花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

出張や残業がなければ、俺は基本的に、週末は世田谷の邸に帰ることにしていた。
邸にはジムやプールがあるからだ。
体力維持のために、トレーニングは欠かせない。
ここしばらくは、邸に帰っていなかったが、今週末は久しぶりに邸に戻ることになっている。


金曜日の夜、邸に戻ると、初めて邸で牧野に出迎えられた。
たくさんの使用人やメイドが見守る中、俺の後を付いてくる牧野。
俺の部屋に入って、いつものようにスーツを片付けている。
なんか、照れるな。

着替えを用意したり、バスの準備をしたりと忙しなく動きながら、
「道明寺、何か飲む?先にシャワーする?」
と聞いてくる。
「シャワーするわ。」
「ん。OK。」
そんな会話も最近ではごく当たり前。

他の奴らから見れば、恋人同士、いや夫婦かっつーような会話をしていても、俺たちの間には別に甘い雰囲気がある訳じゃない。
牧野も俺に男を意識しているような様子は微塵もねぇし、俺も牧野を女と意識してる訳じゃねぇ。
だからこそ、俺たちはうまくやっていけているんだと思っている。
俺は、牧野の持つ、この独特な家庭的な雰囲気が好きだ。
この関係を崩したくないと思う。

シャワーから出ると、これまた当たり前のように、牧野がミネラルウォーターを持ってきた。
俺がそれを一気に飲み干す。
これもいつものことだ。


「お前、今日は、こっちに泊まるのか?」
「どうしようかな。こっちにもお部屋はもらっているんだけど、荷物はほとんどマンションだから帰ろうかな。」
おいおい、こんな遅くに、マンションに帰るのかよ。
危ねぇだろうが。

「こっちに泊まれよ。明日も仕事あんだろ?」
「ううん。道明寺が土日にお邸に帰るときは、タマ先輩が仕事を代わってくれるから、あたしはお休みもらえるの。だから、今週末は久しぶりの休日!」
あぁ?
聞いてねぇぞ。

じゃあ、なにか?
明日の朝はお前が俺を起こしに来るんじゃねぇってことか?

「明日は、久しぶりに友達に会うから、すっごく楽しみ!」

なんだよ、俺だってこの週末はちょっとは時間があるんだぜ。
ランチぐらい、いくらでも連れて行ってやる。
そう思って、
「日曜日、どっか、飯食いに行くか?」
と誘ったのに、
「あっ、ごめんね。気を使わせちゃったかな?道明寺も久しぶりにゆっくりできるんでしょ。お邸でリラックスしなよね。」
とつれない返事。

「じゃぁね、道明寺。おやすみ。」
バタン。
と牧野は去って行った。

・・・。
なんだよ。
なんなんだよ。
なんでこんなにイライラするんだよっ。




その週末、俺は、ひたすらジムで走りまくった。
それで、日曜の夜は、早めにマンションに帰ることにした。

エレベーターを降りると、左側の部屋から、慌てて出てきた牧野。
風呂上がりのようで、パジャマ姿に、頭にはタオルを巻いている。
その姿にドキッとする俺。

「えぇ~?帰ってくるなら連絡してよ~。今日はお邸で食事だと思ってたから、何にも準備してないんだから。」

「だったら、お前の携帯番号教えとけよ。」
俺は、照れくさくて、そう切り返し、自分の携帯を牧野に渡した。
「これに入れとけ。」
「ええ~?西田さんに連絡すれば、よかったでしょ。もう~。」
と言いつつも、
「あたしの番号はね、うまい語呂合わせがあるから、あとで教えてあげる。」
といって、自分の携帯に1コール、そして切った。
「ハイ。」
と俺に携帯を戻してくる。
「それ、俺の番号だから、ちゃんと登録しておけよ。そんで、何かあったら、ここに連絡入れろ。」

・・・
牧野は、しばらく、ポカーンとアホ面をしていたが、
その後に、はっと我に返ったようで、
「はいはい、分かりました。で、ご飯は?まだ?あたしだって、今日はoffなんだからねぇ~。簡単なものしか作れないからね!」

そう言って、牧野が用意したメシはオムライスとサラダ。
こいつがメイド服以外の恰好で一緒にメシを食ったのはこれが初めてだった。

こいつの話を聞きながら、昨日会っていた友達っつーのは、小学生の頃からの付き合いの女友達だと聞いて、安心する俺。

牧野の作るオムライスがめちゃくちゃうまくて、俺は思わず、お代わりを催促した。
「へぇ、珍しいね。こういうの好き?それなら、今度トロトロ卵のオムライス作る練習しようかなぁ。」



邸で食うシェフの料理よりも、牧野と食うオムライスの方が断然うまいというこの事実。
牧野が美味そうに食っているだけで、俺も幸せな気分になれるという不思議。
牧野がいない邸よりも、牧野がいるマンションに居たくて、帰ってきちまった俺。
朝は、牧野に起こされねぇとダメだと分かった。


この理由は一つしかないに違いない。
俺は自分の恋心ってやつを認めるしかない。


 

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いつも応援ありがとうございます。
ふう。司君、やっと自覚。
明日からお話が動いていきます。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:4
  3. [ edit ]

ありがとうございます(*^_^*)

  1. 2016/10/28(金) 03:32:20 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
こんばんは〜。拍手、コメント、ありがとうございます。
最近、なかなか時間がなくて、困りものです。

さてさて、このお話、当初はプチラブコメの予定だったのに、気がつけば、ラブコメ的要素が…ない…。
でも、今後の展開はうまく書けるかわかりませんが、一応ラブコメ的な感じで行きたい…けど、ダメかも…うーん。
展開は、皆さんの予想ともしかしたら違うかもなぁ。
しかも後半の展開は決めきれてないし。
楽しく書いている割に、問題山済みです。。。

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  1. 2016/10/27(木) 10:11:40 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/10/27(木) 08:58:28 |
  2. |
  3. [ edit ]
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  1. 2016/10/27(木) 08:21:31 |
  2. |
  3. [ edit ]
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