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Happyending

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これって・・いいのかなぁ。
手を繋ぐだけだって言っても、同じベッドで眠るなんて。
それに、こんなシチュエーションで、手を繋ぐだけで済むものなの?

だけど、不思議と全く怖くはなかった。
専務はあたしが嫌がることはしないだろうなって、どうしてか信じてる。
本当なら、タクシーに乗って帰るべきだって分かっているのに、もう少し専務と一緒にいたかった。
だから、なんにもしないから一緒に寝ろよなんて言われて、OKしちゃったんだ。

あたしだって、ちょっとは分かってる・・つもりだよ。
もしも、手を繋ぐだけで済まなかったとしても、それはあたしの責任で専務のせいなんかじゃないってこと。
だから、少しだけ覚悟はしてた。
専務とのキスは嫌じゃなかったし、むしろもっと、ずっとこのままでいたいって思ったくらい・・気持ちよかった。
あたしだって・・恋人同士なら、いつかはそんなことがってちゃんと分かってる。
ただ、それがいきなり今日だって言われたら戸惑っちゃうんだけど。


シャワーを借りて、用意されていたシルクのパジャマに着替えた。
いつの間にかあたしが着ていた服はどこかへ回収されているし、何故かぴったりサイズの下着まであるのはどうして・・?と思ったけど、こういうお邸にはきっといろんなお客さんが来るから、あらゆるサイズの服が用意されているんだなと勝手に納得した。

髪を乾かしてからベッドルームへ戻ったら、専務もどこかでシャワーを浴びたみたいで、ガシガシって頭を拭きながら部屋に入って来た。
その姿を見て、あたしは固まった。

だって・・

短髪かと思っていた髪は、実は結構長いんだ。
しかも、濡髪の専務はストレートヘアで別人みたい。
それに、何これ?バスローブ?こんなの着るの?
何故か胸元は軽くはだけていて、そこから覗いてる胸は意外とがっちりしてる。
スーツだと分からなかったけど、長い手足は筋肉質で、無駄なお肉なんてついていないから、専務が動く度に引き締まった筋肉が動いて見えるぐらいで・・・

人間じゃないみたい・・
ギリシャ彫刻のような男の人。
初めて男の人を綺麗だと思った。


___ドキドキドキドキ・・・


やっ、なにっ!
思わず、さっと視線を逸らす。
なにドキドキしてるのよ、あたしってば。

専務が格好いいことなんて知ってたじゃないの。
だけど、実感が無かった。
同僚が騒いでいたって、自分には関係のない人だと思っていたし、まさか恋人になるだなんて思ってもいなかったもの。

それにあたしは専務の見かけに惹かれた訳じゃなかった。
専務の雰囲気が好き。
口数は多くないけれど、じっとあたしの話を聞いてくれる姿勢が好き。
強引だけど、ちょっと心配そうにあたしを見る瞳が好き。

専務の見かけを好きになった訳じゃないって言うのに、
・・・お風呂上りってだけなのに、なんでこんなに緊張するの!!


「どうした?」
「ぎゃっ!」

気が付けばそのギリシャ彫刻が目の前で、あたしに向かって首を傾げてる。
近いっ!近いよっ!!
さっきキスだってしたのに、あたしってば、専務のこと凄く意識しちゃってる。

「かっ・・髪っ!」
「あぁ、濡れるとストレートになるんだよ、天パっつーのは。」
「そっ、そうなの?」

ドキドキドキドキ・・・
大変だよっ!心臓痛いっ!

「ぱっ、パジャマは着ないの?風邪ひくよ?」
「ああ、いつも上は着ないから。」

ええーっ!
それはダメ。絶対ダメ。
ん?でも、上はってことは、下は履くからいいの?
って、違うっ!そこじゃないでしょ、つくしっ!!

「だめだよ、風邪ひいちゃうからパジャマ着て。じゃなきゃ、一緒に寝ないからね。」

そんな恰好のままじゃ、ドキドキして眠れないよっ。

「・・・? まぁ、いいけど。」

そう言って専務はクローゼットに向かって歩きながら、近くの椅子にポンとガウンを脱ぎ捨てた。


・・・っ!!
うっぎゃーっ!!


