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Happyending

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日曜日の朝、久しぶりに完全オフだった私は、思い切って庭の散歩に出てみた。
メイドさんたちによると、お庭には楓社長が大切にしているバラ園があって、いろいろな品種のバラが一年中咲いているとのこと。

この時期は東側のバラ園が綺麗だと聞いて、東側の通用口から外に出ると、正面にバラ園が見えた。
濃い緑の葉の中に、真っ白な花びらコントラストが美しい。
ピンクや赤のバラも綺麗だけど、私は白いバラが好きだと感じた。
まだ何色にも染まっていないイメージ。
白いバラには純潔という花言葉があるけれど、まさにぴったりだと思う。

そのバラたちに見とれながら庭を歩いていくと、その先にはさらに広大な芝生が続いていた。
芝生の奥には木々が立ち並んでいて、散歩するには丁度よさそう。
思い切ってフェンスドアを開けて、芝生に入って行った。




そして・・・現在に至る。

「このバカッ!犬に食い殺されてぇのかっ!!」

ええ〜?
一体何をそんなに青筋立てて怒ってるのよ、この人は。

と思った瞬間に、

ガルーッ!ワンッ!!ワンッ!!ウゥーッ!


「きゃあっ!!」

突然聞こえてきた、犬の大きな鳴き声。
びっくりし過ぎて、私は思わず尻餅をついてしまった。
はっと振り向けば、フェンスの向こうには5頭のドーベルマン。
こちらに向かって吠えまくっている。

「あのままだったら、お前、食い殺されてたぞ。」
「うっそぉ・・・。」

嘘でしょ?なんで、庭にドーベルマンがいるのよ。

「うちのセキュリティのためなんだよ。朝晩は犬が放たれてる。」

セキュリティの為に、犬を放し飼いにしているなんて。
聞いてないしっ!
今まで外に出たことがなかったから、まさかそんなことになっているなんて思いもしなかった。


「勝手にウロウロすんな。」

低くて、不機嫌そうな声。

はい・・すみません・・・って・・
そうだっ。
私は助けてもらったんだった・・
二階から飛び降りてきてくれた、この人に。


恐る恐る顔を上げてもう一度確認する。


あれ・・
この人・・・あの人だ。

前に、花瓶に突っ込みそうになったのを助けてくれた人。
背が高くて、ストレートの黒髪で・・
彫刻のように綺麗な顔立ち。


私は両手をついて何とか立ち上がった。

「あの・・本当に。どうもありがとうございました。」

「ちっ!」

その綺麗な人が顔を歪めた。

げっ。
ちって、何よ。
そりゃ、私が悪いんだし、面倒かけたけどさ。
そんな言い方ってないじゃない。

・・・優しい人だなって思ったのに。



私に背を向けて歩き出したその人の広い背中を見つめながら、私もトボトボと後をついて行った。
だって、ここからなら、東の通用口しかお邸の中に戻れないから。

その人が、指紋承認でドアを開けた。
私は通用口が自動ロックであることすらも知らなかったから、慌てて後についてドアを開けようと思ったけど、少しの間に、再びロックがかかってしまった。

締め出されちゃった!!

今まで外に出たことがなかったから、こんなことも知らなかった。


ドンドン・・やだ、ちょっと、私も入れてよ!

ドンドンドンドンとドアを叩いていると、もう一度ドアが開いた。


ドアを開けたのはさっきの男の人。
凄く怖い顔をしてる。

だけど、戻ってきてくれるなんて、やっぱり優しい人なんだ。
なーんて、ちょっとほっこりして、お礼を言おうと思ったのに、

「ったく、どんくせぇんだよっ。返す返すバカだな。」

・・・。
やっぱり、口を開けば優しくなくて、

「何よ。ドアを開けて待ってくれたっていいじゃないの。ケチッ!」
「はぁ?お前、命の恩人に向かって言ってくれるじゃねーか。」
「うっ・・。おっ・・大げさなのよっ!男のくせに、ネチネチしてっ!」
「てめぇ・・。」
「だいたい、あんた誰なのよっ!」


思わず大きな声を出して、その男の顔を見上げたとたん、

私は____意識を失うかと思った。


「かっ・・かっ・・」
「あ?何だよ。」
「かっ・・髪が・・・」

髪の毛が・・クルクルしてる・・・

「あぁ。天パっつーのは、濡れるとストレートになんだよ。シャワーから出たばっかで慌ててたからな。乾いて、また戻ったんだろ。」

しれっとそう言って、またスタスタと歩いて行ってしまった。


マジ・・?
いや、天パがどうのこうのってことじゃなくて!

あの髪型。
見間違うはずが無い。


どっ・・どっ・・道明寺司専務じゃないのーっ!!


・・・信じられない。
私、一体どうしたらいいの?
誰なのよって叫んじゃったよ。
まさか、専務だったなんて。
専務のことを見間違えるなんて。
だけど、全然違うじゃないの!
天パで短い髪のイメージだったのよ。
ストレートになったら別人だよ!!


まさか・・いきなり解雇とか・・ないよね?


お・・落ち着こう。
そうよ、大丈夫よ。
専務が私のことなんて知っているはずがないもの。
お会いしたのだって、あの花瓶の日と、朝見かけた時だけだし。
私が誰かなんて知らないはず・・・。
うん、大丈夫。
お忙しい専務が、私のことなんて気にしてるはずないわ。


そう考えて、正気を取り戻したけど、
だけどやっぱり反省する。

だってさ、
シャワーから出たばかりで、まだ髪が濡れてるのに、慌てて飛び出してきてくれたんだよね。
口は悪いけど、優しい人なんだな・・専務って。

きちんとお礼を言いたかったな。


もし、次に会うことが会ったら・・
もし、私のことを覚えていたら・・

そうしたらお礼を伝えよう。


会いたいような、会いたくないような、
そんな複雑な気持ちで、私は部屋に戻った。


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Posted by

Comments 3

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Happyending  
こんばんは!

いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
書いているうちに、目標地点が見えなくなってきた・・汗!気を付けないと長くなってしまう~!!

さてさて、
ka●様
書いているうちに、すぐに司がつくしを好きになっちゃうんだよなぁ(笑)。持ち込みたい設定があるものの、辿り着けるのか不安です・・。コメントありがとうございました!

スリ●様
気付きましたね(笑)。普通、分かるだろっ!って思うのですが、私、原作でもストレートの司は、なかなか司に見えなくて、なんかドキドキしたんですよね。三白眼がいいんですよ~あれ。さて、ここからどうしましょうかね(笑)。案外すぐ終わりになっちゃったらどうしよう・・。また暑くなっていますね。そして、台風が・・。直撃してほしくないけれど、どうでしょうか・・。

ふぁいてぃ~んママ様
ほんと、気が抜けない家ですね(笑)。
そう、ちょっとつれない感じの司もいいかなぁと思ったのですが、すぐに惚れちゃいそう・・って、だいたい助けてる時点で絶対意識してると思う(笑)。二人をどうしましょうかね?まだその辺迷ってます・・。

H●様
二人の絡み・・悩むなぁ。このまま、司がややツンツンしてるのもいいけど、でもなぁ・・。また是非覗いてくださいね~!


連休は台風直撃でしょうか。
いろいろやることがあるのになぁ・・・と言っても仕方ありませんねぇ。

明日は5時に更新予定です。
また遊びに来てくださいね(*^^*)

2017/09/13 (Wed) 21:33 | EDIT | REPLY |   
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2017/09/13 (Wed) 07:18 | EDIT | REPLY |   
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2017/09/13 (Wed) 05:21 | EDIT | REPLY |   

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