花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

「このホテル・ザ・メープルは、道明寺ホールディングスの関連ホテルであることは知っていますか?」
「はい、もちろんです。」
「ここのフロアスタッフは、社長のお邸のメイドスタッフを兼任しているの。もちろん、全員ではなくて、ごく限られた優秀な人ばかり。道明寺家では、ご自宅でパーティーをすることもあるし、こちらのスタッフが応援にいくこともあれば、お邸のスタッフがホテルへ応援にくることもあるの。雇用主は同じでメープルなのよ。」
「はぁ。」
んん?今ひとつよく分からないけれど・・

「今ね、お邸の方のスタッフが足りない状態なの。こちらからスタッフをまわす予定なんだけれど、こちらも手が足りなくてね。お邸にはバイトや臨時のスタッフは入れないから。」
「それでね。牧野さん。あなたの学歴であれば、お邸でのメイド業務は可能だわ。雇用条件はメープルの正規職員と同等。メープルから、お邸への出向という形になるの。お邸では、かなり厳しいメイド教育があるけれど、このホテルで正規でやっていくのであれば、いずれ一度はお邸を経験しておかなければならないわ。どうかしら、牧野さん、やってみない?」


・・・。
お邸のメイド。
正直言って、まったく予想がつかない。
でも、でも、『メープルホテルの正規職員』という単語があたしを突き動かした。

「メープルの正規職員になれるのであれば、頑張りたいです。」

「そう。良かった。」
明らかにほっとした様子の山崎チーフ。
なんか・・変?

「まずは、お邸のメイド頭の方に連絡をします。最終判断はその方がされるわ。恐らく、2週間程度の研修期間があって、その間にあなたが適当と判断されれば、職員として雇うことになります。」
まぁ、それはそうよね。うんうん。
「はい、分かりました。」
「それでは、さっそくお邸に連絡を入れてみるから、少しこちらでお待ちいただけるかしら?」



それからすぐに、あたしにはタクシーが用意され、道明寺社長宅へ向かうことになった。
日本の最大手企業、道明寺ホールディングスの社長宅。
想像もつかないけれど、ちょっとわくわく。
不安もあるけれど、期待も大きい。
メイドって言われても、正直よく分からないけど、
あたしって、家事は好きだし、問題ないかなぁ、なんて・・へへ。
しばらくお邸で頑張ったら、メープルホテル勤務になれるなら、なんでもやっちゃうよ~。

そんなことを考えながら、タクシーから窓の外を眺めていると、徐々に変わってくる風景。
あれっ、ここって東京だよね。
なに、この森? 
ここ、どこ?

あれよあれよという間に、遥か彼方に小さく見えていたお邸が、ドデカい宮殿然として、目の前に現れた。

なっ、なにこれ~!!
ここっ、どこよ~!日本なの?!




「あんたが牧野さんかい?」
タクシーを降りると、すでに連絡がはいっていたのか、玄関前に老人が立っていた。

「はい、牧野つくしです。メープルホテルから参りました。」
「聞いてるよ。こっちへおいで。」
お婆さんについて歩きながら、正面玄関ではなく、かなり回り道をして裏口から入る。
へぇ~。すっごい。
正面玄関の扉って、高さ3メートルはあるんじゃないの?
こっちの裏口だって、一般のおうちより格段に大きい。

案内された応接室で、お婆さんと向かい合う。
あたしは、再度履歴書をお婆さんに手渡した。

「話は大体聞いているのかね。」
「はい、こちらのお邸でメイドとして研修を受けたいと思っています。いつかはメープルホテルで働きたいです。」
「そうかい。」

そういって、履歴書をチェックするお婆さん。
「英語、フランス語、ドイツ語ね。語学は合格だね。あれまぁ、ワインアドバイザーやカラーコーディネーターの資格もあるのかい。」
「はい。私、大学時代、資格マニアになっていまして・・。」
あたしは、就職に有利と思って、秘書検定や簿記検定1級の資格も持っている。
まあ、それはメイド業務にはあまり関係ないかもね。
「へぇ、そりゃ変わった人だね。前の仕事はなんでやめたんだい?」
「営業だったんですけれど、自分には向いていないと思って。」