思わず目をつぶる。

・・ボクサーパンツなんだ・・・・
って! だから、そうじゃないってばっ!!
なんで、いきなりパンツ一丁になっちゃうの!?

一瞬見てしまった完璧なボディにもう、心臓が飛び出しそう。
これってやっぱりそういうことなの?
手を繋ぐだけだなんて言ってたけど、その・・やっぱりそういうこと?
まさか、あたしのこと・・・遊びだってことはないよね?
あたし、揶揄われてるのかな、もしかして。

くるっと専務に背中を向けて、ぎゅっと目を閉じていたら、後ろから専務に抱き付かれた。


___ドキドキッ!!!

どうしよう!
どうしよう!


「何?やっぱ、帰りてぇの?」
「・・・・・。」
「なんか、怒ってんのか?」
「・・・ちゃんとパジャマ着てくれた?」
「ああ。何だよ、それで怒ってんの?」
「ううん、怒ってない・・けど、いきなりバスローブ脱いだりしないで。びっくりするから・・。」

そう言ったら、専務があたしを抱き締めていた腕を少し緩めた。

「ああ、わり。自分の部屋だからつい・・。」

そのままくるりと体を回されて、専務と向かい合う。
ちらっと専務を見上げれば、ちょとだけ申し訳なさそうにしてて、悪気は無さそう。
だからあたしはちょっとホッとして、そんな専務にまた惹かれた。

やっぱり、こういうところが好きだなぁ。
この部屋は専務の部屋だし、御曹司の専務が何をしたって誰も文句は言わない筈だし、それが当然の人なのに、あたしの言うことちゃんと聞いてくれる。
優しいなって思う。


「寝ようぜ?」
「う・・うん。」

手を引かれてベッドに導かれていく。
キングサイズの大きなベッドに二人寝転んで、軽くてふわふわな羽毛の布団が掛けられた。
あたしの右側に専務がいる。
あたしの右手は約束通り専務の左手と繋がったまま。
だけど、それ以上のことを専務はしなかった。

そっと左手のリングを見て、やっぱりこの人はあたしのことを大切にしてくれるんだって、そう思ったら嬉しかった。そうしたら、ふぅっと気持ちが軽くなった。


心地よい眠気に誘われながら・・・

「ねぇ、専務。あたしのこと、いつから知ってたの?」
なんて聞いてみる。

「半年ぐらい前。お前が段ボール抱えてエレベーターに乗って来た。」
「あっ・・あの時?エレベーターの扉を抑えてくれた人?」
「ああ。」

うっそぉ。でも、あれ一般のエレベーターだよ。
でも、そうか、そうだったんだ。
あれは専務だったんだ・・・。

「それから、夏に役員階の空調が壊れた時、お前が業者相手に奮闘してるのを見た。」
「えっ。」

うわぁ。そうだったんだ。
あたしのこと、本当に知ってたんだ。

「ねぇ、それで、どうしてあたしのこと好きになったの?変じゃない?」
「変じゃねぇよ。すげぇパワーあるなって思った。お前のことが気になって、お前と話してみたいと思ったけど、そんなチャンスはねぇし。」

「そっか。それで、あのパーティーで、偶然会ったあたしを誘ってくれたのね。」
「・・・・いや・・まぁ、そういうことだ。」

なんか一瞬間があったけど、でもあのパーティーで出会えてよかったな。
初めは何とも思っていなかったのに、あたしはこの数日で、急速に専務に惹かれてる。
これって、もしかして運命の出会いかも・・なんて思っちゃうぐらいに。

「お前は、俺のどこがいいと思った?」
突然、専務に聞かれて、眠りかけていたけど引き戻された。

「あたしの話を馬鹿にせずに聞いてくれたのが嬉しかったな。」
「他には?」
「強引な人は苦手なのに、専務の誘いは嫌じゃなかった。」
「俺は強引かよ?」
「強引だよ、分かってないの?けど、優しいなって。」
「ぷっ・・・」

なんで笑うのよ?
少しだけムッとしたあたしの雰囲気が伝わったのか、専務が言った。

「お前、勘違いしてる。俺は基本優しい男じゃねぇし。お前に優しいのはお前のことが好きだからだろ。お前を振り向かせるために必死なんだよ。」

なにそれ?
もしかして、あたし、この人の罠に引っかかっちゃったの?

