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Happyending

Happyending

ベットの中。
俺の腕の中にはしっとりと汗ばんだ牧野。
何度も愛し合った後、こいつはくったりと俺にその身を預けてくれる。

いつもこの手をすり抜けて、捕まえようとしても逃げられる。
けど、この時だけは違う。
何も言わせないようにキスをして、彼女の身体中を愛撫して、
深く深く突き上げて、「もうダメ」って言われても離さない。
彼女が快感に悶える姿に満足して、散々イカせて、その姿を見つめながら俺も昇りつめていく。
そうじゃなきゃ満足できない。
俺に全身を預ける彼女を見て、俺はやっと安心するんだ。

だから俺は、彼女を何度も何度も求めちまうんだよな。
現実には、未だに彼女は完全に俺のもんにはなっていないから・・・






ニューヨークでの4年は長かった。
彼女に会いたくて、それでも、踏ん張らなきゃならなくて。
けど、明確な目標ってもんが、俺の人生を後押しした。
彼女との未来を夢見て、俺は学業にビジネスに邁進した。
彼女に会えたのは数えるほどで、会う度に綺麗になっていくあいつに焦った。

会う度に彼女が欲しくなった。
無邪気に笑うあいつを見れば、愛おしさと共に、その笑顔をずっと見つめていられない自分を責めた。
自分が選んだ道だってのにな。
抱きてぇ。
抱いちまえば、何かが変わる?
お前の体の中に入るのは、俺だけに許された権利の筈だ。
彼女の中に入って、俺のことを感じさせて、俺以外の何も見えないようにしちまいたい。
何度そう思ったか。

でも、出来なかった。
彼女の全てを貰う男は、彼女を守れる男じゃなきゃならない。
互いの全てを分かち合って、彼女が嬉しい時には一緒に笑って、彼女が悲しい時には隣で涙を拭いてやる。
そんな男じゃなきゃ、彼女の全てを貰えない・・俺はそう思っていたから。
ずっと彼女の傍にいられなきゃ、彼女を守ってやれねぇだろ?
だから俺は、あの頃、キス以上のことは出来なかったんだ。




4年間の修業の後、俺は日本へ戻った。
約束を守るために。
もう、一生離さないために。
彼女を一生守って行くために。

プライベートジェットのタラップを駆け下りた。
その先には俺の最愛の女。

「お帰りっ!道明寺っ!!」

ドスンと俺の胸に飛び込んできた彼女。
相変わらず小さくて、細くて、胸はペチャンコで、
それなのに、涙が出るぐらいに愛おしい女。
その彼女を力いっぱい抱きしめて、

「ただいま・・・牧野。」

俺はそっと目を閉じた。
目を閉じても消えることはない、ホンモノの彼女。
その幸せを噛みしめた。


4年分抱きしめて、キスをして、
この日俺は彼女の『初めて』を貰った。
牧野は激痛に耐えながらも、俺を受け入れてくれた。

その衝撃・・・今までの自分は何だったんだ。

言葉じゃ言い尽くせないぐらいの衝撃に全身が震えた。
生きていると実感した。
生まれて初めて息をしたようだった。
生かされてる。
俺はこいつに生かされているんだな。

ああ、俺は本当にガキだった。
彼女を抱けば、何かが変わると思っていた。
こいつを求めてやまない衝動が、救われると思っていた。

でも違った。
抱けば抱くほどに、俺の欲は深くなる。
彼女の心も、体も、それらを自分のものにしたというのにまだ足りない。
これ以上に、俺は何に飢えているって言うんだ?
彼女の体を知って、彼女がこれまで以上に愛おしくなった。
何を犠牲にしても守ってやりたい。
全力で愛したい。
いっその事、彼女の一部になれたらいいのに・・そんな鬼畜なことまで考えた。


こんなことを言ったら、勝気なこいつは眉間に皺を寄せて言うんだろう。
「守ってもらうだけの女は嫌なのっ」てな。

でもな。
男ってのは、好きな女を守ってやりてぇんだよ。
そうすることで、強くなれる。
俺の腕の中で愛する女を甘やかせて、俺がいなきゃダメだって言わせて、俺がお前の盾になって・・
自己満足かも知れねぇけど、俺だけがお前を幸せにしてやれるって慢心することが俺の自信に繋がっていく。


今では当然のように毎日のしかかって来る仕事の山だって、お前がいるから頑張れる。
どんなにデカイ仕事を成功させようが、どんなに盛大な拍手を貰おうが、お前から貰う一言には絶対に敵わねぇんだ。
「道明寺、大好きだよ」って。
お前にそう言って欲しくて、その言葉を聞くためだけに、俺は生きている。


なぁ・・・俺、頑張ってるよな。
ニューヨークで4年、帰国して3年。
すげぇ頑張ってる。

だから、牧野。
お前を追いかけるのは、そろそろ終わりに出来ねぇかな?
俺はお前を守る真の男になれねぇのかな?










