花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

「メリークリスマス。つくし、素敵な夜を!」
そんな風に明るく見送られて、俺と牧野はケビン夫妻の自宅を後にした。
そして向かったのは、ニューヨークの道明寺邸。
リムジンの中で、ポツポツと牧野が話す今までの経緯は、大体俺の予想と同じだった。

「俺の気持ちはあの日から何も変わらない。」
そう話すと、彼女が安心したように微笑んだ。


「ここは?」
あいつが、心配そうに見上げてくる。
「俺んち。」
俺は、ずっとあいつの手を握り続けていたが、その手が震えるのが分かった。
「大丈夫だ。」



夜9時を回り、ババァが帰宅したと連絡を受けた。
話があると連絡はつけていたから、あいつの手をとったまま、ババァの執務室へと向かった。

コンコン。
「どうぞ。」
とババァの声。

入ろうとした瞬間に、あいつの右手を握っていた俺の左手に自分の左手を添えて、あいつが俺の手を離した。
「大丈夫だから。」
そういうあいつの表情に、覚悟が見えた。

おそらく俺だけだと思っていたのだろう。
二人で入室した俺たちに、ババァが一瞬、表情を強張らせたが、さすがは鉄の女、すぐに表情を整え、
「お掛けになって。」
とソファを勧めた。
俺と牧野、向かい側にババァが座った。

「それで、用件とは何かしら?」
「彼女と結婚しようと思います。」
俺はきっぱりと言い放った。
「何を馬鹿なことを。あなたはまだ学生です。そんなことが許されるとでも?」
「彼女のお腹の中に、俺の子がいます。」

冷静さを取り繕っていた、ババァの表情が変わった。
「なんということ・・。あなた、いったい・・。」
「どういうことなのか、説明なさい!」

俺は、この夏の出来事を包み隠さずに話した。
隣の牧野は、両手を握りしめて、じっと俺の話を聞いていた。
話が終わり、
「つまり、大河原が道明寺を陥れようと画策したということね。」
とババァが結論づけようとした時、

「そうじゃありません。」
と牧野が口を開いた。
「道明寺を陥れるなんて、そんなことを滋さんが考えていた訳じゃありません。
ただ、滋さんにはずっと想い合っている方がいたんです。」

「たとえ、どのような理由があったにせよ、現にあなたは司に近づき、妊娠した。
このことが、道明寺財閥にどれだけの影響を及ぼすか、考えたことがおあり?」

「あたしは・・」
「俺の存在が道明寺にとって都合が悪いのであれば、俺が道明寺を出ます。」
「道明寺!」

その時、ババァが立ち上がり、バシッ、と俺の頬を思い切り打った。
「馬鹿なことを。」
「俺は本気です。彼女と一緒になれないのであれば、道明寺を出ます。」

それから、ゆっくり口を開いた。
「俺がニューヨークに来たのは、いつか彼女と再会するためです。彼女と約束をしていました。俺が、道明寺の後継者として成長したら、会いに来てくれると。しかし、大河原滋が別人だと知って、俺が彼女を探して会いに行ったんです。彼女が妊娠していることは今日初めて知りました。
お母さん、最愛の人を幸せにできずして、他にいったい何ができるというのですか?彼女と一緒になれないのであれば、俺がここにいる意味はない。」


しばらく沈黙が続いた。
その後、ババァが言った。
「つまり、あなたは、彼女と一緒になるためであれば、道明寺にその身を捧げる覚悟ということね。」

「はい。彼女のためなら、どんなことでもやり遂げる覚悟です。」
俺は迷わず頷いた。

それから、ババァは牧野に向かって話し始めた。
「牧野さん、とおしゃったわね。」
「はい。」
「大学は?」
「永林大学の法学部2年です。現在はニューヨークの姉妹校に留学中です。」
「ご両親は何をしていらっしゃるのかしら?」
「父は会社員、母はパートをしています。」
ババァが驚く。
それは牧野が予想していたようで、
「永林大学の特待生枠で入学しました。ですので、授業料は免除だったんです。
大学の推薦でこの留学も決まりました。うちには、留学するようなお金はありませんから。」

ババァはしばらく考え込み、そしてこう言った。

「あなた方の身柄を、3年私に預ける覚悟があるのであれば、この結婚を認めましょう。しかし、その間、あなた方に自由はありません。」
「これはビジネスです。一晩考えてもらって構わないわ。」


俺と牧野は顔を見合わせた。
でも、最初から覚悟は決まっていた。

「一晩も必要ありません。条件をのみます。」



*****



ババァとの話し合いが終わり、俺たちは部屋に戻った。
「大丈夫か?」
と牧野に聞いた。
「うん。」
緊張が解けたようで、少し笑顔が見られた。


互いにシャワーを浴び、今までのことを振り返ることはせずに、今後のことを話し合った。
これからの人生を二人で歩んでいくために、今やるべき事に集中する。
けれど、今後どんなことがあろうとも、二度と離れないと誓った。


相変わらず、キスには慣れていない牧野。
「少し、口開けろっていっただろ?」
「もうっ、・・んんっ」
文句を言おうとした、あいつの口に舌を滑り込ませた。
しばらく、キスを堪能し、あいつを抱いてベッドに入る。

「道明寺っ、あのっ。」
焦る牧野。
「分かってる。ただ、抱きしめて眠るだけでいいんだ。」
そう言って、あいつの体を大切に、大切に抱きしめて、眠りについた。


やっと彼女が俺の元に戻ってきた。
その安堵感に浸りながら、ニューヨークで一番幸せな夜を過ごした。



 

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  1. 初恋
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

いつもありがとうございます^ ^

  1. 2016/10/12(水) 17:00:35 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
半分ぐらいまでは、皆さんからのブーイングがいつ来るかと、ドキドキしながらアップしていましたが、最近ではこんなお話も好きだというコメントも頂けていて、ホッとしています。
残り2話は私的にはかなり安心してアップ出来る内容です(笑)。
お楽しみに(^ ^)

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  1. 2016/10/12(水) 06:17:58 |
  2. |
  3. [ edit ]
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