花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「俺は、お前が好きだ。今まで、一度も忘れたことなんてない。」

俺の告白に、牧野は目を大きく見開いた。
その瞳に映っているのは、間違いなく俺だ。
そして、牧野が口を開いた。

「私も、道明寺が好きだよ。ずっと好きだった。ごめんね、あの日、言えなくて。あんたを傷つけてごめん。」

牧野からの告白に胸が踊る。
牧野の瞳に溢れた涙を、俺の親指で拭った。

「そんなことはもういいんだ。俺は、お前と生きていきたくて、お前との未来を掴みたくて、この5年間ずっと努力してきた。だから、お前が俺のもんになってくれねぇと困るんだ。いいだろ?俺のもんになるよな?」

「ちょっと・・待って。そういうことは、じっくり考えないと・・ね?」

この後に及んで、まだグダグダ言っている牧野に腹が立つ。

「じゃあ、お前はなんでこの数か月俺に抱かれてたんだよっ!」
「ぎゃっ、そんなこと大きな声で言わないで。」
「言われたくなきゃ、とりあえず、中に入れろ。」
「うわっ。やだっ。」

玄関先で大きな声がを出していた俺たち。
牧野が慌てて俺の腕を引く。
ホントバカな女。
だけど、初めて牧野が俺の手を取ってくれた。
それが強烈に嬉しかった。


あの指輪は、俺が贈った土星のネックレスに事故後残されていたダイヤを移植したものだ。
つまり、こいつは俺と同じように、この5年間ずっと俺のことを想っていたんだ。

だが、牧野の左耳が聞こえなくなったのは俺のせいだ。
俺はどうすればいい?
この償いは、どうすれば出来る?

この答えはただ一つだ。
俺がこいつの面倒を一生みてやる。
俺がずっと側で支えてやる。
嫌だって言われても構わねぇ。
俺はもう、お前から一生離れねぇよ。


狭い廊下を通って、招き入れられたリビングスペース。
高校時代のこいつの部屋も大概狭かったが、ここも大差ねぇな。
風呂が付いてるってぐらいの広さの違いだ。
ワンルームって奴なのか。
目の前にはベッドまである。

「えっと・・何か飲む?」
「要らねぇよ。それよか、話、しようぜ。」
「話?」
「これからのことに決まってんだろっ!」

思わず大きな声が出ちまった。

お前はさっきの話を聞いてたのか?
俺はお前が好きだ。
お前も俺が好き。
つまりその先にあるのは、結婚とかそう言うことだろ?
一体何の問題があるってんだ。
じっくり考えることなんて何もねぇよ。


「とっ、とりあえず、じゃあ、道明寺はここに座って。狭くてごめんね。」

あたふたとしつつも、俺を落ち着かせようとする牧野。
俺は、差し出された座布団に腰を下ろした。
ふっと目をやると、小さなテーブルの上には貯金通帳や印鑑、そしてテーブルの脇には大きめの鞄が置いてある。
俺がじっとそれらを見つめて、何やら考えていると、牧野が「あっ」と小さく叫び、それらを隠そうとした。

しかし、どうやら、俺の嗅覚は完全に戻って来たらしい。
左耳の障害に気付くことができなかった。
指輪の謎も自分では分からなかった。
だが、それは、牧野が他の男のもんになっちまったという不安によるもので、その不安が完全に払拭された今となっては、俺の牧野レーダーは完全復活だ。


「お前・・また、どっか逃げるつもりだろ?」
「・・え?」

とぼけようとしても、目が泳いでるぜ。

「もう、逃さない。地獄の果てまで追いかけるって言っただろ?」
「道明寺・・。」


牧野との未来のために尽くして来た5年。
その間の牧野の生活を知ろうとしなかった。
ただ、こいつを取り戻すことだけで頭がいっぱいで、こいつが過ごして来た5年を無視していた。
その結果が今の俺だ。
取り戻したい。
そして、やり直したい。
一から、全てを。

そのためには、まずはこいつの話をじっくり聞いてやるつもりだ。
だが、結論は決まってる。
お前と結婚する。
道明寺つくしとして、俺の側に置く。


「なぁ、何が不安なんだ?」
「何がって、分かってるでしょ?」
「分かんねぇな。」
「バカッ。」
「はぁ?バカはお前だろ。お前は考えすぎなんだよ。言ってみろよ、何が不安だ?」

牧野の腕のを引き寄せて、俺の前に座らせた。
そしてその小さな体を後ろから抱え込む。
逃しはしない。

牧野がポツポツと話し出した。

「ねぇ、5年前。どうして私たちが別れたか覚えてる?」
「俺はお前に振られたな。あれは正直きつかったな。」
「それ・・さっき謝ったでしょ。」
「じゃあ、問題ねぇだろ。」
「そうじゃなくってっ。」
「ババァのことか?」

