Happyending

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「お前が守りたいと思う恋の相手に俺がなる。
 だから、俺を好きになれよ。」


どれぐらい時間が経った?
牧野からの返事がねぇ。
俺たちはじっと見つめ合ったまま、次の言葉が互いに無い。

どんな重鎮との面談でも、ここまで緊張することはねぇっつーのに、今の俺はこいつの返事が怖くて、心臓の音が自分で聞こえちまうぐらいにバクバクいってる。しかも、めちゃくちゃ速ぇし・・。

まだか・・・返事はまだなのか?
つーか、そこまで悩むことなのか?
軽くショックを受けそうになった時に、


「それって・・・どういう意味?」

やっとのこと牧野の口からでた言葉は、YesでもNoでもなく、意味が分からないというセリフ。

あり得ねぇ・・・
これだけ伝えても分からねぇって、鈍感にも程があるだろ?
けど、だからって、もう後戻りはできねぇ。
ここはきっぱり強気でいく。
そうしないと、鈍感なこいつにはきっと一生伝わらねぇ!


俺はそっと牧野の右手を取り、両手で包み込んだ。
その小さな手に想いを託し、もう一度視線を上げた。

「俺は、お前が好きだ。出会って4日で何言ってんだって思うかも知れねぇけど、たぶん一目惚れだ。ここに来てから毎日が楽しい。この先も、お前とずっと一緒にいたいと思ってる。」

ここまで言ったら分かるだろ?
頼む、俺を切り捨てるな。

「うそ・・・。」
「嘘じゃねぇ。」
「じゃあ、夢?」
「昼間っから夢とか見んな。」
「じゃあ・・・」

「だからっ、俺はお前が好きで好きで仕方がねぇって言ってんだっ!!」

って、何で俺はでけぇ声とか出してんだ。
こいつがあまりに鈍いからっ。
ちくしょー!かっこわりぃ!!

牧野の驚いた顔。
マジで、そんなに意外だったのか・・?

「えっと・・・」
「何だよ。」
「・・そんなに怖い顔されたら言えない。」
「俺は元々こういう顔だ。」

もう、何でもいいから早く返事が欲しい。
例えNoだって、絶対に覆してみせる。諦めねぇ。

「あのね。色々聞きたいこととかあるんだけど・・・」
「・・・・何を?」

つーか、ここに来て質問とか要らねぇだろ。
早く、返事してくれよ。
この手はどうしてくれんだよ。
このままじゃ、心臓がもたねぇんだよ!

「でも、それは後でいいかな。あのね・・・」

「だからっ、何なんだよっ!!」

あー、もう、だめだっ!
心拍数が速すぎる。
俺は・・・死ぬ・・・・・


と、次の瞬間、真っ赤な顔をした牧野の究極の上目遣い。
それから、俺の手に牧野の左手が重ねられたのが分かった。

それって・・・


「私も道明寺さんが好き。一目惚れ・・だったみたい。」


マジ・・心臓が一瞬止まった。
いや、空気の流れも、何もかもが止まった様に感じた。

「へ・・・?」

この間抜けな声を出してんのは誰だ?
・・・・・・俺か?


モジモジしながら、俺をチラッチラッと見上げてくる牧野が強烈に可愛くて、

「出会って4日で何言ってんだって思うかも知れないけど、道明寺さんに出会ってから毎日が楽しい。あなたとずっと一緒にいたいと思ってた。だけど、現実にはそれって難しいよね。だって、道明寺さんは東京に・・って、・・うわぁーっ!!」

俺は思いっきり牧野の右手を引いた。
牧野が俺の胸の中にストンと落ちてきて、スッポリと納まった。


「すっげぇ、嬉しい!!マジ嬉しい!!死ぬっ!!」

「ぐえっ・・・くっ、苦しっ・・・」


俺の胸の中にはちっせぇ牧野。
こうして両手で抱き締めてぇと何度思ったことか。
予想以上に細い体がますます俺の庇護欲を煽る。
可愛くて、愛しくて・・・・

こいつも俺のことが好きだって・・・
やべぇ、俺、マジで死ぬ。


「しっ・・死んじゃ・・う・・・」
「俺も・・・」
「ちがっ・・・う・・・・」

何が違うんだ。
幸せ過ぎて死にそうだってことだろ?

牧野の髪に頬を埋め、この幸せにどっぷりと浸る。
これからのこともあるが、まずはこいつを堪能してぇ。

はぁ・・・すっげぇ、幸せ。

ますます両腕に力が籠る。
やっと捕まえたんだ。
絶対に離さねぇからなっ!


なのに、

カクッ・・・

え?
急に牧野が脱力した。


「おっ、おい、大丈夫かっ!?」

慌てて腕の力を抜けば、腕の中の牧野は息も絶え絶えの状態。
しまった・・・やっちまった。
嬉しすぎて、力入れ過ぎちまったのか。
けど、仕方ねぇだろ?女なんて抱き締めた事ねーんだよっ!


