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Happyending

Happyending

このお話は『ステータス』のその後です。
昨日仕事帰りの電車の中で、今日って総二郎のBDだったんだなぁと思いながら、去年はステータス書いたことを思い出したら、懐かしくなってつい書いてしまいました。
久しぶりの総二郎目線( *´艸`)
BDには間に合いませんでしたが......(;^_^A
Congratulations, Sojiro !!
せっかく書いたので投稿!(笑)
***






「それでね、つくしさん、この方はどう思う?」
「すごっ、綺麗な方ですね~。」
「そうでしょう?そう思うでしょう!」
「本当に~。」

「じゃあ、こちらは?」
「うわっ、東大卒の才媛。しかもピアノコンクールで入賞。ひゃーっ!」
「そうなの。ご両親共に入省されていて、身元もしっかりした方でね。」
「へぇ、すごーい。」

「それでこちらはね。」
「はい.....って、えーっ?これ、滋さんっ!?」
「そう、大河原滋さん。つくしさんの友人でもあるわよね。大河原財閥の一人娘で、経済力では右に出る方はいらっしゃらないわね。」
「でも、滋さんと西門さんじゃ.....ブッ」
「何かおっしゃった?」
「えっ、いえいえ」

「それから、こちらはね?」



って、いったい何の話をしてやがる。
西門の本宅の和洋室。
お袋が気を許した人間しか通さねぇその部屋に招かれているのは、牧野・・・・・いやいや、ちがう、あいつはもうとっくに『道明寺つくし』だ。

すでに妊娠8か月の牧野(俺たちは未だこう呼んでる)が、随分とでかくなった腹を撫でながら、リラックスした様子で椅子に座り、お袋自慢の茶菓子を食いつつ、お袋の無駄話をうんうんと茶をすすりながら聞いている。



「でねっ、聞いて頂戴!!」
「はっ、はい!!」

すっげぇ、鼻息荒い俺のお袋。
おいおい、今度は何なんだ?

「総二郎さんったら、どなたもイマイチだって言うの!」
「.........はぁ。」

「こんなに素敵な方々なのに、全員惹かれないだなんて......
 この方なんて、やっとお見合いにまで持ち込んだのに、
 つい先日先方からお断りの電話が......
 本当に、どういうことかしらっ」
「まぁ、まぁ、おば様。」

ずずっと牧野がハーブティーを啜り、「おいしー」と呟いた。



道明寺夫人になり、腹がでかくなってからも、うちで茶の稽古を続けている牧野。
安定期に入った頃から、お袋は何かって言うと稽古終わりの牧野を捕まえて、こうして俺の愚痴を言うのが楽しみらしい。俺はまだ結婚する気なんてねぇのに、お袋は暇なのか、相変わらず隙を見ては縁談を持ってくるからうぜぇ。
牧野はというと、邸に帰ると必要以上に過保護な指令を出してるバカのおかげで、無理やり安静を強いられるのを嫌って、時間ギリギリまでここにいて、お袋の愚痴に付き合ってるってのが最近の金曜午後の風景。


じゃあ、俺はっていうと?
今日は牧野の指導の後は、雑誌の取材が入っていて、ついさっき終わったところだ。

もう夕方5時だし、さすがに牧野は帰ったよな?と、ひょいっとこの部屋に近づいてみると、まだ牧野はうちにいた。
それで、思わず立ち止まり、そんなつもりじゃなかったが聞き耳を立ててる状態。



「まさか先方からお断りされるなんて、この西門にはあってはならないことよ。そう思わない?つくしさんっ!!」
「でも、その方って、以前からずっとお付き合いをされている男性がおられたとか......」
「まぁっ、それは本当なの?どなたからの情報?」
「えっ......えっと、西門さん本人です。」
「あの子ったら、そんな大事なこと、この私に一言も言わず!それならそうと言って下さればいいのに.....」
「西門さんはすぐカッコつけるから~。」
「..............はい?」
「いえいえ、西門さんはかっこいいなぁって、あは。」


牧野の奴、適当なこと言いやがって。
そもそもなんでこんな話になってんだっつーの。

そもそも縁談が避けられなくなった時に、どうにか破談に持ち込もうと俺は司に相談した。
あいつんちの情報網が一番早くて確実だから。
司が探ってきた女側の情報がさっきの話。
実際には『あの女は未婚で子供を産んでる』っていう極秘情報。
それを受けて、俺は見合いで、女と二人きりになった時に言ってやった。

『子供を産む位に好きな男がいるんなら、縁談なんて受けるべきじゃない。俺はそう思います。』

それで彼女のなかで何かが動いたのか、
出産歴がバレて焦ったってのが本音か、それは分かんねぇが、
両親を説得し、向こうから縁談を断ってきたって訳。
お袋はもちろん事実なんて知らねぇし、牧野は裏で道明寺の情報網が働いていたことなんて知らない。
司はそういうこと、絶対に牧野には言わねぇからな。





「はぁ.....そういうことなの。残念だわ。」
「そんなに落ち込まれなくても大丈夫ですよ~。あ、ありがとうございます。」

お袋は残念だ残念だと言いながら、ティーポットを持ち、牧野のカップに茶を注いでる。
妊娠中の牧野を気遣ったローズヒップティー。
これが仮にも裏千家西門流の家元夫人かよ。
牧野が来るとすっかり気を許して、なんだか楽しそうなんだよな、お袋。


「私、子供は男ばかり3人でしょう?」
「そうですね。」
「つまらないのよ。娘が一人もいないの。祥一郎さんは未だ独身でバリバリと医師として働いているし、孝三郎さんはまだ学生で、あの子はまぁ、自由人ですから期待はしませんが.....」

「西門さんに期待されているんですか?」
「だって、羨ましいのよ!」
「へ?」
「楓さんったら、もうお孫さんが出来るのね。しかも、跡取りができるだなんてっ!!」
「ぐふっ」


牧野の腹の中の子供は男の子らしい。
先日司に電話した時に「よかったじゃん」って言ったら、「男だろーが女だろーがどっちでもいいんだよ。あいつが無事に産んでくれたらそれでいい。」って、相変わらず牧野至上主義。「ま、あいつと俺の子なら可愛いに決まってるし、性別とか関係ねぇ」とか言ってたが、可愛いかどうかじゃなくて、やっぱ気になるもんじゃねーの、跡継ぎとかそういうことって。当然司の立場なら。

けど、子供の性別なんて司にとってはマジで重要じゃないらしい。司はまだ腹の中にいるガキをすでにライバル視してるのか、「俺も産休とる」とか、「ガキの誕生日は社を休日にしようと思ってんだ」とか、とても道明寺HDの次期総帥とは思えない発言を連発して、牧野に激ギレされていた。



「司さんには負けないと思っていましたのよ?」
「何をですか?」
「何って、もちろん結婚よ。まさか司さんがあの4人の中で一番乗りだなんて、ショックだったわ。」
「ええーっ!?」

流石の牧野もドン引きか?
お袋もお袋だ。
こいつはこれでも、一応司の妻だぞ?

「司さんって、中学・高校と荒れていて、本当にどうしようもなかったでしょう?楓さんも苦労されるわ......と密かに同情していたのよ。」
「まぁ、確かに。赤札とか貼っちゃって、相当悪いヤツでしたよね。でも、正直4人とも大差ないっていうか。あ、すみません。でも、やっぱりあいつが一番悪だったかなぁ。あたしもあいつと結婚することになるなんて、夢にも思いませんでしたし。」
「でしょ。」

おい、待て待て。
司はお前の旦那だろーがっ。
少しぐらいフォローしろよ!!


「でもねぇ。」
「はい?」
「まさか、司さんがこんな素敵なお嫁さんをもらうなんてねぇ‥‥」

お袋...........おかしくねぇか?
お袋だって、大学時代の牧野を見て、『どこの馬の骨』とか言ってたくせに。

「あたしのことですか?」
「そうよ。つくしさんは立派に道明寺家を支えているじゃない。社交界でもあなたの話題で持ちきりよ?
道明寺家は気取らず気さくな良いお嬢さんを選んだものだって。あなたと結婚した司君の株まで上がってるもの。凄いことよ?」
「そんなことないですよ。」

「愛を感じるのよねぇ。」
「ええっ!?」
「嫁ぎ先に対する愛?今時そんなお嫁さんいないわよ。だからみんな、あなたに惹かれるのね。協力したくなるんだわ。それって凄い才能よ?つくしさん。」


