花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

さすがは道明寺HDの日本トップ。
若干23歳にして、オーラが違う。
司が登場すれば、その場の雰囲気が変わる。

「遅れた。」
と司が一言。
一瞬だが、一気に部屋の温度が下がったように感じた。


中学・高校時代こそ、憂さ晴らしのように荒れていた司も、今では立派な支社長で、その手腕も認められている。恐らく、道明寺財閥総帥になるのは間違いないと言われる男は、ビジネスでは年齢以上の落ち着きを見せるようになっていた。それが、司がニューヨークで学んできたことでもあるんだろう。
だが、俺たちは20年近い付き合いのある幼なじみだ。
世間では近付き難いと思われている司も、俺たちの前では年齢相応の態度に戻る。

「司、久しぶり。」
と類が言えば、司も楽し気に返事を返す。
「おう。類、お前、向こうででかいビジネス抱えてんだろ?忙しいんじゃねえの?」
「司は何でもお見通しだね。」
「まぁな、じゃなきゃ、やっていけねぇよ。」

「司、酒は?」
「さっき、臼井に伝えた。」
「そっか。」

ドカッとソファに座った司がネクタイを緩めた。
そして、すぐに臼井が司のボトルを持ってきた。

司がマッカランの入ったグラスを上げたところで乾杯だ。

『久しぶり!お疲れっ!』


前に4人で集まったのは、司のニューヨーク時代だから、かれこれ2年ぶりぐらいじゃねぇかな。
各々が二人ずつで会うことはあっても、4人で会うのは本当に久しぶりだった。
俺たちは、こうしてたまにしか会わなくても、会わずにいた時間なんて感じない。
ま、それぞれの近況は嫌でも耳に入って来るってこともある。

話はまず、最近のビジネスのの話題から入った。
司が今年度から、メープルに力を入れていること、
類がフランスで古いシャトーを買い取ったこと、
俺がイギリスの老舗デパートに出資すること、
総二郎が各国大使館で、茶道のデモンストレーションをしていること、
それぞれが、腹の内を隠すことなく話をする。
こういった時間は俺たちにとってはすごく貴重だ。
常に腹の探り合いでもあるこの世界に生きていれば、嫌でも自己防衛能を身に着ける。
だけどこの4人なら、ギスギスした感情は不要だった。
ビジネスの上で極秘とされることは言えなかったが、そういったことも互いに理解していた。


仕事の話題も一段落したところで、総二郎がニヤリと笑った。

「そーいえば、司、ついに童貞卒業したんか?」
そろそろか・・とばかりに、話を切り出す総二郎。

「うっせーよ。」
司が目を伏せて、照れてやがる。
一瞬にして、この男の周りが幸せオーラで包まれた。
その様子を見て、一瞬息をのむ俺たち。
何だよっ、司!少女かよっ。

これがあの獰猛な司だなんて、信じらんねぇ。
あの日、牧野を迎えに来た司を見て分かってはいた事だが、こいつは相当牧野にやられちまってるらしい。
しかし、あの子、かなり普通の子に見えたんだけどな。
飲ませると、結構厄介な女ではあったが・・。
司が女に命令されてる姿なんて、椿姉ちゃん以外に見たことが無かった。
牧野の出す命令に素直に従っている司を見て、俺も桜子も半端なく驚いたっけ。


「お前らさ、何で付き合い隠してんだよ。ややこしいっつの。」
と総二郎。
「あいつが、仕事では他人とか言って、聞かねぇんだよ。」
「はぁ?まあ、確かにそーいうとこ、融通利かなそうな子ではあるな。」
「だろ?」
とか言いながらも、司の表情は柔らかい。
きっと、牧野の我儘だったらどんな事でも許しちまう、そんな表情。
我儘、俺様し放題だった以前の司を知る俺達からすれば、こいつは人が変わったとしか思えない。

司が、こんな顔をするようになるなんてな。
なんか、おにーさんとしては、感慨深いぜ。


「今日は、いいのか?」
「何がだよ。」
「牧野。お前、帰国してから付き合いわりぃの、牧野がいるからなんだろ?」
「あぁ、まぁな。けど、今日は大丈夫だ。」
「なんで?」
「今日、あいつ、宿直なんだよ。」
「宿直?」
「メープルに泊まりで仕事なんだよ。」
「へぇ・・大変だな。」

牧野の仕事が大変という意味でもあるし、それを司に納得させるのも大変だったに違いない。
だいたい、この独占欲の塊の司が、自分の女がホテルに宿直するのを許すという時点で信じられないような気がする。
だって、そうだろ?
仕事だとは言ったって、男も一緒だろうしな。
司も気が気じゃないだろう。
メープルに関しては心配は少ないだろうが、下品な客に遭遇しないとも限らない。
そんな俺の考えに気付いたのか、司が言った。

「あいつがメープルに泊まるときは、俺もここに泊まってる。」
「は?何だよ、それ?」
「何かあったら、まずいだろ?あいつは隙がありすぎるしな。」

つまり・・牧野を見守るために、自分もメープルに泊ってるってことかよ。
これ、牧野知ってんのか?
知る訳ねぇよな?
いや、けど、ここのインペリアルスイートはこいつが常時keepしてるから、そこにいつ出入りしようが、文句を言われる筋合いはないんだろうが。
かーっ、どこまで、こいつは過保護なんだよ。
いや、独占欲か・・。
まさか、道明寺司が、ロビーやフロントをウロウロ歩いてんじゃねぇだろうな?
それだけは、止めとけよ?


