花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「俺は彼女にベタ惚れですよ。」

そう言って、俺は後藤悟を睨んだ。
つくしは俺に肩を抱かれたまま、俯いちまっている。
これ以上、何か言ってみろよ?
今日は、オヤジの手前、見逃してやってんだ。
次はない。

「すみません。失礼を。しかし、とても意外だったもので。牧野さんの人柄については、うちの両親から色々と聞かされているんです。若いのに、しっかりとした素敵なお嬢さんだと。だから・・」

「だから・・?」

「だから、私にも会ってみろとしつこくてね。実際先日ホテルでお会いして可愛らしい方だなと思いました。ですが、うちの両親が僕に牧野さんを勧めるのは、僕が三男で、会社の経営には関わっていないからだと思っていたんですよ。経営に関係ないから、後ろ盾のない女性でも気立ての良いお嬢さんがいいと考えているのかと勘ぐっていましてね。」

この男はいったい何が言いてぇんだ?
さっぱりわかんねぇ。
会社のためには後ろ盾があった方がいい?
そんなことを考えてるようじゃ、後藤建設も終わりだ。
後藤会長がそんなことを考えているのかどうかは知ったこっちゃねぇが。
この男の器がたいしたことねぇってことは確かだ。
第一、この話をつくしの前でする必要がどこにある?
つくしに恨みでもあんのかよ。
やっぱ、許せねぇ・・


俺が一歩前に出ようとした時に、つくしがぐっと俺の腕を引いた。
いつの間にか、つくしが後藤悟を見据えていた。

「それって、私が司さんにふさわしくないとおっしゃっているんですよね?」

ドキッとするほど冷めた表情。
こんなつくしを見たことがなかった。

「いや、そういう意味ではなかったんだけど・・。牧野さんを怒らせちゃったかな?」
少し肩を上げたポーズに、俺も限界に達する。
そういう意味じゃなかったらどういう意味なんだっ。

「てめえ!」
俺がこの男の胸ぐら掴もうとした時に、つくしがそれを止めた。

「それで?ふさわしくないから、どうしろと?何故、今、そんなことを言うんです?」

後藤悟が、牧野の気迫に押されている。
「いや・・その、参ったな・・。ただ・・」
つくしが、こんな切り返しをしてくると思わなかったか?
俺たちを舐めてやがったか。


「余計なお世話です。」
「え?」
「余計なお世話だって言ったんです。」

「彼が誰と付き合おうと、あたしが誰を付き合おうと、あなたにとやかく言われる筋合いはない。だいたい、あたしだって、本当は、こんなにややこしい人なんかと付き合いたくなかった。だけど、偶々好きになった人が彼だっただけ。それの何が悪いのよっ。今日だって、だから嫌だって言ったのに。こんなところに連れてきてっ!」

やべっ。つくしの怒りが俺に向いてきたっ。
後藤の奴も、ポカンとした顔をしてやがる。
なんでだよっ!
周りに人も集まってきている。

「つくし、ちょっと待て。」
「司さんは黙っててよっ!だいたい、こんなところに連れてくるからこんなことになっちゃうんだよ?なんで?あたし達、お互いに好きだから付き合ってるんだよね?それじゃダメなの?どうして、他人に文句言われなくっちゃいけないのよっ!」

つくし・・声がでけぇ。

俺達が恋人同士であるということが、暗黙の了解で周知されればいいと企んでいたが、今のつくしの発言で、ここにいる奴らには、しっかりと事実として認識されたに違いない。

結果オーライ。
けど、つくしを傷つけたこの男の罪は重い。


「そうだな。こいつには関係ねぇのにな。」
つくしを抱き寄せて、その髪にキスを一つ落とす。

それから、ポカンとしたままの後藤に向かって、言ってやった。
「後藤さん、あなたの店の看板メニューは但馬牛ステーキだそうですが、買い付けはどちらから?あ、使用している野菜は全てオーガニックだそうで、安定した仕入れも大変でしょう。そうだ、鮮魚というのは、凍結された魚は使われていないということだそうですね。ご存知でしたか?」