牧野が道明寺家を支えてる?
たしかに、社交界に出た牧野の評判はうなぎのぼりだ。
年寄りたちには気に入られ、うちのお袋もそうだが、おばさん連中は牧野を娘の様に可愛がっている。
まぁ、未だに司を狙おうとしているバカな女どもの敵にもなってはいるが、そんなの司がひねりつぶして終わりだ。
背伸びをせず、できないことはできない、知らないことは知らないと、はっきり言える強さを持った、
素直で、明るい妻。こう見えて、社交界では司を立てることを忘れない。
陰では相当努力をしているんだろうが、そんな様子は微塵も見せない。
それは、バックで支えている夫の司の存在が相当デカいんだろうけどな。



「おば様。」
「はい。何かしら?」

微妙に変化した牧野の声に、俺は一瞬ドキッとした。

「こんなことを言ったら、道明寺のお義母様に怒られちゃうかも知れませんけど.....」
「まぁ、なにかしら?」

お袋は興味津々で、身を乗り出した様だ。
俺もちょっと興味が湧いてる。
こいつが何を言い出すのか?

「あたし、道明寺家を支えようだなんて、これっぽっちも考えていません。」
「......えぇ?」

「あたし、はっきり言って道明寺家なんてどうでもいいんです。」
「つくしさん?」
「別に潰れちゃったって、一文無しになったって、どうでもいいし。」
「急にどうしたの?」

「んんん......と、つまり、あたしが大切なのは夫なんです。実際、会社がつぶれちゃったらあいつ困るだろうし、周りからいろいろ言われちゃうし、しかもあたしのせいだとか言われちゃうのは目に見えてるし、それって司が辛いだろうから。だから、あたしは自分のできることはがんばろうって思うんです。財閥のためじゃないんです。夫の、司のためです。」

お袋は声も出せないぐらいに驚いている様だ。
そして、俺も同じ。

「たぶん、あいつはあいつで、あたしの為だって言うんだろうけど......」


それはたぶん正解。
司が道明寺HDで役員なんて立場で結果を出し続けてるのは牧野のためだ。
仕事がうまくいかなければ、牧野が糾弾されかねない。
だから恐ろしいぐらいの集中力で仕事をさばいてる。
実際、仕事に手を抜いたりしたら、牧野に蹴り返されるだろうし。

つーか、この二人。お互い様って奴。
互いに根っこの部分は同じ。
すっげぇ愛し合ってる。
お似合いだよ!本当に!



「そう......そうなのね。」

「西門流とか、家元とか、そういうものじゃなくて、西門総二郎という男性を本気で好きになる女性が、いつかきっと現れます。たぶん、西門さんは、そういう女性が現れるのを待ってるのかなぁって、あたしはそう思います。」


・・・・・参った。
こいつは時々、すげぇ確信を突く。

牧野の言う通り。
俺はまだ、俺が本気で愛したいと思うほど、俺のことを愛してくれる女に出会っていない。
そんな女に出会えたら、俺はきっと迷わない。
伊達に色んな女を見て来た訳じゃない。
運命の女に出会えたら、俺は瞬時に見抜くだろう。
こいつだっ、この女だって。
そしてその時には、司ほどみっともねぇことはしないだろうが、必死でその女を捕まえるに違いない。


超鈍感女なくせに、こういうところは案外鋭い牧野。
照れ屋なくせに、急に大胆な発言をする。
こういうところが司を虜にして離さねぇのかな。
ギャップ萌え?ちょっと違うか?

司もこいつに出会って相当変わったが、
牧野も、司に愛されて、結構・・・・・・



______ドス


いってぇ。

気付けば背中に強烈なパンチ。
思わず声を出しそうになったのを必死で我慢して振り向くと、そこには司がいた。


「イイ女だろ、俺の嫁。」

ニヤッと自慢げ笑いやがる。

くそっ!
一瞬だけ、牧野に見惚れてた。


ああ確かに。
牧野はイイ女になったよ。
でもな、俺はあいつには興味ねぇの。

牧野が変ったのは、司、お前のせいだろ?
俺は他の男に磨かれてる女には興味はねぇ。

俺が、磨いてやりたい。
俺が本気で愛する女を。




「つくしっ、帰るぞ!」
「えっ、司?どうして!?」
「遅すぎるだろっ!ほらっ、立て!」

「うー、おば様、すみません、失礼します。」
「はいはい。つくしさん、いいお話を聞けたわ、ありがとう。」

おほほほほ.....なんて、機嫌よくお袋が笑う。
司が牧野の腰を優しく支えて立ち上がらせた。


それから俺に向かって、
「じゃあな。」と軽く手を上げ玄関に向かって歩いていく。
ゆっくりと大きな腹を抱えた牧野の歩調に合わせながら。


  “なんか食って帰るか?”
  “えっ!いいの?仕事は?”
  “俺を誰だと思ってんだ。とっくに終わらせてる”
  “じゃあねぇ、ラーメンっ!”
  ”却下”


あの司がねぇ・・・・
悔しいが、俺の目から見ても、イイ男だ。






「総二郎さん」

部屋へ戻ろうとしたところでお袋から声が掛かり、振り返ると、

「もういいわ」
「何がです?」
「お見合いよ」
「俺は元々急ぐつもりはないんです」

お袋が仕方ないと溜息を吐いた。

「次は夢子に頼もうと思ってたんだけどね。」
「は?」
「芽夢ちゃんか絵夢ちゃん、いいんじゃないかと思って.....」

「勘弁してくれよ」

なんであきらが兄貴になるんだ。


「心配しないで下さい。
 そのうち、牧野よりいい女捕まえてきますよ。」

「あらっ、期待しているわ!」


正直、牧野程強烈な女はなかなかいない。
けど、いつか必ず、俺にとってのonly oneに出会えるはずだ。


ゆっくりでいいんだ。
じっくり自分を磨いていく。

運命の女に出会う、その日まで。



Fin.



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『Believe』はイントロが終わってなんだかほっとして、一瞬思考が止まってしまった(;^_^A
いかんいかん!続き、頑張りまーす(*^^*)
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Comments 8

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Happyending  
こんばんは~(*^^*) ②

さ●様
ええーーっ!(笑) 総二郎のオンリーワンかぁ。とにかくお相手が浮かびません。もしも書くなら、つかつくが活躍しないとモチベーションが保てないなぁ(笑)。さて…‥いつか?(;^_^A 

スリ●様
ですね。あれから1年経ったのかと思うと早いです。総二郎って、4人の中では一番司に近いから、やや書きやすいような気がします。類君が一番謎。あきら‥‥もなかなか難しいっていうか妄想が広がらない(笑)。総二郎のお見合いにつかつくが立ち合う...とか?(笑) そんなお話も書けそうです(笑)。

まり●様
拍手コメありがとうございます。1日遅れでごめんなさいですが、いつか総二郎にも現れますよね!運命の人(*^^*)

he●様
拍手コメありがとうございます。お仕事お忙しそうですね~。今周囲で凄く胃腸風邪が流行ってます!無理なさいませんように(*^^*)


さてさて、半分ぐらい書いていたので、明日の朝にはアップできそうです(*^^*)
ではではまた、続きで~( *´艸`)

2018/12/05 (Wed) 23:37 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんばんは~(*^^*) ①

いつもたくさんの応援をありがとうございます!
久しぶりの総二郎目線。総二郎ママも幾分優しく(笑)
初めにつくしが総二郎ママと普通にお茶を飲んでいる姿が浮かんできて‥‥書いてみようかなってところから始めて、あとはやっぱり司を登場させるという・・・セオリー通り?(笑)。

あ●様
丁度ステータスを読み返して頂いていたと見て、おおっ!と思っていました。清香さん.....たぶん司に抹殺されています(笑)。そう言えば、総二郎のお兄さんって相当年上なんですね。私の中では硬派なイメージなんですけどね~(笑)。

つく●様
読みましたよ~!! つかつく書きは総二郎のレンアイを書くのは困難なので、なかなか踏み込めないところでもありますよねぇ‥‥(;'∀') いえいえ、こんなの参考にならないデス。あきら君、いつも当て馬みたいでごめんなさい・・( ;∀;)

ふぁ●様
なんだか含蓄のあるコメント...ありがとうございます。まだ小さな我が子すら、思い通りになんていきません。息子って実は母親以上に考えていることもあるんでしょうね。(考えてないことも多すぎますが.....汗)

花●様
ステータスはなんかかなりマニアックな気がして心配だったお話です(笑)。懐かしいなぁ。花男もう一回読んだりしてました。でもやっぱり、つかつくなんで( *´艸`) 二人はラブラブで(≧▽≦)!!

2018/12/05 (Wed) 23:26 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 13:15 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 09:56 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 06:20 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 01:05 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 00:02 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/05 (Wed) 00:01 | EDIT | REPLY |   

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