花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「もう泣くな。」

何度もそう言ってやっても、膝の上の牧野は俺の首に腕を回したまま、俺の胸に顔を埋めて、首を横に振る。

「声なんて、そんなに聞こえてねぇよ。(たぶん・・)」
と言えば、ビクッとして、ぎゅーっと腕に力を入れる。
「ほら、ベッドがボロいから、軋む音とか聞こえたんだろ?」
取り敢えず、何とか話を変えようとするが、牧野は全く顔を上げようとしない。



やべぇ・・。
俺はどうやら、検討違いのことを言っちまったらしい。
「アノ時の声が、近所に漏れていた」と知ってしまった牧野は、悲鳴を飲み込んで顔面を両手で覆い、そのままテーブルに突っ伏してしまった。
そこから何を言っても、顔を上げず、俺が近寄っても、シッシッと手で払われた。
おいっ、あのプロポーズはどうなったんだよっ。

仕方なく、強引に牧野を抱き上げて俺の膝に座らせ、現在に至る。
けど、牧野は俺にしがみついたまま、顔を伏せて一言も声を発しない。


ふぅ・・。
大体、結婚を急ぐ理由なんて、他にあんのかよ。
ま、理由なんてなくても、結婚したいのはその通りだが。
こいつは一体、なんだと思ってたんだ。
てっきり、牧野もこの話を聞いちまったんだと思った。
余程のショックを受けての、逆プロポーズかと納得しちまったんだ。
けど、んな訳なかったんだよなぁ・・牧野に限って・・。


何度も髪を撫でてやり、牧野を落ち着かせようと努力はしているが、一向にその努力は報われない。

「俺は初めて会った時から、お前と結婚したいって言ってるだろ?な、結婚しようぜ。って、お前がついさっきプロポーズしてくれたんじゃねーかよっ!」

そう言っても、牧野はピクリとも動かない。

「なぁ、うちに来てくれねぇ?お前に遠慮したくねぇんだ。俺の妻になってくれよ。思いっきり抱きてぇ。」

牧野が、ボコッと俺の胸をグーで叩く。
おっ、反応があった。

「俺は今日、強引にでもお前を邸に連れて帰るつもりだぜ。お前だって、もう、あのマンションには帰りたくねぇだろ?」

そう言ってやると、牧野もコクンと頷いた。

よしっ。


俺は、無理やり牧野の右手に万年筆を持たせた。
婚姻届をテーブルに置いて、指で署名欄を示す。

「ここにサインしろ。間違うなよ。」

牧野がそろそろと顔を上げて、婚姻届に手を伸ばした。
しばらくじっとその紙を見つめていたが、意を決すると署名欄に一気に名前を記入した。それから、万年筆をテーブルに置いて、再び俺の胸に顔を埋める。
彼女の態度は素っ気ないのに、俺の心には暖かいものが広がった。
やっと・・彼女からOKが貰えたんだ。


「おい、なんとか言えよ。顔上げろ。」

そう言っても、牧野は、俺の胸にしがみついて顔は上げない。

「なんとか言えって。」

顔をブンブン横に振っている。
どうやら、声をは出したくないらしい。
困ったやつだ。
けど、可愛くて可愛くて、仕方ない。


この婚姻届にサインをしたと言うことは、もう結婚は決まりだ。
俺は、ポケットから、用意して置いた「牧野」の判子を出して、牧野の手に握らせた。

「判子押すからな。」

牧野の手を上から握り、捺印欄に印を押した。
流石は俺。抜かりなし。

ぼーっと婚姻届を眺めている牧野。

その頰に、チュッとキス。

すると、驚いた牧野が俺を見上げた。

その隙に、唇にキス。

それから、言ってやった。


「提出行くぞ!」



*****



牧野を抱き上げたままリムジンへ乗り込み、区役所へ向かう。
牧野はまだ口を開かない。
どうやら、かなり拗ねちまってるらしい。

でも、俺としては役得だ。
ずっと俺の膝に乗っかっている牧野。
口は開かなくても、別に怒っている訳じゃない。
恥ずかしくて、照れてんだ。

その証拠に髪にキスしようが、頰を撫でようが、拒否はしない。
俺のスーツのジャケットをぐっと掴んで離さない。
マジ、可愛い奴・・。


区役所はすでに夜間受付の状態で、俺らの他に人はいなかった。
俺は牧野を抱きかかえたままリムジンを降りるつもりだったが、牧野はが首を横に振り、自分の足で歩き出した。

