花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

初めての行為に体は悲鳴をあげたけど、私はとても幸せだった。
初めては道明寺がいいって、ずっと思ってたから。
その願いが叶ったから。
だから、これが道明寺にとっては復讐だったとしても、明日からはまた会うことはできないんだとしても、それで良かった。
今夜、一緒にいることができる・・それだけでいいと思った。


意識が遠のいてから、次に目が覚めたのは夜中だった。
下腹部が痛んで、足が怠い。
ゆっくりと瞼を開けば、すぐ目の前には道明寺の胸板があった。

夢じゃない。
道明寺に抱かれたという、現実が目の前にある。
嬉しい・・ふふっ。

私は、自然に笑ってしまっていた。

あぁ。
私は、あのまま捨てられちゃった訳じゃないんだね。
だって、こうやって道明寺の胸に抱かれてる。
体は辛いのに、心をは満ち足りている。
まだ、私のそばに道明寺がいてくれる、それだけで幸せ。


視線を上げていけば、自然と道明寺と目が合った。
部屋の明かりは灯ったままで、お互いの表情がはっきりとわかった。
少し気まずそうな道明寺。
そんな顔しなくていいのに。
私は、とっても幸せだったのに。
道明寺って、実は、すごく優しい奴なんだよね。
素直じゃなくて、バカな奴だったけど、あの頃だって、大事なことは直感的に分かってる人だった。
今夜のことはあんたが悪いんじゃないでしょ。
あたしも望んでたの。
だから、あんたも後悔なんかしないで。



道明寺が何か言っている。
私の左耳に向かって。
だけど、そっちの耳はあまり聞こえないの。
右耳をシーツから外して聞こうとすれば、道明寺の声が聞こえるはず。
だけど、私は敢えて聞こうとは思わなかった。
だって、今がとても幸せだから。

復讐の言葉なんて聞きたくない。
別れの言葉なんて聞きたくない。
さよならなんて言われたくない。

今日再会したことを、私の中でこれ以上ない思い出にしたいの。
だから、何も聞かないよ。
こんなにも幸せなの。
このままでいさせて。

道明寺の腕が優しく私を包んでる。
道明寺が切なそうに何かを口にしている。
私はその口元をじっと見つめていた。


「ごめん」って、言ってくれてるの?
あの頃、あんたを傷つけた私はを許してくれるの?
それともやっぱり、許せない?

でもね。
もう、どっちでもいいんだ。
だって、私の願いは、もう叶った。
もう一度あんたに会いたい。
そして、あんたに抱かれてみたい。

だから、もういいんだ。
これで終わりでいい。
明日から、もう会えなくてもいいの。


必死に何かを訴えている道明寺。
何も聞こえない私。

だけど、いいの。
これでいいの。
今、この瞬間に、あんたが私を抱きしめてくれている、それだけでいいの。


道明寺が私の左手にはめられたリングを外そうとした。
私は、そっとそれを制した。

例え、今日でさよならだとしても、
このリングは私にとって大切なもの。
もしかしたら、命よりも大切かもしれないの。
だから、これは奪わないで。

明日には消えるから。
もう、あんたの前には現れないから。
だから、これは奪わないで。
今だけ、あんたと一緒にいさせて。


道明寺は、無理やり指輪を外したりはしなかった。

この指輪を、あんた以外の誰かから貰ったと思ってるんだよね。
抱かれる前に、「お前は俺のものだ」と言われた。
あれはどういう意味だったんだろう。
道明寺を傷つけておいて、私だけが幸せになろうとしてると思ったのかな。
それが許せないってことかな。

でもね、違うよ。
違うのに。
これは、あんたから貰ったもの。
私がずっと大切にしているもの。
これからも、ずっと大切にしていくものなの。

だけど、彼にこの指輪のことを言うつもりはない。
外さなくていい・・それだけで良かった。
少し切ないけど、嬉しかった。

ありがとう・・道明寺。

そんな少し切ない満足感と安堵を感じると同時に、穏やかな眠気に襲われて、私は、もう一度意識を手放した。



***



夜中に目を開けた牧野。

何を言うべきか戸惑っていた俺だったが、やはり、これを伝えないことには始まらない。
こいつをもう一度手にするために。

牧野と目が合って、自分の狂気じみた行為に僅かに羞恥心が湧いた。

「牧野・・ごめんな。」

謝るつもりなんてなかったのに、結局は謝っている俺がいた。
それは、無理やり抱いたことではなくて、優しく抱いてやれなかったことに対して。
牧野を抱いたことには反省なんて微塵も無かった。
だって、こいつは俺のもんなんだから。

「俺は、お前が好きだ。今まで、一度も忘れたことなんてない。」

俺の告白に、牧野は何も答えない。
何も答えないくせに、何やら笑っているようだ。

「お前・・その・・初めてだったんだろ。ごめん。」
「お前が、指輪なんか嵌めてるから、カッとなった。なぁ、これは、誰にもらった?俺が返してきてやるから、外せよ。な?」

いつの間にか、懇願している俺。
絶対に逃さないと誓ったくせに、やっぱ、牧野の前じゃだめだな。
こいつが、俺を見て幸せそうにしてるから。
どうしてか、微笑んでいるから。
無理やり抱かれたのに、満ち足りた様子でいるから。
だから、俺も優しくしたくなる。
目一杯、優しく口説きたくなるんだ。

そんな俺の懇願にも、牧野からの返事はなく、彼女はただ幸せそうに笑っているだけだった。

「この5年、お前のことだけ考えてた。もう一度、お前を手に入れるために頑張った。だから、俺のところに戻れよ。なぁ。」

牧野は、瞳をパチクリとして、俺を見つめた。
その瞳には、俺への愛情が込められている・・そう思うのは、過信なんかじゃない。
なら、俺のところへ来いよ。
なぁ、別れられねぇ男に付きまとわれてんのか?
俺が決着つけてやるから。
俺のところへ来い。


俺は、牧野の左手を掴み、そのリングを外そうとした。
そんな俺の手をゆっくりと抑え、牧野はまた笑っていた。

何で笑うんだよ。
何でそんなに幸せそうなんだ。
俺はこの指輪の男じゃねぇぞ。

そんな、何故か幸せそうな牧野を見ていたら、目の前にあるこの指輪を外すことができなくなってしまった。

そして、笑ったまま、また寝ちまった牧野。


こいつは、俺を拒否している訳じゃねぇ。
だが、その男とは、別れねぇってことなのか。
俺とは、これっきりってことか?
なんで、俺じゃダメなんだ。
あの日に、お前を守れなかったからか?

そう思うのに、目の前では、牧野が幸せそうに眠っている。

俺に無理やり抱かれたのに。
この指輪を外そうとしないのに。

どうして、そんなに穏やかなんだ。

牧野は俺を許してる。
少なくとも、怖がっても、恨んでもない。
俺を受け入れてくれたのは間違いない。
俺との未来を考えてくれている訳じゃなくても、それでも俺の腕の中にいてくれるだけで、俺はなんだか安心してしまった。

5年ぶりなんだ。
これからのことは、じっくり考えればいい。
俺はどうしたってこいつをの諦められないのだから。

温かい牧野の体を抱きしめているうちに、俺もいつの間にか眠ってしまっていた。



夜が明けて、カーテンも引かずにいたベッドルームに朝日が差し込んできた頃、俺は、隣に牧野がいないことに気づいた。


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いつもたくさんの応援をありがとうございます。
明日から、仕事の休みに入り、家族とお出かけします。
下書きをチェックしたり直す時間が取れれば、更新したいですが、不定期になります。
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  1. 2017/08/10(木) 08:28:07 |
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