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Happyending

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俺は、道明寺司。
道明寺ホールディングスの専務として、この4月にニューヨーク本社から異動してきた。

牧野つくしとの出会いは6月だったか・・本当に偶然だった。

外勤先から会社に戻った俺は、役員専用エレベーターが点検中だったことから、一般職員用エレベーターで地下駐車場から36階のオフィスを目指した。
すると、1階ロビーで扉が開き、乗り込んできたのが牧野だった。


大きな段ボール箱を抱えて乗り込んできた小さな女。
けどフツー、日本支社トップのこの俺がエレベーターに乗ていたら同乗してくるか?
そりゃ、これは一般用だけどよ。他にもエレベーターはあるし、次のを待つんじゃねぇか?
なんてことを思う自分も心が狭いが、常にそういった扱いを受けてきた俺からすると、俺が乗っているにも拘わらず堂々と乗り込んでくるその女は相当珍しく映った。
女はどうやら段ボールで前が見えていないようで、エレベーターの壁に段ボールを固定して何とかボタンを押そうとするが、手が届かない。
終いには、
「すみません、16階、お願いできます?」
なんてこの俺に言いやがった。
慌てて16階を押す俺もどうかしてたけど。
16階まではノンストップで、その間中、女をガン見。
そしてまた扉が開くと、
「あ、ここ、16階ですか?」
「ああ。」
「すみません。ありがとうございました。助かっちゃいました。」
とフレンドリーに言って、エレベーターを降りて行く。
段ボールがデカすぎて俺の顔は見えてねぇようだ。
出て行く時に段ボールがエレベーター扉に当たりそうになって、俺が扉を抑えてやると、
「あっ、セーフ。本当に、ありがとうございます!」
女の横顔は嬉しそうに笑っていて、大したことしてねぇのに俺がすげぇいい仕事をしたような、そんな気分にさせられた。

「なんか、すげぇな・・・西田。」
「そうでございますね。」

すげぇパワフルな女。
けど、イキイキしていて悪くねぇ。
それが、この女に対する第一印象。
エステだショッピングだと、自分の外見ばっか磨いてる女たちより、この女の横顔が自然でいいなと感じて、気が付けば俺は笑っていた。





次に女に会ったのは、8月だった。
真夏日だってのに、役員階の空調が壊れた。
俺はこの日も外勤だったが、帰って来ると役員階に見られない女がいる。
どこかで見たことがあると思ったが、横顔を見て思い出した。
段ボールの女だ。

「ですから、契約時のメンテナンス料金にこの保証は含まれているはずです。」
「でもねぇ。」
「今日中に直せないということでしたら、今後の契約は致し兼ねます。それに、早く直して頂かないと、重役はご高齢の方もおられますから干からびちゃうんです。すぐにお願いします!」

干からびるって何だよっとぷっと笑う。
てか、俺はジジィじゃねぇし。
結局それから数時間後に空調は直ったが、その間は扇風機ってもんが配られた。

「なんだよ、これ。」
「経理課の牧野さんがしばらくはこれでしのいでくれと配って歩いていたので頂きましたが。」
「経理課の牧野って、もしかして、さっきの女か?」

俺はこの時初めて、女の名前が『牧野つくし』であることを知った。

「なかなかきちんとした仕事をする方ですね。」
「まぁ、確かに。」

なんつーか、あの勢いある態度がすげぇ。
自分の仕事に自信を持っているんだろう。
会社の利益に直接関与している訳じゃねぇが、いい仕事をしてる。
そう思った。





3度目に会ったのは、秋も深まった頃、会社の屋上だった。

「牧野さんみたいにしっかりしている人が理想なんだけど・・付き合ってくれない?」

・・・告白されてやがった。

「もしかして、外回りにですか?たまに言われるんですけど、営業の外回りにお付き合いするとなると、うちの課長の許可も必要で・・・。」

って、ちげぇだろうよ。
この男は、お前と付き合いてぇって言ってんだろ!?
俺でも分かるぞっ。
しかも、たまに言われるって・・・

「いやぁ・・その、そう言うことじゃなくて・・、参ったな。オレと・・」

隠れていたはずの俺は、思わず男の視界に入っちまった。
牧野の背後になるから、牧野は俺に気付いていない。
営業部の男は、俺が視界に入った途端に慌て出し、「まっ、牧野さん、その件は後で!」とか言って屋上から飛び出していった。

