花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

滋さんの家のリムジンが、道明寺邸のロータリーに到着した。
堂々とするように言われているけれど、生粋の庶民であるあたしにそんなことできるわけない。
玄関ではすでにメイドさんたちが列を成して待機していて、
「お待ちしておりました。」
と迎え入れられ、ついつい、あたしもペコペコと頭を下げてしまった。

大きな玄関をくぐり、メイド頭のお婆さんに部屋へ案内された。
お婆さんは、タマさんっていうんだって。
長いカーペットが敷き詰められた廊下を歩いていく。
滋さんのお邸も相当な大きさだったけど、このお邸はさらにすごい。
玄関を入ったところには、なんとシンデレラ階段!
自宅にこんな階段ある?ふつう。
しばらく歩いてやっとついたあたしの部屋にまた驚いた。
淡いピンクの壁紙、天蓋付のベッド、白で統一された家具。
真っ白なソファーの上には、花柄のクッション。

ショールームよりもすごいお部屋に、声も出せずにいると、
タマさんから、
「お茶でも入れましょう。いかがなさいますか?」
と聞かれた。
「では、紅茶を。」
と言いながら振り返ると、そこには、ミニキッチンが備え付けられていた。
お嬢様の部屋にもキッチンがあるのねぇ、なんて思っていると、
「滋お嬢様は、料理がお好きだとか。
それを聞いた奥様が、急遽キッチンを入れられたんですよ。」

・・・絶句。
ミニキッチンっていったって、うちのアパートのキッチンよりずっと大きいし、豪華で使いやすそう。
それに、滋さんがお料理できるわけないし、ってことは、滋さんがあたしのためにそう伝えてくれたみたいだ。
あたしは、高級なものは食べ慣れていないから、キッチンがあるっていうのはすごくうれしかった。
気軽にそうめんとか食べたいよねっ。


「とっても素敵なお部屋ですね。」
と自然とそんな言葉が漏れる。
「気に入ってもらえたなら良かったですよ。」
とタマさんも笑顔で答えてくれた。

荷物はすでに運び込まれていて、私がすることは何もない。
さてさて・・・
「あの・・、私、花嫁修業といわれて来たのですけれど、何をしたらよいでしょうか?」
滋さんは、仲を取り持つためなんて言っていたけれど、本当は違うかも知れないし、
一応きちんとしておかないと・・、と思って聞いたあたしに、
タマさんはとても驚いたようで、
「お嬢様にとくにして頂くことはありまんよ。ご自宅だと思って、ゆっくりお過ごしください。」
と返してきた。

やっぱり、することないのかぁ。はぁ。
けれど、何もせずに1か月以上もここにいるなんて無理だよ~。

ん?
・・・?
そういえば、御曹司はどうしたんだろう。
やっぱり、この縁談に乗り気ではないから、顔も見せないんだろうか。
まぁ、こっちとしてはその方が都合がいいけどね。

「坊ちゃんは、いえ、司様は、後程挨拶に来られますよ。」
「えっ。いえ。あのっ・・。」
「坊ちゃんは、気難しいですが、割とかわいらしいところもおありですから。」
とタマさんが笑う。

もしかして、あたし、独り言っちゃった?
恥ずかしい。
時々やってしまうんだよね。気を付けないと。

けど、気難しいのに、かわいらしいって、矛盾しすぎじゃない?

「夕食は、坊ちゃんと御一緒にどうぞ。また、お迎えに上がります。」
そう言って、タマさんは退室してしまった。

はぁ、あたし、本当にここで何をしたらいいの??


****


コンコン。
ぼーっと窓の外をながめていると、部屋がノックされた。

誰かな?
夕食?
はぁ、結局、御曹司は挨拶にも来なかったな。
まぁ、一人の方がゆっくり夕食もとれるし、いいかなぁ、
なんて思いながら、
「はーい。」
と返事をして、カチャッとドアを開けると、そこには4人の長身の男性。

誰??
キョトンとしたあたしに向かって、
「君が、大河原滋さん?」
と、黒髪ストレート・サラサラヘアの男性に声をかけられた。

そっ、そうだ、あたしは大河原滋!
ちょっと、気が緩んでいたところを引き締めなおす。
「はい、初めまして、大河原滋です。皆様は?」

「へぇ・・。」
とだけ呟いて、その後の会話はない。

「あの~。」
「君が、司の見合い相手で間違いないよね?」
もしかして、ばれてる?とドキドキするあたし。
「はい、そのはずですけれど・・」
と自信なく答えてしまうあたしに、
むこうは面白くなったのか、3人がクスクス笑い始めた。

「思っていたよりも、固いイメージだな。」
と茶髪でさらさらロンゲの人。

「思ったより、小さい。」
というのは、茶色いビー玉のような瞳をしたこれまた茶髪の男性。

一人だけ、ムスッとした顔の男性がいるけれど、その人は無言・・。
その髪型は・・ちょっと面白い。チョココルネ?ぷっ。
だめだめ、笑っちゃ!

