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Happyending

Happyending

ザーッ___


身に着けていた服を脱ぎ、一本に纏めていた髪を下ろして、
あたしはシャワールームに飛び込んだ。

バクバクバクバクッ......
心臓が破裂しそうっ!!


リムジンの中で、あたしはずっと師匠の膝の上に抱きかかえられていた。
何度も唇を合わせて、お互いの唾液を呑み込んで、
言葉なんて要らなかった。
あたしの頬に感じる大きな手から、熱い唇から、
あたしたちが求め合ってるのが分かったから。

だけど、ふっと目を開けた時に見てしまった師匠の視線に、心臓が止まりそうになったの。


あんな顔するんだ......

少し眉根を寄せて、少し苦しそうで・・
あれはたぶん、師匠の男の顔。
あたしのこと、今すぐ欲しいって伝わってきた。
だけど、ギリギリ我慢してくれてる。
今にも襲い掛かってきそうなのに、だけど怖くないの。

不思議・・・
この人を、幸せにしてあげたいって、本当にそう思った。


もう怖いことなんて何もない。
師匠と離れ離れになること以外に、あたしに怖いことなんて無い。
それを今日、痛感した。

あたしが師匠にしてあげられること。
それは、あたしの全部で師匠を愛してあげること。
それなら、今日がいい。
こんなに怖い思いをしたこの日を、素敵な思い出に塗り替えたい。
師匠にも、辛かったことを忘れて欲しいんだ。


このエグゼクティブスイートまで戻ってきて、
師匠はあたしを抱きかかえたまま、まっすぐベッドルームへ入り、大きなベッドにあたしを降ろそうとした。

けど、そこでストップをかけちゃったのは、焦らしたんじゃないの。
だって、初めてなんだよ?
少しでも綺麗な体で抱き合いたい。
それに、ちょっとだけ気になることがあったから。


シャワーを浴びながら、鏡に映る自分の体を眺めてた。


___やっぱりなぁ・・・


結構酷い。
先生の診察の時には自分で確認できなかったけど、痣があるのは分かってた。
だけど、こんなに酷いなんて。
あの黒服の男に蹴られた時の赤黒い痣が、胃のあたりに広がってる。
ちょっと押してみると、

「痛っ・・・」

立ったり歩いたりすると痛むし、押してみてもやっぱり痛い。
はぁ・・・どうしよう。
痛いのは我慢できるけど、こんなの師匠に見られたくないよ。

電気を暗くすれば分からないかな。
ああ・・・どうか、師匠に気付かれませんように・・・



丁寧に体を洗って、シャワールームを後にした。
バスローブに着替えて髪をタオルドライする。
肩甲骨の下まで伸びてる黒髪は一度も染めたことがない。
師匠はあたしの髪が綺麗だって言ってくれた時から、この髪の毛はあたしの自慢なの。
その黒髪を、あたしはじっくりとドライヤーで乾かした。


___カチャ


バスルームを出ると、


え?


扉のすぐ横の壁に寄りかかっている、バスローブ姿の師匠がいきなり目に入ってきた。
別な部屋のバスを使ったようで、まだ濡れている髪には軽くウェーブがかかってる。


「遅ぇ。心配するだろ。」
「ごっ.....ごめんね......きゃっ!
 あっ、歩けるからっ!」

当然のように抱き上げられっちゃった。
ベッドは目の前なのにね.....クスッ。

「随分余裕だな。何笑ってんだ。」
「笑ってなんか......」

笑ってなんかないけど、師匠のほうがいっぱいいっぱいな感じがするんだもん。
そうさせているのが自分なんだって思ったら、なんだか可笑しかっただけだよ。
そんなにもあたしのことを想ってくれてる。


ポスンとベッドに降ろされた。
あたしの隣にはバラの花束。
師匠が、あたしのために用意してくれたバラは真紅。
花言葉は___「あなたを愛しています」

嬉しかったんだよ。
この花束を見た時。
だから、初めては絶対ここでって思ったの。


「帰ってきたね。」
「だな。なげぇ一日だった。」
「.......そうだね。」

凄く怖かったけど、師匠への愛を確認した日。
特別な日だよ。


「ねぇ。ショーンは無事だよね。」
「ああ。」
「あの人は?師匠のSPの人。あの人があたしとショーンを守ってくれたの。」
「怪我して入院してる。けど、命に別状はねぇ。」
「良かったぁ......。」

そう言ったあたしに師匠が急に不機嫌顔になって、
あたしに覆いかぶさった。

「こんな時に他の男の話とかすんな。」

そんなことを言うこの人は、怖いぐらいの美形で、
誰もが振り返るぐらいにカッコよくて、
たぶん、望めばどんな女性だって手に入れられる。

だけど、彼の瞳にはあたししか映ってないの。
可笑しいよねぇ。

「.....プッ」
「笑うなっ。」

師匠はどうしてあたしのことが好きなんだろう。
こんなに素敵な人なのに。
けど今は、そんなことはどうでもいい。
彼はあたしが好きで、好きで好きで堪らない人なんだから。


