花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

後藤建設の協力を得て、道明寺HDが先導する高齢者住宅建設も順調に進む中、後藤会長の誕生日パーティーに招待された。

後藤会長はすでに長男に社長職は譲っているものの、今でも壮大な権力を持っている。
その誕生日パーティーと言えば、後藤会長が普段から個人的に交流のある上流階級の選ばれた人物しか招かれない。
俺だって、年齢からすると、今回のプロジェクトが無ければ呼ばれていなかったに違いない。


そんなクローズドの会に牧野を連れて参加する意味。
それは、こういった内輪の会に同伴するパートナーこそ、本命だと理解されるからだ。
報道陣が入る集まりは、企業戦略上、政治的な理由でパートナーを選ぶことも多く、それがそもそもプライベートに関係があるとは、俺達は特に考えない。
けれど、このパーティーは違う。
ここに牧野を連れて参加するということは、つまり、彼女が俺の本命であり、俺たちが個人的に親しくしている間柄であることを暗に示すことになる。
しかも、こういった場に女を同伴したことのない俺が、女連れともなれば、その信憑性は高いだろう。
周囲が驚くのも無理はない話だ。


パーテイー会場に足を踏み入れた途端に、人々の視線をジリジリと感じた牧野は、かなり焦ったみたいだ。
仕事では見かけ以上に堂々としていて、積極的なこいつだが、こういったパーティーは全く未知なんだろう。
緊張が顔に現れ、俺を恨む顔つきになっていた。


「勝手にどっか行かないでよ?」
「絶対、手、離さないで。」

なんて、普段は俺との関係を隠したがるこいつが、正気なら絶対に口にしないようなことを言い出した。

コレ幸い。
俺は、つくしの右手を俺の左腕に絡めた。
「しっかり、つかまっとけよ?逸れねぇように。」
そう言ってやると、
「うん。分かった。」
と、まるで、戦闘にでも行くかのようなつくしの返事。

こいつは絶対に現状を把握できてねぇ。
ま、俺の計画通りなんだが。
周囲の奴らが、俺の本命として自分を見ているなんて、考えもしていないんだろう。

俺を頼り切った表情のつくしに向かって俺が微笑めば、周囲から溜息が漏れた。
こいつは全く周りが見えてねぇけどな。



それから、俺たちはまず、主役の後藤会長の元へ向かった。
後藤会長と挨拶をしていたのは、東西商事の加藤専務。
二人が同時にこちらに気付いた。

「これはこれは・・道明寺支社長と・・っっ??」
「・・・これは驚いた。」

二人の前まで歩き、俺はわざとらしく牧野を紹介する。
「会長、お誕生日、おめでとうございます。本日はお招き頂きありがとうございました。こちらは・・」
「牧野さんでしょう?驚いたな。道明寺さんが、牧野さんと現れるなんて。」
「牧野さんが、道明寺HDとの企画を担当しているとは聞いていたが・・。」
二人は目を白黒している。

と、隣から、出てきたのは、後藤会長夫人。
「まぁ、つくしちゃんっ!なんて、可愛いのっ。まぁ、道明寺支社長と・・まぁ。まぁ。そうなの。そういうことなの。全く、知らなかったわ。」
「おいおい、そんなに騒いでは失礼だよ。」
愛妻家の後藤会長が、婦人をやんわりとたしなめる。

「だって、驚くじゃありませんか。あなた。」

そりゃそうだ。
この会に、俺がつくしをエスコートして現れたのは、ビジネスの為ではなく、個人的な付き合いが深いからだということは分かっただろう。

「ねぇ、道明寺さん。そういうことなんでしょう?」
茶目っ気たっぷりに聞いてきた夫人に、俺は口角を上げて見せた。

「まぁ、やっぱりそうなのね。これでは、うちの息子は勝ち目がないわねぇ。」
「だから、最初から無理だって言ったじゃないか。」
「だって。つくしちゃんが娘になってくれたらうれしいって、あなただっておっしゃっていたでしょう?」

ちらっとつくしを見ると、困惑したような表情を浮かべている。

「あの・・。」
とつくしが間に入ろうとすると、
「いやいや、いいんだよ。牧野さん。そういうことだったのか。先日は気を使わせてしまったね。」
「え?いえ・・。」

「道明寺さんも、人が悪い。こういうことなら、前もって教えてくれたら良かったのに。」
「すみません。」
「我々は、彼女のファンクラブの会員だからね。もし、彼女が悲しむようなことがあったら黙ってはいないよ。」
「心配ご無用です。」

隣のつくしは、何が何だかわからないといった様子だが、とりあえず話を合わせようと必死に笑顔を作っている。
こうして、俺の包囲網が少しずつ張り巡らされているとは思ってもいないはずだ。


