花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

ババァとビジネスの契約を交わした。
牧野との入籍を許可する代わりに、3年間はその事実を伏せること。
そして、その3年の間に、俺にはたくさんの課題が用意された。
今までどおり、学業と仕事を両立させるのは当然のこと、今まで避けていた、会社回りやパーティーへの参加、いわゆる接待もこなした。
南米での資源開発プロジェクトは、俺が指揮をとることになり、3年で結果を出すように言われている。
今まで以上に、壮絶な忙しさに追われ、眠る時間がない日も続いた。
それでも俺は、この生活が辛くはなかった。
この先には、あいつとの人生が待っていたから。


*****


道明寺のお母さんと契約を交わした。
道明寺との入籍は極秘に行われた。
もちろん結婚式なんてできなくて、道明寺が用意した結婚指輪をお互いにはめただけだったけれど、これ以上の幸せはないと思った。
お互いに指輪をはめ合いながら、道明寺が、「絶対に幸せにするから」と約束してくれた。
唯一、日本にいる家族には連絡を入れることができた。
もちろん、とても驚いていたけれど、絶対に内密にしてくれというあたしの願いを家族も理解してくれた。
大学は、永林から英徳大学の提携校に転校した。
さすが道明寺ホールディングスの社長の一声で、取得単位はそのままでの転校ができた。
大学はロサンゼルス。
ニューヨークにいる道明寺とは離れて生活をすることになった。
転校に当たって、ケビン夫妻とはお別れをすることになったけれど、二人はあたしの幸せを願って、笑顔で送り出してくれた。
滋さんには一度会えたんだけれど、その時にはすでに滋さんと鷹野さんは、私たちの成り行きを知っていた。
どうやら、お義母様が、滋さんと鷹野さんには口止めをしたらしい。
「これでおあいこね。」
と言われ、二人で涙ながらに抱き合った。


ロスでは、道明寺のお姉さんである、椿さんの嫁ぎ先に身を寄せることになった。
椿さんはとても気さくな方で、あたしとの同居を喜んでくださった。
お姉さんにはまだお子さんがいなかったこともあり、あたしの妊娠を喜び、あたし以上に出産準備に気合が入っていたのには驚いたけれど、とっても嬉しかった。

道明寺とはほとんど会うことができない日々が続いた。
でも道明寺は道明寺でやるべきことがある。
少なくとも3年は余裕がない生活になると分かっていたから、覚悟はできていた。
毎日とはいかなかったけれど、電話をくれたし、苦手だと言っていたメールも送ってくれた。
あたしは、大学に通いながら、お義母様が課した花嫁修業をこなした。
庶民のあたしが、道明寺家の嫁として世間で恥ずかしくないようにと用意されたプログラム。
これから先、道明寺と並んで生きていくために、今できることは何でもしたかった。
将来は弁護士になる夢もあきらめてはいない。
けれど、まずはこの子を無事に産むこと、それから道明寺を支えていくことがあたしの目標になった。


春になり、滋さんから、女の子が生まれたという報告が入った。
メールに添付された、写真をみるとすっごくかわいい。
あたしにももうじき赤ちゃんが生まれるんだと思うと、期待と不安で胸がいっぱいだった。
道明寺に会いたいな・・。
少しだけでも、会えないかな。



5月になり、お腹の張りで目が覚めた。
陣痛?
メイドさんに報告すると、すぐに椿お姉さんが飛んで部屋へ入ってきて、病院へ行く準備を進めてくれた。
まだお邸で様子をみれるぐらいかなって思ったんだけれど、お姉さんが強引に病院へ連れて行った。

すぐに入院許可がでて、当然のように豪華な個室にはいり、陣痛との戦いが始まった。
病院に来た当初は、お腹の張りはあっても、全然我慢ができないなんてことはなかったんだけれど、時間が経つにつれて、痛みが強くなってきた。
アメリカは無痛分娩が主流だから、あたしもその予定でいたんだけれど、今ぐらいの痛みではまだ、麻酔は使わないと言われて、驚いた。
十分痛いよ。

「初産ですから、もう少し時間がかかりますよ。」
そう言われても、お腹が痛くて痛くて、涙が出てくる。
出産ってこんなにつらいの?
お姉さんに励ましてもらっても、どうにもならず、なんども痛みの波をしのぎながら、道明寺に連絡しなくちゃって思うんだけれど、とても体が動かせない。


痛みに無言で耐え続け、入院してから、6時間が経過した頃、
突然、バタンっと、大きな音がして、ドアが開いた。
汗まみれのまま、うつろな目をドアに流すと、そこには道明寺の姿。
幻?

肩で息をしながら、あたしに話しかけてくる。
「おい、大丈夫か。しっかりしろ!」
とあたしの手を握ってくれる。

ほっ、本物だ~!!
「あーん。道明寺っ。痛いっ、痛いよ~。」
あたしは、今までの我慢が水の泡っていうぐらいに、ボロボロと涙を流してして騒いでしまった。

すると、
『おい!医者を呼べ!麻酔はどうしたんだっ!』
と大声で怒鳴る道明寺。
すぐにスタッフが集まり、部屋が騒がしくなった。

あまりの道明寺のパニクリ様に、あたしの方が冷静になる。
「どっ、道明寺。麻酔は、もう少し後じゃないと、逆にお産が長くなるんだって・・。」
と説明をはじめたのに、

次のナースからの一言に驚愕した。
「子宮口、全開大です。このまま出産に入ります。」

どういうこと?
麻酔は使わないの?
えっ、えっ?

その場で出産体勢が整えられ、道明寺に手を握られながら、
あたしは、男の子を出産したのだった。



~・~・~・~・~・~



「お前さぁ、馬鹿じゃねぇの?痛いなら、痛いって言わねぇから、お産が進んでないと思われてんだろうが。」
「だってぇ。」

まさか、すでに出産直前だったなんて。
初めてなんだもん、分かるはずないじゃん。

結局、あたしは麻酔なんか使われる余裕もなく、出産した。
あたしの腕の中には、可愛い可愛い、道明寺の分身。

「可愛い・・。無事に生まれてくれて良かった。」
「お疲れさん、つくし。」



道明寺は、あたしの陣痛が始まると同時にNYへ知らせが入り、すぐさま自家用ジェットに乗って駆けつけてくれたらしい。
「道明寺、仕事は大丈夫なの?」
「あぁ、ババァが代行してくれてる。」
「お義母様が?」
あたしは、じんわりと心が温かくなるのを感じていた。

「お前、いい加減、道明寺呼びはやめろよ。」
「あっ、うん。椿お姉さんにもそう言われているんだけどね。なかなか・・ね。」
そう言いながらも、あたしも、道明寺に言っておかなくっちゃ。


「駆けつけてくれて、ありがとね。司。
司の赤ちゃんをだっこできて、すごくうれしい。」
彼が、目を見開いて、それから本当に嬉しそうに笑った。



 

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明日で最終回です。
結構気に入ったラストになったので、是非読んで欲しいです。
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  1. 初恋
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  1. 2016/10/13(木) 08:15:41 |
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  1. 2016/10/13(木) 07:55:39 |
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  1. 2016/10/13(木) 06:28:23 |
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