FC2ブログ

Happyending

Happyending

どうやら、これは失策だったようです......坊っちゃん。


「道明寺のバカっ!デートとか言って、本当は罰ゲームなんでしょっ!!」
「はぁっ!?いいから落ち着け。」
「ヤダっ、バカっ、離さないでっ!!」

・・・・・・。


私が牧野様に初めてお会いしたのは、楓社長が倒れたその夜のことだ。
司様に調査を依頼されていたその人物だと気付いたのはその名前が珍しかったことと、人前で寝たことなど一度もない司様が牧野様の部屋で安心したように眠ってしまったから。

何という巡り合わせ。
牧野様は司坊っちゃんの長年の想い人だったのだ。

坊っちゃんの渡米と同時に仕え始めて約8年。
このような日が来るとは思いもしませんでした。

まさか・・・『片想い』をする坊っちゃんに会えるとは。


道明寺家の跡取りとして常に注目を集めている司様の周囲には、老若男女問わず、彼の機嫌を伺う人間ばかり。そんな中、ここまで司様を振り回す女性がいたとは驚きでした。
そして、牧野様を見つめる坊っちゃんの視線の甘いこと!
こんなにも人間らしい坊っちゃんを見ることができるなんて、感無量でございます。

ですが、誤算は牧野様。
一言でいえば、とんでもなく鈍い方なのだ。
我が坊っちゃんはビジネスには長けているものの、恋愛はズブの素人。ご友人たちのように恋の駆け引きなどできず、常に直球勝負。ですから、こちらが恥ずかしいぐらいに分かりやすいアプローチをされているのに、それを完全スルーできる牧野様には感服です。

しかも、楓様までが援護射撃をする前代未聞の事態となっているにもかかわらず、どこまでも勘違いをしている牧野様にはもう笑うしかなく、ほのぼのとしたお二人のやり取りはこちらが癒されてしまうほど。
そしてそれは坊っちゃんも同じなのでしょう。天然過ぎる牧野様の行動を優しい瞳で見つめ、笑顔を向けていらっしゃるのだから。

なるほど。
坊っちゃんに必要な方は、どこぞの令嬢ではない。
坊っちゃんを偶像視せず、不器用なただの男として見てくれる裏表のない女性。
そう、牧野様こそがぴったりなのだ。


ということでこの西田、100%坊っちゃんを応援すると決めました。

新規ホテル事業の候補地視察に牧野様を連れて行くと言い出した坊っちゃんは、それはもう朝からウッキウキで、午前中の仕事もサラリと片付ける手際の良さ。
私も粗相のないようにと、ヘリの準備に抜かりなかったのですが・・・

なんとっ!
牧野様は高所恐怖症だったようで、ヘリを見るや否やへたり込んでしまったのです!
飛行機にも乗ったことがないのだそうで、

「お前、飛行機も乗れなかったら、ハワイどころじゃねぇだろ。」
と呆れる司様に対して、
「じゃあいい。行かなくていい。」
と不貞腐れてしまう始末。

...........いえ、それは困ります。
道明寺の本拠地はアメリカNYですから。
今後も飛行機での移動は欠かせません。


結局、坊っちゃんが牧野様を俵の様に担ぎ上げ、無理矢理ヘリに乗り込んだのがつい5分前のこと。

「絶対に離さないでっ!お願いっ!!」
「分かったから、少し落ち着いてくれ。余計に揺れるぞ。」
「ぎゃーっ!!」

...........いや、これはこれで良かったのかも知れません。
セーフティーベルト締めた牧野様はぎゅっと坊っちゃんの首にしがみ付いたまま顔を上げようとせず、坊っちゃんは牧野様の髪やら背中やらに触れたい放題。

「絶対罰ゲームだ...」
「だから、何の罰なんだよ。」
「あれでしょ?昨日、道明寺を抱き枕にしたから怒ってるんでしょっ!」

なんと、牧野様・・・坊っちゃんを抱き枕にした模様。
さすが...
そして、それにもかかわらず何の進展もないのもさすが...

「怒ってねぇよ。」
「うそっ、眠れなかったって言ったでしょ?」
「そりゃ眠れねーだろ。好きな...ガタッ」
「ぎゃーっ!!」

何とタイミングの悪い。
ですが、この状況で何を言っても牧野様には通じないでしょう。
この二人、似ているのです。思い込んだら周りが見えないところが...。

ハァ...
ここは可愛い坊っちゃんのため、私が一肌脱ごうかと、そう思った時でした。



「牧野、見てみろって。」
「やっ!」
「すげぇ景色いいから。」
「無理怖い。」

「あれだ。山が見えるぞ。富士山?」
「えっ?富士山?」

なんと、ここで坊っちゃんのファインプレー!!

