花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

もしも・・
もしもあたしがどこかのお嬢様で、
お金持ちの家庭に生まれていたら、
そうしたらどうだったんだろう。

もしそうだったとしたら、あたし達には障害はなくて、あの魔女も一発で私達のことを認めて、あんたも苦労を背負うことはなかったんじゃないのかな?
ねぇ?そう思わない?

でも・・待って。
そもそも、それなら道明寺はあたしのこと、好きになったかな?
あたしは、道明寺のこと好きになったのかな・・?



***



「つくし〜!」

ドスンって抱きついてくるのは滋さん。
もしもあたしがお嬢だったら、英徳じゃなくて永林の高校生で、滋さんのお友達だったりして・・。

「ねぇ、今日も社会体験に行くの〜?お買い物でも行かない?」

あたしはお嬢だったとしても、きっと何かしら働いてるような気がする。
社会体験実習とかで、どこかの会社でバイトしてそう。

「今晩の英徳のプロムは行くよね。」
「行かないよ。」
「やだっ、英徳のF4を見に行こうって言ったじゃん!」
「言ってたっけ?」
「もうっ!そんなんだから、つくしには彼氏の一人もいないのよっ。」
「別にいいもん。あんまり、そういうの興味ない。」

そうそう、あたしは、どんなあたしだったとしてもF4になんて興味がないの。

「今日は絶対に行くよ!F4に会えるチャンスだもん。」
「そもそも、英徳のプロムにどうして永林の私たちが参加できるの?」
「そこは滋ちゃんのツテでなんとでもなるのっ!さ、ちょっと早いけど、準備しよっ!」

ズルズルと滋さんに引きづられて、連れてこられたのは大河原邸。
バカでかいお邸の衣装部屋には、あふれんばかりの洋服たち。


もしもあたしがお嬢だったら、
きっとこんなドレスに戸惑うことなく、颯爽と着こなして、パーティーに出かけるよね。
うん。
どのドレスにするか迷うことなんて無くて、自分に合うものは一目で分かるの。

そんなあたしが選んだのは、ピンクの水玉柄のドレス。
ウエストには大きなリボンが付いていて可愛いの。
って、何よこれ。昔、静さんが選んでくれたソワレにそっくりじゃん。
でも、まぁ、いっか。可愛いし・・。

滋さんのお家の美容スタッフにメイクをしてもらって、髪は軽く巻いてもらった。
こんなことも日常茶飯事だよね。
当たり前のようにドレスを着て、当たり前のようにリムジンに乗って、当然のようにドアマンに恭しくドアを開けられて、扉の中、パーティー会場に入って行く。
ヒール靴なんて慣れてるから、ふらつくことなんてないのよ。
プールや池に落ちたりとか、絶対にしないの。
だって、あたしはお嬢だからね。


「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」

そんなふうに招かれて、弾むような足取りで会場に入るの。
そうよ、お嬢だったらそんな感じ。
そうやって、頭を下げられるのが当たり前なの。
会場内のみんなも、あたしを見たって驚かない。
当然の場所に、当然の人がいるだけだもの。
珍しい人物がいる訳じゃない。

小さな社交界で、ちょっとアルコールを飲んだり、
どこかの会社の御曹司に話しかけられたり、
それを適当に躱したり、
誘われたら、ダンスを踊ったりとか。

もしも、あたしがお嬢だったら、そんなことをさらっとできちゃうんだ。


「ねぇ、つくし、あそこ見て。F4だよ。F4!」

パーティー会場には、御曹司のトップオブザトップ。F4が来ている。
F4はFlower4の略なんだって。
バカじゃないの?なんて思う。

そう、あたしがもしも、お嬢だったら・・
F4なんて興味ない。
お金持ちがなんだっていうのよ?
お金があるからなんのよ?
ちょっとかっこいいからって調子に乗らないで。

あたしはF4になんて近づかないの。
だって、興味がないんだもん。


「ねぇ。あれが道明寺司ね。なかなか、いい男だわ。」

滋さんがそんなことを言ったって、興味なんかないわよ。
何よ、そのクルクル頭。
目付きなんて、蛇みたいで気持ち悪いし。

「あれで女嫌いとはねぇ。勿体無いわ。」

女嫌いの道明寺司に近づく方が危険だもの。
絶対に近づいちゃダメよ。
お金ががあろうがなかろうが、F4なんて、あたしには関係ないの。


だけど・・あれ?危険信号が鳴っている。
ピーコンピーコン。
これは、なんのレーダー音?


