Happyending

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____すっごく楽しい!!


道明寺さんと一緒にモールにやって来た。
約1週間一緒に暮らすわけだし、生活用品とか少しは準備しないといけないし。
あとは、Tシャツとかいろいろ弁償しなきゃいけないし・・・。

運転は下手だけど大好きなのに、道明寺さんにハンドルを取られちゃった。
全開に開いた窓から風がボーボー入ってきて、会話するのもやっとだったけど、楽しかったな。
いつもよりアグレッシブなドライブ。
ふっと隣を見たら、道明寺さんがお洒落なサングラスをかけて、私の軽自動車を運転してるから面白かった。それに、なんだか可愛かったな。

シートを直そうとして、彼の太ももに顔をつっこんじゃった時には、さすがに恥ずかしくて焦っちゃった。
だけど、そんなこと気にする風でもなく、道明寺さんは運転を始めた。

私、結構ドキドキだったんだけどな・・・


道明寺さんは本当に綺麗な人。
男性に綺麗っていうのもどうかとは思うけど、その形容が一番合ってると思う。
きっと物凄くモテるんだろうな。
女性慣れしてるから、少しぐらいの接触で、私みたいにドキドキしないんだよね。

だって、私知ってるもの。
道明寺さんが乗ってきた車の特徴的なマークは、貧乏人でも知っているメルセデスベンツ。
彼の時計は、スイスの有名メーカーのロレックス。
食事の仕草が綺麗なのも、身のこなしに卒がないのも、きっと彼の育ちが良いから。
つまり、彼はきっとお金持ち。
そんな人が、どうしてこの村にいたのかは分からないけれど。
そんな人が注目を集めないはずないよね。

彼の周りにはきっと綺麗な人がたくさんいるんだろうな。

・・・なんて、私ってばなんでそんなこと考えてるのよ!!

だから、『I LOVE NY』のロゴTを選んだのだって、仕方がないでしょ?
これだけの美貌の男の人に、この村の商店街で売っている服なんて、どんなに探したとしても似合うはずなんて無いもん。
思いがけず、Tシャツはお揃いになったけど、私は内心嬉しかった。本来なら、この人とお揃いのものなんて存在するはずないものね。


ずっと男の人と二人きりになるのを避けていたはずなのに、こうして二人きりで出掛けてる。
車の中では本当に二人きりだったけど、怖くなんてなかった。
そんな自分が信じられない。
だけど、私は道明寺さんと一緒に居たいんだ。
彼といるとなんだか安心できるから。

でも、それはたぶん・・・
彼は自分とはかけ離れた人だと思うからじゃないかな。
彼は私に何て興味があるはずがないもの。
この人が、私を襲ったり、辱めたりすることはきっとない。
それに1週間限定のおつきあいだということが、私の心を軽くしていた。

この1週間が過ぎたら永遠に会えない人だから、今をとことん楽しく過ごせたらいい・・そんな風に思ってた。






私たちが次に訪れたのは日用品を扱う、田中商店。

「歯ブラシは持ってる?」
「持ってねぇ。」

まずは歯ブラシコーナーで歯ブラシを選んだ。

「髭剃りは持ってきてる。」
「ひげーーっ!?」
「・・・何だよ。」

じろっと私を睨んだ道明寺さん。
そんな視線に怯むことなく、わたしもジロジロと彼を眺める。
髭・・・そりゃそうだ。
そういえば、朝はちょっと生えてたかも・・いや、どうだったっけ?
彫刻かと思うような綺麗な顔立ちだけど、やっぱり髭とか生えるのね。

「髭剃り持ってきてて歯ブラシ持ってきてないの?」
「歯ブラシはまぁ、ホテルに置いてるやつでいいんだけど、シェービングはこだわりのがあるから。」
「・・・へぇ~。」

うちのパパとか、進とか、電気髭剃りでガーって感じだけど。
やっぱり、この美貌を維持するためにはそれなりに苦労してるのかな。
なーんて思いながら、引き続き彼を観察していたら、

「苦労なんてしてねぇよ。女の方が大変だろ?色々。」

なんて言われちゃったけど、あれ・・?

