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Happyending

Happyending

イラつきに任せて放った言葉を後悔した。
それでも一度吸い付いた甘い唇をなかなか離すことができず、唇を合わせながら、彼女からの抵抗がないことに安堵していた。

類からの着信音が部屋に響いている間は夢中で、
その音が途絶えた途端、俺は急に冷静になった。


抵抗しない彼女は、俺をどう思っているんだろう。
最低な男だと思っているのか?
体目当てだと、そんな風に思っているのか?
抱きたい気持ちは嘘じゃねぇが、決してそれだけじゃないと信じてはもらえないか?

仕事熱心で、キラキラしてる、その瞳に惚れた。
周りの人間まで幸せにするような明るい話し方。
作りものじゃなく、自然に漏れる笑い声。
俺の傍で、その綺麗な瞳で見上げ、色んな話をして欲しい。
俺の傍で笑って欲しいのに。


俺がやってることは最低だ。
今ならまだ引き返せる.....だから、必死に自分の欲望を抑え込もうとした。
なのに・・・

『あなたが抱く女性は私だけだって約束してもらえますか?』

まさか、あんなことを言われるとは思わなかった。
それは、お前だけと誓えば、お前を抱いていいということなのか?

それなら、お前だけだと全ての神に誓ってやる。

他の女なんて興味ねぇよ。
お前が傍にいてくれるなら、俺は一生他の女なんて見えなくていいんだ。




俺の返事に、彼女が微笑んだ気がした。
それって、俺を受け入れるって言う意味だよな。
そう理解した瞬間、俺は彼女の唇をもう一度塞いでいた。
息も出来ないほど、激しく。

息苦しさに喘いだ牧野の口を更に大きく塞ぎ、舌を差し入れた。
自分でも頭がおかしくなる位、このキスに夢中になった。
一瞬唇を離すと彼女が大きく息を吸い込む。それだけを許して、また舌を絡めた。
彼女が喘げば喘ぐほど、ますます征服欲が湧いた。

俺の下で大きく胸を上下させる牧野。
その素肌に触れたくて、彼女が羽織っていたバスローブの紐を解き、勢いのままにパジャマの裾をたくし上げると、

『...んっ!』と俺の胸に僅かな抵抗。

牧野の左手が俺の胸を小さく押し返しているのに気付いた。


「どう...した?」

自分の声が掠れてた。
けど、もう、ここで待ったは無理だ。

「ここ...で?」
「ここ?」
「ベッド......」

牧野は今にも泣き出しそうで.....

やべ......
今更だが、ここはソファーの上だったと気づく。
大切にしたいのに...いい歳して暴走を抑えられない俺。
だが、彼女の困った顔にもそそられる自分もいて......、俺って奴はマジでどうしようもねぇ。

ソファーから降りて、牧野を抱き上げた。
バスローブは床へ落ち、シルクのパジャマだけになった彼女は、胸の前で腕をクロスして俯き、顔を隠した。
私だけ...って、あんなに大胆な発言をしたくせに、実際には相当緊張しているらしい初心な彼女を見ると、少しホッとする俺がいた。

類とは恐らく、本当に恋愛関係には無かったんだろう。
けど、これまで何人の男が彼女を抱いたのか。
俺以外の誰が?

クソッ!

俺はどこまで嫉妬深いのか。

もっと早く出会っていたら、俺だけのものにできたのに。
いや......
こいつは俺だけのものだ。
何もかもを忘れさせるぐらいに抱けばいい。
過去の男なんてこいつの記憶から消してやる。今夜、俺が。



沸き上がった嫉妬をどうにか抑え、牧野をメインベッドルームに連れ込んだ。
ダウンライトに照らされた真っ白なシーツの上にそっと彼女を寝かせると、俺は着ていたシャツを脱ぎ捨て、彼女の上に跨った。
ガチガチに固まった牧野はこぼれんばかりの黒い瞳で俺を見上げていた。

クロスされた彼女の腕に手を掛けると、

「あっ、あの...」

彼女が何かを言おうとしたが、俺はそれに気付かないふりをした。
やっぱり無理だと言われても、もう自分を抑えることはできなかったから。

強引に腕を開き、パジャマのボタンを外した。
前身頃を開くとそこには、ピンクの頂き。
ランドリーサービスが彼女の着ていた服全てを持って行ったから、彼女は下着を着けていなかった。
だから、ガウンまで羽織って隠していたのか...。
いきなり現れた胸はツンと上に立ち上がり、その肌の白さがますます俺を刺激した。

頂きをそっと口に含むと、「あっ...」と漏れた彼女の声が可愛すぎた。
執拗に吸い付き、転がし、反対の膨らみは俺の掌で形を変えていく。
その膨らみの心地よさに、俺はもう完全に彼女の虜になっていた。


背中から腹へ、腹から尻へ.....
ズボンの中に手を滑らせると、彼女の体がまた固くなった。
彼女は当然ショーツも着けていなかった。
ダイレクトに彼女の丸みに触れ、そして、太腿へ.....内股へ......
夢中になっていた俺は彼女に気を配ることなんて出来ていなかった。
早くその先を知りたくて。

彼女の中心に触れ、そっと指で探りを入れると、そこはしっとりと濡れていた。
ヌルリとしたその感覚に、俺は頭の中が沸騰したんじゃねーかと思う。
ズルッとズボンを引き下ろした。

「んん.....っ!!」

中指を曲げ、泉の中に沈ませた。
彼女の体内は想像以上に温かくて、俺も早く入りたい。
クルクルと刺激すると、「んっ...あっ...」と喘ぐ声に、彼女が感じているんだと思った。
彼女の表情は強張り、ぎゅっとシーツを掴んでいたことにも気づかずに。

それでも、体というものは素直に反応するらしい。
指を二本に増やし、指先を曲げ、彼女の声が一段高くなるスポットを見つけ出すと、コプコプと愛液が流れだした。
俺の手がぐっしょりと濡れる程だ。


ベルトのバックルを緩め、履いていたパンツを脱いだ。
ボクサーブリーフから解放した俺の昂ぶりは、ガンガンにそそり立っていた。

早く沈みたい。

どこまでも自分勝手な俺には、地獄行きかも知れねぇな。
それでも、彼女が欲しくて、今すぐ自分のものにしたくて.....

もう一度彼女に覆いかぶさると、その細い足の膝裏を抱え広げた。
ギュッと目をつぶった牧野。
もしも俺が冷静だったら、この時の彼女に違和感を感じたはずだ。

経験ある女が、こんな時にこんな顔をするか?

なのに俺は、

「一生お前だけだ」

その言葉を捧げ、彼女の強張った唇に小さくキスを落とし、
もう待てないとばかりに、一気に彼女の中に沈み込んだ。


「うっ...」
「いっ.....やっ.....ぁっ!!」


一瞬で呑まれそうになった。
彼女のすべてに・・・

なのに、聞こえてきた彼女の声は悲痛そのもので......

はっと脳内が冴えた。


ギュッとシーツを掴み、目を閉じた牧野。
その目尻から涙が溢れていた。
口元は固く閉じられている。

歓喜の涙の訳が無かった。


「ま...きの......お前......」

まさか...という思いと、そうに違いないという予感。
だとすれば、俺のしたことはなんなのか。
こんな形で、彼女の.....

突然動きを止めた俺に、彼女が恐る恐る目を開いた。
次から次へと溢れる涙は止まらないまま。

「お前、初めて....」
「言わない...で。」
「バカッ、何で言わねぇんだ。分かってたら、こんな.....」

いや違う、このベッドで、彼女は何か言おうとしただろうがっ。
彼女の話を聞かなかったのは俺だ。

なのに、
分かっていたら、変な嫉妬なんてしなかった。
もっともっと優しくしてやれた。
そんな風に思う俺は、やはりどこまでも自分勝手な男だった。


「大丈.....夫っ」
「んな訳ねーだろっ」

すでに繋がった俺に説得力なんてある訳ねぇ。

こんな俺が、彼女を抱く資格があるのか?
誰よりも、彼女を大切にしたいのに.....。



「私だけだって言ってくれたから大丈夫。」

「牧野...」

「それにね、初めての人が自分の旦那様だなんて.....ちょっと.....素敵でしょ?」


相当な痛みだったはずだ。
なのに彼女が笑った。


ああ...
俺が惚れた女は、優しい女だ。
そして、強い女。
家族のために犠牲になったっていうのに、こうして前を向く女。
俺には眩しすぎるぐらいに、純粋な女。


そんな女に、俺はどうしてやればいい?


