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Happyending

Happyending

司と牧野には、短期間にいろんなことが起きた。
俺らの高3生活は、こいつら一色だった。


牧野を巡って、F4分裂の危機もあった。
牧野にステータスを付けてやるとか言って参加させたTOJで牧野が準ミスになったのは、やっぱ司のおかげだろ。ま、牧野は賞金目当てだったけどな。
カナダ旅行では、吹雪の中、司は遭難した牧野を探しに飛び出した。
あの時司が飛び出していかなければ、牧野は今、生きていない筈だ。
あの時の司は凄かったな。
もしかしたら自分だって死ぬかもしれねぇぐらいの吹雪だったんだ。
司の本気。
野獣のあいつが死ぬなんて思えなかったけど、それでも俺だったら飛び出すだろうか。
わかんねぇ。
俺は、そんだけ真剣に何かを守ろうとしたことなんて無いから。


牧野があの順平っていうデルモに肩入れした時に司は言った。

  気がおかしくなるほど惚れてる。
  俺が欲しいのはお前だけだ。
  どこへだって追いかけてつかまえてやるっ。

こんなに堂々と愛の告白が出来るような強さは俺には無い。

あのデルモとその一味にボコられたのだって牧野のためだ。
牧野に手出しをさせないため。
まぁ、元はと言えば司のせいだったんだけど。
肋骨折って、顔に傷つくって、それでも司は余裕だった。
あんなカッコわりぃのは、俺はごめんだけど、
惚れた女を守った男が、少しだけ羨ましくなった。



司の18の誕生日の『大事な女』発言。
俺ですらグッと来た。
けど、そのせいで、司のおばさんも動き出しちまった。
ある意味、俺の予想は的中で、司に婚約の話がやって来た。

滋が出て来た時には複雑だった。
滋は司に惚れたみてぇだったし、ぶっ飛んでるけど悪い奴じゃねぇ。
それに家柄も道明寺と大河原ならこれ以上ない組み合わせだ。
司だって、この婚約の意味は十分分かってた。

それでも司は牧野に戻った。

道明寺邸でこっそり覗き見してた俺ら。
どうなるかと固唾をのんで聞き耳を立てていたら、二人にバレた。
煮え切らない牧野もついに司との交際にOKを出した。(期限付きのお試し交際だったけどな。)
俺とあきらのテンションも上がったっけ。
やっと猛獣から解放される喜びと、司を本気で応援したい気持ち。

将来が決まっている俺らは、本気の恋愛なんて絶対にしない。
類は分かんねぇけど、あきらだって相手の旦那からマダムを奪い取ろうなんて思っていない。
だからかも知れねぇ。
司を応援したかった。
司と牧野が上手くいったら・・・なんかすげぇことが起きるんじゃないか。
そんな期待が俺らにはあったんだ。


でもそんな幸せは短くて、司んちのおばさんは牧野の周囲に圧力をかけた。
そして二人はジ・エンド。
牧野が司の元を去った。
けど、誰も牧野を責められやしない。
そして、誰も傷ついた司を慰められなかった。

俺は、明日の我が身を見ているようだった。
司は抜け殻同然で、以前のように荒れ狂った。


抜け殻・・・
ふっと考えないようにしていた自分自信に想いを馳せる。
俺も中身は空っぽだ。
何もない、この『西門』というステータス以外には何もない男だ。
『次期家元』というステータスが無ければ、俺と言う人間は誰の目にも止まらない。
今の司が哀れに思えるのは、結局俺も同じだからだ。
明日の我が身じゃねぇな。
今の俺だと同じなんだ。

かつて幼なじみの女に去られた俺。
俺はあの日から抜け殻になった。
心の中で大切にしていたものを自らの手で守ることが出来ず、逃げ出した。
俺は、大切なものは手に入らないと知っていたから。
いや、そう決めつけていたから。
それは手にした瞬間に崩れるものだと思っていたから。
だから、そのままの関係でいたくて、俺は逃げた。
彼女の気持ちから、逃げ出したんだ。