「ねぇ、つくし、F4がこっち来た!話しかけようか!?」

女嫌いの男に話しかけるなんて、なんてチャレンジャーなの、滋さん。
あんな人たち放っておこう。
ほら、あっちのお料理の方が美味しそうだよ。

「ほらっ、行くよ!つくしっ!」

滋さんに腕を掴まれて、いつの間にかあたしは、引きづられてしまった。
きゃっ、いくらなんでも、その勢いじゃ、ヒール靴じゃこけちゃうわよっ。


ドッシーン!!


きゃっ。
いったー。痛いじゃないのっ!

あたしは誰かに体当たりをしちゃったみたい。

目の前には、白いドレスシャツ。
あ、嫌だ、あたしの口紅がついちゃった。
ごめんなさい。ごめんなさい。

顔を上げると、そこには、凶悪な面構えの男が一人。


道明寺司が立っていた。





「ごめんなさい。」
「お前・・俺に体当たりとかして、タダで済むと思ってんのか?」

ほらね。
道明寺はこういう男。
だって、赤札貼ってる男だよ。
最低人間。

「わざとじゃないです。ごめんなさい。」
「どうすっかな・・」

ニヤリと笑った道明寺。
怖すぎ。
滋さんに助けを求めたけど、あれ、いない。
って、なんでそっちで他の男たちと話してんの?
ちょっと、助けなさいよ!


「クリーニングして返しますから。」
「はぁ?」
「いや、新しいものを買いますから。」
「バカか。これはオーダーの一点もの。」

そりゃそうか。
こいつにが大量生産品なんて、着てるわけないか。

もしもあたしがお嬢だったら、
きっとなんだって買えちゃうはずだけど、やっぱりこの男の我儘には敵わないの?

「じゃあ、新しいものをプレゼントすればいいですか?」
「へえ?」
「俺に、モノを貢ごうって?」
「そういう訳じゃないけど。あんたが怖い顔してるからでしょ?」

やっぱり、あたしはあたしなのね。
この男を見ると、ついつい文句を言いたくなるの。

「誰に向かって口きいてんだ。」
「誰って、道明寺司でしょ。」

「お前っ・・いや、待てよ。気に入った。今から、飯でも食いに行くか?」
「はぁ?嫌よ。誰が、あんたなんかと。あっちにお料理がたくさんあるじゃないの。弁償しなくていいなら、もう行くよ。」
「おい、ちょっと待てって。」


あれれ、道明寺が付いて来ちゃった。
F4なんて興味ないのに、どうして道明寺とご飯食べるのよ。
お願いだから、あたしに構わないで!

それなのに・・
「ほれ。」
道明寺にお皿を渡される。
パクリ。
美味しい。

もしも、あたしがお嬢だったとしても、
美味しいものは美味しいの。

「随分旨そうに食うな。」
「旨そうじゃなくて、旨いのよ。本当に!」
「へぇ。変な女。」

そうなの。変な女なの。
だから、構わないで。

「俺、お前のこと気に入った。俺の女になれよ。」

ばかっ。ならないわよ。
あんたの女になんかなったらねー。
すっごい大変なんだからっ。

「あんたの恋人とか苦労しそうだから嫌。」
「むっかーっ!何だよ!俺の女になったら、どんな贅沢でもさせてやる。苦労なんかさせねぇよっ!」

あんたの恋人なんてね、苦労だらけなんだよ。
本当に大変なんだから・・。

「何よ、お金があるからって幸せになれるっていうの?」
「世の中、金が全てだろうよ。」
「ふーん。そうなんだ。」

そうなんだ。
だったら、なんであんたはあたしのことなんか好きになったのよ。
貧乏なあたしをどうして好きになったのよ。
あたしには取り柄なんかないのに。
あたしが貧乏人だから、珍しかっただけなんじゃないの?

