花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

突然の司さんの登場に、みんなはポカーンと口を開けたまま固まってる。
あたしも、ただただ、司さんを見つめてしまった。

一言も言葉が出ない、この状況。
どうしよう・・。


すると、先日司さんと少し話した黒田君が、意を決して立ち上がった。
「道明寺支社長、お疲れ様です。あの・・どうぞ、こちらに・・。」
そう言って、あたしの隣を勧めてくれる。

はっと我に返った涼ちゃんが、慌てて席を移動した。
そして、司さんが、さっとあたしの隣に座る。


ごくっ。
司さん・・何しに来たの?
何で、こんなところに座っちゃうの?
ここは、あたしの同期会だよ?
この雰囲気、分かるかな?
あたし、今、ピンチなの。
あたしが、雰囲気を悪くしちゃったの。
あたしがあんまり考えなしだったから。
だけど、お願い。
どうか、司さんに気付かれませんように・・。


みんなからの視線が痛い。
誰も声が出せないこの状況を司さんはどう思っているんだろう。
だけど、司さんは、なんてことないと言う様に、飲み放題のメニューを見て、あたしに聞いてくる。
「お前、何飲んでんの?」
「あっ、オレンジジュース。」
「つっても、もう氷溶けてんな。新しいの注文するか?」
「ううん。いいの・・。あの、司さん・・は?」
「このメニューじゃ、分かんねぇな。」
「ウイスキー?」
「いや、まだ仕事残ってるから・・。」

司さんがそう言ったところで、向かい側の黒田君が、
「じゃあ、ウーロン茶ですねっ。」
とオーダーをを伝えてくれた。


またまた、しーん。
気まずい・・。
どうしよう・・。

だって、今の今まで、あたしは、山崎さんから攻撃を受けていた。
道明寺司の妻でありながら、勝手に着替えて、それに勝手に満足して。
あたしらしいと思ったことが、そうは受け取ってもらえなかった。
あたしの自己満足っていうだけ・・。
本当に・・バカみたい・・。
だから、司さんのこと、まっすぐに見れないよ。
司さん、どう思うんだろう・・あたしのこと・・。


ちらっとだけ、隣の司さんの様子を伺うと、
司さんは、特にその場の雰囲気を気にする風でもなく、
あたしに視線を落として、
それから、目を細めて、ふっ・・と笑った。

その表情は、いつもと変りなく、とっても優しい司さん。
涙が出そうになるぐらい・・。
だけど、同期のみんなにとっては意外だったみたいだ。
周りのみんなが、驚いたのが分かったから。


「そのカッコ。可愛いじゃん。」
「え・・そう?ありがと・・。」
「あれから着替えたのか?」
「うん。あれだと、堅苦しいかなと思って・・。」
「確かに、借りてきた猫みたいになってたもんな。ぷっ。」
「笑わないで。必死だったんだよ、挨拶回り。」
「分かってる。」
そう言って、司さんが、あたしの髪をくしゃっとした。

それから、今気付いたかのように、司さんがみんなを見回した。

「つくしの夫の、道明寺司です。今日は、妻のために集まってくれてありがとう。こいつも、今日の集まりをずっと楽しみにしていました。」

その司さんの言葉に、同期のみんなが目を丸くする。
だって・・この人は、親会社の日本トップなんだよ。
そんな人が、みんなにお礼を伝えてる。
それは、きっと・・あたしの・・ため・・。

しーんと静まり返ったままの店内。


少しして、涼ちゃんが、あたしに向かって言ったんだ。

「かーっこいい!ね、マキちゃん。やっぱり、支社長はかっこいいねっ!」

その涼ちゃんの言葉は、酔いも手伝っていたんだろうけど、すっごくストレートで。
あたしも思わず頷いてしまった。

「うん。」

「マキちゃん、言ってたもんね~。Barに素敵な人がいるって。でもさ~、支社長だったら、普通気付くでしょ?F4だよ?F4!どうして分からないかな~。」
「涼子、牧野は、F4知らなかったじゃん。覚えてない?」
そう言うのは、涼ちゃんの彼の高木君。
「あ、そうだったねぇ~。マキちゃん、入社式の後、F4のこと調べてたもんねっ。ぷぷっ。」

やっ、恥ずかしいっ。
ちらっと、司さんを見たら、司さんが呆れたようにあたしを見ていた。

「あぁ、そうなんだよな。こいつ、俺と正式に付き合うまで、俺の名前も立場も、知らなかったんだわ。ホント、馬鹿だろ?」
涼ちゃんたちの話に、司さんが相づちを打つ。

「司さん、止めてっ。変な事言わないでっ!」
「変な事じゃねぇよ。事実だろ?」
「やっ、黙って!」

あたしが司さんの口を塞ごうとすると、
「牧野、マジっ?!」
「信じられなーい。道明寺支社長に気付かないなんてっ!」
「それでも付き合おうと思うのが、牧野らしいよなー。」
と口々にみんなが言い出した。

お酒が入っているみんなは、あっという間にいつもの雰囲気に戻っていった。


「支社長、マキちゃんのどこが好きなんですか??」
なんて、ここぞとばかりに聞いている涼ちゃん。

「あー。どこって、全部だな。一目惚れなんだわ。」

うぎゃーっ。何言ってんのっ!?
そんなこと、聞いたことないしっ。

「そっ、それって・・支社長が牧野さんにアタックしたってことですかっ!?」
と他の女の子も興味津々そう。

「そうだな。こいつ鈍感で、言わなきゃ分かんねぇから。結構大変だった。」
しみじみと語った司さんに、

「「「きゃーっ!!!」」」
と、涼ちゃんを含め、女性陣の悲鳴が上がった。


恥ずかしいっ。
恥ずかしすぎるっ。


だけど・・・やっぱり、嬉しい・・・。
司さんの声を聴くだけで安心する。
司さんがいつも傍にいてくれることが、当たり前になっている。
それは、極単純な理由。
あたしは、司さんに愛されているから。