「無事に処理されました。おめでとうございます。」

役所の職員に笑顔を向けられて、牧野はほっとしたようだ。
俺はというと、妻となった隣のこの小さな女を、早く邸に連れて帰りたくて仕方がなかった。


さっと、妻を抱き上げる。
意表を突かれた彼女がバランスを取るために、俺の首に腕を回した。

「きゃっ、道明寺っ!」

やっと出た声は、『道明寺』という新しいこいつの苗字。
これからこいつは、俺と同じ性を名乗るかと思うと、急に結婚した喜びが湧いてきた。

「司って呼べよ?お前も、もう、道明寺なんだぜ?奥さん。」


目を大きく見開いて、目の玉を白黒させてる妻を大切に抱きかかえて、ズンズン歩いて行く。
運転手が開けたドアをさっと潜り、リムジンへ乗り込んで、妻の頭を抑え、口付けた。
唇を吸って、舌でノックすると、妻の唇が少し開く。
その隙間から歯列をなぞって、ゆっくりと奥へ入っていく。
初めは遠慮がちな妻の舌の動きも、だんだんと俺を受け入れてくれる。
俺の手は自然と妻の胸に触れる。
そのままそっと揉み込んでいくと妻の体がが跳ねた。
逃げようとするが、逃がさない。

「あっ・・んんっ・・・」
時々漏れる妻の喘ぎ声にますます夢中になっていく。

俺の唾液を飲み込んで、苦しくなったのか、胸をドンドンと叩かれた。

そっと唇離し、潤んだ妻の瞳を見つめた。
「ふぅ・・。もー、道明寺が・・悪いんだからね。声・・でちゃうもん。」
「道明寺じゃねーだろって。」

潤んでるくせに、俺を睨みつけるその表情。
それが俺を煽るんだって。

「お前の声が好きなんだ。俺しか引き出せねぇ声。すげぇ、唆られる。」

ボコッと腹にパンチを食らう。

「今夜は初夜だろ。声きかせて。」

そう耳元で囁いてやれば、真っ赤になる俺の奥さん。


「今日はしないもん。」
「はぁ?」
「道明寺はそのためだけに、今日入籍したの?」

いや・・もちろん、そのためだけじゃねーけど。
でも、邸に連れて帰りたいっつー理由が大きかったのは嘘じゃねぇな。

「他に、理由ないの?」

他の理由?

「特にはねぇけど。スケジュールなんか気にせずに、毎日お前に会いたい。朝起きたらお前がいて、夜帰ったら、お前に迎えられたい。それが、理由だな。」

「他は?」

ん・・更に、他?

「ねぇよ。」
「本当に?」
「ねぇよ。何が言いたい?」

「仕事のことは?」
「仕事?」
「しゃ・・社長になるため・・とか?」

「はぁ?社長?んなもん、時間がたてばそのうち転がり込んでくる迷惑な肩書きだ。つっても、俺以上に仕事できるやつなんて存在しねぇから、まぁ、そのうち引き受けるしかねぇだろうが。うちの母親は自分が面倒だからって、早く俺に継がせようと画策してるみてぇだな。ガタガタ騒がなくても、そのうち引き継いでやるっつの!それだけの結果は出してんだからよ。」

「え・・そうなの?やだ・・どうしよう・・。」

何を言ってやがるんだ、こいつは、ったく。

「何がどうしようだ。とにかくっ。仕事と結婚は別問題だろ。俺はお前に、仕事で協力してもらうほど落ちぶれちゃいねぇよ。お前は黙って俺に溺れてればいーんだよ。でも、そうだな。俺がいい仕事できるかどうかは、お前の夜の仕事次第。」


それを聞いた俺の奥さんは、呆然として俺の顔を穴が開くほど見つめている。


「何だよ。旦那がカッコ良すぎて見惚れてんのか?」

俺は大真面目に言ったのに、こいつは急に、あはっ!と弾けるように笑い出した。

一体、何なんだっつーの!