「世の中、お金で買えないものだってあるんだからねっ。」
「なんだよ、それ。」


お金で買えないもの。
それは、空気?って違うでしょ?
それはねぇ。

愛なの。愛。

貧乏人のあたしが手に入れた、あんたの愛。

そのせいで、あんたに苦労させてるんじゃないの・・あたし・・・?



***



「牧野、大丈夫か?」
「ん・・・道明寺?」

あれ・・あたし、いつの間にか寝ちゃってた?
ここって、こいつの家のベッドだ。
なんで・・?

「滋が送って来たんだ、ここまで。お前、すげぇ熱あるぞ。」
「あ・・そうだった。パーティー・・どうしよう。」
「あんなもん、だから行く必要ねぇって言っただろうが。」
「だって、魔女・・じゃない、あんたのお母さんが行きなさいって・・。」

道明寺司の婚約者として、男性は参加できない、女性だけが集まるパーティーに参加した。
来月、道明寺と結婚するあたしにとっての登竜門。
財閥や企業の奥方たちが集まる、婦人会。
今回は、滋さんが一緒に行ってくれた。


「池に落ちたんだって?相変わらず、ドジだな、お前は。」
「ごめん・・。」
「何だよ、らしくねぇじゃん。」

あんたに、迷惑かけてごめん。
あたしがお嬢じゃないから、あんたに苦労させてごめん。


「道明寺・・・もしも、あたしが、お嬢だったらさ・・・」

あんたとあたしの人生はもっと楽だったのかな。


「はぁ?何言ってんだ、お前。熱で頭おかしくなったのか?いや、もともと馬鹿だったけど・・」

バカにバカって言われたっ。


「お前がお嬢であろうがなかろうが、お前は道明寺つくしになる運命だ。心配すんな。」


・・・。
・・・・・・。

あー。ホント、こいつって馬鹿。
そんなこと、心配なんてしてないっつーの。
あたしは、あんたの心配をしてんのよ。


熱で、頭がぼーっとする。
視界に入っている道明寺もぼやけてる。
なのに・・・あぁ、悔しいなぁ。
こんなクルクルパーマの蛇目男が、すごくいい男に見える。


「早く結婚してぇな。」



あたしは、こいつのこういうストレートなところが好き。
単純バカなところが好き。
どんなあたしでもいいって言ってくれるこの男が大好き。

あーもう、やっぱりなぁ。
もしも、あたしがお嬢だったとしても、
きっと、こいつを好きになる。


ゆったりと髪を撫でてくれる心地よさに酔いながら、
あたしは、もう一度目を閉じた。


ねぇ、道明寺。
あたし、あんたが側にいてくれたら、他には何もいらないよ。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村

ご無沙汰しております。
ふっと頭によぎったお話を書いちゃいました。
関連記事
スポンサーサイト

  1. 短編
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

こんばんは。

  1. 2017/08/03(木) 23:28:55 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
つい先ほど、司サイドも投稿してしまった(笑)。なんとなく、書きたくなって。ずるずると長くなってしまいました・・。

さてさて
スリ●様
ふっと頭に湧いてきたお話。特に内容は無いんです(笑)。
こんな雰囲気のお話が書きたいっていう雰囲気で書いてしまいました(笑)。

ka●様
題名を書く時に、これが逆で、もし司が貧乏だったら・・っていうのも頭をよぎったんですが・・。妄想が広がりませんでした(笑)。例え司が貧乏でも、きっとつくしと結ばれると信じていますが、やっぱり司は御曹司!なんだよなぁ(笑)。

さと●様
司って、やっぱりバカじゃないんですよ。うん。ここぞと言う時の、野生の勘。絶対に必要な言葉を言ってくれそう。あーやっぱり、司はいいなぁ(笑)。

m様
本当に思いつきですよ(笑)。たまには・・いいかな?楽しんでもらえると、私も嬉しいです。

ふぁいてぃ〜んママ様
そっか。ご無沙汰って程ではなかったですね。しばらくバタバタしていたし、書く気になれずにいましたが、またぼちぼちと再開しました。なるほど、深刻なマリッジブルーのつくしに焦る司か。この司サイドもちょっとそんな感じかもしれませんが、またいつか、違う形で書いてみましょうか!


ちょっと長くなってしまった、司サイドも是非!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/08/03(木) 13:13:07 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/08/03(木) 08:16:06 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/08/02(水) 22:12:24 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -