花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

メイドが牧野に変わり、1週間が過ぎた。

今までは、タマが用意した食事を西田が温めたり、朝も西田が早めに来てリビングで待っていたり、俺が時間になっても起きてこない時には、部屋をノックしたりしていた。だから、牧野が住み込むようになって、西田の業務は劇的に楽になったと言える。
そのせいか、西田にとって牧野は最重要人物人のようで、よく電話口でペコペコしているのを目撃するし、毎朝牧野に感謝の言葉を伝えている。
メイドなんかに、気を使うことねぇっつーのによっ。


俺はだいたい朝8時から9時に出社し、夜は早くて7時、遅ければ0時過ぎ過ぎとまちまちだ。
会食があれば、食事を摂って帰ることも多いし、常にマンションで食事をするわけでもない。
だから、俺がマンションで夕食をとったのも1週間のうちで1度だけで、あとは帰宅して、シャワーを浴びて寝るだけだった。
牧野はというと、朝食を準備し、俺が会社へ行った後は部屋の掃除をしてから、昼までには世田谷の邸に戻っているらしい。邸で仕事をして、また夕食や朝食の下ごしらえを持たされて、このマンションに戻ってくるの繰り返しのようだ。

俺が帰る時間は、西田から連絡を受けているようで、帰宅すると必ず牧野が出迎えるという生活に慣れてきた。
始めはそのうち適当に追い出すかと思ってもいたが、案外こいつとの生活は気を使わず楽だった。タマってわけじゃねぇけど、なんでも言いやすかったし、牧野も淡々と仕事をこなし、終わればすぐに部屋に戻っていく生活で、互いに必要以上に交流をもつこともなかった。


が、朝だけは特別で、牧野は容赦なく俺を叩き起こし、俺を朝食の席に着かせた。
「朝食が一日の活力を生む」らしい・・。
初日こそ、俺にのしかかられていたが、その翌日からは、蹴りやパンチを駆使して俺を起こすようになった。
女とは思えない怪力さで、俺も度胆を抜かれ、最近では朝は自力で起きられるようになっていたが、なんとなくこいつに起こされたくて、朝布団の中で待っていたりする。


今朝も牧野と格闘してから、朝食の席に着いた。
牧野がパンとサラダ、コーヒーを淹れ、卵料理を出してきた。
俺たちが会話するのは、ほとんど朝だけで、夜は俺の着替えなどが終われば、早々に退散している。

そんな牧野が俺に言った。
「坊ちゃん、一度言いたかったこと、今言ってもいいですか?」
「あ?」
「なんで朝食食べないんですか?」
・・・。
「毎日用意しても、食べないなら意味ないです。コーヒーだけなんて、体に良くないよ。晩御飯だって、外食ばっかりみたいだし。」
「昼が会食のこともあるし、朝からガッツリ食えねぇんだよ。」
「会食、会食って、あんたたち、ほんとおかしい。そりゃ、高級料理はおいしいかもしれないけど、毎日そんなの食べてたら、カロリーオーバーで早死にします。」
「だから、仕方ねぇんだっつーの。」
「明日から、朝は和食にして、しっかり食べてもらいます。」
「ああっ?」
俺が驚いて聞き返すと、
「明日から、朝は和食。お昼は会食がない日は、お弁当を持たせます。だから、ちゃんと食べてきて下さい。」
何言ってんだこいつは。
「お前、調子にのんなよ。」
「調子になんかのってないよ。西田さんも心配してたから。お昼も会食以外は食べてないって。だから、西田さんと二人分作るから、ちゃんと持って行って。」
そう言って、俺を睨んでくる。

俺はその話にびびった。
この俺に、手作り弁当を食えという、この女。
どうしたものか、と考え込んでいると、エレベーターが開き、西田が現れた。

「あっ、西田さん。おはようございます。」
「おはようございます。牧野さん。」
なんか西田、ご機嫌だな、と思っていると、
「西田さん、お弁当、用意しておきましたよ~。かなりの自信作です!」
とさっそく西田に弁当を渡している牧野。
それで、俺を見ながら、厭味ったらしく、
「でも、司坊ちゃんは、お弁当はいらないみたいです。西田さんだけでも食べてくださいね。」
と言いやがった。
西田までもが、俺のことを何故か哀れそうに見ている。

なんだよ、その顔は。
ったく、
「いいよ。俺も弁当持っていく。」

すると、二人が表情を崩して、
「さすが道明寺支社長!」
「御英断です。」
ときた。
そんなよいしょ、いらねぇよ。



それから、朝は魚が焼かれて出てきたり、豆腐の味噌汁を飲まされたり、オムレツではなく、卵焼きの中に草?が入ったのを食わされたりと、俺のコーヒーオンリーの朝食は一変した。
昼に会食があるかどうかは西田から牧野に連絡が入っているらしく、会食がなければ必ず弁当を持たされるようになった。

帰宅すると、会話をあまりしてなかった俺たちだったが、このおかずは旨かったとか、これは苦手だとか、米を少なくしろだとか、それはダメだとか、色々と言い合うようになった。
最初は面倒くせぇなと思っていた弁当生活だったが、案外これは名案で、移動時間中でも西田と食えるし、昼間も空いた時間でさっと食事ができるので、食事を飛ばすことがなくなった。
それになにより、手作り弁当なんて食ったことがなかったが、なんとなく残したらわりぃような気がして、必ず食って帰るようになったんだ。



俺は、俗にいう「家庭」というものが、どんなものか知らない。
ガキの頃から、両親とは1年に一度会う程度だったし、家族といえば、姉ぇちゃんとタマぐらいしか思い浮かばない。
でも・・弁当生活が始まって、俺は感じるようになっていた。


家っつうのは、あったけぇもんなんだな
これが、家庭ってもんなのか
こんな生活も悪くなねぇな
なんてことを。


 

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司君、はやくも手作り弁当にやられるの巻。
いつも、応援ありがとうございます!
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:3
  3. [ edit ]

いつもありがとうございます^ ^

  1. 2016/10/24(月) 17:57:09 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
拍手、コメント、ありがとうございます。

私はつくしちゃんにイジワルしちゃう司くんって、書きにくいんですよ。
ついつい甘めになってしまいます。
しばらくはこんな感じかな?

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/10/24(月) 07:37:53 |
  2. |
  3. [ edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/10/24(月) 05:19:25 |
  2. |
  3. [ edit ]
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