俺はズルイ男だな。

俺に足りないものはこれか?
相手も自分も傷つくことを恐れ、つい守りに入っちまう。
面倒なことはごめんだと、軽く流してしまう。
そうして結局、守っているものなど何もない。

結果、本当に大切なものを見失う。
だから俺の中には、大切なものが一つもない。
何も守り切れていないんだ。
全てにおいて広く浅くを繰り返し、一つを我武者羅に追及しなかったから。
大切なものに手を伸ばそうとしなかったから。
大切なものを守る勇気が、俺には無かった。




なぁ、司。
お前はどうする?
このまま抜け殻のままでいるのか?

俺の心の端っこで、長年培ってきた見せかけの西門総二郎が顔を出し、
『結局俺らは、本気で好きな女とは一緒になれないんだ』と俺を諭す。

だけど別な俺もいる・・変わりたいと願う俺。
そいつが言う。
追いかけなきゃダメだ。
そうじゃなきゃ、絶対に後悔する。
それは、一番俺が分かってる。

あの日、更を追いかけなかった俺は腑抜けのままだ。
司、お前もそうなっちまうぞ。

自分が自分であるために、
突っ走らなきゃなんねぇ時もあるんだ。



俺らは幼なじみとは言え、互いのことに熱くなったことなんて無かった。
特に家に関することは、知らぬふりしてスルーだった。
たまに口を挟むのは、おせっかいのあきら位だ。

けど、牧野がどっかに消えちまってからの司は見てられなくて、
そんな司に何だかイライラして、
不器用な自分を見ているようで、
司を励ます会で集まった時に、爆発しちまった。


「女にふられたぐらいでグダグダしやがって!てめぇの方がうざいんだよっ。」

それは、かつての自分に言ってやりたい言葉。
その後結局、仮面を被ったまま、未だ前に進めていない俺。
だからこそ、司の背中を押したかった。


「お前がそんなだから、牧野にふられんだよっっ!!」

何で追いかけねぇんだよっ。
なぁ、お前には牧野がいなきゃダメなんだろ?
俺と同じになるな。
なぁ、お前らしく、我武者羅になれよっ!




あの日、俺は司と殴り合った。
熱くなった俺は、類にまで笑われた。
あきらが言うには、『互角、やや司』だったらしい。
ちっ。

「俺はもうアイソ尽きたっ。」
という俺に対して、
「そんなのとっくに尽きてんでしょ?」
と言ったのは類。


そうだ。アイソが尽きた。
今の腑抜けの司にも。
そして、今の西門総二郎にも。


俺も、そろそろ変わらなきゃいけない・・
そう漠然と思った。


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マニアックなお話でごめんなさいっ。
けど、花男コミックをチラ見しながら書いてたら、懐かしくてすごく楽しい!
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Comments 3

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Happyending  
こんばんは~!

やっぱり・・普通のつかつく書きたくなってきた・・涙。
総二郎、難しすぎるし・・
司が足りないよ~ えーん。
早く終わらせねば・・!

花●様
マニアックですよね~。分かっちゃいましたか?それは、マニアックですよ~。私、結構忘れているところが多くて、コミック読んだら、ちょっと新鮮でした。総二郎・・素直じゃ無さ過ぎて、私には難しいようです・・(;^_^A

スリ●様
おかげさまで!なんだか、つかつく書きたくなってたまりません!!
早く総二郎書いちゃわなきゃーっ!くぅ~。こんなに書きたくなったのも久しぶり!(笑)。

サ●様
総二郎は難しいです・・。
早く、短編書きたいですよ~。
クリスマスも来ちゃいます!そうだ、つかつくにもどらねば!と思って頑張ります!

H●様
過去のお話にも拍手ありがとうございます!
あの頃のお話、もう恥ずかしくて、読みたくないんです・・
でも、確かに書いていましたね・・あー恥ずかしいっ!!

ではでは、朝5時に!

2017/12/06 (Wed) 00:16 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/05 (Tue) 08:23 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/05 (Tue) 08:01 | EDIT | REPLY |   

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