花より男子の二次小説。CPはつかつくonlyです。

With a Happy Ending

牧野が俺付きのメイドになって、もう3か月近くになる。
今の俺たちは、強いて言うならば、ルームメイトって雰囲気だな。
俺は、あいつのことが気になって、気になって、仕方がねぇ。
あの黒い髪を触ってみてぇとか、
あの小さい手を握ってみてぇとか、
あのおしゃべりな口を塞いでみてぇとか、
って、俺、変態か?
中坊でもねーのに、妄想炸裂してしょうがねぇ。
でもよ、若い男女が一つ屋根の下、いや、好きな女が同じ家にいるっつーのは、まぁ、なんだ、いろいろと我慢しなきゃなんねぇことも多いってことが、今の俺の最大の悩み。


こいつが朝からご機嫌だ。
そんなことも、すぐに分かるようになった。
「なんか機嫌いいな。」
出された焼き魚を食べながら、聞いてみると、
「あたしもついに、メープルに行けるの!」
とこいつが嬉しそうに言う。

「あ?聞いてねぇぞ。お前、俺のメイドを辞めるのか?」
「あっ、ちがう、ちがう。まだ修行中だからね。そうじゃないんだけど、今日は、メープルでパーティーが2つ重なって、人手が足りないんだって。だから、あたしもお手伝いに行くの。初めてなんだ~、メープルでの仕事。ああ~、緊張する~。」

修行中ってなんだよ。俺んところで、修行かよ。
俺のメイドが終わったら、メープルに行くってことなのか?
そんなにメープルに行きてぇのかよ。
緊張ってなんだよ、俺の前でこそ緊張だろうがよ。

でも、まぁ、いろいろと突っ込みどころ満載なんだが、
こいつにとっても今やこのマンションが自分の家になっているわけだし、俺は別にこいつに媚びへつらって欲しい訳じゃねぇから、今の状況に不満はない。


俺たちの間にはなんの進展もなく、ただ単に、俺が欲求不満を募らせているだけの状況だ。
牧野は俺のことを、雇い主としか見てねぇのは分かってる。
だからこそ、うかつに手を出せない。
下手に手を出せば、真面目な牧野はメイドを辞めそうだ。
それに、今の関係を崩したくもない。
そんな葛藤があり、俺は現状に甘んじていた。


そういえば、今日は俺も、先日発表された新規事業の発表パーティーがある。俺も含めて、若手の社長や専務たちが合同で行う事業は注目を集めている。
「そういや、俺も夜はパーティーだったな。」
「聞いてるよ。会社から直で行くって聞いたから、西田さんに、パーティー用のスーツ預けるね。あたしが勝手にチョイスしちゃったけど、よかった?」
「あぁ、構わねぇよ。」
こいつは案外センスがいい。コーディネート講座なんかも、学生時代に受けたらしい。そんな講座とってんなよ、とちょっと笑えたけどな。風水なんかも知識があるらしく、勝負どころは赤だなんて、ネクタイ選びも気合が入っているみたいだ。まあ、俺にとっちゃ、そんなことどうでもいいんだけどな。仕事は実力勝負だからよっ。


*****


午前10時にはメープルに集合とのことで、道明寺を見送った後、あたしは慌てて支度をして、マンションを出た。
久しぶりに前に会社にいたときのスーツを着ると、なんだかわくわくした気持ちだった。パンプスは歩きやすいように3cmヒールの黒をチョイスした。


メープルで山崎チーフに再会した。
「牧野さん、頑張っているみたいね。」
と声をかけてもらった。
「はい。少しでもはやく、メープルで働けるように頑張ります。」

あたしの仕事は、玄関フロアでのお客様の誘導だった。
大会場二つが使われるため、間違いなく、お客様を誘導する必要があるとのこと。
これは、初心者の私にもできる仕事だったけれど、トイレやエレベーター、階段の位置などをすべて把握して、何か聞かれたときにはすぐ案内ができるように準備する必要があった。
イヤホンマイクもつけなければならず、慣れていないあたしはてんてこ舞いだ。イヤホンから指示が入ったり、進行具合が報告されたりするのだそう。