「ねぇ・・なんか機嫌悪い?」
牧野が俺の腕の中から顔を上げて、俺の目を覗き込んだ。

抱いても抱いてもすり抜けていくお前をどうしたら捕まえることができるのか?
いつになったら、俺のプロポーズ受けてくれるんだ?


「道明寺?」
「・・・。」
「何、拗ねてんの?」
「拗ねてねぇよ。」

彼女を守る真の男、それは、彼女の夫に他ならない。
こいつの全てを引き受ける権利を持つ、世界でただ一人の男。
彼女の心も体も手に入れたというのなら、俺がその地位についてもいいはずなのに。
なかなか手に入れることのできない、俺の夢。

無防備に俺の顔をのぞき込んだりするから、小ぶりな胸が丸見えだ。
そんな姿が俺を煽るって、大概分かれよな。


「ね、あともう少しで誕生日だね。」

うふふっと笑う能天気な牧野。
俺の誕生日まであと20分。
だけどそんなもん、今の俺にはどうでもいい。

「・・・どうでもいい。」
「ええ~?どうでもいいって、何でよ?・・って、ひゃっ!」

牧野の頬にキスをした。

「誕生日にいい思い出なんかねぇんだよ。」

ガキの頃から、俺の誕生日はビジネスの場。
そんな日には何の意味もない。
それに、誕生日に本当に欲しいものが得られた試しなんて一度も無かった。


「誕生日、嫌いなの?」

ちょっと悲しそうに彼女が小首をかしげた。

彼女と過ごす誕生日にしか意味がない。
彼女がいなければ、俺の誕生日には何の価値もない。


彼女の腕を引き寄せて、彼女の胸に顔を埋めた。

「ひゃっ!こらっ、道明寺っ!」

彼女の可愛い乳房にキスをして、
思いっきり甘えてみたくなった。

俺が生きてる価値を教えて欲しい。


「・・・プレゼント」
「ほぇ?珍しいね。あんたが誕生日プレゼントおねだりするなんて。ふふっ・・って、あんっ!」

牧野の乳首をコロコロと転がしていく。

俺が欲しいのはお前だけだ。
お前の人生の伴侶になること。
お前と人生を添い遂げること。

「あっ・・ふっ・・・あんっ・・・」

「牧野・・・俺が欲しい?」
「ん・・はぁ・・・何・・・・あぁんっ!」

中指を牧野の中にスルリと入れた。

「なぁ、俺が欲しいって言えよ?」
「う・・んっ・・ほし・・・やぁっ!」

指を二本に増やして、牧野の弱点を攻めていく。

「毎日?」
「・・はぁ・・・道明・・寺・・・だめぇっ!」

ダメなのはこっちだ。
そろそろ完全に俺に落ちて来い。

涙で濡れる牧野の瞳。
その瞳に映りたくて仕方がなかったかつての俺。
その願いが叶った今、欲しいものは、永遠という誓いだ。


「なぁ・・誕生日プレゼント。お前をくれよ。俺、もう待てねぇ。」

ゆっくりと指を抜き、彼女の両方の手首を掴んで圧し掛かり、
俺はじっと彼女を見つめた。

牧野の瞳が驚きの色に変わった。
俺が・・・本気だったから。
こんな風に彼女に懇願するなんてずるいかも知んねぇけど、そうするしかない位に、俺はもうギリギリまで追い詰められていたのかも知れねぇ。




「・・・・ごめんね。」

牧野が俺に謝っている。
俺は、心臓が止まるかと思った。
こいつが次に何を言い出すのかって。
自分で煽っておきながら、俺の我儘に、彼女が何て答えるのかって。


「誕生日、いい思い出がないなんてさ。あたし、恋人失格。」
「ばっ・・そう言う意味じゃねぇよ!」

そんなつもりじゃなかったのに、自己嫌悪だ。
牧野を悩ませちまった。
俺はただ、お前の夫になりたいだけだ。
それなのに、もう別れるなんて言われたらどうすればいい?

不安になった俺に、牧野が優しく微笑んでくれた。
落ち込みかけた俺の気持ちは、瞬時に上昇していく。


「じゃあさ、誕生日の思い出、作ろうか?」
「・・・ん?」
「とびっきり幸せな思い出。」
「・・・・?」

彼女がニンマリとする。



「あたし達、結婚しようか?」



・・・・・・。

体が・・・動かねぇ。
今・・何て言った?・・・結婚!?

「あたしは、あんたが生まれてくれた日にとっても感謝してるよ。この日が無かったら、あたし達、出会わなかった。だから、あんたがどうでもいいなんて言うのはちょっと悲しいよ。でも、あんたがそう思ってるんならさ、これからはいい思い出の日に変えていこう。あたしとあんたの新しい誕生日にしよう。」


