花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「お袋っ!」「楓社長!」
同時に叫んだ私たち。

「「えぇっ!!」」
同時にお互いの顔を見合わせた。



「「・・・・え・・?」」



***



「入籍の会見は、来週末ニューヨーク。当然、つくしさんも同席してね。」
「は・・い。」

まさか、楓社長が、司のお母さんだったなんて・・

「おいちょっと待て。勝手に決めんな。」
「何か問題があるの?昨日、婚姻届を提出したのではなくて?」
「そのことじゃねーよ。いきなりそんなこと言ったら、こいつがビビっちまう。それに仕事にも影響が出るだろ。こいつのペースに合わせてやりてぇんだよ。ひとまずは、FAXで事実のみ公表する。それで十分じゃねーのか。」

「10月の挙式は?」
「それは、俺は構わねぇが。」
「あの・・留美子所長もこのことを知っているんですよね。」
「もちろんよ。私の親友なの。司があなたを追いかけ回してると知って、連絡したのよ。初めは留美子も驚いていたわ。ふふ。で、無事に付き合い始めて二人で喜んでいた訳よ。」

そうだったんだーっ。
うぎゃ。恥ずかしすぎるっ。
私、義理の母になる人に、仕事の相談とか、彼のことが好きだとか言ってたんだ・・。うわーっ。ないよ、ないっ!

「つくしさん、おっしゃってたわよね。司の役に立ちたいって、ついて行きたいって。」
「はい。」
「来週の総会で、司の社長就任が決まるか、ペンディングになるかはわからないけれど、将来を見据えるのであれば、結婚後はニューヨークで勉強するのは悪いことではないと思うけれど。どう?」

「それは・・その・・もしかすると、私だけがニューヨークへ留学するという結果もあり得る・・訳ですね。」
「却下。」

その選択肢は、即座に司が反対。

当たり前だよね。
さっき、どこにも行くなって言われたのに。
私だって、この人を置いて、どこにも行ける訳ない。
でも、楓社長の言うこともわからない訳じゃない。
長い目で考えるのなら・・
ああっ!もうっ、どうしたらいいのっ!


迷いに迷って、プチパニックに陥った私の口から、
その後に出た言葉は・・・



「司、お願い!社長になって!!
来年は、一緒にニューヨークへ行こう。そうしよう!!」






***


俺は今までにこんなにも、地位に拘ったことがあっただろうか?
つくしからのお願いに、俺はすぐにニューヨークへ飛んだ。
入籍の事実はFAXで公表し、アメリカ在住の役員達への挨拶に回った。
そんなことしなくても、正直いつかは転がり込んでくる役職だと思っていた。
仕事では十分な実績を積んでいる。
ただ一つ、文句をつけられる点があるとすれば、「家庭を持っていない」ということだった。

それももはや、解決はしていたが、ここでもし、信任案が否決されれば、つくしと別居の可能性があるともなれば、胡座をかいているわけにはいかなかった。



そうして俺は____道明寺ホールディンス社長就任が決まった。










「行ってらっしゃい。」

俺の愛する奥さんが背伸びをしようとするのを止めて、俺が腰を少し落とす。
つくしが笑いながら、俺の左頰にキスをした。
柔らかくつくしを包み、抱き締める。
あー、離れたくねぇよ。

「ほら、そろそろ行かなきゃ、西田さんに怒られちゃうよ?」
「行きたくねぇ。」
「だめでしょ、道明寺社長。」
「ちっ。なんで俺だけ忙しくなってんだ。」
「あはは・・ごめん・・ね?」


ジトッとつくしを見下ろせば、大きな腹が目に留まる。
つくしが楽しそうに、その腹をさすった。

「だって、もうすぐ、生まれるんだよ。頑張って下さい、パパ。」

そう言って、つくしが俺に微笑んだ。

___パパ。


なんて事言うんだよっ。
ばかっ。
幸せすぎるだろーがっ!




俺たちは、10月初めにニューヨークで挙式した。
披露宴は1000人を超える招待客でごった返し、二人ともヘトヘトになった。
その直後に分かった、つくしの妊娠。
当然といえば当然だ。
俺たちは、入籍してから避妊なんてしていなかったんだから。

結局、つくしのロースクール入学は延期になった。
年が明けて、この4月から、俺は道明寺ホールディングスの社長に就任する。
そして今は、ニューヨークの道明寺邸で暮らしている。
つくしの出産は6月。
もうじき、二人の子供が生まれる。

去年までは考えた事もなかった新しい未来が開かれようとしている。




玄関まで、つくしと一緒にゆっくりと歩いていく。
仕事に行きたくなんかねぇけど、行かなきゃ妻に怒られる。
俺は良いように使われてる状態だが、嫌じゃねぇ。
帰宅すればつくしと腹の中の子供が待っている。
彼女たちのためなら、なんでも出来る。
彼女はどこまでも俺のパワーになる。