だんだんと緊張してきた。
服装は、メープルのフロア担当のスーツに着替えた。
山崎チーフが、お化粧の仕方も教えてくれて、髪はきっちりアップするように指導を受けた。
黒のパンプスはそのままで、黒で履きなれているものであればいいらしい。


開場は17時。スタートは18時だ。
各会場内では、すでに飲み物がセッティングされ、準備万端な様相だった。

17時の段階では、客人はまばらだったのが、17時半にはかなりな人出となり、誘導もある程度大きく声をださなければならないぐらいの混雑になってきた。

1つは政財界の集まりで、年齢層は高め。紳士・淑女も、ドレスアップして来場されていて、堅実な印象のパーティー。
もう一つの会場は、道明寺も来るという事業発表パーティ。どちらかというと、マスコミや若手の企業家、今回の事業に参加する多くの企業の担当者などが出席する、派手な印象のパーティー。

開演5分前になって、正面玄関が一段と騒々しくなった。
駆けつけていたマスコミ各社の焚くフラッシュが眩しい。
イヤホンから聞こえたのは、「道明寺支社長が来場されました」との業務報告。
SPに囲まれていた道明寺をほとんど見ることはできなかったけど、あたしが選んだネクタイは使ってくれているみたいだった。


けど、あいつ、本当にすごいやつなんだ・・
今までだって、別に軽視していた訳じゃないけれど、マンションでみる道明寺は年齢相応に若々しいところもあって、なんとなく近いというか、今では家族のような付き合いになっていたから、こうして、マンションの外でみる道明寺は、妙に大人びていて、遠い世界の人に思えた。

そうだよね。もともと、住む世界が違う人なんだから・・・
あたしは、今更ながら、そんなことを思っていた。


~・~・~・~・~


お客様の誘導が一段落して、落ち着いてきた玄関フロア。
そこからは、二手に分かれて、会場内での案内係になる。
あたしは、道明寺の出席するパーティーの方へ向かった。
すでに開演から30分が経過していて、中では今回のプロジェクトの説明が、道明寺がトップとなり進んでいるところだった。

あいつ、かっこいいじゃん。
そんなことを思いながら、会場内をチェックする。
早くから来られていたお客様の残したグラスなど片づけて歩く。

ふと檀上をみると、きれいな女性と握手を交わす道明寺の姿。
そして、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
何?これ。

マスコミはある程度制限されているため、野次が飛ぶようなことはなかったけど、それでもマスコミがこぞって、二人の写真を収めている。
「明日の朝は、道明寺司と北村京子で決まりだな。」
そんな声が聞こえた。


ふーん。そうなんだ。あいつには、そういう人がいる訳ね。
まあ、お金持ち同志で、お似合いなのかな。
ついつい、ぼーっと二人を見てしまったあたし。
気のせいかも知れないけどけど、道明寺と目があったような気がした。


 

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いつも応援ありがとうございます。
コメディだったはずなのに、コメディの要素がない・・・。
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  1. 理想の恋人
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは(^^)

  1. 2016/10/28(金) 21:07:18 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
いつも拍手やコメント、本当にありがとうございます!

さてさて、これからの展開は内緒にしておこうと思いますが、そんなにシリアスではないです。
案外、安心して読めるネタではないかと。
一応、プチラブコメを目指したいんですが、書くのは結構難しいことが判明(笑)。
でもまぁ、これもまた経験ですね。
頑張ります。

しばらくは、お口にチャックで黙々とお話しを進めようかな~。
ついつい余計なことをコメントしちゃう癖がついてしまったみたいです。へへ。

週末は休まず更新予定。
皆様もお暇なときに覗いてください。
良い週末を~。

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  1. 2016/10/28(金) 06:43:35 |
  2. |
  3. [ edit ]
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