花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

あたしは今、メープルのフロント業務と、道明寺HDとの共同企画に追われている。
西門先生との茶道の企画は、目途が立ちつつあって順調に進んでる。

一方で、『女子力アップ講座 』と題して、夢子先生の料理、メープルのエステ、桜子のヨガとメイクアップ教室を企画しているけれど、こちらは、司さんがなかなかGoサインを出さなかった。
その理由は、先日、桜子が、あたしを揶揄ったからだとか言うんだけど・・・。


あの日、初めて桜子と飲んだ日以来、あたしと桜子には妙な友情が芽生えている。
友情?と言えるのかどうかは分からないけれど、なんだか憎めなくて可愛い子。
何故だか、「桜子」「先輩」と呼び合う仲だし。
あの翌日に、桜子からすぐにメープルに連絡が入り、彼女はこの企画への協力を申し出てくれた。

だけど、桜子の参加に、司さんがなかなか首を縦に振らなくて。
そのくせ、司さんが驚くぐらいにあたしを綺麗に変身させることができたら、企画に参加させてもいいとか言い出した。

「はぁ、道明寺さんって、案外心の狭い男ですね。じゃあ、納得してもらえるように、私の実力をお見せします。」

そんなことを言われた桜子が、俄然やる気を出したもんだから、あたしは協力をせざるを得なくなった。
どうやら、桜子の闘志に火を付けちゃったみたい。




そんなこんなで、無理やり招かれた、桜子が経営するエステルーム。
本当は来たくなんか無かったけど、企画のことが絡んでいるから仕方ない。
お店の前まで来たけれど、中に入る勇気もなかなか出ないぐらいに高級感漂う入口。
えいやっと扉を開けたら、すでに連絡が入っていたためか、すんなりと個室に案内されて拍子抜け。

桜子が現れるまでに、個室をキョロキョロと眺めてみる。
完全個室対応はもちろんのこと、ハンドマッサージを基本としつつも、最新鋭の機械を導入した、極上のエステ・・なんて書いてある。
あたしがいる空間は、グリーンが配置されリラックスムードが漂いつつも、ソファからテーブルから全てが高級感に溢れていて、あたしみたいな庶民には、とっても居心地が悪かった。

ちらりと見た料金表は・・
フェイシャルエステ、2万円から・・・ゲェ。
トータルボディ、5万円から・・って、マジで?1回でこの値段?

やばいよ、これ。
エステって言ったって、高すぎるでしょ?
これって普通じゃないよね?
あたし、エステなんて行ったことないし。
お金・・ないし・・・。

冷や汗が出てきたところで、桜子が登場した。

「お待たせしました、先輩。」
「桜子、あたし、やっぱり無理。帰る。」
「何言ってるんですか!道明寺さんに納得してもらえれば企画が通るんですよっ!」
「だって、こんなお金、払えないし。」
あたしは思わず、料金表を指さした。

「先輩、頭カラなんですか?先輩の恋人は誰なんです?」
「ええ?今それは関係ないでしょ。」
「関係大アリです。必要経費は道明寺さんに請求しますから、ご心配なくっ!」

そういうと、桜子は指をパチンと鳴らした。
すると、待ってました!というかのように、前後左右から、白い制服を身に付けた綺麗なお姉さんたちが飛び出してきて、ポンと別な個室に放り込まれた。

「やだ~!やめてっ。あっ、ちょっと~。」


「やだ・・キャハハ・・くすぐったい・・・ププッ・・」
「ギャーやめてっ、ダメ、どこ触ってるんですかっ!」
「あ~、何これ・・顔がプルプル震えてる・・」
「パチン・・パチン・・うわっ・・何これっ・・」


初めての体験に、体が顔が悲鳴を上げる。
でも、結構気持ち良かったりして・・・。
半分夢の世界を漂いながら、3時間近くたった頃、
カルテを持った桜子がやってきた。


「どうです?先輩。」
「めちゃくちゃ気持ちいい・・夢心地・・」
「そうですか。肌は、割と状態がいいですね。」
「そう?よかったぁ。」
お金はかけてないけど、朝晩の化粧水は欠かしてないしね。

「夜にパックとかしてます?」
「ううん。してない。」
「それ位はしましょうよ。ホテルでの仕事って結構乾燥しますし、疲れた顔のフロントスタッフってどうかと思いますよ?」

確かにね。フロントの先輩たちも、身なりにはかなり気を使っているし、実際にそういった指導も受けている。
でもねぇ。夜は・・司さんが部屋に来ちゃうことが多くって、パックとかゆっくりする余裕がないんだよね。
桜子はどうしてるのかな?