だが・・・

「あら、司さん、今日は社長就任会見でしょう?そんなにゆっくりしていて間に合いますか?」

ピキッ・・・
ババァ・・・

「あ、お義母様。おはようございます。大丈夫ですよ。ね、司。」


別に、恨んでる訳じゃねぇが、俺たちの結婚にあれこれと口を出してきたババァは、今も要注意人物だ。
結婚式・披露宴も結局はババァの思う通りに仕組まれた。
つくしは、女の割に、あまりそういう事に拘りを見せないから、「助かったね。」なんて言っていたが、俺は気に入らなかった。

つくしは、できた奥さんだ。
ババァが出てくると不機嫌になる俺をなだめて、ババァとの関係を取り持ってくれる。
ババァに良いように使われてんだぞ?
そんなに愛想よくする必要ねぇっつーの。


「良かったわ。おかげで、私はメープルに専念できるし。総帥も、あなたたちがニューヨークにいるものだから、心強いみたいね。ありがとう。」


・・・。
・・・?ありがとう?

マジかよ。
初めて、お袋に礼を言われたかも知れねぇ・・。


「行ってらっしゃいませ。お義母様。」

つくしがババァに手を振り、ババァには玄関扉から消えて行った。


「どうしたの?司。」
「いや、お袋に初めて礼を言われたなと思ってな。」
「ええ?別に珍しくないよ。いつも言われてるもん。」
「はぁ?」
「いつも言われてるよ。ありがとうって。司のことよろしくねとか。仕事は無理しなくて良いわよとか。」


全く、呆れるぜ。
あれほど、つくしの留学に乗り気だったババァは、妊娠が分かった途端に、「産後落ち着いてからにしなさい」とか言い出した。真面目なつくしは、デカイ腹でロースクールに通おうとしていたが、さすがに俺もそれは止めた。

「でも、入学は延期して良かったかも。お腹もこんなに大きくなると思っていなかったし、まずは、元気な赤ちゃんを産んで、赤ちゃんとの生活に慣れなきゃだよね。」

そんな風に言いながら、つくしがふんわりと笑った。
母親になろうとする女だからなのだろうか?
つくしは、暖かい、包み込むような優しい雰囲気に溢れている。
俺がずっとそばにいたくなる、そんな空気が漂っている。



つくしと出会って、まだ1年も経っていない。
けれど、俺たちは、運命的に出会って、夫婦になった。

あの見合いの日。
どうして、つくしから目が離せなかったのか。
こいつが見合い相手だったら良いのにと本気で思ったのは何故なのか?

その理由。
俺が一目惚れした理由。
それが、この雰囲気なんだ。
今まで感じたことがない、癒される雰囲気。
一緒にいるだけで、満たされる・・・。
何事にも動じないビジネスマインドを鍛えられた俺に、特別なSwitchを押した。

荒れた俺の気持ちを浄化させてくれる女。
彼女と一緒にいると、気持ちが和らぐ。
そして、俺の心の奥底に沈んでいた、様々な感情を引き出した。


そっと、妻に囁く。
「今夜、約束な。」
「ええーっ!!もう、無理だから。」
「無理はさせないから。」


人を愛する心。
何かを欲する情熱。
大切なものを守りたいと思う気持ち。


そして、何よりも・・
___愛されたいと願う心。

俺は、どこかで諦めていたんだと思う。
愛されるということを。



「困ったパパですね〜。」
「こらっ、ちゃんと返事しろ。」


つくしが笑いながら俺の首を引き寄せた。

「待ってるね。」

その一言だけで、満たされれる。
彼女の愛が伝わってくる。
俺の愛も伝わっていると信じられる。


「行ってきます。」


俺は、もう一度つくしを抱きしめて、リムジンへ乗り込んだ。



今日の天気は快晴。
同時に運命のSwitchを押した俺たちは、同じ未来へと向かって走り出している。


Fin.



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最後まで応援ありがとうございました!
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  1. Switch
  2. / comment:13
  3. [ edit ]

またまた今晩は。

  1. 2017/08/01(火) 21:23:41 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
暑いですねぇ。
コメントまたまたありがとうございます!

小●様
楽しんでいただけて良かったです。今はすっかり、腑抜けで、腰が痛いのもありますが、原作流れのつかつくサイトさんを読み漁ったりする日々です(笑)。また充電できたら、何か書きたいなぁと思っています。コメントありがとうございました!

椿●様
あははーっ。プチ劇場ありがとうございました!そうかぁ、弟が司ですもんね。気合いが入るってもんですね。面白かったです。私も司派なので、司を幸せにしたい人です!
このところ、意欲が湧かずですが、リアルが忙しいのも実際あるので、ぼちぼち更新できるスタンスに戻せたらいいなぁと思っています。また遊びにいらしてくださいね。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/07/29(土) 08:14:25 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/07/28(金) 13:35:50 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

ありがとうございました!

