花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

翌日あたしは、正式に契約を交わした。
『Hotel the Maple Tokyo』の正規職員。
実はお給料も、前職より上がった。へへ。
メープルの職員ではあるけれど、道明寺邸へ出向という形。
お邸仕えをするにあたり、守秘義務についてもきっちりサインさせられた。
仕事内容は、タマ先輩に一任されるとのこと。
メープルでの仕事は新人のあたしにはとりあえずは与らなれていないけれど、パーティーが重なるような場合に、フロアの手伝いが入ることがあるのだとか。

この2週間で、メイドとしての仕事は案外あたしに合っているのではないかと思っていたから、これからも楽しくやっていけそう。

いろいろ考えたけど、やっぱり住み込みの方が、なにかと都合がよく、あたしは、自分のアパートを引き上げ、道明寺邸の一室に住むことを決めた。
荷物は今日、届くようにしてある。
もともと持ち物が少ないから、こういう時は助かるのよねぇ。
今夜は荷物の整理で忙しくなりそうだ。



夕方になり、業務も一段落したころで、タマ先輩に呼び出された。
「あんたに頼みたい仕事があるんだよ。付いてきておくれ。」

荷物の整理が気になったけれど、受取はしてもらっていると聞いて、タマ先輩について行くと、どうやら外出をするらしく、黒塗りの車が玄関に待機している。
「これに乗るんですか?」
タマ先輩は無言で頷き、あたしはメイドの制服のまま、タマ先輩と一緒に黒塗りの車に乗り込んだ。
タマ先輩って、すごいんだ。こんな高級車に乗っちゃうなんて・・。

「先輩、どちらへ行くんですか?」
「まぁ、いいからついておいでよ。」
「はぁ。」

車はどんどん進んでいき、都会のど真ん中を走っている。
しばらくすると、どこかのマンションの地下駐車場に入った。
タマ先輩に促されながら、車を降り、エレベーターに乗り込む。
地下のエレベーターホールも、高級ホテルのよう。

エレベーターに乗るとタマ先輩がカードをかざした。
慌ててついていき、タマ先輩が閉まるボタンを押すとエレベーターはすぐに上昇した。
そして・・・
エレベーターが止まって、開いた世界は・・・まるで絵画のよう。

すっ、すごい!
これがペントハウスというお部屋かしら。
エレベーターからお部屋が直通。
真正面に夕空が広がっている。

靴は・・はいたままでよさそうだわ・・・。


「先輩・・ここはいったい・・?」
「まぁ、今に分かるから。さて、食事の準備でも始めようか?」
「は・・はい。」
と返事をして、慌ててお邸から持ってきた食材を取り出した。

「まあ、作っても食事をおとりになるかは分からないんだけどねぇ。」
なんて言いながら、おいしそうなサーロインを焼き、サラダを作る。
あたしは、お邸から持ってきたスープを温めたり、コーヒーをドリップしたりして、準備をすすめた。


そこへ、
『ポーン』
とエレベーターが止まる音。

すぐにタマ先輩が廊下へ出向き、あたしもそれに従う。
「坊ちゃん、お帰りなさいまし。」

歩いてくるのは、背の高い、モデルのような男。

この人・・・道明寺司だ・・・。



*****



道明寺司が、リビングに入り、ソファに腰を下ろした。
その後ろに、秘書?と思われる、ガタイのいい男性が立っている。
マフィアの人みたい・・。


「それで?タマが俺に合わせたいやつって、こいつか?」
と、不機嫌そうな声に、あたしは縮み上がりそうになった。

「そうですよ。今後、私の代わりに、このマンションの掃除や坊ちゃんの身の回りのお世話を担当する、牧野つくしですよ。」
とタマ先輩は平然と返事をしている。

なっ、何?あたし、そんなの聞いていませんって!!
焦るあたしよりも速く道明寺司が反応した。

「あぁ?聞いてねぇぞ。」
だよね。

「坊ちゃん、前々から言ってますでしょう。タマももういい歳です。いつまでも、毎日マンションに通っている体力もなくなっているんですよ。」
「年には勝てねぇってやつか?だからって、なんでこいつなんだよ。」
「なかなかいい子ですよ。掃除もしっかりできるし、料理上手。」

