花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

このお話は『ある日のThe Classic ⑦』へ繋がります。
***




「どうした?封筒なかったか?」
とつくしに問いかけてみるが、返事はない。
タブレットから顔を上げるとつくしが、ぼーっと机を見つめていた。

「何だよ。」
俺は立ち上がって、つくしに近づいて行くと、彼女がビクッと体を震わせた。

ん?
なんか、あったか?

つくしの隣に立ち、彼女が覗いていた引き出しに視線を落とす。
そこには、白地に黒の柄の入ったハンカチが入っていた。

なんだ?これ?


あ・・
これって、もしかして・・
俺は過去の、少し情けない、懐かしい記憶を思い出しつつあった。

あの時のハンカチ・・


「司さん、これって・・女性物だよね?」
「あ?」
「どうしてここにあるの?」
「え?」
「司さんって、こういうの大切にする人なんだ。いや、別にいいんだけどね。物は大切にすべきだしね。うん。」
「つくし・・?」

つくしは俺を見ようとしない。
それに、言葉も刺々しい。
メチャクチャ珍しいその反応。

「あっ、あたしっ!来週、桜子と沖縄行くからねっ!司さん、絶対について来ないでよねっ!!」

ドンッ!

不覚にも俺はつくしに両手で胸を押されて後方へよろめき、
その隙につくしはスルリと俺の脇を通り抜けて、部屋を出て行ってしまった。


俺・・呆然・・。

今・・何が起こった?
俺は、引き出しに残されたハンカチを手に取った。
懐かしい、パンダ柄のハンカチ。


俺が高3の誕生日に、通りすがりの女から渡されたハンカチだ。
喧嘩に明け暮れていた俺に、「一円でも自分で稼いでみろ。」「両親に感謝しろ。」と言った女がいた。
その女が、俺に無理やり渡してきたハンカチだ。
恐らく、ニューヨークにそのまま持っていき、俺の帰国とともに、いつの間にか、この部屋に戻されていたんだろう。


しかし、一体つくしはどうしたっていうんだ?
三条と旅行に行くとか言って、飛び出していきやがった。
俺が時間を作るって言ってんのに何考えてんだ?

さっぱり訳分かんねぇ。


けど、つくしの機嫌が悪くなったのは間違いない。
俺は今更ながら慌てて、6階のつくしの部屋へ急いだが、部屋に彼女はいなかった。

どこ行ったんだ?あいつ。


携帯を鳴らすが出ねえ。
今日は仕事って訳じゃなかったから、つくしにSPは付けていなかった。
時計を見れば21時を回ってる。
この時間に女一人で飛び出して行きやがって。

俺は慌てて、専用エレベーターでロビー階に降りた。
ロビーに待機しているSPが俺にピタッと付いてくる。

「つくしが下りて来ただろ?誰か付いたか?」
「森田が付いていきました。」
「よし、でかした。」

そのうちSPから連絡が入るはずだ。
俺は地下のリムジンに乗り、連絡を待つ・・・が、なかなか来ねぇ。


大体・・なんでいきなり飛び出していくんだよ。
こんなハンカチごときで・・


って、え?


もしかして・・
このハンカチを渡した女に嫉妬してるとか?
いや、まさか。
こんな安モンのハンカチに?

まじか?
まじかよっ!?
つくしが嫉妬とか・・考えらんねぇ。

俺は思わず、口元を押さえた。

俺は大概モテるが、あいつがそれについてどうのこうのと言うことはほとんどない。
ま、俺自身、つくし以外の女を近くに寄せ付けないこともあって、つくしは俺が女と一緒にいるところなんてほとんど見たことがないはずだ。

嫉妬・・。
やべっ、ニヤける。
それって、俺のことが好きで、好きで、仕方がねぇから起こる感情だよな?
いや、当然と言えば当然の感情だ。

でも、ちょっと待てよ?
このハンカチの女とは全く何の関係もないんだぜ?
あの日の事がきっかけでニューヨーク行きを決めたのは事実だが、あの女とはその後会っていないし、どこの誰かもわかんねぇ。
それに、このハンカチだって、敢えて捨てはしなかったが、大切にとっていた訳でも無い。
ここにあったのも、偶然なんだ。
一緒にニューヨークへ行き、一緒に帰って来ただけだ。


あいつ何、誤解してんだよっ。
つくし以外に大切にした女なんていねぇのに。
そんな訳ねぇのに。あいつ!

早くあいつを探し出さねぇと。

どこだ?
どこへ行きやがった?
どこにも行くところなんてないはずだ。
とりあえず探すとすれば・・実家・・か?

そこまで考えを巡らせたとき、俺の携帯が鳴った。


どうやら、つくしはThe Classicのホールにいるらしい。
あいつは今でも時々、The Classicに顔を出しているからな。

ったく、余計な心配してんじゃねぇよ。
とりあえず、早く誤解を解かなきゃなんねぇ。


俺はメープルに急いだ。
地下駐車場から、専用エレベーターに飛び乗って36階を目指す。
エレベーターが開いた瞬間からダッシュして、The Classicに走り込んだ。



***



いたっ!

