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Happyending

Happyending

相変わらずのボロアパート。
錆びれた鉄階段に苦笑いだ。
何が、結構いいところだ?
高校時代からは少しはマシなところに住んでるとは聞いていた。
だが、それも話に聞くだけで、この4年の間一度も牧野の部屋を訪れたことは無かった。

アメリカで何度か落ち合った。
アジア出張の時には、休憩時間を抜け出して、例え30分でも日本へ戻った。(秘書たちは慌てふためいていただろうが、知ったこっちゃねぇよ。)
「どんだけ長い休憩よ!」なんて、あいつは呆れたように言ったけど、その顔はすげぇ嬉しそうで、俺はその顔見たさに頑張っていたようなもんだ。ジェットの中ではずっと仕事してんだぜ?

あいつはホント素直じゃねぇからな・・・
前もって予定なんて言ったら「帰って来なくていい」って言うだろ?
だから、毎回不意打ちだ。
じゃねぇと、あいつが素直に喜ぶ姿なんてなかなか見られねぇ。
とは言っても、牧野と俺が会えたのは1年に2,3回の事だったけどな。



日本への帰国が決まった時、俺は思わずガッツポーズをしちまった。
これで、牧野を迎えに行ける。
あいつを俺のものにできる。
その嬉しさで、拳を握りしめていた。

「お母さん・・・俺は、牧野を迎えに行きます。」

会社なんて関係ねぇ。
道明寺司という一人の男として、愛する女を迎えに行く。
だから、母親のことを社長と言わず、お母さんと呼んだ。

「覚えていないのかしら?これはビジネスよ?4年の約束は果たされました。あなたの自由にして構わないわ。」

言うだけ言って、俺に背を向けたババァ。
素直じゃねぇんだ・・・うちのババァも。
牧野とのことはあくまでビジネスかよ。
でもな。
本当はだいぶ前から認めていたはずだ。牧野のことを。
牧野は週に2回ほど、日本の道明寺邸で花嫁修業ってやつを受けている。無理すんなって言ってやったけど、あいつは、うちのフルコースを食べに通ってる、なんて笑ってた。それだって、姉ちゃんが勧めたって話だったが、実はババァが裏で糸を引いていたってことを知ったのはほんの少し前のことだ。姉ちゃんがぽろっと言っていた。『つくしちゃん、良く頑張ってるって、お母様もおっしゃっていたわよ。』だと。

大学を卒業し、ビジネスのスキルも学んできた。
そしてもう、かつてのようなババァからの反対もない。
飛び上がって騒ぎたかったぐらいだ。

ブラボーッ!!俺!! ってな。




1日早く、あいつを迎えに行ったのは計算通り。
不意打ちしなきゃ、あいつは素直になんねぇから。

俺と別れる時には、あいつはいつも笑顔を向けてくれた。
本当は泣きたい気持ちを抑えて、俺を送り出してくれた。
それが、どんなに俺の力になっていたか・・・俺の4年間の記憶の中には、牧野の笑顔が溢れていた。
だけど、本当は分かってる。
あいつが、泣きたいのを堪えていたことも。
遠距離恋愛に疲れていたことも。
それに、俺もそろそろ限界だった。
あいつを抱きたい。抱いちまいたい。
会う度に綺麗になっていく牧野に焦りを感じていた。
あいつを完璧に幸せに出来るまでは我慢する、そう自分に立てた誓いを何度破りそうになったか・・・
俺のいない間に綺麗になりやがって・・と何度理不尽な怒りをぶつけそうになったか・・・

だけど、そんな我慢も、今日で終わりだ。


暗闇の中をトボトボと歩いて来る、ちっせぇ女。
高校時代より髪が伸びて、俺の好きなストレートの黒髪が肩下で揺れている。
暗くても分かる。
足音だけでも分かる。
俺が愛して止まない、恋い焦がれて止められない、

____牧野つくし


あいつの足が止まった。

『ただいま』って、声を掛けたら、
あいつが、思いっきり突っ込んできた。

ドスッって音がした。
これって、タックルじゃねぇの?

『おかえり、道明寺』
って、聞こえて来た声。
その声が震えていた。

_____泣いてる?


ああ・・・帰ってきたんだな、俺。
ここに帰って来た。
泣いたっていい。
もう、無理に笑わなくたっていいんだ。

ああ、でも、これはうれし涙ってやつだよな。

これからは、笑顔も涙も、全部を受け止めてやれる。
腕の中に、牧野を大切に抱きしめて、
そんな幸せにしばし酔いしれた。





それでも・・・

「おい、ちょっと、離れろよ。」
「嫌。」
「顔、見れねぇだろ?」
「ぐちゃぐちゃだからダメ。」

しばらく抱きしめていたが、やっぱりキスしてぇ。
そう思っても、こいつは顔を上げてくれない。
ますますぎゅっと抱き付いてくる。
そんな姿がすげぇ可愛い。

「泣き顔、そそられるから、見せて。」
「バカっ、変態!」

ボコッと俺の胸を殴ろうとしたこいつの手をすかさず掴んだ。

「あっ・・・」
「牧野、可愛い。」

____チュッ


久しぶりのキス。
そのキスは少し塩辛い。

んんっ・・という牧野のくぐもった声。

可愛い!可愛い!!可愛い!!!