それだけでよかったんだけれど、ついついお婆さんには軽口をたたいてしまった。
「上司からセクハラを受けたり、ストーカー被害にあったりして、それも嫌でしたね。以前の会社は、男性にかなり気を使わなければいけなくって、それで疲れちゃったのもあるかな。お邸の仕事は大変だとは思いますが、男性からのセクハラとかもう嫌だし、あまり男性に接触しないお仕事の方が、今は気が楽です。正直、こちらで雇っていただけるとすごくうれしいです。」
「あれ、まぁ。あんた、男嫌いかい。」
「男嫌い・・っていうほどじゃないですけれど、男性と仕事するよりは、女性の方がいいですね。」
「へぇ。珍しい。」
「そうですか?」
「まぁね。」

「あたしゃ、あんたが気に入ったよ。とりあえずは、2週間、試験採用期間を経て、使えそうなら正式に契約しようじゃないか。」
「はい、頑張ります、よろしくお願いします、お婆さん!」
と元気よく立ち上がり、頭を下げたその瞬間、
ビシッ!!

「あたしゃ、婆さんじゃないよっ!」
気が付けばお尻が痛い。
ええ~っ、杖で叩かれた?!
「ひぇ!すみません。なんとお呼びすれば・・。」
「先輩。」
「センパイ・・・」
「先輩とおよび。」
「・・・はい、先輩。」



*****



かくして、あたしは、道明寺家のメイドとなった。
まずは2週間。
初めは通いでするつもりだったんだけれど、お邸の敷地が広すぎてバス停まで遠いし、ほとんどの独身のメイドさんたちは、住み込みで働いていると聞いて、あたしも、2週間、住み込みで働くことにした。


先輩の名前はタマさんというらしい。
「まず、あんたのことをしっかり見極めないといけないね。ここの仕事は甘くはないよ。大丈夫かい?」
「昔から苦労しているんで、大抵のことは大丈夫です。」
「そうかい、じゃあ始めるとするかね。」


まずは、メイドの基本の掃除。
大理石の玄関は、モップをきっちり絞ってふきあげる。
続く廊下のカーペットは掃除機を念入りにかけて、汚れは絶対に残さない。
そんなこと言ったって、うちと違って、靴を履いたまま歩く廊下なんて、汚れて当たり前だと思ったんだけれど、汚れたカーペットは新しく敷きなおすこともあるんだそう。
はぁ、お金持ちって無駄遣いだよね。まったく。

と思っていたら、ビシッ!
「掃除の基本は腰だよ。手をうごかすだけじゃないよ!腰を入れるんだよ。」
おっ、お尻、痛っ!

部屋数もいったいいくつあるのよってぐらいに多い。
絨毯のお部屋もあれば、大理石の床のお部屋もあったり。
どのお部屋も、うっとりするような素敵なお部屋ばかり。
壁にかかる絵画のほこりを払ったり、飾られている調度品をふいたり、掃除といっても、普段の掃除よりもよっぽど緊張する。
だって、これ、明らかに高価なものでしょう?

ビシッ!
「馬鹿。そんな手つきじゃ、壺が割れるよ。これは中国明の時代の骨董品だよ。あんた、割ったら1億円弁償だからね。」
いっ、一億円?
冗談でしょう?
いったい、このお邸ってどうなってるのよ~。

ビシッ!
「この風呂は大理石だよ。たわしでこする馬鹿があるかい!」
ビシッ!!
ビシッ!!!



メイド仕事って、めちゃくちゃハード・・
これって、普通なのぉ??
メープルホテルで、山崎チーフが見せたほっとした表情が思い出される。


もしかしてあたし・・・前途、多難?



 

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  2. / comment:2
  3. [ edit ]

Re: タイトルなし

  1. 2016/10/20(木) 04:03:32 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
コメントありがとうございます。
メイドの仕事って、実はあんまり想像出来なかったりするんですよね。
イントロはちゃっちゃと済ませて、はやく二人を出会わせたいなぁ。

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  1. 2016/10/19(水) 05:18:57 |
  2. |
  3. [ edit ]
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