花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「副社長、昨日の件ですが。」
「あ?何だよ。」
「お相手の女性のことです。」

なんだよ、西田。
何か知りてぇの?
なんて、結婚したいと考えている女のことに決まってるが。
けど、西田なら、もう調べ尽くしてるんじゃねぇのか?

俺が知っている彼女の情報。
彼女は駆け出しの弁護士だってこと、彼女のマンションの場所、それから名刺に書かれた職場。
あいつの家族構成や、苦労話も聞いた。
そんなことはもう西田も知ってるだろう。

プラス俺にしか知りえない情報もある。
それは、俺があいつにベタ惚れだっつーことだ。
見た目だけじゃねぇ。
いや、見た目も、最上級に可愛いが。
あいつ・・牧野の持つ優しさや真面目さ。
昨日出会って、一発で惹かれた。
女に対してこんな風に感じたのは初めてで、これが、女に落ちるってことなんだと知った。

で?何だよ、西田。
なんか、文句あんのかよ?

「牧野つくしさんの件ですが。」
ほらな、こいつは調べ尽くしてやがる。

「おう、なんだよ。」
「すでにニューヨークのご両親にも、報告が上がっています。」
「随分早ぇな。」
ま、想定の範囲内だが。

「その上で、もし、牧野さんとの結婚が整わなかった場合には、社長就任はないと思え・・とのご伝言です。」
「どういう意味だ?」
「どうやら、副社長は、特殊な性的嗜好あると思われているようですので、なかなかお見合い自体を受けて下さるご令嬢はいらっしゃらないようです。今回の白鳥物産のご令嬢は、異例でして・」

「おいっ!ちょっと待てよっ!」

「その坊ちゃんの特殊性を知った上で、今回のお見合い話を受けて下さった白鳥物産を蹴ったことは、楓社長が大変ご立腹でして。」

はぁ?特殊性?受けて下さった・・?

俺が、ゲイだって噂があるのは知っていたが。
なんだよ、そーいうことかよ。
今回やたらとババァからのプッシュが強かったのは、つまり、ババァが頭を下げて持ち込んだ見合いだったっつーことかよ。
ったく、余計なことしやがって。
だいたい、俺はゲイなんかじゃねぇっつーんだ。

でも、ま・・結局のところ、そんな事はどーでもいいが。
牧野との結婚に、俺の両親は異を唱えていない。
つまり、俺が牧野を落とせば、障害はないということだ。
全ては・・・牧野次第。
そう思えば、俄然やる気が湧いてきたぜ!
決して、社長の椅子が欲しい訳じゃねぇぞ。
俺は、惚れた女と、いつもまでも友達関係を続ける気なんてねぇし、このまま逃すつもりもねぇってことだ。


「で?」
「今から、2泊3日のロシア出張です。」

はぁ?なんでそーなんだよ。
嫌がらせかよっ。

「マジか?」
「はい。」

待てよ、おい。
俺たち、お友達から始めるところなんだぜ?
ロシアなんか、行ってる場合じゃねっつーんだよ。
だが・・ババァへの借りは返しておかえぇと、後々ややこしくなるからな。
仕方ねぇ、3日程ロシアに行くしかねぇ。

それで、俺は仕方なく、すぐさまジェットに乗り込み、ロシアに飛んだ。



*****



「牧野。昨日はせっかくの休日だったのに、迷惑かけたわね。」

あの衝撃のお見合いの翌日。
私はいつも通り、職場へ向かった。

『滝弁護士事務所』

ここが私の職場。
所長は、滝留美子先生。
その他、私を含め3人の弁護士とアシスタントがいる。
私が一番年下で、他は、30代と40代の男性が二人。
留美子先生を始め、みんな既婚者。