  1. 2017/07/28(金) 10:51:48 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
最後まで応援ありがとうございました。
最終話5時に投稿する予定が、あれ?もう投稿されてたっ!ってなってしまい、慌てて誤字脱字を直したつもりが、直し切れず(汗)。仕事中にちょこちょこ直す羽目に・・。
終始ラブモードで単調な展開だったので、読み手の方としてはどう思われたんだろうと私の中では疑問でしたが、楽しんでいただけたのであれば良かったです!

さて、
花●様
私も幸せすぎる司が好きです〜!司が幸せなら、私も幸せです(笑)。司が幸せだといやされるんですよね〜。どこまでも司好きです(笑)。

スリ●様
そう、まさかの社長になって!発言(笑)。もう、これ以上長引かせない為には、これしかないだろうっ!ってことで(笑)。後半は、終始『社長になるための結婚』というものを、つくしがどう捉えるかを悩んでいたので、最終、これで決着です。あはは。ま、司は社長なんてぷって感じなんですけどね。つくしのためならやる男なんです(笑)。

きぃ様
コメントありがとうございます。『あたし』でも『私』でも、案外どっちでも書けるということが判明(笑)。原作の流れはやっぱり『あたし』かなぁ。今回、『私』を使う為につくしを弁護士設定にしたのに、弁護士としての活躍は一場面もなかった(笑)。本気でこの設定書こうと思ったら、弁護士のこと勉強しなきゃダメだよなぁと思いました。

さ●様
更新楽しみにして頂いていたとのこと、とっても嬉しいです。最近は、暑いのと、腰痛と、夏休みで子供達に費やす時間がやたらと長いことがあり、書く時間が取れないんですよねぇ・・。この夏は、コンスタントに投稿が難しいかもしれませんが、また覗いてくださいね〜。

澪●様
そうなんですよ(笑)。展開が予測されちゃうお話。これってどうなの?と思いつつの投稿でした(笑)。水戸黄門的な安心感・・あはは。ありがとうございます。これでいいのか?と何度も思いましたが、楽しんでいただけたのであれば良かったです。でも、次は、ドキッとするのを書きたい!と思っておりますよ〜。ニヤリ。

さと●様
高校生クイズ並みの軽快さ・・(笑)。私もちょっとそれを思いました・・あはは。司も驚いたことでしょう。そして、やっぱり黒豹ですから、最終話に妊娠中はマスト(笑)。最後は、無理やりSwitchで終わりましたが・・きゅんきゅんして頂けて良かったです!

の●様
確かに!楓さんにもSwitch入ってましたね!この楓さん、私は好きでした。書きやすかった(笑)。押せ押せの司も楽しく書けました!続編かぁ。押せ押せの司と、楓さんのバトル?(笑)

まり●様
心地よかったですか?良かった〜。ほんと、いつもワンパターンなのに、今回はさらに単調で・・・。書いてる自分がオエってくるような・・。でも、司の幸せならのためには、かいちゃうんですけどねぇ(笑)。

ka●様
やっぱり子供ができてHappyendにしたくなるんですよねぇ。ついつい。司パパが好きなんですよ。すっごく子供に優しいパパにしてあげたい!あ、でも、司はつくしがやっぱり一番かな??

H●様
あはは。無理に終わらせた・・。それは・・ある(爆)。体調がイマイチというのが一つと、あまりにワンパターンで、つまらないかなぁというのが一つ。でも、私としては納得のいくラストです。書いたけど出さなかった場面がたくさーんあります。マリッジ渡すところとか(笑)。あとがきで上げちゃおうかな?

あ●様
ええー?様々な謎(笑)。やっぱりあります??番外編かぁ。うやむやじゃだめ??(笑)関東は少し涼しいですか?こちらはめちゃくちゃ暑いです!今日は、すこーし曇ってるけど・・でも暑い!今日は、お仕事おやすみなので、ちょっとお昼寝してからあとがき書こうかな〜。あはは。


腰痛やら、夏バテやらで、何とも言えないだるさが続いています。皆様どうですか?少し、休憩しながら、お話を書いて、短編が書き切れたらまたアップしようかなと目論んでいます。あとで、あとがきは書きたいな!

ではでは、最後までお付き合い、本当にありがとうございました!

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  1. 2017/07/27(木) 23:02:00 |
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  1. 2017/07/27(木) 16:05:15 |
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  1. 2017/07/27(木) 14:46:13 |
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  1. 2017/07/27(木) 12:03:33 |
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  1. 2017/07/27(木) 10:40:45 |
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  1. 2017/07/27(木) 09:01:10 |
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お疲れ様でした

  1. 2017/07/27(木) 08:45:00 |
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  3. きぃ
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完結お疲れ様でした。
新たな試みの〝私〟、心配されてらしたけれど違和感などなくステキなつくしでした。
色々な意味のswitchにも、さすがHappyさんだなぁ✨と毎朝楽しませて頂きました。
番外編、お待ちしてますね ♪…フフッ

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  1. 2017/07/27(木) 07:44:31 |
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  1. 2017/07/27(木) 06:39:07 |
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