牧野の口を強引に開き、その中に舌を入れていく。
逃げようとする牧野の腰を、片手で俺に密着させた。
絡み合って、蕩けるようなキス。
・・・やめらんねぇ。

この続きは・・・・


___ガンッ!!




「いってぇ!!」

突然左足に走った痛み。

「あんたっ、ここ、どこだと思ってんの!!」

牧野に左足の脛を蹴られた。
腰抜けそうになってたくせに、
相変わらず、足癖悪ぃオンナだ。

だけど、今夜の俺は、こんなことでは怯まねぇ。
なぜならもう、こいつと別れる必要なんてないからだ。
どんなに文句を言われようが、どんなに騒がれようが、
どんなに泣かれようが・・・もう、サヨナラなんて必要ない。
今日も、明日も、明後日も、ずっとこいつの隣にいられるんだから。

喧嘩をしても、明日がある。
愛し合えば、明日はもっと愛し合える。


「牧野・・・」
「ん?」

俺を見上げるでっかい瞳には、まだ涙の痕が残ってる。

「俺・・もう、どこにも行かねぇから。」
「うん。」
「お前のこと、守ってやるから。」
「うん。でも、大丈夫、あたしも強いから。」
「・・・空気読めよ。」
「え?」

きょとんとしているボケボケ牧野。
だから、はっきり言ってやる。
こいつは素直じゃねぇし、鈍感だから、そうしねぇと伝わらない。


「お前のこと、もらっていい?」


こいつのでかい瞳が更にでかくなった。
もう、限界ってぐらいに。

何度も何度も瞬きをして俺を見上げる、俺の恋人。

俺の心臓は、もう、破裂寸前だ。

抱きてぇ・・・
早く、答えてくれよ。


牧野が俺の胸にコテッと頭を預けて、
それから、コクンと頷いた。

ほっと・・した。
この俺が・・・道明寺司が。
俺の心臓を止める奴がいるとすれば、こいつしかいねぇよ。

思わず、牧野を抱き締めた。

その後に聞こえて来た小さな声。

「準備・・・オッケーです。」


・・・って、
ばかやろーっ!!
ここで煽んなっ!!


今すぐにも抱きたい。
けど、ここじゃマズイっ。

俺は牧野を抱き上げた。
バランスを崩したこいつが、俺の首に抱き付いて来る。

そのまま、待機させていたリムジンへ乗り込んだ。


目指すは・・・
メープルしかねぇだろっ!!


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なんだ・・この展開は・・(笑)。
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Comments 6

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2018/02/26 (Mon) 17:35 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんばんは~(*^^*)

いつもたくさんの拍手をありがとうございます。
何だこの展開・・と自分でも突っ込みつつ(笑)。

花●様
そう、ちょっとだけコミカルな感じも入れてみたり・・。だけど、ぐっと大人っぽいのも書きたいし・・バランスが難しいです(^^; 書きながら調整していく感じになるかなぁ。そうそう、ミンホ君いいですよね!!そこからシンイを見たら、シンイ良かった・・(笑)。私は韓国版もやっぱり司が好きです(笑)。

委員長様
すげぇです!!次のタイトルどうしようかと思ってたんですよ~。でも、これハードル高いなぁ・・面白すぎて・・ぷぷっ!!内容的には、そのような方向で考えております・・・えへ( ´艸`)

スリ●様
楽しんで頂けて良かったです~(*^^*)うんうん、また明日って言える距離が一番嬉しいですよね。ああ、司、よかったね~。目指すはスイート。ここからどうしようかなぁ・・。原作の二人なら?どんな感じだろう??悩ましいです・・(^^;)

あ●様
そうそう、本当に、準備オッケーなんです(笑)。そっかー、ごちそうさま、いっちゃうか~(≧∇≦)!本当に皆さん、凄いなぁ。自分では考えられないですよ。そうだ、つくしも初めてだけど、司も初めてなんですよね。どうしようかな~、ワンパターンで困る~(笑)。とにかく、つかつくを幸せにしてあげなくちゃですね!

he●様
今日は一日中外で、テレビ見れませんでした・・・残念・・・。そう、夜に投稿した時に、公開しちゃったんですよね。すぐに気付いて、予約に変更したのですが、ブログ村に投稿履歴が残ってるんですね。だから、本来は一回削除しなきゃいけなかったんだと思います。ごめんなさい・・。最近ミスしてなかったんですけど・・あれぇ?でしたよね。こちらの楓さんはもう認めてくれているので、あとはラブラブ街道を進んでいくのみでしょうかね(笑)。


さて、明日の投稿は難しいです。
続き、もう少しお待ちいただけたらと思います。
では、また3話目で!

2018/02/25 (Sun) 23:02 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/25 (Sun) 12:14 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/25 (Sun) 10:12 | EDIT | REPLY |   
委員長  
ご無沙汰をしておりますm(_ _)m

第3話「いただきます牧野」
ご検討のほど、何卒よろしお願い申し上げます(≧∀≦)

2018/02/25 (Sun) 08:26 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/25 (Sun) 06:44 | EDIT | REPLY |   

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