「聞いたわよ。お相手、急に都合が悪くなったんだって?あんなに乗り気だったのにね。今回のお見合いは無かったことにだって。なんだか、失礼しちゃうわね。」

そんな風に言う留美子所長。
そうか。
どうやら、道明寺が、塚狭さん側に上手く説明付けたみたい。
任せておけなんて言ってたし。
全くもうっ。


あの日、あれから、道明寺と別れ、マンションに帰って、一日のことを振り返った。
本当にありえない一日だった。
結果として、私には、超イケメンセレブの男友達が出来た。
その男友達から求婚されている。
どこまで本気か、確かめることはできないけれど、現状はそういうこと。
彼がしたことって、ちょっとした詐欺?と思わなくもないんだけど、実際その証拠は彼の中にしかない。
彼が、勘違いでしたと言えば、詐欺にはならない。
だから、彼の詐欺まがいの行為を立証することは不可能。

それから、男友達という立ち位置を考えた。
自分で言ったことだけど、男友達って何だろう?
高校時代、大学時代、友人と呼べる男性はいた。
だけど、私はいつもバイトや勉強に忙しくて、基本的に友人というのは、学校で話す程度の人であり、ゼミで一緒に勉強をする人だった。
だけど、道明寺は違う。
あの人は、私のことを好きだなんて言う。
そもそも、一目惚れなんて言うけれど、いったい私のどこに一目惚れ?
一目惚れっていうことは、冷めるのも速いってことなのかな。
分からない・・。


今までだって、告白されたことが無かったわけじゃない。
だけど、お付き合いをしようと思ったことは無かった。
男嫌いってこともないけれど、今までの人生があまりにも忙しすぎて、恋愛をする余裕なんて無かったんだと思う。
それは、今も同じだけど・・。

私のことが好きだと言う道明寺。

だけど・・
お互いのことを知れば、お互いの立場の違い、住む世界の違いも分かると思う。
彼は結婚なんて軽々しく言うけれど、いずれは分かるんじゃないかな。
私たちは違いすぎるっていうこと。
それは少し寂しいことだけど、現実だということ。

だから、私は、私らしく、私らしい接し方をしよう・・うん。
それが、私の現実だもの。

とりあえず、携帯番号は交換してる。
だけど、私から連絡を取ることはしない。
だって、理由がない。
男友達って、何か理由がなくちゃ、会わないよね?
今までだって、男友達を自分から何かに誘ったことなんて一度も無かったし・・。




そうして・・・お見合いの日から3日が過ぎた。
道明寺からの連絡は・・ない。
何よ。
結局、連絡なんて無いのよね。

あれ?私、がっかりしてる・・?
どうしてよ。
何で、私ががっかりする必要があるの・・?

連絡がきたら、普通に接しようとか、あの人の強引なペースに巻き込まれないぞとか、いろいろ考えていたことが馬鹿らしくなってきた。

なんだ、やっぱり、あれは、半分揶揄っただけだったんだね・・。

たった3日前の出来事が、夢だったように感じる。
それなら、それでいいじゃない。
うん。それでいいのよ。



その晩の9時。
事務処理を終えた私は、事務所の電気を消して、最後にドアを施錠した。

マンションに帰ろうと思って歩き出すと、そこに立っていたのは、道明寺司。

「仕事、終わったのか?」

3日ぶりに聞く彼の声は、胸に響くバリトン。
なんだかじーんとしてしまう。

って、違うわよ。
なによ。私のことなんて忘れちゃったんじゃないの?って嫌味を言いそうになって止める。
だって、私が、まるで待っていたみたいじゃないの。

だからと言って、他に何も言うことが出来ずにいる私に、彼が言った。

「メシ、食ったか?」
「ううん。まだ。」
「じゃあ、行こうぜ。」

行こうぜって・・どこに?