「なんでっ!!」

なんで、そんな事・・・

「お前、考えてること口に出ちまうんだな。気を付けろよ。」
「うぎゃっ!!」

慌てて口を押えたけど、時すでに遅しだわ。
けど、女性の方が大変って、そうかしらね。お化粧とか、いろいろあるから。

「くっ・・くくっ。お前は大変そうじゃねーな。メイクとかしてんのかよ。」
「しっ、失礼ね。私だって、ある程度は・・・。」

今日だって、日焼け止めとファンデーションとリップはしてるのよっ!

けど・・・女の方が大変って、一体誰と比べてるんだろう。

あーもうっ、だめだめっ!
どうして、こんなこと考えちゃうのよっ。


それから、道明寺さん用のボディタオルと、新しいシーツと枕カバーを買った。
敷き布団とタオルケットはあるから大丈夫。

「ここもカード使えねぇの?」
「んー、たぶん無理。」
「そっか、不便だな。」
「あ、お金の心配しないでよね。私が払うから。」
「バーカ。女に払わせるなんて、俺のポリシーに反する。」

女性には払わせないのかぁ。
ふーん。自分から女性慣れしてるって言ってるようなものよね。
時間をたっぷりかけてメイクした綺麗な人とお出かけしているんだろうな。
・・・・・別にいいけど。

私がそんなことに気を取られているうちに、道明寺さんは私からかごを取り上げると先に行ってしまった。

「私が払うって!」
「黙ってろ。」

一応、私も女性として扱ってくれるのは嬉しいんだけど、だけど、この買い物は私にとってはお詫びなのよ?だから、いいのよ。そんなレディーとして扱ってくれなくたって!

「ねぇ、これは私が払うよ。だって、私のせいで怪我を負わせてしまって、ここにいることになったんじゃない。」

道明寺さんが持ったかごを私が取り返そうとすると、道明寺さんが少し困った様な顔をした。

何・・・?

その表情にドキンとしちゃう。


「こういう時って、男が払うんじゃねーの?」
「・・・え?」

頭をガリガリ掻きむしってる。

「車だって、男が運転するもんじゃねーのかよ。俺、女と出かけたこととかねぇから分からねぇけど。お前、あんまり頑張りすぎるな。怪我もお前のせいじゃねぇから、気にすんなって言っただろ?」

道明寺さんの視線が真っすぐすぎて痛い位だ。


___女と出掛けたこととかねぇから・・・

そうなの?
だからって、私、なんでこんなにホッとしてるの?

___頑張りすぎるな。

ずっと、頑張らなきゃと思ってたのに。
頑張らなきゃ、笑っていられないと思っていたのに。
そんな風に言わないでよ。
ほっとして、体から力が抜けちゃいそう。


「お前・・・・・どうした?」

道明寺さんが焦った様子で私の顔を覗き込む。
それは、私が涙をこぼしていたから。

「そんなに、ここの金払いてぇのかよ。ああ、悪かった。いいぜ、お前が払え。その代わり、次のところでは俺が払うからな?いいな?」

何で、涙が出るのか訳わかんない。
この土地に来てから、誰かの前で泣いたことなんてなかったのに。
ずっと我慢してたのに。
進の前でだって・・・。

「あー、もう、ゴメン。泣くな、な?」

何にも悪くないのに、謝りまくる道明寺さん。
ごめんは私の方なのに。


「私が払うから。」

手のひらで涙を拭いて、キッと道明寺さんを見上げた。

こんな私は可愛くないと思う。
道明寺さん、呆れちゃったかな。
だけど、この涙の意味は知られたくない。
だから、道明寺さんからかごを取り上げて、無言でレジに並んだ。



泣き止んだ私を見て、道明寺さんはほっとしたみたい。
私がお会計をしている間に店を出て、商店街を見物してた。

私がお店から出たときには、少し先のお店を覗いていて、

「おい、牧野。こっち来いよ。」

って、私の名前を呼んだ。

何を見ているのかなって中を覗き込んだら、そこは古くからある化粧品屋さんで。
資●堂の商品が定価で売っているようなお店。
私はいつもネットで買うから、こういうお店を覗くのは東京以来かも。