もう一度気を引き締めて、
「あの・・。」
あたしは、最大の疑問を聞いてみた。
「道明寺司さんって、どなたなんですか?」

4人がそろって驚きの顔を見せた。
「君、司のこと知らないの?」

「知りませんけど。」
「マジ?」
「マジです。今回のお見合いで、初めてお名前を聞いたんです。」

「「「へぇ~」」」
と3人が驚きの声を上げ、一人はやはり無言。

もしかして、この中の誰かが、道明寺司なのかもって思った。
どうして、あたしってば、写真位確認して来なかったのよ~と後悔したけれど、
時すでに遅し。
だって、セレブ生活のプレレッスンで頭がいっぱいだったんだもん。
相手のことなんて、はっきり言って興味なかった。

お見合い相手なのに知らないって、やっぱりまずかった?
でも、むこうも滋さんのこと知らないみたいだよね?
これはこれで、なんとかうまくいっているのかも?

「道明寺司はね、こいつ。」
そう言って、黒髪ストレートの男性が、無言の男性を指し示す。

あぁ、この人なんだ。。
髪型を別にすれば、すっごく美形。
でも、すっごく怖そう。
ほんと、見合いなんて興味ないって感じね。
まぁ、あたしもないけどね。
滋さんだって、大事な彼がいるんだし、都合はいいよね。
お互い断れば、それでいいってことじゃないの?

よしっ!
じーっと、道明寺司を見上げて、
「道明寺さんですか。初めまして。」と言ってみる。
「・・・」
むこうから挨拶はない。

「おい、司、挨拶ぐらいしろよ。」
「うぜぇ。」

ほほーう、やっぱり、この態度か。
これならこれでいいかも。
予想通りね。

「道明寺さんはこのお話に乗り気じゃないって伺っています。
でも、正直、私もまったく乗り気じゃないんです。
両親が休み中だけでもどうしてもというので、この夏休みはこちらでお世話になりますけれど、
私の方も、お断りするつもりでいますので、滞在中も私のことは気にしていただかなくて結構ですよ。」

しーん。

その場が静まり返る。
何か悪いこと言ったかな。

「「「ぶっ」」」と3人が笑いだした。
「だってよ、司。」

視線を向けると、先ほどよりもさらに機嫌が悪そうな、道明寺司。
なんでよ。
あんただって、興味ないんでしょ?

「あぁ、俺も興味ねぇし、ほっとしたわ。」

あはは。聞きようによってはショックなことかもしれないけれど、あたしと滋さんにとっては好都合。

「でも、まぁ、せっかく知り合ったんだし、仲よくしようぜ。
俺は、西門総二郎。」
「俺は美作あきらね。」
「花沢類。」

あたしは、ちょっとほっとして、
「どうぞよろしくお願いします。」
と、それぞれに差し出された手を握り返した。

道明寺司は手を出してこなかったから、どうしようかと思ったけれど、
一応これからお世話になるので、こちらから手を差し出すと、
じーっと手を見つめられ、考え込んでいる様子。
それから、
「しゃーねーな。」
といって、握手してくれたんだけれど、その顔がちょっと赤い??
ふーん。確かに、割とかわいいところはあるみたい。ふふ。


とそこへ、タマさんがやって来た。
「皆様、夕食の準備が整いました。ダイニングへどうぞ。」

丁度良いタイミングで夕食へと向かうことになった。




にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

  1. 初恋
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

  1. 2016/09/22(木) 08:02:21 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
コメント、拍手コメント、ありがとうございます。
本来の設定とはかなり異なるにも関わらず、応援いただいて有難いです。
大体の展開は考えていますが、何分突如湧いた妄想で、如何様にも脳内で展開が変わり得ると言う、初心者のくせに暴走しちゃったなぁと反省しながらのお話になります。
一緒に楽しんで頂けるとよいのですが(^_^;)

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/09/21(水) 22:34:59 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/09/21(水) 22:17:24 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

Author:Happyending
ときどき浮かぶ妄想を書き留めたくて始めました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -