花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

昨日俺たちは、5年ぶりに再会し、5年ぶりに肌を合わせた。
牧野は相変わらず痩せっぽちなくせに、昔より確実に女らしい丸みを帯びた体になっていた。
俺は、離れていた5年を全て埋めたくて、牧野の全身に唇を這わせ、俺の痕を付けていく。
それはまるで桜の花びらのように甘美で、儚いもの。
桜は1年に一度だけ咲く。
けど、こいつは、俺の桜は、俺の手で、一年中咲かせ続けてやる。
決して絶えることなく、こいつを愛し続ける。
それが、今の俺の目標。


久しぶりの行為に疲れ果てて、眠っちまった牧野。
そう言えば、飯も食っていなかった。
明日起きたら、こいつ怒るんだろうな。

俺はと言えば、眠る気にはなれない。
久しぶりに見る彼女をずっと見ていたい。
こいつが隣にいることが、未だに信じられない。
一度目を閉じれば、またこいつと離れてしまいそうで、その晩、俺は眠ることができなかった。




「ん・・んん・・はぁぁ・・・」
ゴソゴソと牧野が動き出し、眩しい朝の光に、少しだけ目を開いては閉じるを繰り返している。
そんな彼女をじーっと見つめる俺。

やっと覚醒した牧野と目が合った。
「うわっ!道明寺・・これ・・・夢・・?」

バーカ。夢でたまるか。俺なんて、一睡もしてねぇんだぞ。

「夢じゃねーよ。」
「そっかぁ。そうだった・・。」
そう言って、ふわっと柔らかく微笑む牧野。

これが・・幸せか。
本当に帰ってきた・・・そう実感できる。


すると牧野が俺を見つめながら言った。
「もう・・アメリカに行かなくていいんだよね?」
「あぁ。」
「ずっと・・あたしの傍にいてくれるの?」
「あぁ。」


「・・っく、ひっく・・・うっ・・うっ・・・」

ホッとしたような顔をしたかと思えば、牧野が急に泣き始めた。

俺は堪らなくて、牧野を胸の中に抱きしめた。


あの日。
5年前の別れの日。
こいつは涙を流さなかった。
もしも、あの時、牧野に泣かれていたら、俺は彼女を置いて、ニューヨークへ旅立てただろうか?

俺が、アメリカで頑張れたのは、あの時の牧野の瞳が真剣だったから。
その瞳が、ずっと待っていると伝えてくれたから。
最後まで、決して涙を見せずに、俺を送り出してくれたからだ。

あの時、牧野はまだ高2で、本当だったら泣きたかったはずだ。
だけど、あの時の俺はこいつを泣かせてやることは出来なかった。
こいつも、自分に厳しい女だから、泣いたりはしなかった。

でも、こうして今、
牧野が涙を流している。
思いっきり泣かせてやりたいと思う。
だって、これからは、こいつの涙の責任は、全部俺が取ってやれるんだから。
どんなに泣かせたとしても、その先は、絶対にこいつを幸せにする自信があるから。


ひとしきり泣くのを待って、牧野の顔を覗き込んだ。
「ぷっ。ヒデェ顔だな、おい。」
「ひどっ。しょーが無いでしょっ。だって、ほっとしたんだもん。」
「ほっとした?」
「昨日はなんだか夢みたいで、朝起きたら、あんたがいなかったらどうしようって思ったんだもん。起きてからも、またアメリカに行くって言ったらどうしようって・・」

「俺も同じ。」
「ん?」
「これが夢だったらどうしようかと思った。」
「うん。」

ぎゅーっとしがみついてくる牧野が強烈に可愛い。
そのまま顔を上向かせ、可愛い唇にキスを落とす。
そのままこいつを組み強いて、もう一度・・と思ったところで・・

『ぎゅるるるる・・・・』


互いの目が合う。
「あっ、あたしじゃないよっ!」
「俺でもねぇよっ!」
「なんで、あたしの音があんたから聞こえんのよっ!」
「うっせーな。ぎゃあ、ぎゃあ、騒ぐなっ!」

ったく、こいつは、空気読めっつーの。
けど、まぁ、仕方ねぇ。
俺達には、これから、まだまだ時間がある。
夢じゃなかった・・
ってことは、焦らなくていい。
そーいうことだ。


二人でゆっくりシャワーを浴びて、いつの間にか用意されていた服に着替えた。
「いつの間に用意されたんだろう・・」
牧野は、そんなことを気にしているが、答えを教えたら、またぎゃあぎゃあ騒ぎ出すから敢えて無視。
だいたい、昨日、晩飯も食わずに励んでたんだぜ?
俺たちの動向なんて、邸中のもんが把握しているに違いない。
教えねぇけど。

