Happyending

Happyending

このお話は、『二人の記念日』のその後になります。
後編に入れたかったけど、色々と厳しく・・(;^_^A
付け足しの1話です(*^^*)
***





バッターン!!


「おいっ、メシ終わったか? 行くぞっ!!」


・・・・・・。

シーン。
道明寺家の賑やかなダイニングが、突然開いた扉の音に静まり返った。
走り込んで来たのはこの家の主であり、あたしの夫、道明寺司。
道明寺HD日本支社の専務取締役を務めていて、超多忙な人物・・のはずなんだけど。


とっくに会社に行ったのかと思ってたのに、
・・・・司、いたんだ?(ゴメン。)
それにそのラフな格好はどうしたのよ。
黒のダウンジャケットにジーンズ姿なんて、最近見たことなかったわよ。
サングラス、また買ったでしょ。いつものと違うし。一体何本持ってるのよ。


「パパっ!きょうはおやすみなの??」
司に飛びついていくのは道明寺花、5歳。

「ぼく、学校あるよね?」
とあたしの方を不安げ見るのは道明寺翔、7歳。

当たり前だけど、あたしと司の可愛い子供たち。


「司!急にどうしたのよ。パーティーは夕方でしょう?」

司のただならぬ様子に慌ててその暴走を止めようとするあたしは、司の妻で、今はメープルをはじめいくつかの系列会社の顧問をしている。


「あ?お前、今日は何の日か忘れたのかよ。」
「わっ・・忘れてないわよ!!でも・・・」

最近の彼は新しいプロジェクトの総指揮官として多忙を極ているし、こんな平日の朝からゆっくりなんてできる筈がない。
この数日は特に忙しそうで、夜遅くに帰って来て、あたしたちが起きる前に会社に行っていたんだもん。
だから、てっきり今日ももう会社に行ったんだなって思ってたのに。あ、きっと朝早起きして、仕事片づけてきたんだっ!

異様なテンションの司に、翔も花も唖然としていたけれど、さすがは子供ね。
パパが遊んでくれるに違いないと察知したのか、ぱぁっと瞳を輝かせる。


「どこいくの?パパっ!」
「ん?あれだ、花が行きたいって言ってた・・」
「まほうのくに?」
「おう。」
「りんちゃんがいったところ?おんなじところ??」
「りんちゃんよりもっとすごいぞ。パパは貸し切りだ。」
「かしきり???・・・うわぁ、すっごーい!!」

花ってば、絶対に貸し切りの意味なんて分かってないのに、司の自信満々な態度を見れば、凄いコトだっていうのはピンと来るみたい。
りんちゃんっていうのは、類の娘さんで、花と同じ英徳幼稚舎に通っている。
りんちゃんが先日シンガポールのユニバーサルスタジオに行って、ハリーポッターの魔法の杖を買ったと聞いた花が、行きたい、行きたい、いいなぁって騒いだから、きっと対抗心燃やしてるんだわ、司ったら。


「パパ、恐竜いる?ジョーズもいる?和真と雄一郎におみやげ買ってあげたい。」

もう行く気満々の翔は、見た目はそのまんま司なんだけど、彼の子供だとは思えないぐらいに穏やかな性格。
どっちかっていうと花の方が司の性格を引き継いじゃった感じで、あたしは将来を心配してる。
ちなみに和真君は美作さんのところの長男で、雄一郎君は西門さんちの長男さん。
翔と同じ英徳初等部の1年生。

「土産か・・・仕方ねぇから、パークごと買い取るか・・・」

このバカっ!!
買い取ったからって、恐竜やジョーズをお土産に出来る訳じゃないでしょーがっ。
相変わらず司の頭の中ってば普通じゃない。
本当に怖いわよっ。クリスマスだって、花が大好きなおもちゃメーカーを買収しそうになって、ギリギリで食い止めたんだから。翔の1年生になったお祝いには、クレジットカードとか、使える訳ないでしょっ!!いちいち止めるあたしの身にもなってよね。

だけど、今日の司はあたしにも止められないかも知れない。
だって今日は・・・・・


「司・・ちょっと落ち着いて。夜にはパーティーもあるでしょ?今から大阪なんて・・」

ユニバーサルスタジオと言えば日本では大阪。
どうやら司はそこを貸し切っちゃったらしい。
ヘリで往復するんだとしても、夕方のパーティーに間に合う?
って言うか、その前に、翔は学校あるし、あなたも会社あるでしょ?
あたしも、今はメープルの顧問をしているから忙しいのよ?

