花男の二次小説になります。つかつくonlyです。

With a Happy Ending

相当気合が入っていた俺だったが、翌朝出鼻をくじかれた。
パーティー翌日の新聞は、俺と北村京子の記事であふれ返っていた。 

『道明寺司氏、北村貿易令嬢と交際中!』
『両家公認!婚約発表間近か?!』

出し抜かれた!と思ったのも後の祭り。
俺の女嫌いはマスコミにも周知の事実で、今までは女とパーティーで握手したぐらいで、それほど大きな記事を書かれるようなことはなかったし、書かせなかった。
それなのに、これほどに熱烈な恋人関係と書かれているところをみると、北村サイドが書かせたに違いない。
やられたな。
北村め、このままじゃ済まさねぇぞ。


朝食の時、ちらっとあいつを見ても、特に気にしている様子はねぇ。
お前、俺に恋人がいても気になんねぇの?
少しは気にしろよ。

俺は朝食の間もずっと頭を悩ませていたっつーのに、当のこいつからは全く期待外れな言葉。
「ねぇ、道明寺。昨日の、あの人にお礼がしたいの。連絡とってもらえないかな?」
「あ?」
昨日って、類のことか?
「昨日、助けてもらったから、お礼がしたいなって思って。」
まさか・・、お前、類に惚れたとかねぇよな?
「俺が、伝えとく。」
と言った俺に、
「ええ~。そういうことはちゃんと自分で伝えないとダメ。連絡つけてくれるだけでいいから。そしたら、自分で会いに行ってくるから。」
なに言ってんだ?二人きりで会うつもりかよっ。
「分かった。後で、聞いてみるわ。」
後で、適当に類のやつに言っとくか。
「今じゃだめかな?朝、早すぎる?」
牧野の期待のこもった視線。
ハッと気付く。
類の奴は朝に弱い・・よしっ。

牧野の視線を受けながら、無言でスマホを操作する。
3コールで・・・類の奴が出やがった。ちっ、なんだよっ!

「司、なに?」
「お前、何で出んだよ。」
「自分から電話しておいてなに?」
「・・・あぁ。牧野が、昨日お前に助けてもらったらしくて、礼がしたいとか言ってる。」
「牧野?昨日、変な親父にからまれてた子?」
「ああ。俺のメイドなんだわ。」
「ははーん。なるほどね。」
なるほどって、なんだよ。
「お前も忙しくて、時間ねぇよな。」
俺は適当に話を切り上げようとしたのに、類の奴が、
「今日、司んとこで打ち合わせあるよね。その後なら空いているけど。司んちに行けばいい?」
バカかっ。マンションなんかで会わせるわけねぇだろうがっ。
「類、無理しなくていいぞ。」
「別にいいよ。俺、打ち合わせの後は予定ないから。14時からだったよね、打ち合わせ。」
・・・。確かに今日は花沢との打ち合わせが入っていたと思う。
仕方ねぇ。マンションなんかで二人で会わせるぐらいなら、会社で会わせるか。
「じゃあ、それで頼むわ。」
そう言って、溜息をつきながら電話を切る俺。

牧野に視線を戻すと、期待がこもった視線がいてぇ。
「どうだって?」
「あぁ、今日、類が打ち合わせで会社に来るから、その後ならいいってよ。15時過ぎには終わるから、15時頃に会社に来いよ。」
「会社って、道明寺ホールディングス?」
「それっきゃねぇだろ?」
「いや、なんか緊張するな。」
「受付には伝えとくから、IDカードもらって上がって来いよ。」
「大丈夫かなぁ。」
「大丈夫だろ。なんかあったら、西田に連絡入れろ。」
「うん。でも、ありがとね、連絡してくれて。さて、今日は忙しくなるなぁ。早速準備して、時間休とらなきゃ。タマ先輩にも連絡しておかなきゃだわ。」

準備って、なんだよ。
何をそんなに気合い入れてんだよ。
はぁ。本当にこの女は何にもわかっちゃいねぇ。
俺は、牧野に気付かれないように、小さく息を吐いた。


*****


今回、若手経営者たちが企画するプロジェクトでは、道明寺と花沢がツートップの役割を果たす。もちろん、北村貿易も入っているが、俺たちほどの役割は持たせていない。道明寺と花沢を中心に、その他の多くの企業をまとめていく予定だ。
今日は、今後のスケジュールと引き込む企業の分担を確認した。得意分野が異なる2社だったから、それほど揉めるようなこともなかったが、結局終わった時には、15時半を過ぎていた。

類と握手をし、そのまま俺の執務室へ移動した。
その時に、俺は類に尋ねた。
「お前、なんで牧野のこと助けたんだよ。お前って、そういうキャラじゃねーだろ?」
「ぷっ。」
「なんだよ。」
「司、気付いてないの?」
「あ?」
「司、パーティーの時、檀上からずっとあの子のこと見てたよね。」
あぁ?お前、見てたのかよ。
「だから、だよ。」
「はぁ?」
「まさか、司んちのメイドだとは思わなかったけどね。司、あの子のこと気になってるんでしょ。」
くっ、くっ、くっ、と類が笑った。

まさか、類にそんなことを言われるとは・・。
けど、類は個人的に牧野に興味があったってわけじゃねーんだな。
俺は少し、ほっとした。

「司が女に興味を示すなんて、珍しいじゃん。これは、見逃せないでしょ。」
類がいたずらっぽく、俺を見る。
どうやら、俺の気持ちは筒抜けのようだ。


しっかし、類ですら気付く俺の気持ちに、当の牧野は全く気付かねぇって、どんだけあいつは鈍感なんだ。
そんなことを思いながら、俺は牧野が待つ執務室のドアを開けた。


 

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  1. 理想の恋人
  2. / comment:2
  3. [ edit ]

こんばんは(*^_^*)

  1. 2016/11/01(火) 02:19:03 |
  2. URL |
  3. happyending
  4. [ edit ]
いつもコメントありがとうございます。
本当に鈍いよ。
原作のつくしもちょっとイラってくるところがあったなぁとおもいつつ…。
そろそろ坊ちゃんに動いてもらいます!

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  1. 2016/10/31(月) 06:56:08 |
  2. |
  3. [ edit ]
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