花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

俺はドイツでの社内改革を終え、年始には日本へ異動となり、支社長として道明寺ホールディングス日本支社を任されることになった。
日本は、ビジネスに関して、古臭く厄介な繋がりを重視する国だ。
だがその日本で成果を上げることは、俺のキャリアに繋がるし、その後にも大きな影響を与えるだろう。
だから、俺にとって、日本支社を任されるということは、かなり大きな意味を持つ。


この日本支社への異動を、久しぶりに会った両親から言い渡されたのは11月の終わりだった。
転勤まで1か月しかないという無茶な異動だったが、両親とはいえ上司からの命令に、背くという選択肢はない。
もちろん俺にとっても異論のある異動ではなかったしな。
だが、その話の途中で、妙なことを言われた。

「あなたと一緒に日本へ行ってもらう女性秘書を紹介するわ。」

ババァがそう口にした途端に、入口のドアが開いた。

「失礼致します。」

入って来たのは、地味なスーツを着て、黒髪を一本にまとめた小柄な女。
そいつが、俺たちが座るソファの前まで近づいてきて、会釈をした。

「こちらは牧野つくしさん。現在は私の直属の秘書ですが、今後はあなたと西田の下に付けます。」

淡々と命令を下すババァに呆れる。
何言ってやがる?・・・女?
・・・・ありえねぇ。

「お断りします。これまでも、女性秘書は持ったことがない。」

「日本では、これまで以上にマスコミが騒ぎます。女性秘書がいれば要らぬトラブルは回避できるわ。牧野は信頼できる女性よ。」

信頼ってなんだよ。
俺は女は信用してねぇ。
隙を見れば俺に取り入ろうとしたりして、うんざりだ。
ホテルの部屋に待ち伏せされたこともある。
ビジネスでからむ場合ですら最低限度だ。
俺は必要以上に女を近くに置くことはない。

ババァの奴・・・
自分の飼い猫を俺に付けて、俺を監視しようって魂胆か?
マジ、汚ねぇ!ふざけんなっ!

「必要ありません。」

「これは決定事項よ。異論は認められないわ。牧野を帯同しないというのであれば、日本支社への異動自体を無かったことにします。ドイツの住み心地が良いのであれば、一生そのままで。」

何だと?一生、ドイツ?
はっ?そんなことをして、何のメリットがあるんだ。
それに、何で、そこまでこの女にこだわる?
訳分かんねぇ。

だが、今後のビジネスプランを考えれば、ドイツでの改革の成果が得られた今、俺が日本へ行くのが得策であるのは明らか。
俺としても日本でビジネスを展開してみたかった。
だから、この女を秘書として受け入れるしかねぇ状況だ。

俺の返事など聞くまでもなかったのか、
ババァが牧野という女に向かって言った。

「じゃあ、牧野。悪いけど、本日付けで、司に付いて頂戴。」
さらりとそう言ったババァに、
「今日からですかっ!?」
と牧野が目を丸くした。

今日からって・・さすがに急すぎるだろ?
俺だって驚くぜ。
この女にしても、こんなに急な話だとは思っていなかったようだ。

「問題ある?」
「いえ・・・ありません。」
ババァの秘書が、ババァに逆らえる筈はねぇ。

「では、よろしく。それから、司さん。牧野の上司は今後も私ですから。」

「どういう意味だ?」

「あなたが、彼女を虐めないようにするためよ。」

ババァがニヤリと笑う。
女秘書など一発で解雇にしてやろうと思っていた俺の考えなどお見通し。
ババァの手先であるこの女を、そう簡単には解雇へ追い込むことはできないという訳だ。
しかし、この女はいったい何もんなんだ?
ババァはこいつを使って、一体何を企んでやがる?


「司様、どうぞよろしくお願い致します。」

頭を下げる牧野つくしを、俺は仕方なく容認した。



***



その翌日。
俺は西田と牧野を連れて、ドイツに戻った。
この急展開にもついてくる牧野って女は、さすがババァの秘書として認められていただけはある。
この若さでババァの秘書を務めている女がいたとは知らなかった。

プライベートジェットの中、これからのドイツで激務を思うとうんざりとした。
日本への異動までは1か月しかないから、短期間で引き継ぎを済ませる必要がある。
この1か月は会社に缶詰だな・・・。