それに、今年は家族で行動するのは無理だって言っておいたはずなのに!


「つくし、今日は特別な日だろ?」
「そうだけど・・」

司が、何言ってんだ、お前は!って顔をしてる。
分かってるわよ。
今日は、あたしが10年前に司にプレゼントした特別な日。


「ぱぱのおたんじょうびだもんねっ!」
「ちがうよ、花。今日は、パパとママのけっこんきねん日!」

子供達からのその言葉を聞いて、司が嬉しそうに笑う。

「よく覚えてたな、えらいぞ!」

ワシャワシャと二人の頭を撫でまわしてる。
まったく、もう。
毎年毎年、この時期になれば自分で宣伝しているんだから、二人とも知ってるわよ!


「今日はなぁ、俺とつくしが家族になった日だ。だから、この日はみんなでお祝いしような!」
「「わーい!」」

ぷっ。誰が一番嬉しそうって、司じゃないの。
まったく・・・でも、嬉しいな、ふふ。
毎年のことだけど、司のこの日への執着は半端ない。
それは・・まぁ、あたしがプレゼントした日でもあるからなんだけど。
10年前、あたしと司が入籍したのが彼の誕生日である1月31日。


あの頃のあたしは、彼の隣にいられるだけで満足だった。
若かったし、結婚の前にまだまだやるべきこともあった。
10年前のあの日、プロポーズの返事をするつもりだったのは本当だけど、まさか、すぐに入籍するなんてことは考えていなかった。だって、由緒正しき道明寺家だもん。結婚すると決めても1年ぐらいは準備にかかるだろうと思っていたから。

でもね、あの日、司があまりに切なそうで。
誕生日なんてどうでもいいなんて言われて、あたしの心臓はぎゅって痛んだ。
誕生日にいい思い出がないなんて、そんな風に思っていたなんて知らなかった。
あたし・・恋人失格だよ。
それなら、これからはこの日をすっごく素敵な日にしてあげたい。
そうだ、あたし達がこの日に結婚すれば、もっと特別な日になるじゃない。
二人の記念日にして、毎年二人でお祝いして、幸せを感じられる日にしよう!

突然沸いたアイディアだったけど、
あたしは、その場で司にプロポーズしてた。

彼の誕生日が結婚記念日。
司はそれをとっても喜んでくれた。




「ヘリは外に待機させてる。お前たち制服はねぇだろ?さっさと着替えて来い!」
「「はーい!!」」

「ちょっとぉーっ!!」

あたしの制止も聞かず、バタバタと子供達が駆け出していく。
それを追いかけるようにしてメイドさんも走り出しちゃった。
もうっ!

「司、今年は無理だって言ったじゃない。翔は一年生になったし、平日に家族で動くのは・・・」

入籍してからずっと、二人の結婚記念日にはいつも司が大張り切りで、二人きりの時にも旅行に行ったり、素敵なレストランで食事をしたりしていた。司があんまり嬉しそうにするものだから、この日にはどんな贅沢なことをしても許してあげちゃってたな。
そして、子供が出来てからは、結婚記念日は家族の日になった。
あたし達が結婚したからこそ今の幸せがある、そんな風に司が言うから、この日はやっぱり家族でお出かけしたり、映画に行ったり、ずっと家族で過ごしてきた。

あの時プロポーズして良かった。
結婚してよかったなって、毎年思ってるんだ。

でもさすがに翔は一年生になったし、学校を休ませてまで記念日のお祝いをするなんて・・・ねぇ?


