花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「ふぅ・・・声、カラカラだよ・・。」
「お前が悪いんだぞ。」

バスタブの中、後ろから私を抱きしめ、軽く肩を甘噛みしてくるのは、私の旦那様。
昨晩は急に不機嫌Switchが入って、正直ちょっと怖かった。
けれど、イジワルするくせに、結局は優しい旦那様は、こうして朝から私をお風呂に運んでくれた。


「・・・かなり誤解してる。私、本当に社長就任のためだなんて思っていたら、逆プロポーズなんてしてないよ。でも、ほら・・確認しておきたかったのよ。その・・社長に就任する条件?それが、本当に私でいいのかどうか・・。だって、逃げるつもりはなくても、覚悟がいるでしょ?」

そう言って振り返ると、濡れてストレートヘアになった旦那様が真剣に私の話を聞いていた。

「お前、それ誰に聞いたの?」
「留美子所長の大学時代の同級生を紹介してもらったの。同じ法学部出身で、今はアメリカでビジネスをされている方。」
「そんな話聞いてねぇぞ。」
「昨日言おうと思ったんだけどな。」
「ふーん。」
「社長就任は別にしても、司はいづれ海外に行くでしょ?もし、結婚したら、私は海外で仕事を続けていけるかとか色々と調べてたの。」
「そんなの、俺に相談しろよ。」
「プロポーズ保留してるのに、何先走って考えてんだよってなるでしょ?」
「ならねぇよ。」
「そう?」

彼の顎が肩に乗っている。
くすぐったい・・。

「で?どうするって?」
「うん。司がもし、ニューヨークに行くなら、ニューヨークのロースクールに留学したらどうかって。」
「はぁーっ!??何、先走ってんだよっ!!」
「だから、言ったじゃん。そう言うと思った。」

「必ずしも、司がニューヨークに行くと決まってもないのに、私だけ留学っていうのもおかしな話なんだけど。」
「あたりめぇだ。」
「でも、社長就任が決まれば、半年後にはニューヨークの筈よって。」
「だから、何でそんなこと、そいつが知ってんだ。」
「分からないわよっ!でも、そう言われたのっ!もう、のぼせちゃうから上がるよ?」


そう言って立ち上がろうとしたら、また後ろから引き戻された。

「なぁ。俺を置いて、どっか行くとか言うなよ。お前が仕事をすることに反対なんてしねぇけど、別居は無しだ。」

左の耳介をペロリと舐められた。
んんっ、もうっ。
昨日から、ちょっとしたことで反応しちゃう、自分が変っ!

「もうっ!分かったから、離しなさいっ!」
「感じてるくせに、往生際悪りぃな。」

もうっ、もうっ、もうっ!!

ジロリと睨んでやっても、全然効果なんてない。
フェロモンダダ漏れのこの男。
初めが肝心なんて言うけれど、入籍した途端にこんなことになるなんて予想外だよ。
黒豹に懐かれた感じ・・?
だけどそれは、不思議ととても幸せな感覚。

ふぅ。
帰ったら、ナイティで待ってろとか?本気なの?
だけど、さっきチラリと見えたクローゼットの中は、びっくりするぐらいにセクシーなナイティだらけだった。
これ、一体誰が選んだのよね?
でも、なんだかんだ言って、私も、全く嫌じゃないなんて・・。


まだ夫婦になって1日目なのに、私も、もうこの夫婦生活を止めることはできないんじゃないかな・・と思う。

私は彼に落ちてしまった。
優しい彼も、ちょっと怖い彼も、ラブラブ光線丸出しの彼も、全部好きだと思う。

はぁ・・私の人生はだいぶ違った方向にSwitchが入っちゃったみたいだ。





お風呂から上がり、クローゼットに用意されていた洋服の中から、落ち着いた花柄のスカートとシフォンのブラウスを選んで着替えた。
うわっ、生地とデザインがいいのかな。
自分が奥様っぽく見えるっ。

なんとなく照れながら、リビングに入ると、司が細身のパンツと襟付きのカットソー姿で待っていた。
とってもラフな格好なのに、コロニアル調のこの部屋に、花が添えられているみたいに美しい男。

もう・・・何でよ・・。
どうして、こんなにドキドキするのよっ。
この人、こんなに背が高かったっけ?
やだ、なんでこんなに足が長いの?

いつものビジネススーツ姿もビシッとしてて好きなんだけど、こういうラフな姿も素敵・・
って、何よ!自分の旦那様じゃないのっ!

あぁ、もう、私は昨日からとってもオカシイ。
自分の夫にドキドキが止まらないなんて。

あーもう、つくしっ。しっかりしろっ!