後方の座席では、西田が牧野に向かって指示を出している。
今後俺の秘書として動くためには、ドイツでの改革とビジネスの要点は抑えておいてもらわねぇと話になんねぇ。
牧野は資料に目を通しながら、時折メモをしつつ、真剣に話を聞いていた。

第一印象として、悪い奴じゃねぇ・・・そう感じた。



ドイツでのラスト1か月は案の定、多忙を極めた。
社員のほとんどが定時で帰るようなお国柄だが、俺たち3人は引き継ぎに追われた。
牧野はこれまでドイツで仕事をしていた訳でもねぇのに完璧に仕事内容を把握し、分かりやすい引き継ぎ資料を作っていたのには正直驚いた。
やはり、ババァが可愛がるだけのことはある。

そして、結構気が利く奴だと知った。
仕事中コーヒーを運んでくるタイミングは絶妙だ。
一区切りついたところで、スッと俺が好きなブルマン100%のブラックコーヒーがデスクに置かれる。
更に、このコーヒーがかなり美味い。
コーヒー通の俺も唸るほどだ。
初めはこの女に対して無言を貫いていた俺だったが、分厚い資料を読み終えたそのタイミングでコーヒーが出された時には、思わず「サンキュッ」と口走っていた。

俺がこんなことを言っちまうなんてな・・・
自分自身の行動に驚きを隠せない。

そして、それを聞いた牧野は少しだけ驚いた表情をした後に、ニコッと笑った。

___んだよ・・結構・・・可愛いんじゃね?


自慢じゃねーけど、俺は今まで、世界各国で美人を見てきた。
頼まなくても向こうから近づいてくるからだ。
だが、誰一人として、俺が興味をもった女はいなかった。

それなのに、
こんな女が可愛く見えるとか、やっぱありえねぇよな。

俺はこの日、牧野の笑顔が目に焼き付いたまま離れなかったが、それはきっと激務のせいだと結論付けた。



その後から、俺と西田と牧野の3人でメシを食う時間も多くなった。
デリバリーであったり、牧野が近くのマーケットで買ってきたものだったり、その都度色々だったが。西田と二人なら絶対に一緒になんか食わねぇのに、何故かこの女が加わっただけで、3人でメシを食っているこの状況。
そして、それが案外嫌じゃねぇ。


俺たち三人は次第にと打ち解けていった。
俺はいつの間にか、認めなくなかった女秘書を、完全に受け入れていた。

そして気が付けば、
俺の視線は牧野を追い、
俺の心は、牧野に囚われていった。


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早くも囚われた模様・・・。
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  1. / comment:6
  2. [ edit ]

こんばんは〜。

  1. 2017/11/12(日) 22:23:04 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
はぁ・・大丈夫かなぁ。最後まで書けるか不安になってきました。最後まで付いてきてくださる方は何人いらっしゃるか・・(・_・;心配だーっ!

さてさて、コメントありがとうございます。
スリ●様
私も忙しい週末でした。そうなんです。司にもつくしちゃんにもあんまり切ない思いをさせたくなくて、どうするか考え中。どうすっかなーっ!と大きな声で言いたい!(笑)。

あ●様
罠強めVer.・・その通りです(笑)。『司様』良いですよね(笑)。今だけ限定ですが、そうか、ご希望にお応えしてもうちょっと使いましょうか。この際、ずっと司様でいくか・・ってやっぱり日本では支社長かな(笑)。

ka●様
拗れないようにしたくて脳内で考え中。拗れちゃうと、切ないし・・。長編の予定ではないので、できるだけサクッと終わる予定ででいますよ〜。あは。

う●様
早速の落ちてます(笑)。どの程度司からのアプローチを書こうかなぁ。うーん。迷い中です。

さと●様
深く考えずに、勢いで始めちゃったので、罠・・どうしよう・・と悩み中(^_^;) 私の理想の司は、罠になんかハマらないんだけどなぁ・・(笑)。どうしよう・・。

ふぁいてぃ〜んママ様・m様
ワクワクしていただきありががとうございます。
期待を裏切らないようにしたいけど・・・あはは・・・。

一つ前のつぶやきに拍手コメントいただいた、白●様、m●様、ありがとうございます。一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。

さて、気分を入れ替えて、続き書きますね〜。

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  1. 2017/11/12(日) 18:01:38 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2017/11/11(土) 19:19:12 |
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  1. 2017/11/11(土) 16:09:24 |
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  1. 2017/11/11(土) 11:12:02 |
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  1. 2017/11/11(土) 09:13:29 |
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