「なんだよ、お前は嬉しくねぇのかよ?」
「そんなこと言ってないでしょ?ただ、平日は学校も幼稚園もあるし、あたしも仕事が・・」
「そんなもん、とっくに休みの連絡入れてる。お前の仕事も無しになってるぞ、明後日までフリーのはずだ。」

あたしの最後のあがきに、司はニヤッと笑った。

早っ!
って感心している場合じゃないわよ。
学校は・・まぁ、もう仕方ないか。
でもあたしの仕事も明後日までお休みって・・・

あうっ!!

固まっているあたしを司がぎゅっと抱き寄せて、耳元でこっそりと囁く。

「そりゃ、俺だって二人きりがいいけどな。やっぱ、家族の日だからな、翔も花も楽しみにしてんだろ。心配すんな。夜はつくしのために尽くすから、な?」

ちっ・・ちがうっ!!!
あんた、もう二児の父なのよ?妙なフェロモン出さないで!!
あたしが言ってるのはそーいうことじゃなくってね?

肩を抱かれたまま、有無を言わさず寝室へ連行され、司とお揃いのブランドのダウンジャケットとジーンズに着替えさせられた。
そこへ、子どもたちが走り寄って来て、やっぱりあたしたちとは色違いだけどお揃いの服を着てる。

ぎゃーっ!!
あんたいつから、ペアルックとかするようになったのよっ。
あたしが恥ずかしいじゃないのっ。
あっ、あれだわっ。この前、「仲良し家族はペアルック」っていう奥様雑誌を見てたのがバレたのね。
違うのよ、あれは桜子がやってるブランドの記事だったから見てただけなのにぃ!
あたしが見てる雑誌までチェックされてるなんてーーっ!

だけど・・・


「行くぞっ!」

子供たちを連れてヘリへと向かう司を見れば、凄く楽しそう。
それに何をしていても、相変わらず格好いいんだぁ。
完璧なスタイルで、娘を抱っこする立ち姿も決まってる。
一流の洋服をラフに着こなして、家族にだけ見せる笑顔が素敵な子煩悩パパ。
花は、カッコいいパパを幼稚園で自慢してるらしいしね。
翔だって、パパをスーパーマンだと思ってるんだから。

良かったね、司。
幸せだね、あたし達。

それにあたしもね、
傍に居られればそれでいいなんて思っていた過去の自分に教えてあげたい。
傍にいるだけじゃ分からなかった幸せがあったよ。
家族になって初めて得られる幸せ。
あたしが司にもらった、家族という繋がり。
それを大切にしたいから・・・

ふふ・・・結局・・・・
やっぱりこの日は、司が何をしても許しちゃう。


司の誕生日プレゼントとして、子供たちと一緒に作った手作りのコーヒーカップ。
渡したら、きっと涙を流して喜んでくれると思うんだけど、でも彼が一番嬉しいのは、こうして家族が一緒にいる時間なんだと思う。

仕方ないなぁ。
今日は思いっきり楽しもう!
それが、彼への一番の誕生日プレゼント・・・









***



「で?司だけが魔法使えなかったの?」
「うん。司が何回やっても水が出なかったし。」

USJのハリーポッターエリアで、花と翔が念願の魔法の杖を買った。
良く出来てるみたいで、魔法が使えるポイントで杖を振ると水が出たり、火が付いたり、風が起きりするの。だけど、不思議。司ってば何回やっても出来なくて、ムキになって、杖全種類買って試したりしてホント大変だった。

「アトラクションで吐きそうになったって?」
「うん。普段リムジンなんか乗ってるから、揺れに弱いみたい。」

4Dのアトラクションって結構キツイのよね。司は全くダメだった。

「それに、ジョーズに蹴り入れちゃうし、ミニオン見て気味悪がっちゃうし・・・」
「司、USJがどういうところなのか知らなかったんじゃねーの?」
「そうみたい・・・」

子供たちは散々楽しんだけどね。
司は最後にはぐったりしてた。



夜は、お邸に友人を招いて、司のお誕生日パーティー。
これもここ数年繰り返されているお馴染みの光景。
今夜も、みんなが司の誕生日を祝うとともに、あたし達の結婚10周年のお祝いに集まってくれた。


「司がテーマパーク行くなんてなー。いいパパしてんじゃん!」
「それ言ったら、あんたたちもおんなじだよ?」
「まぁな。」

あたし達はみんなそれぞれに家庭を持っている。
滋さんも、桜子も、優紀も。
それぞれが幸せになって、それぞれの家庭を大切にしてる。


「でも司はいつになっても子供染みたところがあるんだよねぇ。ふふっ。」

今日だって、いろんなことで子供たちに張り合っちゃって、大人げなかったんだから。
だけどあたしは、どんなにお金があって、地位が合って、見た目カッコいい司でも、やっぱり家族のために必死になってくれて、情けないところもみせちゃうような、そんな司が愛おしいと思う。

シャンパングラスを傾けながら、奥のフリースペースでお互いの子供たちが楽しそうに遊んでいる姿を見守りつつ、こうやって友人たちとくつろぐ大切なひと時。

ああ、あたし、司と結婚して、本当に幸せだな・・・。



「でも、まぁ、最後は、つくしちゃんの出番だな。」
「へ?・・何??」

何のことかと思ったら、司が後ろからあたしのシャンパングラスを掴み取って、グビッと一気に空けてしまった。

「甘ぇ。」
「甘いって、これ辛口なんだけど・・。あ、仕事終わった?」
「ああ、メールチェックだけだからな。」
「お疲れ様。」

そのままソファーへ座るのかと思ったら、司はグラスをテーブルに置いて、そのままあたしの腕を引いて立ち上がらせた。

「え?どうしたの?」

思わずキョロキョロしちゃうあたし。
あれ?なんか用事あったっけ?

「じゃあな、司。子供たちの面倒は俺らが見とくから心配すんな。」
「ああ、サンキュ。」

「へ?ちょっと。あんた達、何言ってんの?」

焦るあたしに向かって、F3が親指を立てた。


「「「俺らから、司への誕生日プレゼント!」」」


ええ~っ!
ちょっと待ってよ。
一体何するって言うのよ!!


文句を言おうと思うのに、ぐっと司に引き寄せられて、甘い言葉をささやかれれば、どうしたって敵わない。

「たまにはいいだろ?二人きりの記念日。」


急に頬が熱くなる。
もう~!そんなこと言ったってね。
お邸だって、子供たちはもう子供部屋で寝ているし、毎晩二人きりなんだけど?

だけど、やっぱり嬉しそうな司を見ると許しちゃう。
だって今日は彼の誕生日で、二人の記念日なんだもんね。
こんなに幸せそうなあんたを見られたら、あたしも幸せ。



司に手を引かれながら、気が付けば二人とも速足で歩いてる。
だんだんと、駆け出すようなスピードになっていく。

早く、早く、早く、二人きりになりたくて。

リムジンの中に飛び込んで、
ドアが閉まると同時にキスをした。


幸せなあたし達の長い夜は、これから・・・


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二人の記念日をとっても大切にしている坊ちゃん家族の一コマでした(*^^*)
付け足しなのに長くなっちゃった・・。
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Posted by

Comments 3

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Happyending  
ありがとうございます!

いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
すっかり終わった気分でいました(笑)。
コメントありがとうございました。

スリ●様
そうなんです。最後はやっぱり二人きりでお祝い・・ムフフ。そしてF4全員に子供あり!相手とかは一切考えず・・(笑)。全員がHappyになっている設定・・確かにあんまり見ませんね・・(^^;)

花●様
あはは!体クネクネ(笑)!ね、司はパパになっても絶対にカッコイイですよね~。あ~惚れます!

k●様
拍手コメントって新鮮でいいですね(笑)。ありがとうございます!やる気がでます!

H●様
一緒に楽しんで頂けて、良かった。司の幸せが何よりなんですよね~!

he●様
人間出来ていないだなんて!いつも丁寧なコメントとてもありがたいです。そりゃ、司なんてお金もあって、つくしも手に入れて、いいですよね~。私も、お金だけでも・・と思いますよ~(笑)。

さてさて、『普通のレンアイ』の続き、0時アップなのに余裕ない!
頑張りまーす!!

2018/02/03 (Sat) 22:09 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/02 (Fri) 08:37 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/01 (Thu) 22:25 | EDIT | REPLY |   

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