「朝メシ、食おうぜ。」
「うんっ!お腹、ペコペコ~。」

メシと聞いて機嫌のいい牧野の腰に手を回し、ダイニングへ向かおうと寝室を出ると、リビングの窓が全て開かれていた。


明るい光がリビングを照らす中、

その窓のから見えたのは、
     _____ソメイヨシノ。

俺が植えたソメイヨシノが満開になっていた。


足を止めた俺の視線の先に、牧野も気づいた。


その時、
ざぁっと強い風が吹き、桜吹雪が舞った。
舞い散った花弁が、この部屋の中にも入って来る。
その美しさに、
二人、しばらく言葉が出ない。


俺はそっと、牧野の肩を抱いて、耳元に囁いた。

「これは、俺が5年前に植えた桜。今年、初めて咲いたんだぜ?」

牧野は、少しだけ驚いた顔をした後に、
俺に向かって満開の笑顔を見せた。


二人きりで行きたかった、花見の約束。
今日、こうして叶えることが出来た。

そして、これから先も・・ずっと・・・








=5 years later=


カチャっとリビングのドアを開けると、出迎えがない。
ふと目をやると、窓の向こうに愛しい人影。

「まま~。おはな~。あいっ!」
「ありがとね~、美桜。」
「あーい。」

今年も満開のうちの桜の木の下には、俺の宝物たち。
大切なつくしと、つくしが生んでくれた新しい命。

窓にもたれつつ、庭の桜を見上げる。

____あれから、5年が経った。




再会した日から、俺はつくしを離していない。
引っ越し寸前だったのをこれ幸いと、引っ越し荷物は全部俺のマンションに移した。
俺は元々、2年で自由になる約束だったから、その俺の判断に、今更ババァの文句もなかった。
それから2年は、マンションで同棲生活を送り、無事につくしの研修が終わり、公認会計士と名乗れるようになったのを待って、3年前に結婚した。

結婚式は4月。
満開の桜が咲き誇る中、俺たちは永遠の愛を誓った。


そして、今、つくしの腹の中には、もう一つの命が芽生えている。


「ぱっぱ~!」
俺に向かって走って来る、愛娘。

「こらっ、また、コケるぞっ。」
2歳になった娘はお転婆盛り。
あっちこっちと走り回っては、モノを破壊しているらしい。
そーいうところは俺譲り。
そんで、コケても決して泣かないところは、つくし譲りらしい。
なんか、納得いかねーけど、そーいうことらしい。


走ってきた娘を抱き上げた。

「あっ、司、お帰り~。」
笑いながら、小走りに近づいてくる愛しい女。

「お前っ、妊婦なんだから、走んなっ。」
「ええ?大丈夫だよぉ。」
と、相変わらず能天気。

「今日は外でお昼にしようと思って。さっき、お弁当作ったんだ。」
「へぇ。じゃ、準備すっか。」


我が家では、この季節になると、このソメイヨシノの下でランチをする。
俺が植えたこの桜は、かなりデカイ木に成長した。
俺たちの成長を見守っているこの桜。
俺たち家族は、ずっとこの桜と共にある。


桜の下での、つくし手作りのランチ。
小さく握ったおにぎりや、タコの形のウインナーは娘のお気に入りだ。

おにぎりを手に持ったまま、いつの間にやら、うとうとと俺の膝で寝始めた愛娘。

「お前に、そっくりだな。」
「何よ・・それ。」

ブーたれた顔まで愛おしい俺の妻。

「気性はあんたに似すぎて恐いぐらいよ。」

そう言って笑う笑顔は昔と少しも変わらない。


「ねぇ、あの日、約束したよね。」
「あ?」
「二人きりで、桜を見ようって。」
「あぁ、そうだな。俺は約束守っただろ?」
「うん。」

そしてまた一陣の風が吹くと同時に、桜の花弁が俺達の周りを舞う。


『遠い日に あなたがくれた 約束の
    ______桜が今は あたしの幸せ』

そう口づさんで、はにかむつくし。


「字余りだな。」
「もうっ。」


バチンッと豪快に、つくしが俺の肩を叩く。
こんなことを俺にするのは、こいつだけ。
こんなことを俺が許すのも、こいつだけ。



『春の日に バチンと肩を 叩かれる
    ______それこそ今の 俺の幸せ』


Fin.



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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また、あとがきを夜にでも書きたいと思います。
このお話を快くコラボとして許可して下さったlemmmon様に、心から感謝!です。
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  1. Sakura
  2. / comment:8
  3. [ edit ]

Re: タイトルなし

  1. 2017/04/09(日) 23:52:30 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
ka●様
コメントありがとうございます!つくしは素直じゃないけれど、再会してからはぐっと素直になっていて、高校時代より、ずっと恋人らしくなっています。だって、5年も待っていたんですもんね。今更、気持ちを隠す必要なんてどこにもないっ!
それから、私、個人的には、この『・・年後』みたいなおまけ話が好きなんですよね。エピローグとか、好き。だから、つい書いてしまう(笑)。

he●様
そう言っていただけて良かったです。
無理矢理なお話だったので、戸惑われた方もいらっしゃるかも・・ですが、私としても、一気に書きたくなったお話でした。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/09(日) 22:02:03 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

