花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

妊娠発覚から1週間。

あたしはまだ、日本にいる・・・。



本当なら、日本での滞在は1週間で、ニューヨークに帰るつもりだったんだけど・・
「本当にお前は心配で仕方ねぇ。このままニューヨークになんか帰せるかっ!」
と司さんが大騒ぎをして、あたしの渡米を反対した。

妊娠が分かった時には、すごく落ち着いていたように見えたのに、一日たてば、びっくりするぐらいに過保護な司さんに変身していた。
いや・・過保護はいつものことではあるんだけど・・。


「やっぱり、俺の勘に間違いはなかった。」
「結婚式前から、おかしいと思ってた。」
とか言い出して、
最後には、
「お前のことは、俺の方が分かってる。」
の一言で、あたしを黙らせた。

まぁね。妊娠に気付かなかったのは、不覚だったけど・・。


それから、ニューヨークのお義父様もお義母様も、渡米に反対したらしい。
7月末に予定されていた、ニューヨークでの披露宴も、一旦白紙に戻すと聞かされた。
招待状を送る直前だったらしくて、そういう面ではギリギリ間に合った?感じ。
なんだか・・道明寺家って、みんな揃って過保護じゃない?
披露宴はメープルで、仕事上のつながりや、政治的なつながりのある方々を招待して、盛大に行うと聞いていた。
そんな披露宴は司さんに全て任せる形になっていて。
どうせ披露宴と言ったって、あたしは座っておくだけだし。
大丈夫じゃない?


なーんて、余裕だったのも先週までで、今週に入ってから、これが悪阻なのね、とさすがに自覚するぐらいに、具合が悪くなった。
食べられないっていう事だけじゃなくて、本当に具合が悪い。
頭は、石が載っているみたいに重いし。
朝は特にダメで起きられなくて、朝食なんて絶対無理で、司さんの見送りもできなくなった。
悪阻がこんなにつらいなんて、全く予想外・・。

少し気分が改善する午後に、果物を食べたり、デザートを食べたりと何とか最低限の食事をしている状態。

日中の気分が良い間に、少しでも仕事をしようと思って持ってきていたPCを開く。
仕事に集中すると、気分が悪いということを忘れられるような気がした。
でも、少しすると疲れちゃって、また寝てしまう状態。
妊娠って・・想像していたよりも大変だ・・。


気分転換は夕方、日が陰ってからの庭の散歩。
水がまかれた広い庭をタマさんと一緒に散歩する。

「しかし、坊ちゃん、いや、若旦那様が父親になるとはねぇ。」
「そんなに意外ですか?」
「そうだねぇ。若奥様に会う前には考えられなかったことだよ。」

タマさんは、あたしを若奥様って呼ぶ。
あたしは今まで通り、つくしって呼んで欲しいけど、それは、他のメイドさんへのケジメのためにダメだと言われた。
だけど、呼び方以外は普通の話し方をしてくれるから、何だか安心できて、嬉しいんだ。
慣れない若奥様生活だけど、タマさんのおかげで何とかやっていけている。


「結婚は、立場上、いつかはするんだろうと思っていたけれど、まさか、こんなに早く、こんなに幸せな家庭を持つなんて、予想もしなかったよ。」
「・・?」
「昔から潔癖だったし、周りにうろつく女性を毛嫌いしていたしね。今でこそ、若奥様のおかげで、ご両親と仲良くされているけど、以前は口も聞いていなかったんだよ。変われば変わるもんだね、人ってもんは。生きているうちに、幸せそうな坊ちゃんを見ることができて、あたしゃ、本当に嬉しいんだ。」

司さんの荒れていた幼少時代。
だけど、それは、お義父様やお義母様が道明寺財閥の経営を盛り上げた結果でもある。
財閥繁栄ための10年以上も家族団欒がなかった道明寺家。
お義母様は、ご自身の後悔と家族の将来への夢を、リゾートアイランドに託した。
忙しいのが当たり前になってはいるけれど・・
これからは、少しでも、家族の時間が取れたらいいなと願う。
そのために、あたしが家族の一員としてできることって、何だろう。

そんなことを考えていたら、タマさんが言った。
「あれだよ。あれ。子供をたくさん産みなよ。」
「はい?」
「どんなに忙しくたって、賑やかな家庭があるっていうのはいいもんだよ。そうして、若旦那様や、ニューヨークの旦那様や奥様を振り回しておやりよ。楽しいよ、きっと。」
「振り回すって・・。」

まだ、一人目で、妊娠3ヶ月なのに。
たくさんって言われても困るよぉ。

だけど、
司さんが、たくさんの子供達に囲まれている姿を想像してみる。
足元に子供たちがまとわりついて、両腕に子供を抱っこして・・。
クルクルの髪の毛が、面白いぐらいに乱れてて・・。
プププッ!
似合わないっ!
あの完璧なスーツ姿が形無しだ。

でも・・案外、いいパパになるんだろうなぁ。
もしも、女の子が生まれたら大変だ。
あたし以上に過保護な扱いされちゃうんだろうなぁ。
メロメロになりそう・・。
それもちょっと寂しかもしれない・・なーんてね。
ププッ!