新しい誕生日。
俺と・・お前の・・・。


「牧野っ!!!」
「ぎゃっ!!!」


不覚にも涙が出た。
今日は雨が降ってねぇから、俺の涙は隠せねぇ。
だから、彼女を、牧野をきつく抱きしめて、彼女の首筋に顔を埋めた。


「遅ぇよっ!」
俺としたことが、ちょっと声が震えた。

「本当にごめんね。でも、31日になったらプロポーズの返事するつもりだったんだよ。」
牧野が俺の頭を撫でてくれた。


____嬉しすぎて死にそうだ。


抱き付いた牧野の体をそっと離し、
その柔らかな唇にキスをして、


「一生離さねぇから、覚悟しろ。」


そのまま直に彼女の中に沈み込み、
気が狂うほどに彼女を求め、
彼女と同時に果てていく。


時計は丁度0時。


俺は自分の誕生日に、
生まれて初めて、心底欲するものを手に入れた。
俺の人生で、きっと一番幸せな日だ。


そして、これから毎年迎えるこの日は、俺たちの結婚記念日になる。
毎年二人で祝い、このスタートの日を思い出すだろう。
それって、俺にとっては最高の誕生日プレゼントだ。


意味なんてなかった1月31日が、大切な意味を持った。
二人の記念日。
俺たちが家族になった思い出の日。


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坊ちゃん、いつも私の妄想に付き合ってくれてありがとう。
あなたに出会わなければ、二次を書くことなんてなかった(笑)。
____Happy Birthday, Tsukasa‼
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Comments 9

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2019/04/21 (Sun) 01:53 | EDIT | REPLY |   
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ありがとうございました(#^^#) ②

さと●様
さと●さんはやっぱりそこですか!(笑)。そうなんです。「情けないほどにつくしを求める司」が書きたかった。そしてそんな司君を幸せにできるのは、やはりつくしちゃん唯一人。それから、私も、司が心の中では「牧野」とか「こいつ」とかではなく、「彼女」と呼んでいるのがツボでして(笑)、一緒にそそられていただき恐縮です。前半に比べてぐっと甘い司になりました。コメントありがとうございました!

あ●様
相変わらず鋭いですね~!そうそう、原作ってやっぱりコメディだからか、司の心情ってきちんと書かれることはないですよね。それでもコミカルな司が時々マジな感じに描かれたりとかしてキュンってなるんですけど。でもきっと「なんで俺ばっか・・」とか思ってますよ(笑)。それに、何回どん底食らうんだ!って。でも、最後はつかつくハッピーエンドですからね!!それから、ツイッター見ました!あれは、学ランじゃないですよーっ(笑)。司王子様ですよ!!鼻血もんです(笑)。あのフリル付きのシャツなんて着れるのはF4しかいませんよね!花晴は、完結してないのにドラマってどうなるんですかね?F4が出てくれることを祈ってます。

L●様
ありがとうございます。嬉しいです。ついついタマさんの心境になっちゃいますよね(笑)。これからも、坊ちゃんを幸せにするために、マイペースになりますが頑張ります!また覗いてください(^^)

まり●様
拍手コメントありがとうございます。やっぱりね!道明寺のお誕生日、書いてよかったです(*^^*)


後編に書ききれなかったその後のお話を書くかどうか迷っています。
昨日の夜、かなり遅くまで頑張っちゃったので、今日はこの辺で~。
いつもたくさんの応援に感謝です!ありがとうございます(*^^*)

2018/01/31 (Wed) 23:05 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
ありがとうございました(#^^#) ①

準備が足りず、ドタバタでしたが、司君への愛情を込めたつもりです(*^^*)。相変わらずダラダラ書いてしまいましたが、読んで頂きありがとうございました。危うく誕生日ごとスルーしてしまいそうになりましたが、頑張って書いて良かったです。たくさんの拍手、コメントも嬉しいです。

さてさて、
花●様
司というキャラクターに出会わなければ、理系女子の私がこんなお話を書くなんてアリエナイ(笑)はずでした。ほぼリアルタイムで原作も読んだ・・と思うのですが、あの頃も好きだったけど、二次小説があると知ったのはこの2年ぐらい前から。何年も時間が経っても色あせない司の魅力・・愛情深い俺様男、いいですよねぇ(^^) そして、二次を書いていなければ、こうしてコメント頂くことも無かった訳で、いろんな意味で感謝です!いつもコメントありがとうございます。

か●様
コメントありがとうございます(*^^*)ドタバタしながら書いてしまったので・・(;^_^A でも、一緒に楽しんで頂けてとても嬉しいです。やっぱりね、司には幸せになってもらわないと!ですよね。マイペース更新になりますが、またどうぞ遊びにいらしてくださいね~!

スリ●様
そうなんです、モチーフ!最後まで読んで頂くと、何となく分かって頂けましたか??曲を聞いて、ああ、こういうお話にしようかなってイメージが沸いたのが後編の最後の部分です。その他前編と後編の前半は、いかに司が切なくつくしちゃんを思い続け、追いかけ続けているかを書きたかったんです。切ない位につくしちゃんを想ってる・・そして最後には、つくしちゃんに二人の記念日を作ってもらう・・・(*^^*)。このお話はこの曲を聞かなければ思い浮かばなかったです。ありがとうございました!

2018/01/31 (Wed) 22:42 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 21:10 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 18:55 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 09:19 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 07:35 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 06:49 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/31 (Wed) 06:29 | EDIT | REPLY |   

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