「じゃ、奥さん、食事に行こうぜ。」

司が私に手を伸ばす。
その腕にぎゅっとしがみつきながら、私はなんだか笑いが止まらなくなった。

だって、絵に書いたような幸せが、そこにあったから・・・。
そこにいるのは、私にゾッコンな旦那様で、私もこの人にゾッコンだから。
ふふふ・・・。


「何笑ってんだ。おい、ちゃんと歩けるか?」
「ぷぷ・・大丈夫。」
「やっぱり、部屋で食事にすれば良かったな。」
「いっ、嫌だよっ。食事に出てこれないぐらいに疲れてるのかと思われちゃうっ。」
「何だよ、まだ余裕ありそうだな。」
「・・っ!」

ブンブンと首を横に振ると、旦那様が面白そうにこちらを見てる。

「まぁ、西田も来てるだろうから、今後のこと、一応話し合っとくか。」
「今後?」
「結婚式とかあるだろ?」
「・・ゆっくり考えようよ。」

そう言ったら、彼がちょっと呆れたような顔をして、それからニヤリと不敵に微笑んだ。
「お前に任せてたら、結婚式もスルーしそうだな。ま、俺が、世界一綺麗な花嫁にしてやるから、心配すんな。」

心配はしてないけど・・ちょっと怖いよ・・とは言えなかった。





***


ダイニングルーム前。
急に、ピタリと司の足が止まった。

何?どうしたの??

見上げた司の顔に、僅かな緊張が見えた。
ダイニングの扉前にいる、メイドさんを左手を振って下がらせる。

なっ、何事??


少しだけ開いた扉に近づくと、中から話し声が聞こえてきた。


「・・・。」
「それは却下。入籍会見は、来週ニューヨーク。これは譲れないわ。」
「しかし、つくし様のご都合も考慮頂かねばなりません。」
「それは、大丈夫よ。留美子に言っておくから。」

ん?

「後は、つくしさんの今後の仕事の件だけど。」
「そちらも、人事が決まらなければ何とも。」
「この際、司のことはいいわよ。来年の入学に合わせるなら、すぐに準備を始めないとだめね。入籍が済んでいるなら、ビザの申請を。司の妻なら、永住権の申請が通る筈よ。時間が掛かるようなら、どんどん圧力かけなさい。」

んん?

「司様が、つくし様だけをニューヨークへ行かせるとは思えませんが・・。」
「それなら、社長に就任してもらうしかないわね。そうすれば、司も半年後にはニューヨークよ。」
「・・・。」

「会見のドレスはニューヨークで準備してるから大丈夫。披露宴は10月でいいかしら?もう、ニューヨークメープルを押さえてしまったのよ。あ、留美子もそれでいいって言ってたわ。」
「・・・・・。」

「ウエディングドレスは椿が張り切っているから抜かりないわよ。マリッジリングは準備できているのよね?」
「・・・・・・・・。」

「西田、どうしたの?あら、嫌だ。まさか、その前に、エンゲージリングを渡していないとか?ほんっと、使えない息子ね。仕方がないから、私が準備するわ。すぐに、外商を呼んで頂戴。」


この会話って・・何?
もう一度司を見れば、額には青筋が3本・・いや4本?・・



バッターンッ!!!

うわーっ!

司が大きく扉を開けて、私たちはダイニングになだれ込んだ。


真正面に直立不動の西田さん。
そして、その隣には、


「あら、つくしさん。おはよう。昨日はゆっくりできた?」

にこやかに笑う、楓社長がいた。


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更新時間が不定期ですみません。
そろそろラストかな〜と思います。
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  1. Switch(完)
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/07/27(木) 01:06:42 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
もう、腰も痛くて、やる気が湧かず、先ほど最終話を投稿しました!(笑)

澪●様
コメントありがとうございます。関東や東北は雨がひどいようですね。大丈夫でしたか?うちの地域は、気がつけば梅雨明けして、真夏日が続いています。時折、スコールみたいな雨が降ると、日本の気候はかわっているんだなとちょっと怖くなる時もありますね。こちらのお話もラブラブなうちに最終話です。応援ありがとうございました。

スリ●様
いろいろ書き残した部分はあるのですが、もう、意欲が湧かず完結へ…(^^;;。まぁ、いいかぁ。少し、ゆっくりしようかなと思っています。

さと●様
コメントありがとうございます。ね、司はだいぶつくしちゃんを大切にしてきてたんですよね。楓も愛があるのですが、さすがにぶっ飛んでるのかな。はは。俺様っぽい司を書きたかったのに、いつの間にか懐いた黒豹になってしまった。つくしにだけは甘える司がツボでして・・(笑)。


先ほど、最終話を投稿しました。
急いでしまいましたが、とりあえず、ホッとしています。
では、またー。

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  1. 2017/07/25(火) 22:34:06 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/07/25(火) 18:44:16 |
  2. |
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  1. 2017/07/25(火) 17:37:18 |
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