本当なら、司さんが、こんなお店に来る訳ない。
わざわざ出て来てくれたんだ。
あたしのために。
あたしを一人にしないように。

あたしのこと・・心配だって言ってくれてたのは、安全面だけじゃなかったんだ。
あたしは、何にも考えずにこの場に来てたって言うのに。
きっと、こんな風にピンチになることも予想してた?
もしかして、さっきの話、聞かれてた?


洋服がどうのとか・・
SPがどうのとか・・
何を気にしてたんだろう・・あたし。

司さんはいつも自然体で。
何かを取り繕ったりなんかしない。
いつでも、どこでも堂々としてる。
だからあたしも、どんな時でもあたしらしく、
あたしらしい、道明寺司の妻でいたら、それで良かったのに。
あたしは、あたし以上の人間にはなり得ないんだから。


見た目なんて関係ない。
道明寺家の嫁であることは、あたしのオプションに過ぎない。
あたしにとって大切なことは、
あたしが司さんを愛してるっていうこと。
彼からも愛されているっていうこと。
そして、お互いに大好きだから、結婚したんだっていうこと。
これ以上に大切な事実はないのに。
どうして、堂々と言うことができなかったの?


あーあ。
また、空回りしていたのかな。
何を言われたっていいじゃない。
司さんのことが好きだという気持ちさえ、しっかり持っていれば。
司さんに愛されているんだっていう自信があれば。

だって、自惚れなんかじゃない。
司さんは、隠したりなんかしてない。
あたしの事が大好きだっていうことを。



「お前、何泣いてんだよ。」

司さんにそう言われて気が付いた。
あたしの目から、ポタポタと涙が溢れてた。

「あれ・・なんでだろう・・・。」
泣きたくなんかないのに。
悲しくなんかないのに。
司さんのことが好きっていうだけなのに。

司さんが、ハンカチを出して、あたしの涙を拭ってくれた。


皆がニコニコとあたし達を見つめてる。


あたしは、自分の今の気持ちをみんなに伝えたいと思った。
きちんと伝えれば、きっと分かってもらえる。
みんなが思っているような恋愛じゃない。
駆け引きなんてしていない。
あたし達は、お互いに愛し合って結婚した。
ただ、それだけ。
だけど、まだまだ未熟なあたしは、これからもあたしらしく頑張りたいと思ってる。



すーっと息を吸い込んで、言葉を出そうと思った時、
あたしよりも早く、山崎さんが再び口を開いた。


「支社長、一つお尋ねしたいのですが。」

その場の雰囲気が、一瞬にして変わった。
みんなが山崎さんに注目する。
もちろん、あたしも。


「何だ?」
司さんがウーロン茶を口に含んで、山崎さんを見た。


「牧野さん・・いえ、奥様を、自分の部下に付けたのは、公私混同ではないのですか?」

その場にいた全員が、息を飲んだのが分かった。



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続きます・・・。
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  1. その後の二人のエトセトラ
  2. / comment:8
  3. [ edit ]

こんばんは~(^^)

  1. 2017/05/25(木) 22:13:10 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
今日も、たくさんのコメント・拍手コメントを頂きました。
合わせて感謝!です。

いやいや・・思いがけず、続きが楽しみだというコメントが多くてですね・・ちょっと戸惑っています。
こういうシーンって、皆さん、あんまり興味ないんじゃないかと思っていたから。

明日の記事は書き終わっているのですが、皆様のご期待に添えるものであるかどうかは・・自信ないです。
まさに、自己満足というか。

私なりに考えて書いたつもりで、今更書き直さないし、書き直す時間もないのですが・・(汗)。

だっ・・大丈夫かな~!!!

滅茶苦茶、語りが長くて、心配っ!
読むだけで疲れそう。
しかも、意味わかるかな?

今日の記事も、見直してみたら、分かりにくかったから。

不安なので、今からもう一度記事を見直します。
そんな訳で、今日もまとめてのお返事で失礼いたします!

明日も是非、AM5:00に。
小さく、お待ちしていまーす。

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  1. 2017/05/25(木) 18:54:51 |
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  1. 2017/05/25(木) 16:59:44 |
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  1. 2017/05/25(木) 08:18:48 |
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  1. 2017/05/25(木) 06:51:37 |
  2. |
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  1. 2017/05/25(木) 05:39:53 |
  2. URL |
  3. じゅんこ
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おはようございます(^^)あー惚れる惚れてまうわー💕めちゃめちゃ優しいなぁ☆
自然に嫌がる事なくナチュラルに入って普段のつくしとの接し方を見て…あーーーめちゃめちゃ素敵だよ💕
つくしちゃんも色々気付けて良かったねぇ。
でも今回は仲間が多いからこんなもんで、セレブの奥様令嬢連中はもっとアクが強いし良い体験だよ!
このつくしは原作よりも純粋っぽいし、修行だね。
それにしても山崎さんまだまだぶっこむねぇ。
この子の明日を心配するわ(笑)
素敵な司をありがとうございました❤️

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  1. 2017/05/25(木) 05:16:11 |
  2. |
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  1. 2017/05/25(木) 05:11:49 |
  2. |
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