「俺は、女は苦手だ。他のやつにしろ。」
「心配いりませんよ、この子も男嫌いだそうですから、丁度いいでございましょ。」

・・・
思わず、道明寺司と目が合ってしまった。

うっ、コワッ。
とすぐさま視線を逸らす。

「男嫌いが、男の世話なんてできねぇだろうが。」

ひぇ。どうしよう。どうしよう。
いや、別にこの男の世話なんかしたくないけれど、このままじゃ、せっかくメープルに就職できたのに、辞めさせられちゃうんじゃないの?

それであたしは焦って答えた。
「あのっ、あたし、男性は苦手ですけれど、仕事ですから、ちゃんとやります。」

「ほぅらね。いい子だろう?ほらっ、つくし、挨拶して。」

『牧野つくしです。今日から、どうぞよろしくお願いします!』
と思い切って頭を下げた。

あぁ、もう、どうにでもなれっ。
仕事を続ければ、いずれはホテルメープルへの道も開けるかも知れないんだから、ここで踏ん張るしかあたしに残された道はない!


道明寺司が、前髪をクシュっとかきあげて、ふぅっとため息をついた。

「わかったよ。その代り、こいつが使えなかったら、速攻タマが戻って来いよ。」
「はいはい。わかりましたよ。ですが、そろそろ、私にも楽をさせて下さいよ。さぁ、食事ができていますよ。つくし、用意して。」
「はっ、はい。」

それからのあたしは、パニック状態のまま、なんとか仕事をこなした。
道明寺司に食事を出し、片付けをし、食後のコーヒーを出した。

途中、秘書の男性が、
「明日は、8時にお迎えに上がります。
これから、よろしくおねがいしますね、牧野さん。」
と、わずかに笑って出て行った。

あの人、笑うんだ。怖い人かと思った。よかったよ~。
あまりの緊張に、そんなことだけで肩の力が抜けちゃう。


道明寺司がシャワーを浴びているうちに、クローゼットの内容の説明を受け、着替えを用意し、バスルームへセットする。

今日着替えたスーツやシャツは明日、クリーニングが来るので出せばいいらしい。
新しいリネン類の場所も教えてもらった。

明日の朝の朝食は、今日、お邸から持ってきているパンと、サラダ、コーヒー、あとは、卵料理を出すように言われた。
坊ちゃんは、あまり食べないらしい。

なるほど、メモメモ・・っとしていると、道明寺司が着替えてリビングに戻ってきた。

するとタマ先輩が、
「それじゃあ、あとは任せたよ。私はこれで帰るからね。」

「えっ。」
と驚くあたし。
「じゃあ、あたしも帰ります。ちょっと、待って下さい。お皿洗ってしまいますから。」

「何言ってるんだい。あんたはここの住み込みだよ。玄関から左に行ったところがあんたの部屋だから。荷物はもう運んであるからね。」


『ええええぇぇぇぇ~~~』
あたしの絶叫が響いた。


 

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  1. 理想の恋人
  2. / comment:7
  3. [ edit ]

こんばんは^ ^

  1. 2016/10/21(金) 22:00:27 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
たくさんのコメント、拍手、ありがとうございます(*^_^*)

どうなるかなぁ。
どうしようかなぁ。
書きたいエピソードはあるのですが、物語として繋がっていくかが、心配。
頑張るぞー!おー!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/10/21(金) 09:30:01 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/10/21(金) 09:15:09 |
  2. |
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  1. 2016/10/21(金) 08:27:45 |
  2. |
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  1. 2016/10/21(金) 08:14:56 |
  2. |
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  1. 2016/10/21(金) 07:52:29 |
  2. |
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  1. 2016/10/21(金) 06:27:28 |
  2. |
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