花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

個室の中には、親子3人。
看護師さんに教えてもらって、初めて、赤ちゃんにお乳を含ませた。

かっ・・感動・・。
赤ちゃんの本能なんだね。
目を閉じたまま、必死におっぱいを吸おうとしている。
まだたくさんは飲めないけど、これからこうやって、育っていくんだね。


遠巻きに見ていた司さんが、看護師さんが出ていくと近づいてきた。
おっぱいに手を乗せている赤ちゃんを不思議そうに眺めてる。
その司さんの顔が面白い。

「すげぇ、必死なんだな。」
「ふふ・・可愛いね。」
「俺のものがとられちまった気分だな。」
「ええっ!?」
「貸し出してやるか、仕方ねぇ。」

ぷぷっ・・貸し出しだって・・。

司さんが、赤ちゃんの頭をなでる。
薄く生えた髪の毛が、くるくる・ふわふわしてる。
本当に司さんにそっくり。

おっぱいを離した赤ちゃんは、また寝ちゃった。
その寝顔は、やっぱり司さんにそっくりだ。

嬉しい。
男の子なら、司さんにそっくりな子が欲しいと思ってた。

「ねぇ。本当に、司さんにそっくりだね。この子。」
「は?お前に似てるだろ?このデケェ目とか。」
「ええ??この頭はどう見ても司さんでしょ。」
「髪で判断すんなっ。」

「ねぇ。この子、どんな男の子になるのかなぁ。」
「どうだろうな。」
「きっと、素敵な男の子になるよね。司さんの子だもん。」
「お前の子だから、くそ真面目かも知れねぇな。」
「もうっ。」

笑いながら話していたあたしたちだったけど、司さんが、急に笑いを止めた。
真剣な面持ちで、赤ちゃんを見つめてる。


「俺の子として生まれた時点で・・」
司さんの子供だという時点で?

「将来はある程度決まってる。」
それは・・司さんと同じように、道明寺財閥の後継者として育っていくということだ。

「だけど、俺は、こいつには自分で自分の人生を切り開いてもらいたい。それだけの、力をつけてやりたいと思う。」
「うん。」
「親に決められた人生じゃなく、自分で切り開いた人生こそが価値がある。俺は、そう思ってるから。」
「うん。」

司さんが、今、ここにこうしているのは、司さん自身が人生を切り開いてきたから。
道明寺財閥の後継者として生きていくことも、彼自身が受け入れたこと。
そうでなければ、こんな大変な仕事をこなしていけるはずがない。
それに、実力がなければ、いくら直系とはいえ、後継者にはなり得ない。


「道明寺を継ぐとしても、そうでないとしても、自分で勝ち取った人生を生きていってくれるように・・」

道明寺の名に翻弄されずに、自分自身の人生を生きる・・


『開(はるき)』

はるき・・?


「こいつの名前。開にしようと思う。」

自らの人生を、自らが切り開いていってくれるように。
願いを込めて。


「はるき・・・。うん。素敵な名前。」

「いいか?」

「うん。ありがとう。一番最初の誕生日プレゼントだね。」

司さんが、少しほっとしたように笑った。
緊張していたのかな?
凄く、素敵な名前なのにね。

「はい。じゃあ、今度は、司さんが、開を抱っこしてあげて?」

あたしは、自分腕の中にいる開を、司さんの腕に乗せた。
こわごわと抱っこする司さんだけど、すごく嬉しそう。


司さんは、きっといいパパになる。
こんなに素敵な名前を考えてくれた。
この子の将来を誰よりも応援してくれる。

だけど、あたしは思うんだ。
司さんの背中をみて育つ子は、きっと優しくて、強い子になるに違いない。
あたしたちが心配しなくても、自然と学び取ってくれると思う。
自分が何者であるか。
どう生きていくべきか。


そのためにあたしができることは、家族を愛してあげることしかない。
家族を愛して、見守っていく。

あたしは、そんな風に、家族の未来を切り開いていきたい。




*****




開が生まれ、俺たちの生活は文字通り一変した。
今日もそーっと、家族のリビングに入る。
予想通り、つくしは見当たらない。

それから、そーっと奥の寝室に入ると、寝室のベッドにつくしが倒れ込んでいる。
そして、すぐ隣のベビーベッドには、開が寝ていた。

そーっと近づいたつもりだったが、つくしがぴくっと起き出した。
寝ぼけて、んーと周囲を見渡している。
母親になったつくしも、相変わらず可愛い。
育児に必死になっている姿さえも、可愛く思えてしまう。
頭爆発して、すげぇことになってんのにな・・。



出産から3か月。
怒涛の生活だった。
朝から晩まで開に振り回されているつくし。
俺は仕事があって、一日中ついていてやることはできない。

一日中、開に授乳して、おむつを替えて。
つくしの体が参っちまうんじゃないかと心配した。
頑張り屋のつくしだから、なんでも完璧にやろうとするのが心配だった。

だけど、母親というのはすげぇ。
開が生まれた時も、俺はただ、つくしの手を握り、汗を拭き、ひたすらに無事を祈ることしかできなかった。
一方のつくしは、痛みに耐えて、汗まみれになりながらも、無事に開を出産した。
あの時は、本当に、言葉もなかった。