みるみるうちに、後藤の顔色が悪くなる。

「そろそろ、監査が入るかもしれませんね。」

馬鹿が。
こっちだって、調べてから来てんだよ。
舐めんなっ。

「という訳で、後藤さん、失礼します。」

これ以上、この男と話す必要はない。
その場を離れようと踵を返したところで、


パチパチパチ・・・と小さな拍手。


「へぇ。司の彼女。やるね。」
振り返れば、そこには類。

「ヒヤヒヤさせんなよ。」
「先輩、ちゃんと回り見えてます?」
その隣には、あきらと三条。

どうやら、俺達の様子をこっそり見ていたらしい。

「なんで、お前らここにいんだよ。」
「桜子が、牧野の初めてのパーティーじゃ、心配だっていうからさ。」
「類は?」
「俺が買い取ったシャトーのファンなんだって、後藤会長が。この間その話になったから、招待されたって訳。でも、息子さんの店にワイン卸すのは止めておく。」

ったく、しれっと言いやがって。

「だからって、来るなよ。」
「でも、来てよかったんじゃない?」

類の視線の先には、いつの間にか俺の隣から走り去って、三条に抱き付いているつくしの姿。


まぁな。あの男が出てこなきゃ、万事OKだったが、とんだハプニングに見舞われた。
つくしには何も知られないようにするつもりだったのに、余計な苦労を背負わせちまったことに胸が痛む。
だけど、つくしの一言のおかげで、俺の恋人としてつくしを周知させるという目論見は、完全に達成された。


「なんかさ、あの子、面白いよね。」
「何がだよ。」
俺はつくしを見つめながら、類の呟きを聞いていた。
「本当は、こんなにややこしい男とは付き合いたくなかったっていうのさ、あれ、彼女の本音じゃないの?」
「あ?」
思わず、類を正面から見ちまった。
「つまり、本当は、普通の男と付き合いたかったてことだろ。でも、実際に好きになった男はややこしい男だったって訳だ。面白いよね。俺らのこと、ややこしいとかいう女。」


元々つくしは、俺が「道明寺司」だということは知らずに付き合いを始めた。
彼女は、俺をただの男として好きになってくれたはずだ。
好きになった男が、偶々、ややこしい男だった・・か・・


今回俺が仕掛けたことで、つくしは俺を、更にややこしい男のカテゴリーに入れているんだろう。
だからと言って、彼女は俺と別れるとは言わなかった。
それが嬉しかったりする。

今日は、つくしを十分甘やかせてやらなきゃな。
俺のせいで苦労をしている。
だけど、手放せねぇんだから、仕方ない。
俺がお前を守ってやるから。


「つくし、会長のスピーチ終わったら帰るぞ。」
後ろ姿にそういえば、
桜子と楽し気に笑いあっていたつくしが振り返った。

「ええ~。まだ、ケーキ食べてないのに・・。」

ったく。
これがこいつの強さ。
本当は傷ついていない訳じゃない。
けど、俺に心配はさせたくないんだろう。


あぁ、早く帰りてぇな。

あの6階の、俺にとっては狭いけど、
互いの気配が感じ取れる、居心地の良いマンションに。



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  1. 続・俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/04/18(火) 01:20:34 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!

いや~。風邪をひいたようで、週末から喉が痛かったんですが、仕事中から頭が痛くなって、死ぬかと思いました。帰宅後、子供たちを半分放置して(汗)、ぐっすり寝たらちょっと回復しました。
そして・・現在夜中です・・。まだ、インフルエンザがでてるらしいですねぇ。私は頭痛と咽頭痛で発熱はないんですけどね。やっぱりだるいな。

そんなわけで、今日はまとめてのお返事になりますが、コメント・拍手コメント、ありがとうございます。
つくしちゃん、辛かっただろうなぁと思います。
そして、明日からは、少しお話が展開させていきたいので、更新がんばります!
二人にとっては、多少の試練?になっていく・・予定です・・

では、今日のAM5:00に!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/17(月) 22:36:51 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2017/04/17(月) 07:57:14 |
  2. |
  3. [ edit ]
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