だけど、道明寺さんがこんなお店を覗くなんて・・・

「どうしたの?お化粧品?」

「ちょっと中入ろうぜ?」

「ええーっ!?」

何でっ!って文句を言う暇もなく、私は右手を掴まれていた。
道明寺さんが掴んだ右手が熱い。


「おい、バァさん。この口紅あるのか?」

道明寺さんが店員のおばさんに指さしたのは、ポスターの中の有名人の口元で。

「バァさんとはなんだい。ああ、彼女に買ってあげたいんだねぇ。あるよ~。買っておやり!」

あっけにとられている私の前に出てきたのは、ピンク色のリップ。
パールが入っているのかな?キラキラして、みずみずしい感じの綺麗な色。

「プレゼント用かい?」
「・・・ああ。」

おばさんがニヤニヤして、道明寺さんが照れている。

プレゼントって・・・誰に?
普通、ここで彼女にお土産とか・・買う?

熱いと思っていた右手が急激に冷えていく・・・
そっか・・・彼女、いるんだ。
そうだよ・・ね。

右手を外そうとしたんだけど外れなくて、私は足元を見つめた。

私・・バカみたい・・。
彼の一言に、いちいちドキドキしちゃってる。
深い意味なんてあるはずないのにね。


でも・・・

どうやら無事にプレゼントを買ったらしい道明寺さんが、私の前にピンクの紙袋差し出した。

「・・・え?」
「プレゼント。つーか、礼だ。」
「お礼?」

「1週間世話になるからな。それに・・・」
「それに?」

「メイクしてねぇとか言ったから怒ってんだろ?」
「・・・は?」

「俺はあんまり、ごてごてした化粧は好きじゃねぇから。これぐらいの色がいいんじゃねーか?」

これぐらいの色って・・・。
ポスターのモデルさんが付けている、ピンクのリップ。
自然な感じに明るくて、可愛らしい。

それが、私へのプレゼント。

あまりにもびっくりして、返事も出来ずにいたら、

「言っとくが、女にプレゼントなんて買うのは初めてなんだからな!文句とか言うなよっ!!」

なんて、耳まで真っ赤になっている。



「・・・ぷっ。」
「笑うなっ!」


だって、だって、嬉しいんだもん。
プレゼントをもらったことじゃないよ。


「ありがとう。」

その可愛い紙袋を受け取ったら、道明寺さんがふーって胸を撫でおろした。


道明寺さんが私のことを気に掛けてくれるのが、
なんだかくすぐったくて、すごく嬉しかった。


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Comments 4

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こんにちは(^^♪

いつもたくさんの応援をありがとうございます!
昨日はバタンキューで寝てしまいました。ちょっと復活ですが、週末はまた勉強会があったりで忙しいです。
さてさて、今日は、類君のお誕生日。総ちゃんから続く流れに、類君だけのせない訳にはいかないので、今こどもの習い事の待ち時間にぼちぼち書いてます(笑)。妄想は大体できてるから、あとは上手くつなげられるかなって感じです( ´艸`)。

さてさて、
こちらのお話はつくしちゃんにも闇が・・・

花●様
そうなのです。つくしちゃんも司に出会って、救われてほしいのです。先は長いなぁ・・・(^^;

スリ●様
おおっ!違いますが、そんな感じの過去を考えています。だけど、死んじゃいたいと思うほどの過去って・・やっぱりなかなか書きにくいですね(^^;珍しく?始めからつくしちゃんも惹かれてる・・・どうなるかな?たった6日の出来事に一体何話かかるのか・・まだ全く未知数です。

さと●様
司ってば可愛いっ!この人、副社長なんですよっ!( ´艸`)。初々しすぎるっ。でも、こういう司好きなんだよなぁ(笑)。まだまだ田舎のお話が続きます。どうぞお付き合いください!


さて、夜に、類君のお話をアップします。
こんなところで予告しても見ている人少ないのは分かっているんですけれど(笑)。モチベーションアップのため(笑)。時間の指定は難しいなあ。でも絶対に本日中に!
ではでは、また、夜に~(*^^*)

2018/03/30 (Fri) 17:03 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/29 (Thu) 16:57 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/29 (Thu) 10:04 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/29 (Thu) 06:10 | EDIT | REPLY |   

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