メープルに走り込んだ俺の目に飛び込んできたのは、カウンターでグラスの準備をするつくしの姿。

ったく、心配させやがって。

俺を認めたつくしは、一瞬ビクッとしたが、さっと俺を無視して、フロアに戻ろうとした。

カッチーン。
わざわざ迎えに来た俺にその態度かよっ!

さっとつくしに近寄って、彼女の腕を掴んだ。
「いい加減にしろよ、帰るぞ。」
「仕事では他人だって言ったでしょ?」
上目遣いで俺を睨むつくしが、俺の手を振り払ってフロアに消えて行く。
俺は、その後姿を呆然と見送るのみ。
完全にキレてんな。


ちぇっ。
少し、時間をおいた方がよさそうだ。
視線をカウンターに戻すと、微妙な顔をしている臼井と目が合った。
カウンターに座り、しぶしぶ臼井に事情を話すと、
俺は、予想もしていなかった事実を聞くことなった。


『あのハンカチはカップルで持つと幸福を呼ぶそうですよ。』

『牧野さんもあのハンカチを持っているんですよ。』

『彼女が高校生の時、バイトに行く途中で出会った、喧嘩帰りで唇を切っていた男に、その対のハンカチをあげてしまったそうですよ。』


___あのハンカチの持ち主についての真実。

つまり、俺にこのハンカチを渡したのはつくしで、
俺の幸福を呼ぶハンカチの片割れは・・・つくしが持っているということだ。


こんな偶然があるなんて。

あいつ、分かってんのかよ。
お前が嫉妬している奴は、お前自身なんだぜ?

だいたい、幸せを呼ぶハンカチを見ず知らずの男に渡すなよ。
だけど、そっか、俺がそれが引き寄せたんだから、それでいいってことか。


なぁ、今の俺の気持ちを、どう表現すればいい?

お前は俺の運命の女だ。
ここで出会った時からそう思ってる。
俺の人生を変えた女。

だけど、それだけじゃねぇ。
もっと前から惹かれてたのかも知れない。
何を言われても響くことがなかった俺の心に刺さった言葉。
彼女に言われた一言で、ニューヨーク行きを決めた。
自分の価値を見出すため、俺はニューヨークで戦って来た。
だからこそ、今の自分がある。

俺が、俺であるために。
俺の傍には、いつもつくしが必要だ。
もう、こいつ無しの人生は考えらんねぇ。


俺は立ち上がって、つくしの腕をつかみ、引きずるようにして店を出た。


こいつに伝えたいことがたくさんある。

どんなにお前が大切か。
お前に出会って、俺がどれだけ変わったか。
5年前だけじゃない。
今もだ。

今この瞬間も、
お前にいいところを見せたくて、
お前の仕事にいい影響を与えたくて、
お前に、いい男だと思って欲しくて、

今となっては、俺の人生は、お前に認めてもらうためだけにある。
ただ、お前の傍にいるために・・・。


そして、
俺がどんなにお前を愛しているか、お前は分かってんのか?
俺が、俺自身よりも大切に思う人間、
___それがお前なんだ。


お前のためなら、何でもしてやる。
お前の夢なら何でも叶えてやる。
だから、お願いだ。

ずっと俺を支えて欲しい。
ずっと俺を見ていて欲しい。

これから先もずっと、俺だけの女でいて欲しい。



にほんブログ村
いつもたくさんの応援をありがとうございます!
関連記事
スポンサーサイト

  1. 続・俺の女
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

こんばんは(*^^*)

  1. 2017/04/21(金) 22:52:59 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手を有難うございます。
運命の二人は、どういう結論に至るのか・・
まだまだ、お話は続いています。長って、思わないでね^^;

さて、
のりみん様
ね〜。司にこんな風に思われたら、死んじゃいそう。きゃー、ですよねぇ。ったく、つくしは何やってんだ!!
このままプロポーズでもして終わっちゃいたい感じではありますが、やっぱり乗り越えさせないと・・です。もうしばらく、お付き合い下さいませ〜。

スリ⚫︎様
つくしちゃんは、司さんが女嫌いだったり、女に興味なんてなかったことを、一応、桜子や美作専務から聞いてある程度は知っています。だけど、実際には知り合ってからはつくしloveだから、身をもって分かってはいないんだろうなぁ。嫉妬するつくし。以前にダブル嫉妬とおっしゃっていたのを思い出しました。まぁ、嫉妬しているのは、過去の自分な訳で、つくしかわいいです。そりゃ、司さんもメロメロになるはずだー(笑)。

明日のお話は、賛否両論かなぁ。えへへ。
では、明日もAM5:00に!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/21(金) 06:56:32 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/04/21(金) 06:22:32 |
  2. URL |
  3. のりみん
  4. [ edit ]
キャー キャーキャー😍
もう朝イチから、キャン死しそう 笑
司 プロポーズしちゃって!そう簡単にはいきませんかね?つくしになりたーい。

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -