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Happyending

Happyending

牧野の体から力が抜けるぐらいに長い口づけを交わす。
今日は完全にクローズドのパーティーで、マスコミは来てねぇのが残念だ。
今ならどんなに写真をとられても全て許可するのにな。

会場内のどよめきが収まらない。
パーティーの最中だって事は重々承知だった。
でも何も問題なんてねぇ。
俺はこのパーティーでこいつを両親に紹介するつもりだったし、それがちょっと派手になったってだけのことだ。元々、認めないなんていう答えは聞くつもりもなかった。

だいたい、こんなに可愛い牧野を目の前にして、冷静でいられる訳なんてねぇだろ?
しかしこいつは一体どうしちまったんだ。
パーティーが成功するまではパートナーはできないと言ってたくせに、突然ドレスアップして会場に現れた。
その上、これってプロポーズじゃねぇかよ。
それは俺に言わせろよな。

けど、最高!
これからの俺の人生は、こいつが幸せにしてくれるらしい。
当然俺も、こいつを世界一幸せにするつもりだ。


あー、もう。
このまま、パーティーをフケてもいいんじゃねぇか?
ババァも今更ダメだなんて言えねぇだろ?
このまま二人きりで・・・なーんて、考えていたら、


「お父様、お急ぎになって!!」
「お前は随分せっかちだな。」

その場のざわめきとは違う声が聞こえ、名残惜しく牧野の唇を離した。


「きゃあ!いいところを見逃してしまいましたわっ!お父様!!」

俺としては、完全に聞き覚えのある声。


「司ったら、やるじゃないの!」

「・・・・・姉ちゃん。」
「お姉さん!?」

腰砕け状態で俺に寄りかかっていた牧野が、目が覚めたようにシャキッと背中を伸ばした。







専務の後ろに、背の高い綺麗な人が立っている。
パープルのロングドレスにゴージャスなダイヤのネックレス。
この人が、専務のお姉さん・・。

「あなたが司の婚約者なのね!?」
「婚約者っ!?いえっ、そんな・・」

婚約者になりたい人です・・なんていうのも変な話だよね?どうしたらいいの?
ちらっと専務を見上げてみると、専務は少し厳しい顔で、お姉さんの隣を見ていた。
お姉さんの隣には、更に背の高い男の人。凄い存在感。
あれ?この人・・・誰かに似てる・・・ん?
・・・んん??

「ねぇ、お父様、そうですわね?」

・・・お父様?

ちょっと待って。頭が回らない。
専務に激似(ううん、専務が激似)のこの人は、絶対に専務のお父様だ。
専務のお父様ということは、道明寺HDの総帥・・うわぁ。
でも、確かもう一人・・・そうよ、あの車椅子の人も、絶対にそっくりよ!
ということは、あの人は、専務のお爺さん?
三人とも同じ顔なの?凄い遺伝子・・なんて、こんなに緊張する場面なのに、頭の中は妙な考えでいっぱいになっている。ううん、こんなことを考えている時点で、あたしはちょっとおかしくなってるのかも知れない。
だって、冷静になんてなれないよ、このタイミングで総帥と対面するだなんて。
覚悟はしていたはずなんだけど・・・


「今夜は婚約者を決めると聞いていたが___」

専務より少し低いテノールが素敵・・・
なんて言ってる場合じゃない!

婚約を決めるパーティーだなんて、
聞いてないよ!!


「____そうだったな、楓。」

総帥が振り返ったその先には、楓社長がいた。
道明寺ファミリー勢ぞろいのこの場面。
しかも、婚約者を決めるという緊迫した場面に、
息をするのも忘れるほどの緊張感が漂う。
当然ゲストも静まり返っている。

専務があたしの腰を抱いた左腕に力を込めた。


「お父さん、お母さん、彼女は牧野つくしさんで、僕の大切な女性です。」

楓社長が表情も変えずにあたしを見る。

「はじめまして。牧野つくしです。ご挨拶が遅れまして申し訳ございませんでした。」

しっかりと頭を下げた。
マナーの先生に何度も教えられた「斜め45度」を意識しながらも、ドキドキして胸が痛い。

専務はあたしを選んでくれた。
どうか・・どうか、あたしを認めてください。


「今日、こちらにお招きした方の中から決めるつもりでいましたのよ。」

ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ・・・・
耳元に聞こえる心臓の音がうるさい。


「司を幸せにしてくださるのなら、異論はありません。あなたは、如何かしら?」

楓社長は異論はないと言った。
つまり、楓社長は認めて下さったということだ。
ふぅ・・・足の力が抜けそう・・・・
だけど、総帥は?
実は、次の答えが一番大切なのかもしれない。


「私は先ほど彼女と話をしていたんだよ。素敵なお嬢さんだ。司が選ぶのなら賛成するよ。」


わぁっ!と一斉に声が上がった。
総帥も認めて下さった。
あたしを、専務の婚約者として・・・

ほっとして、専務の胸にコテッと頭を預けてしまった。
周囲が騒がしい。そりゃあ、びっくりだよね。
誕生日パーティーで、いきなり婚約者の発表だなんて。

半分虚ろな目で専務を見たら、彼が満足そうに笑っていて、
その笑顔のまま、あたしにキスをした。

嬉しすぎるからなのか、専務の婚約者として認められた実感が湧かない。
されるがままにキスを受け入れて、頭はぼーっとしたままだ。


・・・ん?でも・・・・あれぇ?
あたし、いつ、総帥と話なんかしたっけ?

はっと我に返った。


総帥が楓社長とその場を立ち去ろうとしている。
専務の腕を振り払って、その二人を追いかけた。

「待ってください!」

二人が振り返った。

「あの・・・先ほどのお話って・・・・」

「司の寝室からは、バラ園が見えるんだってね。知らなかったなぁ・・ははは。」


・・・っ!!!
やっぱり!!!
あの人は、総帥だったんだ。
でも、どうして?
それに、髪の毛だって・・


「あなた、牧野さんとお会いしていらしたの?」
「君が難しいヒントを出すからだろう? シンデレラは嫌いじゃ、パーティーに出ようと思う訳がないじゃないか。」
「あら、そうかしら?わたくしも、あなたのお母様からそう言われたのよ?」
「・・・・・・え?」

そのままお二人は歩いて行ってしまう。



シンデレラは嫌い・・・
それって、楓社長も言われた言葉だったんだ。
そうか、そうなんだ。
もしかして、楓社長も、総帥のことが好きなのに回り道をしたことがあるのかな?
すっと心が軽くなった。
ふふっ・・・なんだか可笑しい・・・・




「何、ぼーっとしてんだよ。」
「専務。」

気が付けば、隣には専務がいた。

「素敵なご夫婦ね。」
「あ?そんな訳ねぇだろ?」
「何言ってんの?相思相愛だよ。」
「はぁ?それこそ何言ってんだよ。」

あのご夫婦は絶対に愛し合っている。
間違いない!

「認めてもらえて良かった。」
「ああ、まぁな。文句なんて言わせるかよ。」

これは推測だけど、きっとお二人は初めから反対なんてするつもりは無かったんじゃないかな。
このパーティーで、公にあたし達のことを認めるために、あたしをパーティーに引っ張り出してくれた。
それはお二人こそが愛し合って結婚したからなんじゃないのかな。


「あー、早く終わらねぇかな。」
「ぷぷっ、まだまだ残ってるよ、パーティー。お料理も配らなきゃだし、ケーキも。専務のスピーチだってまだなんだから!」
「分かってるよ。けど、お前は俺の婚約者だからな。ずっと隣に居ろよ。」
「うん。」



これからは、ずっと傍にいるよ。
堂々と、あなたの隣に。



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いつもたくさんの応援をありがとうございます!
お返事遅くてすみません。お話優先なのですが、お返事も書きたいです。ちょっとお待ちください~。
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2018/02/15 (Thu) 22:08 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
疲れた、疲れた(笑)。

いつもたくさんの拍手をありがとうございます!
やっとここまで来ましたよ~。疲れた、疲れた、です。
このパーティー、もう締めていいかな?笑。

スリ●様
うおっ!そっか、甘いの期待だったか!!もう、次で『完』でいいかと思ってた(爆)。すべてをすっ飛ばして。
そうか、ちょっと考えよう。ここまで来たからあとは終わるだけのはずなんですけど・・(笑)。
次のお話かぁ。どうしましょう??
いくつかリクエスト頂いているのを考えようかな?その前に、一旦休憩したい~!!
どうして花男は、12月から2月にイベント多いんだ!!と恨みそう・・(笑)。

花●様
もうね、たぶん司もつくしもパーティー忘れてますよね(笑)。
やっぱり、そこ、気になりますか??パパの変装(笑)。一応自分の中では設定があるんですよ~。でも、書くのめんどくさい・・・あはは。ここは番外編にするか。因みに、椿さんもちょっと書くのめんどくさいから、まとめて番外編か!(笑)。そっか、やっぱりつくしちゃんを労わなきゃですかねぇ。じゃあ、次で『完』はちょっと無理か・・(笑)。

he●様
ご親戚に御不幸とのこと、御愁傷様です。雪の中大変でしたね。しかし、大往生といっていいでしょうか? 
つくしちゃんは転ばずに辿り着けました。しかし、楓さんも意地悪ですよね(笑)。そんないい方じゃ分からんよ~(笑)。息子さんがいらっしゃるんですね。うちも小さな息子がいますが、このバレンタインデーにチョコはもらっていませんでした。残念。母はホワイトデーにクッキーを準備してあげたくてうずうずしていましたが・・(笑)。こんなうざい親のところにはお嫁さんは来てくれないと主人に言われました・・(^^; 

さて、お返事は書けたかな。あーすっきり。
そろそろあるべき日常に戻って、ゆっくり書きたいな。
明日にはどこかで1話更新の予定です。
朝には間に合わないかなぁ・・
ではでは、続きで!

2018/02/15 (Thu) 21:27 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/15 (Thu) 14:35 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/15 (Thu) 10:27 | EDIT | REPLY |   

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