花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

あの日、司が刺されたと連絡が入った。
すぐに仕事をキャンセルし、ジェットに乗り込み、日本へ向かった。

やっと道明寺の跡取りとしての自覚が出たかと思った途端にこの失態。
また、牧野つくしという女に振り回されているのか・・、情けない。

司が運ばれた病院では、あの子の友人達と牧野つくしがICUの前に集まっていた。
皆の表情が暗い。

ICUの中に入ると、たくさんの管につながれた息子がいた。
私は息子を見ていられず、司の頬をなでると退室した。
医師の説明によると、出血量が多く、処置が少しでも遅ければ、命がなかったとのこと。
短時間ではあるが、心肺停止になったため、脳に障害が出るかも知れない。
背後から刺されたが、貫通は免れ、内臓と神経の損傷は少ないとのこと。
もともと筋肉質であったことが幸いしたようだ。

担当医は続けた。
「付き添ってきた少女が、司様が倒れこむのを支えたそうです。」
「そのまま支えずに、倒れこんでいれば、ナイフの位置がずれて、大動脈を損傷していた可能性があります。救急搬送中も、彼女がナイフの位置をぎりぎりに保って、傷口を直接圧迫止血してきてくれました。とっさの判断だったのでしょうが、これがなければ、ご子息は出血死していてもおかしくない。」


・・・
司は牧野つくしに助けられた。
溝鼠だと思っていたあの少女に。
これが運命というものなのか。


私たち夫婦は多忙を理由に、子供達の教育は邸の者たちに任せきりだった。
中学に入ると、司は問題を起こしてばかりで私は頭を抱えたが、
司自身からは連絡が来ることはなく、何も私たちに要求することもなかった。

そんな司が初めて自分から欲した女性、それが「牧野つくし」。
それなのに、意識を取り戻した司は、彼女の記憶を失っていた。


これはチャンスかもしれない。
司が『道明寺の後継者』としてのスタートを切るための。
そして、牧野つくしとの関係を絶つための。

しかし、本当にそれでいいのだろうか?
いつか真実を知った時、司はどうなるのか?
私が司に望むこと。
それは、道明寺の後継者として羽ばたいてくれること。
それとともに、どんな形であれ、幸せだと思える人生を歩んでくれること。


私は運命なんていうものは信じていないけれど、現実社会の厳しさは経験している。
例え司にとって彼女が運命の相手だとしても、今のままでは私たちの世界では認められない。
ならば、司と彼女にこの世界で通用するだけのスキルを身に着けさせれば?
今はそのためのチャンスでもある。


あの子は謝礼金など望まないはず。
それならば・・・

「司の命を救ってくれた、あなたに感謝するわ。あなたに、私から提案があるの。」


あの子が根を上げるようなら、それまで。
あなたが、司の隣に並びたいのなら、現実を知り、努力をなさい。
そして、自分で司を手に入れてごらんなさい。
私がそのチャンスを与えてあげる。
それが、私からの感謝の気持ち。



***************



二人の部屋からにぎやかな声が聞こえてくる。

「司!だめっ、やはくおむつ閉めて!」
「あ?なんでだよ。」
「はやく!」
「うぉぉぉっっ!!」

「あ~あ、やっちゃったぁ。だめな、パパですね~。」
「ふんっ、息子のションベンひっかけられたぐれぇ、なんともねぇ。」
「はいはい。じゃあ、ちょうどいいから、渉とお風呂入ってね。」
「俺が見とくから、お前が入れよ。」
「なんでよ。」
「その方が、何かと都合がいいんだよ。」

ベシッ!!
「いってーな。」
「あんたはいちいちいやらしいのよ!
あんた、お着替えとかできないでしょ。いいから入りなさい。」
「三人で入らねぇ?」
「・・・。」
「わかったよ・・。」


・・・
相変わらず、息子は嫁に振り回されているらしい。
けれど、これが、私たちには何も望むことのなかった、司の幸せのかたち。
そしてまた、私の幸せにもなった。





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  1. あなたに会いたくて 番外編
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

コメントありがとうございます(^ ^)

  1. 2016/09/17(土) 18:04:08 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
いつもコメント頂きありがとうございます。
楽しんで頂けて嬉しいです。
いろいろすっとばして、二人に赤ちゃんが。(笑)
道明寺家に幸あれ!へへ。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/09/17(土) 10:10:46 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/09/17(土) 07:43:29 |
  2. |
  3. [ edit ]
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