花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

クリスマスツリーを間近で眺め、クリスマスマーケットの屋台でドイツフードを堪能し、お土産はサンタクロースのオーナメント。

楽しかったなぁ・・・。


クリスマスマーケットからの帰り道。
空気は凍りそうなほどに冷たくて、吐く息は真っ白。
いつもなら、背中を丸めて凍えそうになっている筈なのに、今日はホクホクとした幸せな気持ちで足取りは軽い。

隣を歩いているのは大柄なイケメンの男性。
その人は、我が社の時期総帥候補との呼び声が高い有名人。

どうして彼と私がこうして手を繋いで歩いてるんだろ?
もう人混みは抜け出したから、この手は離した方がいいんじゃないかな?
そう思うんだけど、彼は繋いだ手を離そうとしない。
だから、私も敢えて離さずにいる。

さっきまでは初めて見るドイツのクリスマスの雰囲気に興奮しちゃって、全く気にしていなかったけど、人混みから外れた路地に出てみれば、急に冷静になって心臓がバクバクしてきた。

だって、これって凄いことだよ。
次期総帥と呼ばれる人とクリスマスツリーを並んで見上げたこと。
二人でマーケットで買い食いしたこと。
こうして素手で手を繋いで歩いていること。
そんな私たちは恋人同士でもなんでもなくて、ただの上司と部下。
こんなことって、無いでしょ?普通。

彼の大きな手に包まれた私の右手はホカホカとあったかいけど、左手は凍えるように冷たい。
私のコートのポケットには手袋が入っているのは分かっているんだけど、それをはめてしまったら、この温かい手が離れてしまいそうで、それがなんだかもったいなくて手袋は出せなかった。


あれ?そう言えば私、男の人と手を繋いだことってあったっけ?
もしかしたら、中学校の時のフォークダンスが最後?
あわわ・・・。
25年という人生で、一度も彼氏がいたこともないしなぁ。

チラッと隣の司様を見上げた。
真っすぐに前を向いているその表情はクールで、何を考えているのか全く分からない。

この人は・・・嫌じゃないのかな?
こうして私と一緒にいること。

私はてっきり・・・
司様は女性が嫌いなんだと思っていた。
初めて挨拶した時だって、無視されて最悪だったし。
だけど、実際に一緒に仕事をするようになれば割と気さくで、ご飯も一緒に食べてくれるし、こうして手を繋ぐことに抵抗はないみたい。
むしろこうして女性を連れて歩くことになんて慣れてそうに見えるのに・・・

こんな司様が・・・男性が好きだなんて・・・信じられない。


でも、だからなのかな?
ほら、そっち系の人って、実は細かい気配りができる優しい人だって話も聞いたことがあるし。
あれ?それはオカマだっけ?
うっ・・うん、とにかく!私と手を繋ぐなんてことは司様にとってはなんてことはなくて、野良犬と手を繋いで散歩しているようなものなのかも・・・。

だから、私一人ドキドキしているのもおかしな話。
私にとってはドキドキの手つなぎ体験だけど、こんなこと彼にとっては大したことじゃないよね?

ほーっと息を吐き出すと、空気が白く濁った。

あれ・・・?

空から白くふわふわしたものが落ちてくる。
これって・・・


「雪だぁ・・・・。」

思わず立ち止まって、左手の掌を天に向けたら、手の上に綿のような雪がのった。
すぐにシューっと手の上で溶けてしまったけど。

「ホワイトクリスマスですね。」
「別に雪なんか珍しくねぇだろ?」
「そうだけど・・クリスマスの雪は特別でしょ?」
「特別?」

ホワイトクリスマスは特別・・・
あれ、何で特別なんだっけ?
雪景色のクリスマスはロマンチックだから?
大事な家族や好きな人と一緒に見ることができたら、幸せな気分になれるから?

なんだかよく分からないけど、
私にとって、今年のクリスマスは特別だと思う。

「まぁ俺も、今までクリスマスなんていい思い出なんてねぇから、今年は特別かもな。」

ドキッ。
そっか、司様にとっても今年のクリスマスは特別なんだ。
あぁ、良かった・・・
何が良かったなのかよくわからないんだけど、ちょっと嬉しい。
特別だと思ったのは私だけじゃないんだなって。


「やっぱ、さみぃな。」

そう呟いた司様の耳は赤い。
司様が右手でコートのポケットを探り、黒い革の手袋を出した。
そして一瞬私の手を離し、自分の右手に手袋をはめたのを見て、
あー、手を繋ぐのはこれで終わりかぁと残念に思ったら、
もう片方の手袋を私の左手にはめてくれた。

びっくり仰天・・・

「じゃあ、行くか。」

声も出せないでいるの私の右手を引いて歩き出す。

えっ、えっ、ええーっ!!
ていうか、司様も手袋持ってたんだ。
でも、ずっとはめていなかったんだ。
こんなに寒いのに・・・

ただ手袋をするのを忘れていただけかもしれないけど、
でも、こうやったお互いに片方ずつ手袋をして、
手袋を着けていないお互いの手は握りあっている。

これって・・・・恋人同士みたいじゃないの??