人が人を生み出す神秘。
そして、その責任。
喜びの中に生まれた、家族が増える重み。

つくしがこれほどの思いで産んでくれた我が子、そして俺の家族を、絶対に幸せにしてやりたいと思った。


母親となったつくしは、少し変わった。
見た目は変わらない。
相変わらず童顔で、開を抱いていなければ、一児の母だとは思われないかもしれない。

だが、その雰囲気が変わった。
開を見つめる目は、無償の愛に満ちている。
どんなに泣かれようが、自分が眠れなかろうが、どうでもいいらしい。
彼女のすべてを開に捧げている。

ほんと、母親はすげぇんだ。

でも・・・




「ふわぁ・・あ・・・司さん・・お帰りなさい。」

まだ眠そうなつくしの視線が俺を捕らえた。

「ただいま。」

そう言うと、ベッドから起きてきたつくしが、俺に抱き付いてくる。

「今日は、どうだった?」
「今日も、ご機嫌だったよ。開。」
「そうか・・。」

クスクス笑いながら、つくしが俺の背中に回した腕に力を籠める。
しばらく、そのまま、つくしを抱きしめながら、背中を撫でてやる。

ゆっくりと俺の胸から顔を上げたつくしに、チュッとキスをする。
そうすると、つくしの表情がふにゃーっと崩れた。


出会ってから今までで、一番幼いんじゃないかと思うぐらいの表情。
仕事をしている時のキリリとした女ではなく、
開に授乳している、神々しい母でもない。

俺だけを頼って、俺だけを愛してくれる、俺の唯一の女の表情。


母になったつくしは、それ以外の部分では、すっかり甘えん坊になった。
今は仕事に出ずに、家庭にいるためか、寂しがり屋でもある。

俺は、そんなこいつが、可愛くて仕方がない。
そして、甘えてもらえることがうれしくて堪らない。


何故なら、今の俺は、開にしてやれることはあまりない。
抱っこをしたり、時々おむつを替えたりするぐらいだ。
それ以外のことは、つくしが毎日頑張っている。

だから、今の俺の役目は、
そんなつくしを目いっぱい甘やかしてやること。

それは、俺にとっては、役得以外の何物でもなくて・・・


「司さん・・・疲れた・・・。」
「おう、風呂行くか?マッサージしてやる。」
「またぁ・・。変なこと考えてるでしょ?」
「お前こそ、どうなんだよ。」
「んー。お風呂、連れて行って。もう、クタクタ・・。」
「OK」


ははは・・・
忍び笑いが止まらない。

開の世話をしているつくしを、俺が世話してやる。
バスルームでは、大人の世界が待っている。
二人の愛を確かめ合う時間・・。


それも、この3か月で、なんとなく決まってきた。

これが今の役割分担。
俺たちの、今の幸せのかたちってやつだ。



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子供ができても、司さんloveな可愛いつくしちゃんが、私の理想(笑)。
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  1. その後の二人のエトセトラ
  2. / comment:5
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  1. 2017/06/13(火) 00:06:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
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こんばんは(*^^*)

  1. 2017/06/11(日) 21:16:18 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
やっと名前も決まり、ラストに入っていけるか・・。だけど、書く時間が・・(^^;;

さてさて
椿●様
長編好き・・って、結構体力要りますよね(笑)。一気読み派の方の気持ちがわかります。お話に付き合っていただき、ありがとうございます!

の●様
この二人はきっとどこまでいってもラブラブだと思うんですよね。クルクル頭の開君。可愛いだろうなぁ。

スリ●様
名前はだいぶ考えました(笑)。このお話に合うように。実はこれまではかなり適当で。あんまり考えてなかったんです。だから、今回は緊張しました。
リレーの方もあって、毎日一杯一杯です。リレーは二巡目の順番は決まっていますので・・・まだ、内緒ですが・・。緊張しても仕方ないんですけどね(笑)。

he●様
お仕事お疲れ様です。名前、気に入っていただけましたか?良かったです。私も、かなり考えたので(笑)。

H●様
ささくれた心(笑)。いや〜。現実はいつも大変です。二次は私の癒しなので・・・(笑)。ぼちぼちこんな感じでラストまで行きたいです。


今、全く書いていないので、明日の投稿が微妙ですが、できたりら書いてしまいたい。
書き終わらなかったら、ごめんなさい。
いつも、応援いただき、本当にありがとうございます。

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  1. 2017/06/11(日) 09:03:18 |
  2. |
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  1. 2017/06/11(日) 06:48:42 |
  2. |
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  1. 2017/06/11(日) 06:48:28 |
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