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Happyending

Happyending

司に抱きかかえられた状態で夏祭りを後にした。
ゆらゆらと揺られながら、つくしは懐かしい感覚に陥っていた。

以前にも、こんな風に大切に抱き上げられたことがある。
あれは...いつだった?
花沢類?
ううん、違う。
あの時も、香水の香りがして、大切に、庇う様に...まるでどこかのお嬢様のように抱きかかえられて......あれは、誰だった?


リムジンに乗り込んだ時には、つくしはすでに夢の中だった。
心地よい振動を感じながら、夢の中にまで香水の香りが漂ってくる。


すると夢の中に、男の声が聞こえてきた。


『顔の傷が残ったら、俺が責任取ってやるよ』

何バカなこと言ってんの?
クスクスクスッ、あたしにそんなこと言う男は誰?
そんなこと言ったって、何にも出ないからね。

『相手の男、ブッ殺してやりたいぐらい、お前が好きだ』

ああ、そんなことあったっけ?
あれは、学校中からいじめにあってさ。
ホント酷かった。
そうよ、赤札とか貼られて、騙されて、車で校庭を引きずられたんだからっ。
本当にありえないっ!
・・・それで、あんたは誰?
どうしてそんなこと言うのよ。私のことが好きだ…なんて。


ふわふわ.....ふわふわ.....夢の中を漂っているみたいだ。


・・・・・あれ?
あたし、浴衣を着てる。
そうだ、美作さんちでやった浴衣パーティー。

『うまこにも衣装だな』

ぷっ、そんな真面目な声でギャクとか言わないで。
でも、いい声だね。
あれ、でも聞いたことある!この声。
誰.....だっけ?


『あたし、道明寺が好きなのっ』

・・・・え?・・・・・ええっ!?


『それでっ、あたしたち、こないだから付き合ってます!』


その場を立ち去ろうとしていた男が振り返った。
つくしは息を飲んだ。


____道明寺.....


なんだ、あんたあの時いたんじゃない。

えっ......!?
次の瞬間、道明寺が、おかっぱ頭の女を抱き締めた。
その横顔はとても嬉しそう。

待って。あれは......


..................あぁ.................そうだった........

そうだったんだ.............


これは夢じゃない。
・・・・・記憶だ。
幸せな、あたしの記憶。



バカで、高慢で、どうしようもない男なのに、大財閥の御曹司で超がつくお金持ち。
そんな厄介な男を、あたしはいつの間にか好きになっていた。

たかが高校生の恋愛。
それでも現実は甘くなかった。
でも、あたしたちは一緒にいようって決めたね。
あんたが道明寺を捨てるっていうから、あたしがあんたを養おうと思ったんだよ。
今思えば本当に子供だったけど、でもあの時は本気だった。


あの時、あの島で、あんたが言ってくれた。


『お前がいれば、他には何もいらない』


それにあたしがいるからもう寂しくないんだって言ったよね。
あたし、あの言葉嬉しかった。

あの後、あたし、初めてあんたと.....
怖かったけど、嫌じゃなかったよ。


『力抜け、じゃねぇとお前がキツイ』
『そんなに痛いの?痛くしないで』

ぷっ、あたしってば、何言ってんのよね。
今思えば、あの時、あんた相当困った顔してたね。

『痛くしねぇから力抜いてくれ』
『ほんとに?ほんと?』
『ホントだ』

あたしったら、覚悟を決めたはずなのにガチガチで。
だって、初めてだったんだもん...。
いつもはせっかちなあんたが、根気強くあたしを説得してたっけ。

『やだっ、痛いっ、痛ーいっ!!』
『悪ぃっ、けどもう少しだから、頑張れ!』
『が...頑張れって...もう無理っ!道明寺、あたし死んじゃうっ!!』
『いや、死なねぇから...くっ!!』
『きゃあっ』

ぷくくくっ、あたし、なんて恥ずかしいの。
ムードもへったくれも無かったね。
ごめんね、道明寺。
あたし、ガキで.....