「なにあれ・・・変なの。」

と小首をかしげている牧野。
変なのは、お前だっつーの。


実は、同じように告られてんのに勘違いしている場面を、その後もう一度、目撃した。
だから、大河原の言うように、牧野はモテないってことはないのは確かだ。
むしろ、結構モテる。
だたし、本人が鈍感過ぎて、自分がアプローチされてることに気付いてねぇんだ。

何故か、牧野本人よりも、俺の方が分かってるというこの事実。



そう言えば、俺がどうして屋上になんかいたのか?
それは、たまたま通りがかった秘書課の前で、女どもが噂をしていたからだ。

「ねぇ、経理の牧野さん、営業の宮川君に屋上に呼び出されてたよっ。見ちゃった、私!」
「宮川君って、営業のホープで、超カッコイイじゃん!やるね、牧野さん!」

それを聞いたら、つい、屋上に行っちまった。
そんな俺の行動。
どうしてだ?

そして、営業のホープ・宮川にもなびかない鈍感さにホッとしてる。
これはどうしてだ?


初めて出会った日から、俺はあいつが気になっている。
その理由は・・・よく分かんねぇ。
会社のために一生懸命な女が気になるのか、何なのか。

俺はその答えが知りたい。


最近の俺は、あの女、牧野に会えないかと、会社内でちらっと視線を走らせたりしてる。
たまーにだが、あいつと会社の玄関ホールですれ違うことがある。

けど、きっとあいつは全く俺の視線になんか気付いていない。
俺があいつを知ってることだって知らないだろう。


____23日のパーティー。
若手事業家が集まるパーティーだ。当然俺も招待を受けている。


牧野に堂々と会えるチャンス!
あいつの視線に留まるチャンスだ!

会ってどうするのかなんて考えてねぇ。
ただ、この女に会って、もう一度俺に向かって笑って欲しい。
そうすれば、この気持ちが何なのか分かるんじゃねーか?


だから、行くしかねぇ!!


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Comments 5

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Happyending  
こんばんは!

いつもたくさんの応援をありがとうございます。
コメント、拍手コメントもありがとうございます。嬉しいです!
クリスマスに合わせたいけど・・だめだ・・力尽きそうだ・・うーっ。

そうそう、これは、一応連載モノで、そのお話のスタートにクリスマスやつくしちゃんのBDを無理やりかぶせちゃおう!という私の戦略?(笑)によって書いているお話です。

司にとっての普通・・・
つくしちゃんにとっての普通・・・

さて、このあとどうしましょうか?
去年のクリスマスは、『あたしが幸せになるために』を書いていたんですが、今回も同じようなノリで、お話の流れを決めていません。なのでどうなるか・・は気分次第。

甘めがいいですよねぇ。どうしようかな?

纏めてのお返事ですみません!
明日の5時 セットしました。
では、いったん、おやすみなさーい。

2017/12/23 (Sat) 02:01 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/22 (Fri) 20:12 | EDIT | REPLY |   
コロコロコロコロ  

突然ですがこんばんは
まさかの2話更新!
ありがとうございます❤️
キュンキュンするお話書いてくれてありがとうございます❤️
happyな気持ちになるので心から癒されます〜〜
今後の展開が待ち遠しいけど
それを励みに頑張ります
嬉しさのあまりコメントしました!
では四国から応援するファンでした

2017/12/22 (Fri) 18:28 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/22 (Fri) 18:04 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/22 (Fri) 18:00 | EDIT | REPLY |   

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