「何が食いたい?」

私を見つめて、彼が優しく言う。
あれから、連絡もくれなかったくせに、今更優しくしちゃって。
この3日連絡をくれなかったことなんて、彼にとってはどーってことないみたいな顔をして。

なんなのよ・・。

だけど、私、彼に会えて、なんだか嬉しい。
悔しいけど、嬉しい。
何で、こんなに嬉しいんだろう。


「焼き鳥。」
「は?」
「凄く美味しいところがあるの。行こう。」
「はぁ?」
「嫌なら、いいわよ。一人で行くから。」

私はスタスタと歩き出した。
後ろから彼が付いてくる。
思わず、にやけちゃう・・・自分が変・・。


男友達って何だろう?
こうやって、ご飯に行く仲間?
それなら、今までにもいなかった訳じゃないけれど。
会えて嬉しいと思うこの人は、やっぱり今までの友達とは違うと思う。

あぁ、そっか。
やっぱり、私、この人のこと待ってたんだ。
だけど、それは、好きだからって訳じゃ・・・ないわ。
次に彼に会ったら、絶対に流されないって決めてたの。
彼のペースじゃなくて、私のペースで食事に行きたいなって思っただけよ。

そう。そのために待っていたの。
それだけなんだから・・・。


いつの間にか隣に並んだ彼をチラッと見て、そんな風に自分に言い聞かせながら、私は、必死に焼き鳥屋さんを目指した。



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素直じゃない、つくしちゃんです。
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  1. Switch(完)
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/06/30(金) 22:45:44 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
このお話のゴールはいったいどこなんだ・・。もう、終わりでいいんじゃないかと何度も思う(笑)。もう、二人、両想いでしょっ!終了!みたいな・・。でも、うーん。とりあえず、二人の勘違い友達っぷりでも書こうかなぁ。どうしよう・・。

さてさて、今日もコメントありがとうございます!
じゅんこ様
もう、つくしも、落ちてるでしょう。これ。後は素直になるだけ・・なんじゃないかなぁ(笑)。司に惚れられて、やられちゃわない訳がないのです。うん。もう、逃げられないですよねー!

スリ●様
つくしですから、初めから素直ってことは無いですよね~、きっと。このお話って、特に二人に障害がないような。あとは、つくしのOKを貰うのみ!だけど、すぐにOKしちゃうのは、つくしじゃないし。うーん。土日でお話の方向性を考えます(笑)。

小●様
楽しんで頂けて嬉しいです。確かに、ちょっと天邪鬼なつくしちゃん。原作のつくしもかなり天邪鬼だったような気がします。素直になれば楽になるのに・・と何度も思ってました(笑)。コメントありがとうございました!

さと●様
どこまで突っ込むかは分かりませんが、絶対に白鳥の令嬢は普通の人じゃないと思う(笑)。そんな人でも、結婚させようとする楓さんって・・(汗)。ズギューン!ありがとうございます。ここね。私も書いていてツボだったんですよ(笑)。共感いただき、ありがとうございます。
あはは。これで司に落ちない女はいないべ(笑)ですね~。
コメントありがとうございました。

he●様
そう言えば、司って焼き鳥食べた事あるんですかね?高級料理には、やっぱり焼き鳥風みたいなお料理ってないんだろうか・・。ないよなぁ。どうしましょう?司も櫛もっていーって食べさせる??


では、明日は、焼き鳥屋を更新予定。
定時5:00を目標に頑張りまーす。

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  1. 2017/06/30(金) 09:57:32 |
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  3. [ edit ]
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  1. 2017/06/30(金) 09:52:50 |
  2. |
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  1. 2017/06/30(金) 07:59:23 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

おはようございます(^^)

  1. 2017/06/30(金) 05:40:04 |
  2. URL |
  3. じゅんこ
  4. [ edit ]
ふっふっふっ😎もがいてますねつくしちゃん。
司に見つかったら魅力ありすぎて逃げれないのにねぇ。
でも落ちるまでの過程大好きなので、これからどんな風にやられていくのかとっても楽しみです(*^^*)
更新ありがとうございました(^3^)/

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