しかも、私の右手に手袋はめてくれたその動作は凄くスマートで、
いやいや、これ、私じゃなくたってドキドキしちゃうと思う。

でもさ・・・
こんなことも、司様にとっては、飼い犬に腹巻を巻いてあげるようなものなんだろうなぁ。

それでも、
こんな風に優しくしてもらえるなら、
司様の秘書になってよかったかもなぁ・・なんて、
私はちょっと幸せな気持ちになっていた。







クリスマスイブから28日までは、ドイツではクリスマス休暇になる。
けれど、今年の私たちは引き継ぎのラストスパート。
29日に通常業務が開始されると同時に、司様から全社員に最後の挨拶があり、私たちはそのまま日本へ旅立つ。


___12月28日。
この日が実質ドイツでのラストの業務になる。


一日中会社に缶詰状態なのに、最近の私はその状況が嫌じゃなかったりする。
何故なら、イブ以来、お昼のお弁当は超豪華にグレードアップされて、一流ホテルのレストランからの特別メニューが用意されるようになった。デザートは別に付いているし・・・毎日ウキウキする。

それに、私と司様の間に何か新しい関係が生まれたようで、仕事が楽しい。
変な緊張感がないっていうか、うーん、司様が妙に優しくなったような気がする。
「敬語は使うな」なんて言われるから、ついつい気軽に話してしまったり。
「牧野、コーヒー淹れて来てくれ」とか、以前は絶対に言われなかったことも言われるようになったし。
お昼のデザート、自分は食べないで私にくれたりとか・・・とにかく優しいんだ。

すごく意外・・・

司様は部下を可愛がる人らしい。
釣った魚にたくさん餌をくれる太っ腹なタイプみたい。


日本へ帰国すれば、司様は日本支社の支社長になって、ますます忙しくなる。ドイツ以上の大所帯を取り仕切るから、こんな風に一緒に食事をすることももうないんだろうなぁと思うと、少し寂しい。


そして、ようやく最後の仕事が片付くと、
ああ、この1か月は凄く楽しかったなぁって、しんみりとした。


「お疲れさまでした。」
と西田さんが執務室を退出したから、私も「お疲れ様でした。」と司様に挨拶をして出て行こうとしたら・・・


ガラガラガラ・・・・


執務室に数台のカートが入って来て、
次々と魔法のように執務室のテーブルをセッティングしていく。

テーブルの上にレースのクロスが引かれ、
シャンパングラスが用意された。

そしてカートの上に準備された簡易キッチンでは、ステーキや魚介が焼かれ始めた。

その美味しそうな匂いが執務室を充満する。

すごい・・・
出張レストランだ。



でも、どうして?
お疲れ様会でもあるのかな?
西田さんはどこに行ったんだろう?

そう聞こうと思って司様を振り返ったら、
シャンパングラスを持った司様が私に近づいてきて、そのグラスを1つ私に握らせた。

カチン・・

グラスが軽くぶつかって、

「牧野、誕生日おめでとう。」

と司様がちょっと自信ありげに口角を上げた。


そこでようやく気付く。
これは、サプライズの私の誕生日会らしい。

どうして私の誕生日を知ってるの?
いつの間に準備したの?


びっくりして、でもすっごく嬉しい。


だけどさ。
どうしてこんなことしてくれるの?
自分の秘書のためにやりすぎだよ。

こんなことされたら、私・・・
あなたの事好きになっちゃうかも知れないって、思わないのかな?


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罠はどこいったんだ~・・・(;^_^A
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  1. / comment:4
  2. [ edit ]

こんばんは〜(^-^)

  1. 2017/11/16(木) 22:27:05 |
  2. URL |
  3. Happyending
  4. [ edit ]
いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
早いところつくしを動かさないといけないのですが、どうにも動かしにくくって・・・。司が動いてしまっている・・・。
あれ?当初の目論見から外れたお話になってるよ・・・。大丈夫か??

な●様
いや~。私も何を書いているのやら、分からなくなってきましたよ(笑)。でも、つくしもこの後奮闘する・・はず?です。どうしよう・・・初の未完になってしまったら・・・ドキドキ。

スリ●様
いやいや、本当に展開迷っています。どうするか・・。うーん。うーーん!!もう少し悩もう・・・。時間がないと、なかなかまとめて妄想を形に出来ないから苦労します。でもいずれにしても、司君をhappyにしますよ!それは確約です!

さと●様
このつくしの鈍感っぷりを表現するには、「飼い犬に腹巻」かな・・と(笑)。ボケ過ぎです(笑)。今現在しっとりとした司君ですが、大人と言うよりはやはり単純バカで突っ走らないと話は終わらないなぁと現在考慮中・・・です。終わるのかなぁ、このお話。心配です。

花●様
そうなんですよーっ。忘れちゃいけない、睡眠薬の出番が無きゃダメなんですよーっ!!後先考えずに書くからなぁ・・・。なんとかつなげねばっ!!頑張ります。


さっさとお話を進めたいのですが、なかなか思うようになりません。ゆっくりお付き合い頂ければと思います。

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  1. 2017/11/15(水) 22:10:54 |
  2. |
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  1. 2017/11/15(水) 08:03:14 |
  2. |
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  1. 2017/11/15(水) 05:48:37 |
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