一人、いろいろと想像を楽しんでいたら、急にタマさんの声が聞こえてきた。

「馬鹿だねえ。たとえ、お嬢様が生まれても、若旦那様が、若奥様以上に大事にするなんて、ある訳ないね。今だって、1時間毎に状況確認の連絡が入るんだよ。やってられないよ、全く。こんなんじゃ、出産の時には大騒ぎになるね。きっと。」

へっ?

「丸聞こえだよ。成長しないねぇ・・。」





何だか上機嫌で、部屋に戻った。
楽しいことを考えると、悪阻が楽になるみたい。
そして、クローゼットを開けて微笑む。
これ、最近のあたしの楽しみ。

このクローゼットを初めて見た時には、その中身に圧倒されて、自分が人形の様に思えて、少し辛い気分になった。
だけど、今のあたしは違う。
クローゼットを開ける度に、笑顔になる。

だって、このクローゼット。
中身は、これでもかっていう位にたくさんの洋服や宝飾品。
これ、ぜーんぶ、司さんが自ら選んで用意したんだって。
あたしがニューヨークに行っている間に、全部。
忙しいくせに・・あたしがいない間にそんな事に時間を割いていたなんて。
聞かされた時には驚いた。

一つ一つ、自分の体に当ててみる。
どおりで、私に似合うはずだよね。
あんなに悩んでいたのが、本当に嘘みたい。
司さんの行き過ぎな位の愛情に、照れつつも、満たされる毎日。

いまや、あたしは司さんがいなくちゃ生きていけない人だ。
こんなんじゃだめだと思うんだけど、司さんに言わせると、「それでいい」で終わりだし。
本当に・・なんだか困っちゃう・・。

ターコイズブルーのドレスを体に当てて、どうやらニヤニヤしていたみたい。
急に後ろから声がかかった。


「何、ニヤついてんだよ。」
「えっ、あれぇ。いつの間に。」

クローゼットの中で一人ファッションショー気分のあたし。
振り返ると、司さんが怪訝な様子でこちらを見てる。
うわっ・・恥ずかしいっ。

ササッと、ドレスを片づけて、
「お帰りなさい。」
そう言うと、
「ただいま。」
っていって、いつもの優しいキスが落ちた。


新婚って・・こういうものなのかな。
ニューヨークでは、お互いにバタバタして、ゆっくりするのは、夜位で。
それも結構慌ただしかった。

今はあたしは仕事をしていないし、このお邸にいる。
司さんが帰宅するときには、必ずここで迎えることができる。
当たり前のことなのかもしれないけど、きっと道明寺家では難しいことでもあったんだろうな・・。
あたしは、やっぱり、自分がどんなに忙しくても、司さんを迎え入れてあげられる家庭を築きたいな、なんて思った。


二人並んで、ソファに座る。
こんなゆったりとした時間も幸せ。
安定期に入るまでは・・・と、夜の営みは無くなって、
帰宅した司さんと、妊娠や育児の雑誌を見るのが、夜の定番。

問題は、司さんの過保護っぷりなんだけど・・。
喉が渇いたと言えば、最近定番のレモンスカッシュを持ってくるし、
お腹が空いたなぁと言えば、これまた定番のプチトマトを持ってくる。
イチゴが食べたいなんてぼやいたら、季節じゃないのに、どこかからかイチゴを取り寄せた。
あたしが言うことは、何でも自分が叶えようとしちゃうみたい。

困った人・・・。
思わず苦笑いが出ちゃう。

だけど・・幸せ・・。


子供服のカタログを眺めながら、今日も二人の夜の時間。
「司さんは、どっちがいい?やっぱり、男の子が欲しい?」
そう聞いてみたら、結構以外な言葉が。

「いや、どっちでもいいな。元気なら。でも、どっちかっつーと、お前に似た女の子が欲しい。」
「えっ?そーなの。絶対、男の子だと思ってた。」

ほら・・跡取り・・とか?
やっぱり、全く気にならない訳もないし。

「お前は?」
「うーん。あたしもどっちが生まれてきてくれても嬉しいんだけど・・」
「けど?」
「あたしは、最後まで知らなくてもいいかなって思ってる。」
「は?」
「ほら、もう少ししたら、エコーで性別がわかるでしょ?でも、あたしは聞かなくてもいいかなって思う。生まれてきてから分かるっていうのもいいかなって。」
「へぇ。」