ありがとうございました。

  1. 2017/04/09(日) 21:19:37 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
7話まで読んで頂きありがとうございました!
一気に書いたので、結局見直しが多くなって、毎日夜のチェックが大変で、直しも多くて参りました・・(笑)。内容的には切ないスタートでしたが、私としては、楽しく更新できました。

道明寺&牧野大好き様
連日のコメントありがとうございました。
道明寺、もう寂しくありませんよね。良かった。司には、つくしが絶対に必要で、彼女なしの人生は考えられないですね!
いつか、子育てなんかのお話も書いてみたいなあとは思います。
しかし、いつになることやら・・。

lemmmon様
こちらこそ、ありがとう!勢いよく書いたので、送り付けたお話は誤字脱字だらけだったり、今から考えると、凄い焦ってたなぁと反省です。告知おねがいっ!とかね(笑)。焦りすぎでした。と言うのも1話目は「桜・恋・歌」に合わせたかったからということと、その前に2話ほど、現代版花街に護られてをどうしても書きたかったから(笑)。
よいリフレッシュになったのなら、本当に良かったです!そう言っていただけるとありがたい!そして、是非、コラボお待ちしていまーす。いつでも、告知しますので、いきなりでも大丈夫です!あ、活動時間帯は夜が多いですが・・。
また、楽しいこと考えましょう!

ま●様
私の近くは、昨日ぐらいが満開近かったかな。でも雨が降っちゃって、今日はすこし散ってしまっていました。この時期は、色々なサイト様で素敵な桜のお話が書かれています。当初それに気づかずに書き始め、アップし始めてから、あっ、となりました。でも、こういった機会が無ければ、桜のお話を書くことは無かったかも知れない。そういった意味で、お話を書くタイミングも一期一会なのかも知れないです。楽しんで頂けて良かったです!

四●様
いや~何をおっしゃる!絶対、凄いの書けそうなのにっ!私は、かなり無理やりでした。読者様にも、「有り得ない」と思われていたようです。今度、何かやりたいですね。リレーとかは私は準備が無理だから、同じお題で、皆でとか?期限にゆとりをもって。だいぶ先だけど、七夕とかいいですかね~。

スリ●様
相変わらず鋭いです。細かいところは、lemmmonさんに合わせようとしていました。名前はね、ベタ。ここまで来たら、トコトンベタ。しかも、この短歌・・。意味、分かりました?昨日、ラスト変えようか散々迷いましたが、これもコラボならでは・・と言うことで、予定通り、自作の短歌をアップ。お前は小学生かっ!という短歌・・絶対に次はありません(笑)。

そして今から、あとがきを書きまーす。
続・俺の女は、勢いが足りないですが、このままでは、いつまでたっても終わらないので、明日から始めます!またどうぞよろしくお願いいたします。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/09(日) 14:01:07 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/09(日) 13:15:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/09(日) 11:50:53 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こちらこそありがとうございます

  1. 2017/04/09(日) 07:50:05 |
  2. URL |
  3. lemmmon
  4. [ edit ]
おはようございます。
こちらこそお忙しい中コラボをして下さってありがとうございます。

最初にコラボしませんかと話をいただいた時はコメディにするつもりだったのに、私が送った話はコメディにしづらかったですね。おまけに和歌とか難しい事にもチャレンジしてしまい、お互い理系なのに無茶させてしまいました。
でも、最終話の2人の和歌は上級者っぽくなくてそれが逆にらしくて良いなぁと思えました。字余りとか可愛いすぎるっしょ。

こうしてhappyendingさんとコラボ出来て楽しかったです。このおかげで滞っていた連載も再開出来ました。実はイベントだからとその話を書いてましたが、ちょっぴりスランプでもあったの。続きの方向性を失ってしまって。でもリフレッシュ出来て続きの妄想もバッチリです。その割には2日間を空けてしまったけど(苦笑)

また機会があればやりましょうね。
そんなコラボしたいって思わせる話を書いて行きたいと思います。そして今度は私がhappyendingさんの話をコラボしちゃおうかな〜なんて…野望も胸に秘め、またスランプになったら気分転換しましょう。

今回はこちらこそありがとうございました(*'▽'*)♡

7話完結ありがとうございました

  1. 2017/04/09(日) 06:04:42 |
  2. URL |
  3. 道明寺&牧野大好き
  4. [ edit ]
おはようございます(^-^)
でだしに夢……とあったので、一瞬、えっ夢の出来事だったの?と焦りました。(ホッ)

…さびしくねーよ、今は
俺にはおまえがいるし…制服デートですごく素直な道明寺のセリフ。

だから司とつくしの結婚が只々嬉しいです。その後の道明寺一家、幸せ家族編とかも見てみたいなーと期待しつつ…。
素敵なお話しありがとうございました(^-^)

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