「おいっ。」


「あー、おっかしい!あはは。私、何に協力したらいいのか分からなくなった。」
「何の話だっ。お前の仕事は、俺の奥さんとして側にいること。以上。」

「うんっ!」
「よし、じゃあ、今夜は初夜だから、手加減しねぇからな。」
「うん。分かった、旦那様。」


急にご機嫌になった俺の奥さんが、俺にガバッと抱きついてくる。
そんな妻の態度に、俺のテンションも急上昇。
奥さんの顔中にキスをしつつ、今か今かと邸への到着を待った。


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昨日のコメント欄、たくさんのメッセージありがとうございました。
ご心配頂いてしまい恐縮でしたが、一人のたうちまわっていたので、相当嬉しかったです。
結局、本日整形外科に行きました。軽く説教されて(笑)、ブロック注射を打たれましたが、正直劇的に良くはなっていないのですが、ゆっくり歩いたり、座ったりはできています。今朝起きたら、もう歩けない感じだったので、かなりマシです。
ご心配、お掛け致しました。こちらのお話も、体調をみながら繋いでいって完結を目指しますね!
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  1. Switch(完)
  2. / comment:6
  3. [ edit ]

Re: タイトルなし

  1. 2017/07/24(月) 00:45:58 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
さ●様
わぁ、そのようなご職業でしたか!整形外科で、レントゲンだけですがとりました。骨の配列には異常はないそうで、いわゆる急性腰痛症とのことです。ただ、私の場合は、整骨院は合っていなかったみたいです。ブロック注射をして、本日は朝からだいぶマシです。歩いたりできているので。私の周りにも、一度ぐらいは腰痛になった女性が結構いるんですよね。みんな、症状はそれぞれで、整骨院が良かったという人もいるし、実はヘルニアでオペした人もいます。
もし次、また激痛が来たら・・・我慢できないほどだったら、やっぱり整形外科に行こうかな・・ということが、今回の教訓だったりします。コメントありがとうございました。
あ、今度は司に逆襲させちゃいました(笑)。

あ●様
うわっ。マンションのことまで考えてなかった!どうしましょう。引っ越しは、強引に司にが荷物運んでるはずです。隣近所に挨拶・・つくしなら欠かしませんね・・。うひゃー!どうしようっ。
そうそう、つくしはもう、あんまり悩んでないんですよ。けど実は、司の逆鱗に触れてたみたいです。そんなつもりはなかったのに、書いているうちにそうなってしまった・・そんな27話。投稿しています。早く終わりたいのに、なんでRだ!
腰痛、今日はだいぶマシです。昨日は、正直トイレもキツくて・・(^_^;)。生活困難でしたが、今日は痛いけど、動けます。これからのも再発はあるのでしょうねぇ。というか、これでも3回目ぐらいです。半年に一度ぐらいのペースできている気がする。慢性腰痛症にならないようにしたいです。ご心配お掛け致しました。痛みが引いたら、ストレッチから始めようかな・・。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/07/23(日) 05:29:11 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

本当にありがとうございます。

  1. 2017/07/22(土) 23:30:18 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの応援をありがとうございます。
結局はただの腰痛なんですが、腰痛って劇的な治療方法があるわけじゃないんですよね。必ず治りますよ、と言われましたが、私も経験はあるので、いずれは治るってことは分かってはいたんですよね。ただ、今回の程度が・・。整骨院も決してだめなわけではないのでしょうが、私の症状には向かなかったみたい。整骨院自体が初診でしたし・・。

の●様
ブロック注射、あっという間でしたよ!注射イタッて思ってたら、数カ所刺されてました(^^;;歩けなかったのが歩けるので、マシなのでしょうが、痛いは痛いですよね。でも、今朝のことを思えば、かなりマシとも言える・・。後は、もう少し腰が曲がって、座れるようになればいいなぁ。明日はどうかなぁ。
ヘルペス出来る時って、疲れている時じゃないですか?免疫力が落ちている時。暑いと食欲がなくなるし、本当に体調管理しないとだめですねぇ。私も若くないので・・この腰痛が終わったら、体のメンテに気を使いたいです。

花●様
コメントありがとうございます。私も、今さら、腰痛について考えさせられています(^^;; コルセット、以前から持っていて、怪しいなという時には使ったりしていたのですが、すぐズレるし、本当に意味があるのか・・と疑問に思ったりして。体が硬いので、今度痛みが引いたら、柔軟性を養おうと思っています。腰が痛いと、座ってお話を書くのは辛いのですが、ベッドにゴロゴロして、二次巡りできたりして、そういう意味では癒されました(笑)。

スリ●様
楓さん、どう登場されるか・・。今晩寝ながら考えます。明日もPTAですか!っていうか、本部は日曜日もあるんですね。頭が上がりません。。。スリ●さんこそ、無理しないで下さいね。

とにかく、マイペースで完結を目指します!
よろしくお願いいたします!

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  1. 2017/07/22(土) 20:50:17 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/07/22(土) 19:41:39 |
  2. |
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  1. 2017/07/22(土) 19:20:41 |
  2. |
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