「ねぇ、桜子さぁ。美作専務の前でパックとかしてるの?」
「は?何言っているんです?しませんよ、そんなこと。そういうことは影で努力をすることです。」
「ふーん。」
「何ですか?先輩・・その不満そうな顔。」
「だってさ。夜はゆっくりしてると司さん帰って来ちゃうし、あんまりそういう暇ないんだよね。」
「毎日ではないでしょう?」
「出張以外はほぼ毎日一緒だし。」

桜子がちょっと小首をかしげた。
「もしかして、先輩って・・道明寺さんと同棲しているんですか?」
「同棲っていうか・・同じマンションに住んでるの。だから、夜は司さんがあたしの部屋に来てて・・」
「それって同棲ですよね。すごく意外です。」
「何が?」
「だって、あの道明寺さんですよ?女性との噂なんて、今まで1回も無かった人なのに。そんな人が同棲だなんて。」

あたしも、時々ふと、この生活でいいのかと思う時もある。
あのマンションは司さんのもので、あたしは居候状態。
そんなことでいいのかなぁ。
一応あたし達は恋人同士なんだけど、それは世間には言えないし。

「先輩たちって、お付き合いをしてるのに隠してたり、そうかと思えば実は同棲してたり、不思議です。」
「そう・・かな?」
「ま、道明寺さんがヤキモキされる気持ちもわかるような気がします。」
「え?」
「だって、同棲している彼女を秘密にしているんですもんね。」
「だからって、どうしてヤキモキするのよ。」
「まぁ、いいです。じゃ、次はこれ。これに着替えてください。」

まぁいいって何よ。
文句を言いつつ、桜子に案内された部屋には、ウエスト切り替えのドレス。
スカート部分は大胆な花柄で、とってもエレガント。

でも・・
「なんで?」
「エステしただけじゃ、道明寺さんに認めてもらえないかも知れないでしょ。この服に着替えてください。ばっちりメイクもして、見せつけてやりましょうっ!」

見せつけてやるって言ったってさ。
まあ、中身はあたしなんだよね。
だけど、あたしが、司さんが驚くぐらいに綺麗にならなきゃ、桜子との企画が通りそうにない。
はぁ・・なんでこんなことになっちゃったんだろ?


でもさ。
だいたい司さんだって、分かってると思うのよね。
普段一緒にいるんだから、あたしのすっぴん見てるんだし。
そもそも、自慢じゃないけど、あんまりメイクも上手じゃないし。
あたしが、どんなに頑張ったって、たかが知れてるのに。
もしかして・・本当は企画を通す気なんて全くないとか・・
なんて、隣で気合入ってる桜子には、とても言えないわ。


「そんなことないと思いますけど。」
あたしの髪をセットしてくれている桜子が、案外自信ありげに言う。
あれ?もしかしてまた独り言言ってたかな?

「桜子、自信あるんだ?」
「私は、負け戦はしませんからね。」
「さすがだね。そーいうところ、いいね、桜子。」
「どーも。先輩。」


髪にカールを付けて、アップにセットされたところで、司さんが部屋に入ってきた。
あたしはここに司さんが来るなんて聞いてなかったから、すっごくびっくりした。


ガタンと椅子から立ち上がって、司さんの正面に立つと、
司さんがじーっとあたしを見つめる。
でも、なんかおかしい。
ちょっと、口が開いていて、ポカーンって感じ。


あたしは何だか居た堪れない。
お化粧濃すぎた?
マスカラ付け過ぎ?
あ、リップが赤すぎだよ~!

「司さん・・・」

何か言ってよ・・。
生きた心地がしないよ。


「つくし・・・すげぇ、綺麗だ。」

はっと顔を上げれば、蕩けそうな顔の司さん。


この人はいつもあたしを褒めてくれるから、この感想だって、客観的な評価だとは思えないんだけど、だけど、あたしにとっては、司さんにどう見られるのかが重要な訳で。

良かった・・
ほっとした。


肩からどっと力が抜けた時に、司さんが言った。

「わりぃな、三条。助かった。」
「どういたしまして、道明寺さん。」

ん?
助かった?
どういたしまして?

なに?なに?
一体・・・どういうことなのっ!?

 

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  1. 続・俺の女
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/04/14(金) 22:24:09 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの応援をありがとうございます!

しばらくはタブレットで行くことを決めた私。
いろいろと不便だけれど、だんだんと慣れていくかなぁ。

さてさて、
スリ●様
今日もコメントありがとうございます!
連れていくよねぇ。パーティー(笑)。
さて、どんな会なんでしょう。そんなに、突拍子もないってことはないですけど・・。へへへ。

毎日バタバタしていて、ゆっくり二次のお話を読む暇もなかった。
けれど、まずは、この続きを頑張って書いて、早く終わらせたい!と思う今日この頃。
そんなお話を読んでくださって、ポチっとしてくださっている方に励まされています。
それが無ければ書いてないかもしれないなぁ。
他の書き手さんもよく書かれていますが、拍手やポチがやる気につながるのは確かなんですよね~。
日々、感謝!です。

では、明日もAM5:00に!

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  1. 2017/04/14(金) 06:30:03 |
  2. |
  3. [ edit ]
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