ウッと、牧野にが返事に詰まった。
あの当時、ババァが俺たちの付き合いに反対し、牧野の周囲に圧力をかけていた。
こいつは別れを切り出すしかなかったのだと分かっていた。
俺にはどうすることもできなかった。
あの当時の俺には力が無かったから。
結局はババァの力に屈した。

だが・・・

「もう、解決してる。」
「え?」
「1年前にアメリカで半導体メーカーを買収した。その見返りが、お前だ。」
「見返り?」
「あのメーカーの買収に成功すれば、お前を俺の妻として認めると言われてた。」
「つっ・・妻っ!」
「だから、俺らにはもう何の障害もねぇんだよ。」

牧野は唖然として、息が止まってる。
俺がもう一度柔らかく彼女のを抱きしめ直すと、ふぅーっと息を吐き出した。

「何で、言ってくれないのよ・・。」
牧野が下を向いた。

それは俺のセリフだっつーの。

「お前こそ、何で言わなかった?」
「なっ・・何を?」
「まずは・・そうだな。耳の事。」
「・・気づいてたの?」
「いや、秘書に教えられた。」
「そっか。隠してたんだけどな。」
「バカが。俺は、何度もお前を口説いてたのに。聞こえてないなんて・・。ごめんな。ごめん・・牧野・・。」

謝るつもりじゃ無かった。
お前はそんな事を望んでないと思うから。
だけど、結局謝っている。
気づかなくてごめん。
怪我をさせてごめん。
だけど、お前があのネックレスを守ろうとして怪我をしたんだと聞けば、それは俺にとっては途方もなく感動しちまう話でもあった。

「私も、ごめんね。あの土星のネックレス。壊れちゃったの。」
「類たちに、事故の事は聞いた。残ったダイヤをリングにした。そうだろ?」
「うん。」
「何で言わねぇんだよっ。」
「だって・・迷惑かなって思ったんだもん。重い・・でしょ?そういうの。」

あーもうっ。
なんでこいつはこうなんだ。
勝手に何でも悪い方に考えて。
もっと俺を信用してくれよ。
お前の想いに感動することはあっても、重いだなんて思う筈がない。
いつだって、俺の愛の方がでかいんだ。
そりゃ、聞き様によっては不本意な話かも知れねぇけど、俺はお前を愛してる自分が誇らしいから、それでいいんだ。
そんな事も忘れちまったのかよっ。

俺は、心に決めた女じゃなきゃ、抱かねぇよ。
ましてや避妊もしてないんだ。
こいつを俺から逃さないための、最終手段。
俺は、再会してから、俺の全てを牧野の中に注ぎ込んでいる。
もし俺の子供ができたら、嫌でもこいつを妻にするんだと決めていた。
子供ができれば、牧野は俺を選ぶしかなくなるだろう。
他の男のところになんて行かせるもんかと考えていた。
ま、実際、こいつに男はいなかったんだけどな。
それは、こいつも分かっているはずで・・。


・・・
ちょっと待て・・
テーブルの上の貯金通帳。
その脇に置かれたデカイ鞄。

こいつが逃げようとしている理由。


ちょっと待て・・

だが、恐らく間違いねぇ。
今や俺の牧野レーダーは冴えまくってる。
いや、例えレーダーが無くたって、これは分かるだろう。


「お前、妊娠してるだろ?」

牧野の肩がビクッと震えた。


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  1. Eternal(完)
  2. / comment:5
  3. [ edit ]

こんばんは!

  1. 2017/08/22(火) 22:52:06 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
やっとここまで来ましたよ〜。はぁ〜。

スリ●様
ふふふ・・。連れていきますね!間違いなく(笑)。
あ〜、終わりが見えて来ましたよ〜。嬉しい!

バ●様
やっぱり、司はこうですよね。つくしのことは何でも分かっちゃいそう(笑)。

さと●様
そう、狂いなし!です(笑)。私も、司レーダーに張られたクモの巣をハタキでパタパタしたかったです!

ka●様
そうなんです。確信犯!それをそのまま受け止めてるつくしも・・。ま、ある意味双方合意の上の妊娠な訳です。
そうそう、楓さんは絶対に事故のこととか知っていたと私も思っています。


今から準備ですが、だいたい下書きは書いてあるので。
明日のAM5:00を目指します!
もう少しお付き合いください。

管理人のみ閲覧できます

  1. 2017/08/22(火) 22:27:51 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/08/22(火) 12:14:04 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/08/22(火) 08:18:45 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/08/22(火) 06:01:19 |
  2. |
  3. [ edit ]
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