「けど、お前、SPつけてんだろ。牧野に。」
俺と同様にあきれ顔の総二郎が、司に言った。
SP?マジかよっ。おい。
そういや、この間も、司が到着するのが妙に早かったな。
しかもあの時、牧野は自分の居場所を言ってなかったような・・。
そうか、そーいうことかよっ。

「おう。ま、俺も、出張なんかもあるし、常に見ておいてやれる訳じゃねーからな。」

さも当然というかのように、司がグラスを煽った。
自分の女にSP付けてる奴なんざ、お前ぐらいだと思うぞ?
俺だって、桜子にそんなことしてねぇし。
だいたい、そんなことしたら牧野に怒られるだろうよ。
極秘なんだろうが。

司の愛情ってが何だか恐ぇな。
牧野が気の毒っつーか。
こいつ、牧野に振られでもしたら、どーなっちまうんだ?
うわっ、寒気したっ。


「牧野って、一般家庭の女なんだよな。一体どこで知り合ったんだよ?」
ナイスッ!総二郎!
俺もそれ、知りたかった。
「あ?大学の時、ここでバイトしてたんだよ、あいつ。」
「ここって、The Classicか?」
「あぁ。」
「で?お前が、声をかけたんか?」
「いや、始めはあっちだったか・・。」

へえ・・意外だ。
牧野が司を誘ったって?そういうタイプには見えなかったが。
どうやら総二郎もそう思ったらしい。
「意外だな。牧野って、純情そうなのに、実はすげぇの?テクとか?」

「は?何の話だよ?」
と司が眉根を寄せている。
「女嫌いのお前を一発で落とすなんて、相当なベッドテクをもってるってことだろ?」
総二郎は至極当然といった言い様だったが、その言葉に、司がブチ切れた。

「バカ言ってんじゃねーよ!!あいつの初めては俺だっつーの!!」

しーん。
あ・・そう。
俺も気まずくなって、思わず総二郎を見ると、総二郎が大きく溜息をついた。

「お前が、牧野が誘ってきたとか言うからだろ?ややこしいっ。」
「そーいう誘いじゃねぇよっ。」
「じゃあ、何だよ。」
「誕生日に、マフィンもらった。」

「「ぶっ・・・くっ・・・わっはっはっ!!!」」

なんだそれ?
司の誕生日にマフィンを渡したとか、どこまでお子ちゃまなんだ、この二人は。
笑いが止まらねぇ・・。
てことは何か?
マフィンを貰って、惚れちまったってことか?


「ねぇ、さっきから、話が見えないんだけど?」
と、沈黙していた類が口を開いた。

「驚くなよ、類。司に女が出来た。」
笑いながら類に伝える総二郎に対して、無表情の類が、目を少し大きくした。

「へぇ・・驚いたかも。で、誰?」

「類、実はさっき見かけてる。ロビーで、後藤会長と話しただろ?あの時一緒にいたメープルのスタッフ。」

俺と類は一緒にメープルにやってきた。
すると、丁度後藤会長が牧野と話しているところに出くわした。
俺の親父と後藤会長は仲がいいから、俺も当然、後藤会長と面識がある。
それで挨拶をしたから、類も覚えているはずだ。

「ああ・・あの子。ここまで案内してくれた子ね。」
へぇ・・と類が首を傾けつつ、どうやら牧野を思い出そうとしているようだ。
「そうそう。」
と俺が相づちを打つと、何故か総二郎まで乗ってきた。

「何だお前らも?俺も、さっき牧野に会って来たぜ?」
とちょっと自慢げな総二郎。

「お前は?なんで?」
「俺はビジネスパートナーだからな。ちょっとフロントに顔出しただけ。そしたら、ここの入口まで送ってくれた。」
「へぇ。流石メープル仕込み。対応いいな。」
「ま、司が惚れちゃうぐらいだし?」

「「うひゃひゃひゃひゃ・・・」」


俺たちは自分らの会話に夢中で、額に青筋立てている司に気付かなかった。

ガチャーン!
とグラスをテーブルに叩きつける音に続いて、

『なんで、オメーら、勝手につくしに会ってんだよ!!』

司の怒声が響いた。



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  1. 続・俺の女
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは~!

  1. 2017/04/11(火) 22:37:32 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手、ありがとうございます。
朝読んだら、後藤会長が後藤社長になっていて、焦りました。
この間違いに気が付いた人いるんだろうか・・。
書きたくない病が再発?いや、慢性的でもありますが、長編で先を考えるとどうしてか筆が進まない。
近いうちに貯金も尽きる・・・。困った、困った・・・。

はぁ~。といっても仕方ない。なるようになるかっ!
さてさて、
スリ●様
今日もコメントありがとうございます!
もうすこーしいじって、明日は次の展開へステップアップ(笑)予定。
は~。はやくお話進んで行かないかなぁ・・。

ふぁいてぃ~んママ様
微笑ましい!本当にそうですね。つくし愛されてますね~。
もう、司さん、ストーカー並みになっている(笑)。
類君はねぇ。ちょい役です。はい。どうなるか、もう少し先までお待ちくださーい(^^)


じっくり考えて書いた方がいいような気がするけれど・・
一応明日もAM5:00に。

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  1. 2017/04/11(火) 07:19:11 |
  2. |
  3. [ edit ]
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