「お前は大丈夫なのか?」
「......え?」
「腹、蹴られたって聞いた。」

ドキッ。
彼の真剣な瞳は笑ってない。
そんな目を見てしまうと、あたしは嘘がつけなかった。

「うん......ちょっと、痣があるけど......えっと、だから、電気消してくれる?」

「.........。」

「師匠?恥ずかしいから....って、あっ、やだっ!!」


あっという間に、師匠の長い手で、
すっとバスローブの紐が解かれた。








彼女のバスローブを一気に解いた。
抵抗しようとした彼女の両手をベッドに縫い付ける。

初めて見るプルンとした白い胸。
その先端にはピンク色の頂。

そして、その下に.........赤黒い痣が見えた。


「くそったれがっ!!」
「師匠っ!?」

右手を牧野から離し、ドスッとスプリングを殴りつけると、牧野が体がボワンと跳ねた。
そのまま彼女を抱きしめてゴロンと転がった。
自分が情けなくて仕方ねぇ。
こいつに辛い思いをさせたくせに、それでもこいつから離れられない。


「ごめんな、怖い思いさせて。」

天井を見ながらそう呟くと、俺の胸から顔を出した牧野が不思議そうな声を出した。

「どうして師匠が謝るの?」
「お前を守り切れなかった。」
「そうじゃないよ。」

金子なんかじゃねぇ。
俺がお前を守りたかったんだ。
誰にも指一本触れせたくなかった。

なのに・・・

「自分が許せねぇよ。」


じっと俺の顔を見つめていた牧野が、ゴソゴソと動き、両手で俺の頬を包んだ。

「師匠のせいじゃない。
 それに、師匠はあたしを助けてくれたでしょ?」

そのまま俺を引き寄せて、俺の唇にキスをくれた。


「怖かったよ.....でも、」

「でも?」

「これから......司さんが、ここで素敵な思い出をくれるんでしょ?」



ああ.....マジで完敗。
腹をくくった牧野は最強だ。

絶対に手放せねぇ。
だから、幸せにしてやる。
それしか、俺に出来ることは無い。


「ああ......必ずな。」

宣戦布告だ。
このメープルで、辛い思い出なんて持って欲しくねぇ。
そんな記憶を吹っ飛ばすぐらい、熱い夜にするから・・

「覚悟しろよ。」
「うん。」



もう一度牧野の上にのしかかり、彼女の腰を引き寄せて、
腹にある痣にキスをした。

「ひゃっ!」
「痛いか?」
「ううん.....くすぐったい。」


こいつが無理してるのだって分かってる。
けど、誰よりも幸せにするから・・・


「愛してる。」
「あたしも、愛してる。」


絡みつくような激しいキス。
もうここからは絶対に止まれねぇ。


彼女の首筋に顔を埋めると、
そこに広がる甘美な香りに
俺はもう何も考えられなくなった。



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いつもたくさんの応援をありがとうございます。
どうしてもつくしちゃんの怪我が気になって先に進めず・・
早めにもう一話・・のつもりでいます(^^;)
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Posted by

Comments 5

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Happyending  
Re: タイトルなし

さと●様
コメントありがとうございます(*^^*)
>>もう二度と会えないかもしれないという恐怖を味わったからこそ離れがたく

そうなんです。
互い離れたくない。離れられない・・・
はぁ~羨ましいです(*´▽`*)

そして続き、だいぶ書いたので、絶対に今晩に!
もう少しお待ちを~( *´艸`)

2018/08/11 (Sat) 19:46 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/11 (Sat) 14:57 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんにちは~(*^^*)

いつもたくさんの応援をありがとうございます。
焦らし過ぎて怒られちゃうかと思いました(;^_^A
温かいお言葉ありがとうございます(*^^*)

花●様
そう言って頂けてほっとします。ありがとうございます(*^^*)。
そんな風に言ってもらっちゃうと、私が涙出そう・・( ;∀;)
続き、夜には行けそうです(笑)。不安を払拭した二人の熱い夜をどうぞお楽しみに( *´艸`)

スリ●様
そうなんですよ。低体温は直っても、体に傷が残ったままっていうのがどうにも気になって。きっと司も心配だろうなぁと思ったら、筆が進まなくて・・(;^_^A でも、またまたつくしちゃんが点火したようですよ?(笑)。坊ちゃん、ここは頑張ってもらわないと・・ですね! 二人には絶対に幸せになってもらわなきゃですよね~(≧▽≦) 今頑張って書いてます(笑)。 ちょっと鬼畜入っちゃいそうで、何度も直してる(笑)。


さてさて、午後は用事があったりしますが、夜には投稿したいと思います。
間違いなくRなので、絶対に夜!(笑)。
続きもう少しお待ちください(*^^*)

2018/08/11 (Sat) 12:08 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/10 (Fri) 21:55 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/10 (Fri) 17:47 | EDIT | REPLY |   

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