「はぁっ・・はぁっ・・・・私を・・殺す・・・気?」

「わっ、悪ぃ。つい・・嬉しくて・・・。」

「バカ力・・・。」

息を整えながら、小さく俺の胸を叩く牧野。
けど、本気で怒ってる様子はない。
俯き加減の彼女の耳が更に赤くなっていく。
そんな態度がくすぐったくて、どんどん幸せな気持ちになる。


あー、もうっ、

キスしてぇ。
キスしてぇ。
キスしてぇ。

だめだ、もう我慢できねぇ。


息が整ってきた牧野の顎を軽く持ち上げた。
怖がらせたくねぇけど、止まれねぇ。
好きな女に好きだと言われた。
これでキスの一つもしなけりゃ、男じゃねーよ!

怖がるな。怖がらないでくれ。

そのままゆっくりと牧野の唇に顔を傾けていく途中、
彼女の瞳が閉じられるのが分かった。



チュ・・・

軽く、啄むようなキス。
それを何度か繰り返す。

初めて触れる牧野の唇は、柔らかくて、めちゃ甘くて、
俺の脳細胞は一瞬にしてとろっとろに蕩けていく。


牧野の体から緊張が解けるのを感じて、
今度は深く口付けた。

長く・・・優しく・・・強く・・・・


そして、少しずつ開いた唇に、そっと舌を挿し入れた。
「んっ・・」と身じろぎをした牧野の背中を支えて、
そのまま牧野の舌を追いかけた。

牧野が俺のTシャツをきつく握ってる。
きっとキスに慣れてない。
そんな仕草も可愛くて仕方ない。


息継ぎをさせるため、ほんの一瞬だけ唇を離す。
その度にゆっくりと目を開く牧野の瞳が潤んでて、
もっともっとと乞われているようで、
何度も何度も、夢中になってキスをした。



幸せ過ぎて、時が過ぎるのも忘れていた。
やっとの事で牧野の唇を離した時には、辺りは夕闇に包まれていた。
牧野の表情はもうよく見えない。
けど、彼女の腕が俺の背中に回り、俺も彼女を抱き締めれば、
互いが互いを想っていることは明白で・・・

____これが、『両想い』


言葉なんて要らなくなった。
俺の腕の中に彼女がいる。
言葉にしなくても感じられる。

彼女も俺のことが好きなんだって。

それに、この距離がもたらす安心感は半端ねぇ。
心臓が、やっと普通に動き出した。



生まれて初めての両想い。

キスしたってだけなのに、
俺は確実に、世界一幸せな男になった。


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いつもたくさんの応援をありがとうございます。
やっとここまでたどり着きました(*^^*)
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Comments 5

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Happyending  
こんばんは~☆彡

いつもたくさんの応援をありがとうございます。
もう、深夜2時ですよ・・とほほ。地域の仕事に予想以上に体力を削られ、晩御飯作ったらいったん倒れて寝てしまい、起きたらもう0時。うっそーっ!そんなわけで、こんな時間にお返事を・・(;^_^A 

やっとのこと両想いになりました~。パチパチパチ!ここまで長かったです。

花●様
やっとですよ~。はぁ。司、可愛い感じになっちゃった( ´艸`)。そうなんですよ、まだまだ色々問題ありなんですよ。そのあたりがですね~。ぽいってしちゃいたい(笑)!

と●様
えへへ。幸せ気分になれますよね~!両想いなんて、書いてる私もなんかくすぐったいです( ´艸`)

スリ●様
やっぱり司は押せ押せで行って欲しいですよね!ここまできて、つくしちゃんも逃げないでほしい!という気持ちで書きました。ここからの展開を、ちょっと迷ってる・・。当初考えていた展開と変えようかな・・とか。このままでいこうかなとか・・。でも、もう、今は頭が回らーんです(;^_^A とりあえず両想いになって、ホッとしました~(*^^*)

さと●様
司も鈍感( ´艸`)。ですね。さて、ここからどうしようかな~(;^_^A

ぴ●様
えへへ。楽しんで頂けて良かったです(*^^*)続き、もうちょっとお待ちください~。

he●様
お久しぶりです!私も1,2は仕事です。他は地域の仕事がメインかな。司君の控え目な行動(笑)。そろそろ本領発揮させていきたいです!( ´艸`)。


さてさて、日常に体力を削られ、先の展開を妄想する時間がなかなか取れません。
続き、もう少しお待ちください!
こんなGWならなくてよかったなって位に、体力がいる連休になりそうです(涙)。

2018/05/01 (Tue) 02:23 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/30 (Mon) 18:08 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/29 (Sun) 07:39 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/29 (Sun) 06:54 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/29 (Sun) 05:30 | EDIT | REPLY |   

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