「とにかく、今日は楽しんで帰って下さい。」
「はい。」
「牧野さんも、今日はゲストだからね。楽しんで。」
「はい。ありがとうございます。」

後藤会長夫妻は、次々と会場入りする来客との挨拶のために、その場を離れて行った。


それからは、つくしをエスコートしつつ、会場内を見て回った。
庭がきれいだと言って、花を見ながら歩くつくし。

「ねぇ、これからどうすればいいの?」
「まだ始まったばっかりだろ。もうしばらくしてから、会長の挨拶があるから、それが終わるまではここにいることになる。」
「なるほど。」
「しばらく歓談だから、なんか食うか?」
「いいの?」
食い物のことになれば、ぱぁっと明るい表情になるつくしは本当に可愛い。

「実はさっき見かけた、ローストビーフ。すっごくおいしそうだったの。」
緊張していたくせに、ちゃっかり食事は目に留まっていたらしい。

「じゃあ、食いに行こうぜ。」
「うん。」



***



「いっつも思うんだけど、一回でお皿いっぱいに載せてくれればいいのにね?」
つい先ほど切り分けられたローストビーフを美味そうにほおばりつつ、つくしが楽しそうに話している。

「ねぇ、あっちのアボカドとエビのサラダもおいしそう。行ってみる?」
すっかり、緊張は無くなったのか、食べることに夢中のつくし。

その時、背後から声がかかった。

「牧野さん、今晩は。」
振り返ると、そこには30歳ぐらいの男。

「あ・・」

「道明寺さん、初めまして。後藤悟です。」
「司さん、会長の息子さんよ。」
一々説明されなくても、俺も調べていたから知っていた。
例の、後藤会長の三男だ。

「道明寺司です。初めまして。」
ビジネスではこいつと関わり合いになることはないが、後藤会長の息子だということで、一応挨拶ぐらいはしておく。

「今さっき、道明寺さんと牧野さんが一緒だと聞いて探していたんです。いやぁ、驚いた。本当だったんですね。道明寺さんの恋人が牧野さんだなんて。」
後藤悟が、さも意外だというように勢いよく話す。

「そんなっ、違いますっ!」
必死に訂正しようとするつくし。
その訂正は、今更効果はねぇんだけど。
そんなことよりも、俺は、この男の言い方が気になった。
牧野さんだなんて・・?

俺はじっと後藤悟を睨んだ。
すると、向こうも俺の意図を感じ取ったようだ。
それにも関わらず、図々しく、思うがままに話し掛けてくる。

「道明寺財閥の後継者の恋人が、一般庶民だなんて驚きです。うちの両親も、兄たちにはそれなりの家柄の女性を勧めたくせに、どうして私に彼女を勧めるのか疑問でした。だって、そうでしょう?道明寺さんなら、もっと一流の女性だって手に入れることができるのではないですか?牧野さんではなくても。特に会社のことを考えれば尚更では?それなのに、どうして?」

つくしが俺の腕をぎゅっと握った。

こいつ・・俺を挑発してんのか?
つくしと俺を目の前にして、こんな無礼なことを言うやつがいるなんて、想定外だった。

しかし、今日は、後藤会長の誕生日パーティーだ。
その主役の息子を殴り倒す訳にはいかねぇ。
どういうつもりで、こんなことを言っているのかは分からねぇが、この男のつくしに対する評価や価値観がどうであれ、俺の気持ちが変わる訳じゃねぇ。

馬鹿な男は相手にしてらんねぇ。

俺は男を鼻で笑って、ぐっとつくしの肩を抱き寄せた。
俺にとって、大切なのはこいつだけなんだ。


「どうしてかなんて愚問です。俺は彼女にベタ惚れですよ。彼女を見せびらかしたくて、このパーティーに誘ったんです。」



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  1. 続・俺の女
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは〜。

  1. 2017/04/16(日) 22:18:14 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつも沢山の拍手をありがとうございます。

スリ●様
この三男は、黒田君以上に雑魚キャラですが、でも、この先の方向転換には一役買う感じでしょうか?
このお話がの二人には、今のところ大きな障害がまだありませんものね。って、意味不明かなぁ。

ふぁいて〜んママ様
ねぇ。クソ男。その通り。でも、そういう目で見られるのは初めてのつくしちゃんには辛かっただろうな…。そこを二人には乗り越えてもらわねばです!

he●様
殴りませんでしたね。司さん。以前の司なら、殴ってますよね。でも、殴れば、つくしの立場も悪くなる。だから、殴れない。大人になりましたよね〜。

では、明日も、AM5:00に!

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  1. 2017/04/16(日) 10:11:07 |
  2. |
  3. [ edit ]
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