でもね、あの時、あんたがあんまり真剣だったから、あたし、最後まで頑張ったんだからね。
それにね、最後までできて嬉しかったの。

『俺、すげぇ幸せ』

あんた、すっごく嬉しそうに笑ったでしょ?
あたし、あんたのあんな顔、初めて見たんだ。



あの日、あたしたちは間違いなく幸せだった。
あんなに痛かったのにね、それ以上に幸せの方が大きかったの。


『俺がお前を幸せにしてやるから、お前も俺を幸せにしろ』

『うん.....』


あたしたち、そう誓ったね。


なのに.....

ねぇ、それならどうして、あたしはあんたのことを忘れていたの?
どうして、あんたはあたしのことを覚えていないの?
あたしたち、どうして離れ離れだったの?





いつの間にか、ゆらゆらと揺れる感覚は無くなり、締め付けられるような圧迫感からも解放されていく。
と同時に、せっかく思い出した幸せな過去が消えそうになる。

嫌だっ、忘れたくないっ!
行かないで、道明寺!!





目覚めた時、つくしは過去と現実の間を彷徨っていた。
目の前に愛する男がいることが分かると、自然と涙が溢れた。

「どこにも行かねぇよ。お前がいれば、他には何もいらない。」

ああ...良かった。
あたしもだよ、あたしも......

つくしは司を引き寄せた。


「あたしもあんたが好き」



ずっと前から、あんたのことが好きだった。




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Comments 5

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Happyending  
こんばんは~(;・∀・) ②

花●様
そう、Rでつくしちゃんの過去の記憶を混ぜたかったんです。けどうまく書けそうになくて...(;・∀・) 22.5話に託したら...あらっ!大変。全部を思い出したと思われてしまった(;・∀・) どうか、23話で納得して頂けますように...(;^_^A アセアセ・・・そして、記憶はまた沈んでいきます(;_;)/~~~

スリ●様
そうなのです。二人の夜はこれから...だったのです(笑)。23話、急いで投稿しました。というか、半分近くは書いていたので、頑張ってギリギリで仕上げました!夜のうちに読んでいただけるかどうか...(;^_^A 


ブラックバカラ・・・
早く終わらせたいっ!!とエンジン掛かって来た...様な気がします!
毎日バタバタですが、完結に向けてがんばります('◇')ゞ

2019/09/10 (Tue) 00:20 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんばんは~(;・∀・) ①

いつもたくさんの応援をありがとうございます(*^^*)
突然これで行こう!と思い立った、22.5話。
たぶん、私の書き方が悪いっ!っていうか、これは分からないかもっ!!と朝になって気付きました(;^_^A

つくしちゃんは、記憶の全てを取り戻したのではないのです。
どうして自分たちがお互いの記憶を失ったのかも分かっていません。
ただ、幸せだと思えた記憶が夢に出てきた...そんな感じです。

・・・・そんなわけで、このままではヤバイ(>_<)
みんな相当誤解しちゃってるよ~!!ということで、慌てて23話を投稿しました。
ジャスト0時投稿(笑)。時々ジャストで投稿していたのですが、久しぶりです(笑)
もう一回誤字脱字見ないとなぁ...(;^_^A


さてさて、
二次●様
記憶を思い出した...と思いきや、だんだんとその幸せな記憶は薄れていく.....
そうすることで、つくしちゃんから求めていく感じを書きたかっただけなんです(;・∀・)ギャー
なので、再びつくしちゃんの記憶は潜っていきます。
それにね...なんというか、二人の本当にハジメテもちょっと書きたかった...っていうのもあります(笑)
23話はたぶん、予想通りです(*^^*)

2019/09/10 (Tue) 00:14 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/09 (Mon) 12:59 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/09 (Mon) 00:01 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/08 (Sun) 22:46 | EDIT | REPLY |   

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