「まぁ、そういうことになるのか。」
「へ?」
「さっきから、お前の考え、口に出てるぜ?」
「ええーっ!」

ぱっと左手で自分の口を押えたけど、そんなの何の意味もなくて、

「うっ、嘘つく男は嫌いだよ。」
なんて強がりを言ってみたけれど、

「嘘じゃねぇだろ。好きな女に優しくしてるだけ。一生そうなんだから嘘なんかじゃねぇよ。」


一生・・・という言葉にまたドキンとした。
そう言えば、婚約指輪とか言ってたっけ。
本当にそう思ってるって信じてもいいのかな?


ドキドキドキドキ・・・・
やだ、また心臓がバクバクしてきちゃった。


「もう、寝ろよ。」
「うん・・・。」


だけど、心臓がうるさくて眠れない。
あたし、この人になら、何をされてもいいって思ってる。
さっきみたいにぎゅって抱きしめて欲しいなとか、もしも、その先があっても・・後悔なんてしないなとか、そんなことを思ってる。

付き合ったばかりなのに、フシダラって思われる?


少しだけ勇気を出して、専務の腕に抱き付いてみた。
そうしたらすごく気持ちが落ち着いてきて、
ちょっと笑いそうな位に幸せになった。



今まで誰かと付き合いたいと思ったことなんて一度も無かった。
告白されたことも無かったし、自分からするなんて考えてもみなかった。
だけど、今の気持ちはとても自然で、
素直にこの人が好きだって思える。

人生って何があるか分からないね。
ある日突然、人を好きになる。
それが確信に変わって、その人が欲しくなる。

あたしは専務が好きだから、もっと専務のことを知りたい。
そう思うことって、普通のこと・・だよね?
だから、いつかは専務と・・・。


専務の腕に頬を寄せて、そんなことを考えながら、
あたしはいつの間にか眠っていたみたいだ。


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Comments 4

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Happyending  
こんばんは(*^^*)

いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
寒いですね~、ホント。九州地方は雪なんですね。びっくりです。こちら関西は、寒いけどたまーにチラッと雪が降るぐらいです。私は元々は関東の人間なので、関西に来て温かいなって感じます。というよりも、やはり私の子供時代に比べたら全国的に温暖化が進んでますよね。・・ちょっと怖い気もしますよね。黄砂も来てますし・・。

さてさて、
スリ●様
もう、司耐えられないんじゃないかと思ってるんですが・・笑。どうしよう?でも、付き合ってまだ1週間にならないしなぁ・・。うーん。紳士のままでいられるか・・?つくしちゃんから攻めさせましょうか?(笑)。ちょっと考えねば!!

あか●様
鋭いです!(笑)。やっぱりそこ気になりますかねぇ。今回途中でも止めちまえ~っと思わなくも無かったのは、年末までにある程度お話に限を着けるため、後先を考えずに話を進めちゃったからって言うのもあります・・あは(;^_^A ですが、このまま続きを書くにあたって、一応その辺りはなんとかするつもりでおります。頭の中にその辺のことはあるので、次回からぼちぼち解決策が出てくるかと・・(まだ書いてないけど・・)。 それから、このつくしサイドのお話は、前回13話で、司がもんもんとした夜と同じ日の事です。なので、当然、司は一睡もできず、拷問を受けたことになっています。可愛そうですよね。そろそろなんとかしてあげたいけど・・。まだ、付き合って日が浅いからなぁ・・。うーん!結構、厳しい私だったりして・・(ゴメン!司!)

さと●様
相変わらず細かいところを突いてきますね~(笑)。そうそう、ボクサーパンツいっちょう司。お正月のご褒美サービスショット( ´艸`) あ、自分に対してね(笑)。そうなんです、この14話はですね、司が一人拷問を受けた訳ではなく、実はつくしもドキドキだったんですよ!ってことが書きたかったんです。ま、結局司にとってはかわいそうなターンであることは変わりありませんが・・あは。

たぶん、明日は続きアップします。
けど、短そう・・です。

2018/01/11 (Thu) 19:49 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/11 (Thu) 15:36 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/11 (Thu) 08:03 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/11 (Thu) 07:22 | EDIT | REPLY |   

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