「大切にする。」


例え愛してると訴えたとしても、本気になんてしてはもらえなかっただろう。
だから、これしか言えなかった。

こんな状況だというのに、俺の昂ぶりはさらに質量を増した。
うっ...と顔を顰める彼女の目尻に、そっとキスを落とした。

ごめん...という言葉はぐっと腹に呑み込んだ。
いつか、お前が幸せだって思えるように努力するから。


「一生、お前だけを大切にする。」

だから、こんな俺を許してくれ。
一生傍にいてくれ。


「うん。」

彼女はシーツから手を離し、俺の腕に触れた。
初めて、彼女から俺に触れてくれたのがこの時だった。



俺は、その温かい手を自分の背中に回した。
もう一方の手も俺の首に回し、
繋がったまま、深いキスを繰り返した。

少しずつ、彼女の強張りが解けていき、
それに合わせて俺も前後に動き始め、徐々に加速した。



部屋の中に響く俺たちの甘い息づかい。
繋がった体から聞こえる甘美な水音。
俺の動きに合わせて揺れる濃艶な彼女の躯体。

『あっ...ん』と押し殺すように漏れた彼女の喘ぎ声と同時に、彼女の体から感じた変化。

奥からの強烈な締め付けと、
俺に縋りつく彼女の重み。

ここが限界だった。


強く彼女を抱きしめて、
彼女の首筋に顔を埋め、
同時に彼女に抱きしめられながら、

俺は狂ったように腰を振り、
脳天を貫くような快感の渦に飲み込まれていった。







これが俺たちのハジメテの夜。

まだ誰のものでもなかった彼女を抱いた喜びと、
こんな形で苦痛を強いた後悔と、

腕の中で眠る彼女の温もりに幸せを感じる自分の浅ましさ。


それでも、俺は引き返さない。
どこまでも、彼女と共に行く。
そして、いつか必ず、彼女に『幸せだ』と言わせてみせる。


そう固く誓った夜だった。




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防人に行くは誰が背と。

問ふ人を見るがともしさ。

物思もせず。

(万葉集・作者不明)

防人とは外国への対処係の兵役で。
過酷な消耗を強いられる。
この歌を詠んだ人を見て。

「かわいそうに、奥さん悲しんでいるよ」
「いや行くのはあの人とは関係ない農夫だよ」
「だって自分ならって想像すると悲しくて!」
というやり取りがあったと伝えられている。

女の人って不思議な生き物なのでしょう。
他にも。

信濃なる。

千曲の川の小石も。

君し踏みてば。

玉と拾はむ。

(万葉集・作者不明)

意味。
「あなたが踏んだ小石も宝だと思って拾おう」
このように。
恋に純粋な女性の歌も収録されている。

ううむ固い決意。
それこそ男性です。
男性の美ってそういうところにありますね。
小説について「いいね!」をお贈りします!!
あなたのブログを飾ります。
いちにちくらい・・・。

2019/11/18 (Mon) 14:25 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/18 (Mon) 08:38 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんばんは! ②

チェ●様
そうなんです。契約結婚とはいえ相思相愛!なので、かならずHappyendに導かれて行きます...。
その間はジレジレしながら見守ってください(*^^*)

スリ●様
『大切にする』って、つくしちゃん安心したんじゃないかな?
それに、原作のつくしちゃんも、案外流されやすいところもあるな~と思っていたので(道明寺にだけ流されないというか...(;^_^A)、今回のつくしちゃんは思い切って飛び込んで行く勇気を持っています。素直で強い。もちろん、相手が長年見つめていた人だからなんでしょうけど。案外私はこんなつくしちゃんも好きですね~(*^^*)
そうか、私もグッズチェックしなきゃです!!(笑)

二次●様
類君ですね...類君...。ここをどうするかは頭が痛いですが..。私はあんまりシリアスは書けないので...(笑)。なんとか丸く収める方向に...(笑)。お互いに遠慮のある新婚生活、これからどうなるでしょう?私も頭を整理しなきゃです!(笑)。

拍手コメ あやママ様
コメありがとうございます!どんな形でも...必ず幸せになります!
最後まで覗いて頂けると嬉しいです(*^^*)


さて・・・
週末が忙しすぎて、全く続きが書けていません!
早く新婚生活に行きたいけど...。婚姻届ってどうするんだろ?とか考えて止まってます(;^_^A
なので、続き、もう少しお待ちください_(._.)_

2019/11/18 (Mon) 00:35 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
こんばんは ①

いつもたくさんの応援をありがとうございます。
こういうRにするつもりじゃなかった気もするのですが、書いてみたらこうなっていた...(;^_^A
契約結婚でも、「大切にする」って...つくしちゃん、嬉しかったんじゃないかなぁ?

さてさて、
花●様
はい、きっと届きます...もう少し先で(笑)。
今回のつくしちゃんは前向きな天邪鬼さの少ないつくしちゃんを目指していますが、やはり鈍感...(;^_^A
この先のジレジレを書くのが今から楽しみです。
が、さて、次何を書こう?(笑)。 婚姻届とかどうしようかなぁ...と悩み中です。

すず●様
おっ!やはりそこが気になりましたか!?
軽くスルーされるかと思っていましたが...(笑)。
今回はですね、皆さんの想像にお任せする形にしようと思って、敢えてそのあたりの情報は書きませんでした。
いい歳の男ですから...。しかも、つくしちゃんに出会う前は何があっても不思議じゃない??(;・∀・)ギャッ
でも、どんな司でも、好きになった女性はつくしちゃんだけなのは確実です!!
この先で、もしかしたらお話の流れでその辺に触れるかも知れないのですが、まだ分かりません(;^_^A いつも行き当たりばったりなので...。いつもの司かも知れませんね(笑)。
なので今は、読者様のそれぞれの妄想にお任せします~(*^^*)

2019/11/18 (Mon) 00:25 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 12:23 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 10:29 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 07:27 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 07:27 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 06:56 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/16 (Sat) 01:01 | EDIT | REPLY |   

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