明寺を欲してるから。
この腕の中から出たくないと思う。


今更、彼を拒む理由なんて何もない。
唇が外されて、耳元で囁かれた声は、掠れていた。

「牧野・・いい?」







気が付けば、フカフカのベッドの上。

二人同時にスイッチが入れば、その後は早い。
お互いに服を脱がせ合う。
男の人のシャツのボタンに手を掛けるなんて初めて。
眉間に皺を寄せているあたしを見て、道明寺が笑った。

「必至だな・・おい。」

あたしは今日、ニットの下はすぐにキャミソール。

「ほれ、手上げろ。」
そう言われて万歳をする。
スポンとニットが脱がされた。

道明寺がシャツを脱ぐと、逞しい男の裸体が目に入る。

こんなだったかな・・
あの時は、とにかく必死で、道明寺の体なんて覚えてない。
暗かったし・・・
って、

「電気っ!」
そうだ、電気が付いたままだった。
慌てたあたしに、道明寺が、少しだけ、ダウンライトの光量を落とした。

「もっと。」
「嫌だ。」
「だって、恥ずかしいよ・・」
「5年分、全部見てぇんだよ。」

道明寺に切なさが宿る。
そう言われたら、何にも言えない。
あたし達はそのままベッドに転がった。



道明寺の手があたしの体を這いずり回る。
道明寺の唇が身体中に痕を残す。
その痕は桜の花弁みたいにあたしの体を開いていく。

道明寺から受ける刺激に体が跳ねる。
だけど、あたしは全てを道明寺に任せようと決めていた。
彼から与えられるどんな刺激も逃したくない。
だって、この刺激はあたしにしか与えられないものだから。

道明寺と深く繋がって、
あたしの上で、彼が揺れる。
あたしがこの男を受け入れている。
あぁ、女の幸せってこういうことをいうのかぁ。
愛する男を受け入れる幸せ。
それが、あたしの心を満たす。


初めての時は、この体を捧げることに必死だった。
愛を確かめるこの行為も、あの時のあたし達にとっては、離れゆく自分達を互いに刻み付けるための行為だったと思う。
忘れないで欲しい・・そんな想いばかりで・・


でも、今は・・
再び一つになった川の流れの中、
ただ我武者羅に愛し合いたい。
もう、二度と離れないように、彼にしがみついていたい。
そして、ずっーとこうして揺れていたい。


5年ぶりの行為は、やっぱり体には辛かったけど、
それ以上の幸せをくれた。


ぐぐっと背中に力が入る。
「あっ、道明寺っ!あたしっ・・!!」
何かが足元から上がって来る。
ぎゅーっと道明寺にしがみつくけど、この感覚から逃れられなくて、
何度首を振っても、道明寺は止めてくれなくて、

「あぁっ・・!!」
「クソッ!イクッ!」


今まで経験したことも無い快感。
初めて知る歓び。

一瞬、あたしの時が止まった。



どれぐらい時間が経ったのかな。
道明寺と視線が合って、
「最高っ!!」
って、笑顔で言われた。


良かった・・
道明寺が笑ってる。
幸せそうに笑ってる。
それだけで、あたしも嬉しい。
道明寺を笑顔にできた自分が誇らしい。
これほどに、自分が愛おしく思えたことなんて、
この5年間で一度も無かったな。


あたしはこの日、
今の自分が一番好きだと、素直に思えた。



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  1. Sakura
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/04/08(土) 22:45:35 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
今日もたくさんの拍手をありがとうございます!
やっと、二人らしく、なったでしょうか?

さてさて、
スリ●様
するどい!それはあるっ!一部、予想通り、一部は・・大丈夫か・・これって感じです。はい。

道明寺&牧野大好き様
原作の二人っぽく、ちょっと元気だしてきましたかね?(笑)
確かに・・。道明寺司がいなければ、花男にはまっていなかったかもしれないな。F4みんな、それぞれに個性豊かで素敵ですが、やっぱり司なんですよねぇ。

四葉様
二人が幸せなら、私も嬉しい!そして、ここに書くのもなんですが、さくらさくら、フライングスタートだったんですね!いいですねぇ。あの世界。歴史物かぁ。かなりお勉強されたのかな?

ふぁいてぃ~んママ様
やっぱり、そこ、気になりますか??いや~、みんなスルーしてくれるかと・・タマさんの動向・・(笑)。そこ書くと、長くなりそうで、ちらっと触る程度にしてしまった・・。あと、一話なので、大丈夫です!今更、ドンデンとか・・ないです(笑)!

あ●様
タイムリー!って訳でもないのですが、今回lemmmonさんの和歌をみて、私もちょっとばかり、今回のお話で使えそうな百人一首を調べたときに、『逢い見ての~』の歌、本気で取り入れようか考えました。一度逢瀬を交わせば、それ以前の想いは無いに等しいもの・・とな。でも、そう考えてしまうと、離れ離れになっている5年が辛すぎる気がして、結局使えなかった・・というエピソートがありました。
俺の女も楽しみにしていただいて、ありがとうございます。なんとか、再会するつもりでおります~。


明日の第7話で、ラストになります。
しかし・・これは、皆笑っちゃうかも知れない・・・。
でも、今更、ラストナシにもできないので、笑ってやってください。

AM5:00から、お待ちしています。

更新ありがとうございます

  1. 2017/04/08(土) 12:24:04 |
  2. URL |
  3. 道明寺&牧野大好き
  4. [ edit ]
初々しくてかわいい(^-^)
原作から抜け出した道明寺とつくしの今みたい。


乱暴者で傲慢、超お金持ちでルックスも最高。なのに純情で、最初から最後までつくし一途の道明寺司がいなければ、私は花より男子にはまっていなかったかも…。

happyendingさまの花男ストーリー…。ラストも楽しみにしています(^-^)

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/08(土) 08:16:17 |
  2. |
  3. [ edit ]
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