司さんがちょっと驚いた顔をした。

「生まれた瞬間に分かるっつーのもいいか・・。」
「ね?赤ちゃんが生まれたら、すぐに連絡してあげる。」
「・・・?は?」

怪訝そうな司さんの顔。

「あ?何でだよ。俺は立ち会うつもりだけど。」
「え?無理でしょ?あたし、ニューヨークだし。」
「はぁ??」
「えっ?」

もう少しして体調が落ち着いたら、ニューヨークに戻るつもり・・なんだけど。
まだまだ、やらなきゃいけない、覚えなきゃいけない仕事が残ってるから。
そうすると、ギリギリまで働いて、そのままニューヨークで出産したほうがいいんじゃないかと思ったんだけど・・・。
産後落ち着いたら、日本に戻る。
その間、司さんはちょっと寂しいけど・・。
その後は、ずっと一緒だから。


しーん・・・。

司さんが、目を見開いたまま固まっている。
それから、我に返ったように叫んだ。

「俺がいない所で、産ませるわけないだろうがっ!このバカ女っ!!」


ひえっ。
司さんのクルクル頭が逆立っている気がするよ。
久しぶりに、司さんの怒声を聞いちゃった。



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寝落ちしてました・・すみません・・。
明日も、恐らく5時は無理だと思います。
また、ぼちぼちと覗いてやってください。
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  1. その後の二人のエトセトラ
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんにちは。

  1. 2017/06/01(木) 17:30:05 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
バタバタしておりまして、纏めてのお返事でスミマセン。

ね。司さん、策士。
そして、理想のマタニテイーライフ。
つくし、いいですよねぇ。

まったりしすぎて、私の方が、ゴールが見えなくなってきています(笑)。でも、そろそろ、まくっていかなければ!

今から⑮を投稿しますが、まだまったりしてる・・・(笑)。

おはようございます!

  1. 2017/05/31(水) 09:44:09 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
現在、仕事のスケジュールが以前と違い不定期で、家もちょっとバタバタしているので、しばらく不定期時間の更新になるかもですが、どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。

さてさて
じゅんこ様
なるほど。そうか。私はですね~。ちょっとつくし寄り。まぁ、この時期に妊娠しているんだからねぇ、と思いつつも、仕事は最後まで頑張りたいっていう心意気?分かるなぁと思ったり。さてさて、どうなるでしょうね~(笑)。

スリ●様
今になって、いろいろとお話の辻褄を合わせるのに必死だったりして。どうしようかなぁ。披露宴とか?だれか、いい案お願いしますって感じです。私、妊娠中、すっごく辛かったんですよ。悪阻が軽い人が羨ましかったなぁ。実母も悪阻なかったらしくて、はぁ?って感じで、理解が得られず。主人だけが頼りだったなぁ。ほんと懐かしい・・。

ka●様
以前にも、そんなコメント頂きましたよね(笑)。私も恐らく減退タイプ(笑)。そう言われちゃ、後悔しちゃうなぁ。でも、妊娠中ずっと具合悪くて、出産して、やっと元気になったんですよ。二人目の時も同じだったから、きっとそういう体質なんだろうなぁ。なーんて思ってました。

ふぁいてぃ~んママ様
そう、つくし一人でって言っても、ニューヨークにも強力な助っ人はいそうですが(笑)。さすがに、司さんがいないところでは、司さんが許すわけなさそうですね。司さん、ちゃんと仕事してますかねぇ。いいとこついてます。今書いている記事、その辺です(笑)。

he●様
コメントありがとうございます。幸せな二人って、書き手としては、ついついトラブル書きたくなったりとか、いろいろ思っちゃうんですけど、こんなまったりもたまにはいいかもしれませんね。


今日中に1話目標。
この自転車操業では、絶対にボロがでるな・・恐い!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/05/30(火) 17:04:02 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/05/30(火) 14:52:54 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんにちは

  1. 2017/05/30(火) 14:37:29 |
  2. URL |
  3. じゅんこ
  4. [ edit ]
暑くて溶けそうですが…お元気ですか?
つくしちゃん…いーかげん天然も酷いと司が縛ってしまうわよ。
司置いてNYで出産とか(-_-;)
ありえないっす!絶対ないです!司じゃないけどおいおい…だよ。
このつくしちゃんは寂しいと本当に思ってる?!って疑うよね(苦笑)わざわざ渡米します?
笑うしかないよね。生真面目なのか天然なのか…司の気持ちをもう少し考えてあげてよぉ。
困ったちゃんなんだから。
更新ありがとうございました(^3^)/

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