いつの時代であっても、日本人は富士山に魅かれるもの。
牧野様も『富士山』の言葉に顔を上げました。
そのまま坊っちゃんの上に身を乗り出し、窓の外を覗くと、

「わぁ~、すごーい。きれぃ...」

先ほどまでの騒ぎはどこへやら。
初夏の富士山にすっかり夢中になっています。


「ねぇ、ねぇ、道明寺、見て?富士山だよ。」
「分かってる。俺が教えたんだろーが。」

すごい、すごいと坊っちゃんの胸をバンバンと叩く牧野様。
そんなことができる女性はあなた様しかいません。

「ちゃんと見てっ!雪が少しだけ残ってるっ!」
「だな。」

残念ながら、坊っちゃんの熱い視線を牧野様は全く気付いていないようですが...


富士山が坊っちゃん側に見えて良かった。
坊っちゃんに密着したまま窓の外を眺める牧野様。

牧野様が楽しんでいると、坊っちゃんも幸せなようです。
遅れてきた青春というものなのでしょうか?
坊っちゃんには初めての...春?



牧野様、お願いします。
仕事のことなど気になさらずに、ずっと笑顔でいてください。
貴方様は、坊っちゃんの傍にいてくださるだけでいいのです。
そうすればこの道明寺HDはこの先も安泰です。

そしてできることならば、
どうか、坊っちゃんの気持ちに気付いて下さいませ。

私はその日を、楽しみにお待ちしております。




にほんブログ村

いつもたくさんの応援をありがとうございます。
短いですが、西田さん目線の二人でした(*^^*)
関連記事
Posted by

Comments 11

There are no comments yet.
Happyending  

拍手コメ 澪ちゃん様

ふふっ、つくしちゃんにも苦手がありました!
もちろん私も、司の幸せを願ってます(*^^*)
今回は虐めちゃってますけど~(;´・ω・)

いつもお付き合いありがとうございます(*^^*)

2020/08/01 (Sat) 23:55 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
Re: タイトルなし

あ●様

気付いて下さいました?(´艸`*)
へへっ。本当は別なお話で考えていたのですが、あ、ここがあるな...と(笑)。
まぁ、司がウハウハしただけですが...(;^_^A
次のお話で書きましたが、つくしちゃん、足元が揺れるのがダメみたい(笑)。

私も高い所ダメです。飛行機もかなり頑張って乗ってます。
こんなこと言ったらダメなんでしょうけど...もしもの時も一人じゃない...とか祈りながら...(;^_^A
ヘリはたぶん乗れないと思います。怖すぎて...。
怖いから、できるだけ司も乗って欲しく無いぐらい(笑)。


あ、そうなんです!
自己評価が低いんです。
これにはちょっと理由があって...(;^_^A
それはまた先になるかな。

神尾先生の原画展、あったら行ってみたいな~。
でも東京だろうな~。
それまでにこの世界が落ち着きを取り戻していますように☆彡

2020/08/01 (Sat) 23:53 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
Re: タイトルなし

花●様

何気に『離れないでっ』とか言われて、絶対嬉しかったですよね~(≧▽≦)!!
はい、ちゃんとお仕事に向かいました('◇')ゞ

でも、ここで...坊っちゃんの回想もどうぞ(´艸`*)ププッ

あ、いつもは富士山が見えるんですね~。
いいなぁ。見えたらラッキーって思いそう( *´艸`)

いつもコメありがとうございます(*^^*)

2020/08/01 (Sat) 23:47 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
Re: タイトルなし

スリ●様

そう、つくしちゃんの鈍感さがあるからこそ、8年ぶりの二人が自然なのです!(笑)
ヘリ...私、乗ったことないですが、怖いんじゃないかと...。
私もたぶん乗れないと思うんです。怖くて...(笑)。

実は飛行機も怖いんですが、なんとか頑張って乗ってます。

えっと、ここで半分来てないぐらいかな?(・_・;)
本当はここまでを15話ぐらいで納めるつもりだったのに、もういいやーとあれこれ思ったこと書いたらこんなことに...(;^_^A
ここからがなかなか大変なんですが...

明日じっくり展開考えます。
いつもコメありがとうございます!(*^^*)

2020/08/01 (Sat) 23:43 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
Re: タイトルなし

ka●様


つくしちゃん、どこまでも鈍感...(笑)
でも、こうなったのにも実は軽く理由があるのです( *´艸`)
それはいつかまた(*^^*)

日に日に感染者が増えていますね。
私の周りも続々と...といった感じです。
軽症でも後遺症があるとも聞きますし。本当に怖いです。

なかなかお話も進みませんが(;^_^A
覗いて頂き感謝です!(*^^*)

2020/08/01 (Sat) 23:40 | EDIT | REPLY |   
Happyending  
Re: タイトルなし

ふぁ●様

へへっ、コメありがとうございます(*^^*)
ガツンといったらお話が終わっちゃうから行かないのです(笑)。
今回はこうやって片想いをする司が書きたくて...(笑)。

新幹線から富士山が見えた時の高揚感!すっごく分かります。
飛行機でも!

ふふっ、どうか、西田さん同様に、二人を温かい目で見守ってやってください(*^^*)

2020/08/01 (Sat) 23:37 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/07/30 (Thu) 20:14 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/07/30 (Thu) 08:01 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/07/30 (Thu) 07:01 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/07/30 (Thu) 07:01 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/07/30 (Thu) 01:03 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply